2021年夏の時期は全国的に新型コロナウイルスの感染者数が増加し、大阪府も例外ではありませんでした。
2022年1月時点では、オミクロン株の感染拡大が懸念される中、ワクチンの普及により感染者数の推移も以前と比較して落ち着いており、今後の状況によっては経済活動の活性化が期待されています。
状況が常に変化している中で、大阪の不動産を売却するとしたらいつが良いか考えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、大阪府の不動産価格推移やコロナ感染者数推移を検証し、大阪の不動産の売り時について考察します。
目次
1.大阪府の不動産価格指数推移
大阪府の不動産価格について、2018年以降におけるマンション価格指数と戸建住宅価格指数の推移を検証します。
1-1.大阪府のマンション価格指数推移
国土交通省が発表している統計によると、大阪府のマンション価格指数は以下グラフのように推移しています。
2018年から2019年の価格指数推移と2020年1月以降の価格指数推移とを比較すると、新型コロナウイルスが流行した2020年以降の方が高くなっていました。2020年の春は概ね横ばいで推移しており、夏には一旦落ち込みを見せましたが、その後は特に値上がり傾向が顕著です。2021年の春には一旦大きく落ち込んだものの、夏には再び上昇傾向を見せています。なお、2021年9月時点におけるマンション価格指数は171.8で、統計が出始めた2007年4月以降の最高水準です。
NHKが発表している「大阪府の新型コロナデータ」によると、大阪府におけるコロナ感染者数のピークは2021年8月中旬から9月初旬頃までとなっています。
しかし、2021年8月のマンション価格は下がっていない点を鑑みると、大阪府におけるコロナの感染者数とマンション価格との間には直接的な相関性がないと言えるでしょう。
なお、2018年1月のマンション価格指数は141.2で、2021年9月までに約30ポイント上がったことになります。割合にすると約21%であり、大阪府のマンション価格は約3年で大幅に上がっています。
1-2.大阪府の戸建住宅価格指数推移
国土交通省が発表している統計によると、大阪府の戸建住宅価格指数は以下グラフのように推移しています。
グラフを見ると、戸建住宅の価格は不安定性が強いようにも見えます。しかし、変動幅は最大でも約8ポイントとそれほど大きくありません。統計からは、例えば1ヶ月で10%以上など、極端な値動きは起きていないことがわかります。長期的な価格指数推移を見ると、2019年の春から2020年11月まではほぼ横ばいで推移しています。しかし、2021年の春以降は価格上昇していると言える状況です。
また、2020年は価格指数が100を下回る時期が6ヶ月間あったものの、2021年は8月までの間に価格指数が100を下回った時期はありません。大阪府の戸建住宅は値動きが小幅なため、市況の変化を原因とした大きな価格差がつかないとも考えられます。
2.大阪府のコロナ感染者数推移
続いて、大阪府のコロナ感染者数について推移を確認するとともに、マンション価格指数との関連性を考察します。
NHKが発表している統計によると、大阪府の新型コロナウイルスの感染者数推移は以下グラフの通りです。
大阪府におけるコロナ感染者数のピークは2021年8月でした。9月も3万人以上の感染者が出ていますが、10月以降はかなり減っている状況です。
マンション価格指数推移と新型コロナウイルスの感染者数推移とを照合すると、例えば2021年3月には少しマンション価格指数が落ち込んでいます。感染者数推移を見ると、2020年11月から2021年1月にかけては、それまでよりも感染者数が増加していました。
この時期におけるマンション価格の落ち込みは、感染者数推移と相関しているようにも見えます。しかし、2021年で3番目に感染者数が増えた4月以降のマンション価格指数推移を見ると、特に落ち込みなどは見られません。
そのほか、最初の緊急事態宣言が出た2020年4月に追随するような形で、2020年6月にはマンション価格指数が少し落ち込みました。しかし、下落幅が6ポイントとそれほど大きくないうえに、7月には再び5月と同水準まで上がりました。
また、2021年8月はこれまでで感染者数が最多だったため、2021年秋以降の価格指数は再び落ち込みを見せる可能性もあります。しかし、これまでの推移を見ると、コロナの感染者数推移とマンション価格指数推移との間には、単純な相関関係にないということが分かります。
3.大阪府の感染者数と不動産価格には明確な相関関係がない
これまで見てきたように、大阪府の感染者数と不動産価格には短期的にみて相関関係がないことが分かります。特にマンションの価格が上昇している背景には、金融緩和による低金利も大きな要因として考えられます。
金融緩和が行われると市場に流れる資金が多くなり、債券から株式や不動産などのリスク資産へ資金が流れる傾向があります。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に大規模な金融緩和が行われた結果として、不動産価格を支えている側面もあると言えるでしょう。
反対に、今後コロナウイルスの影響が終息していくにつれて金融緩和が解かれ、政策金利が押し上げられる可能性があります。これまで低金利であったことが価格上昇の主な要因であった場合、不動産価格も値下がりに転ずる可能性もあると言えます。
その他、売主と買主の相対取引で価格の決まる不動産売買は、指数と全く違う価格推移をしていることも少なくありません。自身が所有する不動産のエリアや物件タイプごとに、ミクロの視点で価格推移を調査しておくことも重要なポイントとなります。
実際に市場で取引される不動産価格を調査するには、不動産会社へ定期的に査定を依頼して不動産価格を定点観測しておくと良いでしょう。
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まとめ
大阪府における住宅の価格指数推移を見ると、マンション及び戸建住宅ともに2021年は2020年よりも高水準で推移しています。長期金利の明確な引き上げ時期が示されていない状況を鑑みて、大阪の不動産は売り時であるという見方も出来るでしょう。
また、大阪のコロナ感染者数推移とマンション価格指数推移とを照合すると、感染者数の増加に伴ってマンション価格が下がっているとは言えない状況です。
一方で、売主と買主の相対取引で価格の決まる不動産売買は、指数と全く違う価格推移をしていることも少なくありません。自身が所有する不動産のエリアや物件タイプごとに、ミクロの視点で価格推移を調査しておくことも、検討されてみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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