融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や不動産投資型クラウドファンディングは、1万円など少額からの投資が可能なサービスも少なくありません。手軽に投資を始められるメリットから、投資検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、比較的に新しい投資手法である投資型クラウドファンディングは、サービスの運営元が倒産するという事業者リスクがあります。サービスの中には上場企業が運営しているものもありますが、企業規模が小さく運営年数が少ない事業者の場合、リスクはさらに高くなる傾向にあります。
事業者リスクを回避するためには、投資案件だけでなく、事業者ごとに比較することも重要なポイントです。
そこで本記事では、大手企業が運営するクラウドファンディング投資サービスをご紹介します。クラウドファンディング投資を検討する際はご参考下さい。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定会社・特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 大手企業の事業者リスクが低くなる要因
1-1.資本力があり倒産リスクが小さい
1-2.上場企業であればIR情報が公開される
1-3.複数事業展開で投資型クラウドファンディング事業以外での収益がある - 大手企業が運営するクラウドファンディング投資サービス
2-1.Rimple
2-2.大家どっとこむ
2-3.オーナーズブック(OwnersBook)
2-4.クラウドバンク - まとめ
1.大手企業の事業者リスクが低くなる要因
クラウドファンディング投資において、大手企業のサービスの事業者リスクが低くなる理由について見て行きましょう。
1-1.資本力があり倒産リスクが小さい
最初の理由として挙げられるのは、大手企業は資本力があり倒産リスクが小さい点です。
仮にクラウドファンディング投資サービスの運営会社が倒産してしまうと、資産は破産管財人の管理下に置かれます。投資家の出資分が満額返済されるとは限らず、返済されるまでにも時間がかかります。
そのため、運営会社の倒産は投資家にとっては避けたいリスクです。利益や売上げが確保されている大手企業であれば簡単に倒産リスクが低く、資本力の低いサービスと比較して事業者リスクが低いと言えます。
1-2.上場企業であればIR情報が公開される
上場企業であれば監査法人など外部の第三者機関の監査を受け会社のIR情報を公開する義務があります。会社の売上や経費の状況などが細かく公開されるので、その会社の状態を投資前に確認できます。
一方、未上場の運営会社である場合、クラウドファンディングの運営会社が公表している経営状況が正しいものであるか、投資家側からは正確にわからないことがあります。
上場企業は信憑性の高いIR情報が公開されていることで、投資判断が行いやすいメリットがあります。
1-3.複数事業展開で投資型クラウドファンディング事業以外での収益がある
また大手企業は、投資型クラウドファンディングサービス事業以外にも、複数の事業を同時に展開していることがあります。
例えば、不動産会社が不動産投資型クラウドファンディングを運営している場合、主事業が不動産の開発や売買であり、新規事業として不動産投資型クラウドファンディングサービスを立ち上げているケースが大半となっています。
投資型クラウドファンディング事業は、単体では黒字化までに時間がかかることもありますが、他の事業で売上や利益があれば、クラウドファンディング投資サービスが黒字化するまでの赤字をカバーできます。
大手企業は様々な事業を同時に展開していることで、クラウドファンディング事業の経営が悪化した際のリスクが低い特徴があります。
2.大手企業が運営するクラウドファンディング投資サービス
一定の資本力などを持った大手企業が運営するクラウドファンディング投資サービスには、どのようなものがあるかをピックアップしてみました。それぞれの内容を詳しく見て行きましょう。
2-1.Rimple
Rimpleは東証プライム上場グループ企業であるプロパティエージェント株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングです。2020年4月にクラウドファンディング投資サービスの運営を開始したばかりですが、すでにその会員数は13万人を突破しており多くの会員数を誇っています。
プロパティエージェントの売上高・経常利益
- 2020年3月期決売上高:226億7千万円
- 2020年3月期経常利益:15億6千万円
※参照:プロパティエージェント株式会社「2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」
2-2.大家どっとこむ
大家どっとこむは東証二部上場企業、株式会社プロスペクトの子会社、株式会社グローベルスが運営する不動産投資型クラウドファンディングです。
2020年12月にサイト運営を開始したばかりですが、広尾など都心の一等地のマンション案件を扱っており、サイト運営開始から多くの投資家が注目しているサービスの一つです。
大家どっとこむの特長の一つとして、セキュリティトークンを用いることで、運営途中でも自分の出資持分を他者に譲渡可能である点が挙げられます。
株式会社プロスペクトの売上高・経常利益
- 2020年3月期決売上高:67億3千万円
- 2020年3月期経常利益:△4億3千万円
※参照:株式会社プロスペクト「20年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2-3.オーナーズブック(OwnersBook)
オーナーズブック(OwnersBook)は東証グロース上場企業ロードスターキャピタルの100%子会社であるロードスターインベストメンツ株式会社が運営するソーシャルレンディングです。東京を中心に一都三県の不動産物件を運用対象とした不動産案件を専門的に取り扱っています。
通常のソーシャルレンディング案件だけではなく、より高い利益を狙えるエクイティ型案件など、多様な投資の選択肢を投資家に提供しています。
また、親会社のロードスターキャピタル株式会社は、不動産開発や販売事業を主事業としており、オーナーズブックにも不動産の専門家が運営に多数関わっています。
ロードスターキャピタル株式会社の売上高・経常利益
- 2020年12月期決売上高:169億7千9百万円
- 2020年12月期経常利益:41億6千8百万円
※参照:ロードスターキャピタル株式会社「2020年12月期決算説明資料」
2-4.クラウドバンク
クラウドバンクは第一種金融商品取引業登録の証券会社、日本クラウド証券が運営しているソーシャルレンディングです。
上場企業ではありませんが、2021年4月現在、クラウドバンクの累計報酬金額は1,300億円を突破しており、日本で運営中のソーシャルレンディングサイトでは大手の1社となっています。
米ドル建ての海外運用案件も取り扱っているなど、海外への投資が可能であり、国を対象とした分散投資がしやすくなっています。また米ドルは自動的に両替されるのではなく、任意のタイミングでの両替が可能で、為替変動リスクを低減した投資ができます。
まとめ
大手企業が運営するクラウドファンディングサービスを、ご紹介しました。中小企業と比べると、倒産の確率や不正行為の発生率は社内ガバナンスが機能する大手企業のほうが低いと言えます。
ただし、大手企業であっても、確実に倒産や不正行為が起きないとは言えません。これらの情報は投資判断を行う際の一つの要素としてとらえ、多角的な視点でリスク対策を行うことが重要となります。様々なデータや事例を元に、ご自分にあった投資先を選んでいきましょう。
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