2020年4~6月期のGDP、リーマン・ショック超え戦後最悪のマイナス成長に

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内閣府が17日発表した20年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比7.8%減、年率換算で27.8%減だった。3四半期連続のマイナス成長となり、09年1~3月期に前期比年率17.8%減を記録したリーマン・ショック時を超え、戦後最悪となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言による外出自粛で、GDPの半分以上を占める個人消費が激減、世界的な経済停滞で企業の設備投資と輸出も大幅に減少した。

GDP成長率(季節調整済前期比)は名目は7.4%減(年率26.4%減)となった。実質GDP成長率(季節調整済前期比)に対する内外需別の寄与度を見ると、国内需要(内需)は4.8%減で3四半期連続のマイナス寄与。財貨・サービスの純輸出(外需)は3.0%減少、2四半期連続のマイナス寄与となった。

民間需要では、民間最終消費支出は実質8.2%減で3 四半期連続のマイナス。パソコン、エアコンなどが増加に寄与した一方、外食、旅客輸送、娯楽サービス、宿泊などが減少した。民間住宅については、実質0.2%減少で3 四半期連続の減。民間企業設備については実質1.5%減で、2 四半期ぶりの減少となった。総固定資本形成の動きを見ると、自動車等への支出が減少に寄与したとみられる。

公的需要では、政府最終消費支出は実質0.3%で8四半期ぶりの減少。公的固定資本形成は実質1.2%増で2四半期ぶりの増加。公的在庫変動のGDP寄与度は実質0.0%で横ばい。輸出入の動向は財貨・サービスの輸出については実質18.5%減少で2四半期連続の減少。

財貨については自動車など、サービスについては旅行(訪日外国人の国内消費)がマイナスに影響した。財貨・サービスの輸入は実質0.5%減少で3四半期連続の減少。財貨については自動車など、サービスでは日本人の旅行者による国外消費などが減じた。

設備投資や公共投資なども含めた国内経済全体の物価動向を表す指標とされるGDPデフレーターは、季節調整済前期比で0.5%となった。国内需要デフレーターは前期比0.8%減となった。外需デフレーターはプラスに寄与した。GDPデフレーターの前年同期比については、1.5%となった。

今回の1次速報における供給側推計の6月の補外方法については、新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定に基づく緊急事態宣言が 5月25日に全国で解除されたことを踏まえ、従来の補外方法ではとらえきれない基礎統計の動きも予見されることから補外方法を変更している。また、新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、推計する系列が過去の動向と大きく異なる動きが予見される中、季節変動や不規則変動をより適切に推計するため、第2四半期は、民需・外需の全ての系列に加えて、政府最終消費支出(個別消費)を対象として加法型異常値処理のダミー変数を設定した。

5月に景気が底を打ち、第3四半期(7-9月期)はプラスに転じるとの民間予測もあるが、8月下旬の時点でなお感染拡大が広がっており、消費や輸出の回復にはなお時間を要するという見方が強い。7―9月期の1次速報値の公表予定は11月16日。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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