投資というと、まとまった資金がなければとできないと思っている方も少なくありません。しかし、現在ではポイントを使った投資サービスや少額から投資できる商品・サービスが数多く提供されています。
日々の支払で貯まったポイントを投資に活用したり、貯金に回していた月々の少額資金を投資してみたいと考えている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、ポイント投資や少額投資ができるサービスを紹介します。ポイント投資・少額投資を始めたい方は参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定会社・特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- ポイント投資のメリット・デメリット
- 少額投資のメリット・デメリット
- ポイント投資や少額投資ができる7つの商品・サービス
3-1.投資信託
3-2.国内株式(単元未満株)
3-3.米国株式
3-4.国内ETF
3-5.ソーシャルレンディング
3-6.不動産型クラウドファンディング
3-7.ロボアドバイザー - まとめ
1.ポイント投資のメリット・デメリット
ポイントを使った投資には、ポイント投資型とポイント運用型の2種類の投資方法があります。
- ポイント投資型:保有しているポイントを証券会社で現金化し、株式や投資信託などを売買して現金を増やす投資
- ポイント運用型:保有しているポイントを現金化せずに運用して、ポイントを増やす運用方法
ポイント投資は、特定のサービスの利用で貯まったポイントを活用するため、自己資金を減らすことなく投資ができます。投資へのハードルが下がり、気軽に投資を始めやすいという特徴があります。実際の投資・運用を行うことで、経験や知識を習得できるというのもメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、現金での投資と比較してポイント投資ができる投資商品が限られるという点が挙げられます。また、ポイント投資は主に少額での取引回数が増えるため、取引手数料がかかる投資商品を購入した場合は取引回数によってコストが割高になることもあり、注意が必要です。
2.少額投資のメリット・デメリット
少額投資とは、文字通り少額の資金で行う投資のことをいいます。明確に定義されているわけではありませんが、利用するサービスによっては100円や1,000円、10,000円といった金額で投資が可能です。
少額投資では、無理のない範囲の金額で投資ができるというメリットがあります。まとまった資金がなくても投資ができ、仮に損失が発生しても損失額が少なくて済むため、投資初心者でも検討しやすい投資といえます。
また、投資額が少額で済むため、複数の金融商品に分散投資がしやすいというメリットもあります。分散投資を行うことで、リスクを抑えた運用が可能になり、様々な投資商品の投資経験を積むことにも繋がります。
デメリットとしては、少額とはいえ元本割れを起こす可能性があるということが挙げられます。また、損失額を抑えられる一方で、利益額も少なくなるため、資産を大きく増やしたい場合には向いていないといえます。
さらに、ポイント投資と同じように、少額での取引が多くなるため、取引回数が多いと手数料が割高になる可能性もあります。
3.ポイント投資や少額投資ができる7つの商品・サービス
ポイント投資や少額投資ができる金融商品やサービスには下記のようなものがあります。
- 投資信託
- 国内株式(単元未満株)
- 米国株式
- 国内ETF
- ソーシャルレンディング
- 不動産型クラウドファンディング
- ロボアドバイザー
3-1.投資信託
投資信託はポイント投資や少額投資ができる金融商品です。投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する商品のことをいいます。
投資対象は、各投資信託の運用方針によって異なり、専門家は運用方針に従って、さまざまな金融資産を組み込んだファンドへと投資します。出資した投資家は、運用成果によって投資額に応じた分配金(リターン)を得られます。
運用成果は市場の影響によって変動し、利益・損失のどちらも発生する可能性があり、損益は投資額に応じて投資家にかえってくることになります。
ネット証券を利用すれば100円から投資信託を購入でき、専門家が投資家の代わりに運用を行ってくれるため、運用の手間が掛からないというメリットがあります。
また、多くの投資信託は様々な金融資産を組み込んだファンドへの投資を行うことから、単一商品の購入で複数の投資対象へ分散投資が可能で、リスクを分散しながら資産を運用できます。
一方で、運用を委託するための信託報酬や販売買付手数料、ファンドの管理費用などのコストや、解約して換金する場合にも信託財産留保額といった費用が発生するなどのデメリットがあります。
楽天証券やSBI証券、auカブコム証券などでは、各証券会社が提携・提供しているポイントを利用して投資信託を購入できます。
また、ネット証券などでは100円から投資信託を購入できる場合が多く、投資信託の積立も多くの証券会社で100円から購入可能です。
【関連記事】ポイントで投資信託が購入できるネット証券会社
3-2.国内株式(単元未満株)
国内株式もポイントによる投資や少額からの投資が可能です。国内株式を証券取引所で売買する場合、100株単位での取引がルールとなっていますが、証券会社によっては1株単位(単元未満株)での取引サービスを提供している場合があります。
仮に株価5,000円の国内株式があった場合、最低でも50万円程度の費用が必要になるところ、単元未満株サービスを利用すれば5,000円から株式を購入可能です。(※取引手数料、税金などは考慮していません)
国内株式の取引では、値上がり益(キャピタルゲイン)・配当金(インカムゲイン)・株主優待を受け取れる可能性があります。
一方で、価格変動リスクが伴うため、利益だけではなく、損失が発生する可能性があります。また、銘柄の流動性が低い場合、思うような売買ができないことがあり、注意が必要です。
SBI証券、マネックス証券など複数の証券会社で、単元未満株を購入できます。また、SBIネオモバイル証券やSMBC日興証券(日興フロッギー)では、ポイントを使って単元未満株を購入可能です。
【関連記事】ミニ株・単元未満株のメリット・デメリットは?購入できる証券会社も5社紹介
3-3.米国株式
米国株式は少額投資が可能な金融商品です。米国株式は国内株式のような購入単位が設定されておらず、1株から自由に購入できるためです。
米国株式の取引では、国内株式と同様に値上がり益や配当金を受け取れる可能性があります。また、米国は世界有数の経済大国であり、日本とは異なる経済圏への分散投資の効果も期待できます。
一方で、株価の価格変動リスクに加え、為替変動リスクが伴うというデメリットがあります。為替相場の状況によって、株価が値上がりしていても、利益が目減りしたり、損失へと転換したりする可能性があります。
米国株式はマネックス証券、SBI証券、楽天証券などで多くの証券会社で取り扱っています。
【関連記事】米国株取引に強い証券会社は?銘柄数・手数料から5社を比較
3-4.国内ETF
国内ETFも少額投資ができる金融商品です。ETFとは、Exchange Traded Fundの略称で「上場投資信託」のことをいいます。取引所に上場しており、投資信託でありながら株式同様にリアルタイムで売買できます。
ETF銘柄の8割近くが3万円以下で購入できるため、通常の株式投資などと比較して少額での投資が可能です。投資対象は複数の銘柄や資産となるため、ETFを購入するだけで分散投資の効果を得られるメリットがあります。
また、ETFは日経平均株価などのような指数(ベンチマーク)に連動するように運用されているため、値動きを把握しやすいという特徴もあります。
一方で、多くの金融商品と同様に元本保証がされない点や、手数料コストが発生するなどのデメリットがあります。
加えて、投資信託とは異なり、自動積立投資ができないケースがあることや利益が自動的に再投資されないこと、ETFの市場価格と投資信託としての基準価額が乖離するなどといった、ETF特有のデメリットもあります。
国内ETFはマネックス証券、SBI証券、楽天証券など、さまざまな証券会社で取引することができます。
【関連記事】投資初心者におすすめのETFは?ETF10銘柄の手数料・実績の比較も
3-5.ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングも少額投資が可能なサービスです。ソーシャルレンディングとは、インターネットで投資家からの出資を募り、ファンド業者を通じて事業者に融資を行う仕組みのことをいいます。
ファンド業者は出資を申し出た投資家と匿名組合契約を結び、出資金で行う事業で利益が発生した場合に、投資家に利益が分配されます。
また、ファンド業者は借り手の事業者と金銭消費賃借契約を結んで出資金を元手に融資を行い、事業者から返済される利息から管理報酬などを差し引いた分を投資家に分配します。
ソーシャルレンディングは、1口1万円程度の少額から投資できるサービスが多く、出資後の運用やコストが発生しないといったメリットがあります。
予定分配利回りは2%~10%程度と、リスクに応じてリターンの幅も広く、運用期間も3ヶ月~数年のものまであり、希望に合った案件を選択できやすいのも特徴といえます。
一方で、元本割れを起こすリスクがあることや、出資した資金は運用期間中に拘束されること、借り手の事業者のデフォルト(債務不履行)リスクがあるなどのデメリットがあります。
【関連記事】ソーシャルレンディング投資歴5年の私が本当に伝えたい7つのこと
3-6.不動産型クラウドファンディング
不動産型クラウドファンディングも少額から投資ができるサービスです。不動産型クラウドファンディングとは、投資家から募った資金を元手に不動産の取得・運営を行う仕組みのことをいい、不動産の運用や売却により利益が発生した場合に、投資家に利益が分配されます。
1万円程度の少額から投資可能な案件が多く、現物の不動産投資と比較して手続きや運用などに関わる手間・コストが掛からないのが不動産型クラウドファンディングのメリットです。少額資金で不動産投資の知識・経験を積みたい方にも適した投資方法と言えます。
一方で、元本保証がない点や、融資を行った場合のレバレッジ効果がない点などがデメリットとなります。投資対象の不動産の種類によって想定されるリターンやリスクの幅が広いことはメリットである反面、不動産投資になじみが無い方にとってややイメージが付きにくい投資対象であると言えます。
ポイント投資ができるサービスとしては、不動産投資会社のプロパティエージェントが提供するリンプル(Rimple)があります。
【関連記事】ポイント投資ができるソーシャルレンディング・クラウドファンディングは?
【関連記事】不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の5社を紹介
3-7.ロボアドバイザー
ロボアドバイザーも少額投資が可能なサービスです。ロボアドバイザーとは、インターネット上で簡単な質問に回答することで、資産運用の目的やリスク許容度を考慮した合理的な投資配分を提案してくれたり、資産運用をしてくれたりするサービスです。
ロボアドバイザーには、専門家の代わりに資産運用のアドバイスを行う「投資アドバイス型(助言型・アドバイス型)」と、実際の運用までを手掛ける「投資一任型(投資一括型)」の2種類があります。
投資アドバイス型では、質問に答えることで、利用者の状況やリスク許容度に応じた資産運用の最適な配分(ポートフォリオ)を提案してくれます。
投資一任型では、利用者の投資スタイルに合わせて運用方針を提案し、ポートフォリオの作成から実際の購入・運用、資産配分の見直しまで行ってくれます。また、ロボアドバイザーサービスでは、10万円以下程度の少額から資産運用が可能で、投資の知識が十分でなくても資産運用を始められるというメリットがあります。
一方で、株式トレードなどと比較すると手数料が割高になることが多いほか、利用者が投資経験を積みにくいというデメリットがあります。また、ロボアドバイザーサービスを利用していても元本割れを起こすリスクがある点に注意が必要です。
【関連記事】ロボアドバイザーの運用利回りは何%?大手4社の利回りも徹底比較
4.まとめ
今回は投資初心者の方に向けて、ポイント投資や少額投資が可能な金融商品・サービスについて紹介しました。
投資経験が少ない場合は、リスクをできるだけ抑えられる方法・手段を選択することが重要です。投資資金の代わりに保有しているポイントを利用したり、投資金額を少額にしたりすることで、損失額を抑えながら、投資経験を積むことができます。
今回紹介した商品・サービスにはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。自分に合っているものをしっかり検討してみてください。
- 海外成長国投資・インパクト投資ができるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 手数料が安いソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 不動産担保があるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 1万円から投資できるクラウドファンディングサービスの比較
- 大手が運営しているソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 利回り10%以上が狙えるクラウドファンディング投資の比較・まとめ
山本 将弘
最新記事 by 山本 将弘 (全て見る)
- COZUCHI(コヅチ)で不動産投資、メリット・デメリットは?他社比較も - 2024年11月5日
- CREAL(クリアル)の評判・口コミ・実績は?メリット・デメリット、利回りも - 2024年11月5日
- 不動産クラウドファンディングの市場規模は?件数・出資額や成功事例も - 2024年9月9日
- 金(ゴールド)投資信託のメリット・デメリットは?購入可能な証券会社も - 2024年5月27日
- 株初心者が知っておきたい売り板・買い板の見方、板を分析するメリットも - 2024年5月27日