不動産売却、仲介会社を途中で変更する方法は?タイミングや解約手順を解説

不動産売却をスムーズに進めるためには、信頼できる不動産会社に依頼することが重要なポイントとなります。売却活動の内容に納得できなかったり、会社や営業員のやる気に満足できなかったりする場合は、仲介会社を変更することも選択肢の一つです。

そこでこの記事では、不動産売却の途中で仲介会社を変更する方法、変更するタイミング、途中で変更する際の注意点について詳しくご紹介します。不動産売却の検討している方や、不動産売却を進めている方は、参考にしてみてください。

目次

  1. 不動産仲介会社の変更ができるタイミングは?
    1-1.不動産の査定時
    1-2.媒介契約前
    1-3.媒介契約後
    1-4.不動産売買契約後
  2. 媒介契約の種類
    2-1.一般媒介契約
    2-2.専任媒介契約
    2-3.専属専任媒介契約
  3. 仲介会社を途中で変更する手順・方法
    3-1.一般媒介契約の場合
    3-2.専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合
  4. 仲介会社を途中で変更する際の注意点
    4-1.変更時のトラブルを避ける
    4-2.契約を途中で解除できる「合理的な理由」とは
  5. まとめ

1.不動産仲介会社の変更ができるタイミングは?

売却活動の途中で仲介会社を変更することは基本的に可能です。不動産売却の流れと仲介会社を変更できるタイミングを時系列順に整理すると次の通りです。

1-1.不動産の査定時

売却査定の段階では、複数の売却査定を受けた中から媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶことになるため、どの会社を選んで契約するかは売主が自由に決めることができます。

1-2.媒介契約前

売却査定を受けた中から媒介契約先として1社を選んだ場合でも、媒介契約締結前なら他の仲介会社に変更することが可能です。仲介会社を1社に決めるのが不安な場合、一般媒介契約を結んでおくと、並行して複数の仲介会社と契約することができます。

1-3.媒介契約後

媒介契約締結後でも他の会社に仲介を変更することは可能ですが、締結した媒介契約の種類によっては注意も必要です。

一般媒介契約の場合、複数の仲介会社と媒介契約を結ぶことができるため、新しい仲介会社を見つけては契約し、売却活動を進めていくことができます。

しかし、「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」の場合、契約先以外の仲介会社と契約することはできません。

専任媒介契約および専属専任媒介契約を結んだ後で仲介会社を変更にするには、先に契約を解除するか、契約期間が満了するのを待って新しい仲介会社に変更(契約)する必要があります。

1-4.不動産売買契約後

購入希望者と売買契約を締結した後は、仲介会社の変更は原則できません。契約先の仲介会社は、契約内容に従って広告や販売活動を進め、買主を見つけてきて売買契約を成立させているため、この段階で無理に仲介会社を変更しようとすると、法的なトラブルに発展する可能性もあります。

また、売買契約は締結していなくても、仲介会社が不動産の買い手を見つけ、その買い手が不動産の買付証明書を提出した後は、特段の合理的な理由がない限り、仲介会社の変更は難しくなります。

このように、仲介会社の変更は、まだ不動産の買主が決まらない売却活動の途中であれば可能ですが、その変更のタイミングは媒介契約の種類で異なってきます。

複数の仲介会社と契約できる一般媒介契約では、変更するタイミングをあまり気にする必要はありませんが、専任媒介契約および専属専任媒介契約では、変更のタイミングに注意することが大切です。

2.媒介契約の種類

媒介契約は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類に分けることができます。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社への依頼 × ×
自分で見つけた買主との単独契約 ×
指定流通機構への登録義務
販売活動の報告義務
契約期間 規制は無し 3ヵ月以内 3ヵ月以内

※指定流通機構(レインズ)は、不動産流通機構が運営しているネットワーク・システムで、不動産業者間でリアルタイムの情報交換ができる。

2-1.一般媒介契約

一般媒介契約は複数の仲介会社と契約が可能なため、物件を広く周知できるという特徴があります。また、仲介会社同士で売却活動を競争させることができるのもメリットです。

一方、専任契約でないため仲介会社が売却活動に力を入れてくれないなども可能性があります。また、レインズへの登録義務がなく、売主への活動状況報告も任意なのもデメリットに挙げられます。

2-2.専任媒介契約

専任媒介契約は1社とのみ結ぶタイプの契約となるため、契約相手が売却活動に力を入れてくれるなどのメリットがあります。売却活動を行えるのは、専任媒介契約を結んだ不動産会社のみですが、売主自身で購入者を見つけてくることは可能です。また、レインズへの登録義務や、売却活動の状況報告義務があるのも特徴です。

一方、1社のみとの契約を結ぶことになるため物件の周知範囲も限定されます。このほか、仲介会社が自社経由の買い手を優先しようと、他社経由の申し込みや照会を断る可能性もあります

2-3.専属専任媒介契約

専属専任媒介契約も1社とのみ結ぶタイプの契約ですが、専任媒介契約のように売主自身で購入者を見つけてくることはできない点が異なります。また、レインズの登録義務も「5日以内」と短く、売主への活動状況報告は週1回に増えます。

3.仲介会社を途中で変更する手順・方法

次に、販売活動の途中で仲介会社を変更する手順や方法について見ていきましょう。

3-1.一般媒介契約の場合

一般媒介契約は、複数の仲介会社との契約が可能なタイプです。例えば、A社と一般媒介契約を結んだ後でも、新たに依頼したいB社と一般媒介契約を結ぶことができます。

この場合、A社と契約を解除する必要はなく、A社とB社が同時に売却活動を進めることが可能です。

また、最初のA社との契約を続けたくない場合、契約書上の契約期間が満了する時点で仲介契約を終了させるとの連絡を入れておくとスムーズに終了できます。

一般媒介契約では、買主が決まっていない限り、不動産の売却活動の途中であれば、仲介会社の変更は自由にできるので、タイミングを気にする必要はありません。

3-2.専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合

専任媒介契約および専属専任媒介契約の契約期間は3か月以内と決められており、実務上でも3か月間に設定するケースが多くあります。契約相手以外の仲介会社と契約を結ぶことはできないため、契約期間である3か月間は、売却活動を1社に任せることになります。

なお、専任媒介契約・専属専任媒介契約では、契約期間の途中で特段の合理的な理由がないにもかかわらず契約解除を申し出ると、仲介会社から売却活動に要した費用を請求される場合もあるため注意が必要です。

仲介会社は、不動産を売るために広告宣伝費や人件費をかけています。仲介会社の途中変更に関する規定は、契約書類の条文にも記載されているため、しっかりと確認しておくことが大切です。

専任媒介契約や専属専任媒介契約をスムーズに契約を終了させたい場合、契約期間が満了するまで待ってから、その時点で契約更新をしない意思表示をします。

なお、これらの媒介契約は自動更新されません。仲介会社から契約更新の案内をされる場合もありますが、契約更新はしない旨を返答すれば更新されません。

4.仲介会社を途中で変更する際の注意点

不動産売却の途中で仲介会社を変更する際はトラブルが生じないように注意することも大切です。

4-1.変更時のトラブルを避ける

媒介契約の期間中は他社との契約が禁止されている専任媒介契約や専属専任媒介契約で注意するほか、複数の契約が認められている一般媒介契約でも、契約相手とのスムーズな契約終了に配慮することが大切です。

一般媒介契約でも、契約期間中に突然契約を解除されると、仲介会社側は業務計画や人員配置などに影響が生じてくる可能性があります。

仲介会社は、同業間で物件情報を共有していることも少なくありません。自分勝手な都合で頻繁に変えていると、不動産業界に噂が広がり、契約自体を敬遠される可能性もあります。

4-2.契約を途中で解除できる「合理的な理由」とは

契約期間途中であっても、仲介会社に明らかな契約義務違反などがあるなど合理的な理由がある場合、契約解除が可能です。これは、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約のすべてに共通する事柄であり、合理的な理由としては以下の内容が挙げられます。

  • 契約相手が、契約上の義務を履行しない場合
  • 契約相手が、業務遂行上信義誠実の原則に違反した場合
  • 契約相手が、契約にかかる重要な事項について故意または重過失により事実を告げず、または不実のことを告げる行為をした場合
  • 契約相手が、宅地建物取引業に関して不正または不当な行為をした場合

専任媒介契約と専属専任媒介契約では、仲介会社にレインズへの登録義務や売主への活動状況報告義務があるため、これらの義務を果たさない場合も正当な契約解除の理由になり、契約解除による違約金が発生することもありません。

一方、売主側に契約義務違反があった場合、契約相手である仲介会社から違約金を請求される場合があるため、注意することが大切です。

5.新しい不動産仲介業者の探し方

不動産仲介を切り替えられる・契約の解除ができるタイミングであれば、新しく仲介を依頼する不動産会社を探しましょう。

不動産会社を切り替える際は1社だけでなく複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定価格や査定の根拠、担当者の対応力の比較を行うことが大切です。

下記は複数の不動産会社へ無料で一括査定依頼ができる「不動産一括査定サイト」の一覧です。これらの不動産一括査定サイトでは、悪質な不動産会社の排除を積極的に行い、全国エリアに対応している特徴があります。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国900店舗。利用者の96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 15年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国3100社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
HOME4U 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国1800社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除
イエウール 株式会社Speee 全国1600社以上、悪徳企業は運営企業が排除。最大6社に無料で不動産の一括査定

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

なお、これらの不動産会社には、不動産会社の切り替えを検討していること、何が問題で切り替えを検討しているのかを伝えておくと良いでしょう。

「査定価格から徐々に値下げ交渉をされた」「売却活動の報告が無かった」など、問題点を伝えることで新しい不動産会社でしっかりと対応され、問題が解消される可能性が高くなります。

まとめ

不動産売却の途中における仲介会社の変更は可能ですが、不動産売買契約締結後、または買主が決定した後は難しくなります。また、契約相手に義務違反など合理的な理由があれば、契約中の途中解除も可能です。

なお、1社と媒介契約を結ぶのが不安な場合は、複数の不動産会社と契約できる「一般媒介契約」を選ぶことも可能です。一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約は、契約期間中は新しい仲介会社と契約を結ぶことはできません。

さらに、契約期間中の途中解除は、仲介会社から売却活動に要した費用を請求される場合があるので注意しましょう。いずれにしても、不動産売却の途中で仲介会社を変更する場合、契約先とトラブルにならないように丁寧に進めることが大切です。

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