人気の米国株インデックスファンドは?基準価額上位5本を比較

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投資信託の基準価額には純資産と口数が関係しており、基準価額が高くなりすぎており選びにくくなっているファンドもあります。基準価額は運用成績を表している数値ではない点に注意が必要です。

この記事では、米国株インデックスファンドを基準価額順に紹介し、基準価額についての解説を行っています、基準価額のことがよく分からず気になるという方は、内容をご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2021年12月16日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 米国株インデックス基準価額上位5本
  2. 米国経済の現状と見通し
    2-1.サービス消費の伸び悩みと個人消費の失速
    2-2.景気の下振れリスクと利上げのタイミング
  3. 基準価額とは?計算式や公示時間
    3-1.買い付け時との差額で損益が決まる
    3-2.基準価額の計算式
    3-3.公示時間は夜遅くに
  4. 基準価額は高いほうがいいのか
    4-1.純資産の多さと関係する
    4-2.ファンドごとの比較が難しい
  5. まとめ

1.米国株インデックス基準価額上位5本

楽天スーパーサーチを使って、楽天証券が扱うファンドから米国株インデックスファンドを基準価額順にまとめました。
数値は2021年12月14日時点の情報です。

項目 基準価額 純資産(億円) 管理費用(年率、税込) リターン/3年
SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド 62,493円 675.26 0.759% 14.42
iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド 35,281円 100.17 0.4125% 21.41
SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド(為替ヘッジあり) 32,165円 46.55 0.759% 12.72
eMAXIS NYダウインデックス 30,266円 293.06 0.66% 14.32
iFreeNEXT FANG+インデックス 29,476円 213.63 0.7755% 44.13

米国株インデックスファンドを基準価額順に見てみると、上位の5本のうち、ダウ平均株価のインデックスファンドが3本を占めていました。

基準価額は純資産額と口数の数で計算されるため、基準価額が高ければ運用成績が良いとは言い切れませんが、資金をどの程度集めているかの目安として見ることができます。

2.米国経済の現状と見通し

米国株インデックスファンドと併せて米国経済の現状も把握しておきましょう。

以下の内容は、大和総研の米国経済見通しを参考に筆者が作成しました。

2-1.サービス消費の伸び悩みと個人消費の失速

2021年下半期は、新型コロナウイルスのデルタ株蔓延によって、人々の外出意欲が低下し、サービスの消費が伸び悩み個人消費が冷え込みました。

人々が積極的に外出して、さまざまなサービスを消費することが景気回復のカギとなることを考えると、外出意欲の低下は景気回復に時間がかかることを示しています。景気回復への期待感が今後の米国経済持ち直しのカギとなるとされています。
株価は依然として好調を維持していますが、実体経済と乖離している点は抑えておきたいポイントです。

2-2.景気の下振れリスクと利上げのタイミング

今後の米国経済の先行きは新型コロナウイルスの感染状況に左右されると見られており、現状では景気の下振れリスクが高いと見られています。

インフレの加速が落ち着く状況ではなく、雇用の状況がより改善されるまでにはもうしばらく時間がかかる見通しで、スタグフレーションの懸念はまだ残り続けています。

インフレに対処するための利上げについては、FRBが2021年12月14日~15日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、従来の計画よりも早期に利上げを行うこと、2022年内に3回にわたって利上げを行う見通しを示しました。

3.基準価額とは?計算式や公示時間

ファンド選びの参考となる基準価額について、詳細を以下に解説します。

3-1.買い付け時との差額で損益が決まる

投資信託は株価と同様に、買い付け時の基準価額と売却時の基準価額の差で損益が決まります。安い基準価額で買い付けて、高い基準価額で売却するとその差が利益となります。

計算式は大まかに「(買付時の基準価額-売却時の基準価額)×保有口数÷10,000=損益」となり、より正確な損益は、買付手数料や分配金を考慮したトータルリターンとして計算されます。

保有口数が多ければ多いほど、基準価額の変動による損益の幅が大きくなります。基準価額が高いファンドは同じ金額で買い付けると、基準価額が安いファンドと比べて少ない口数しか確保できません。

買付金額10,000円で考えると、基準価額15,000円のファンドは、10,000÷15,000×10,000=6,666、基準価額50,000円のファンドは、10,000÷50,000×10,000=2,000、となり、このように基準価額の差は買付可能口数の差となって現れるのです。

3-2.基準価額の計算式

基準価額の計算式は以下の通りです。

総資産額÷口数=基準価額(一口あたりの価格)

純資産額の割に口数が少ない場合、基準価額は大きくなります。純資産額は投資家から集めた資金と、運用による信託財産の増減によって変化します。純資産額が運用によって増えているケースと、投資家からの投資によって増えているケースでファンドの状態が異なるため、基準価額の増減がそのままファンドの成績であるとは言い難いのです。

ファンドの運用成績はトータルリターンや、シャープレシオを参考に長い目で判断する必要があります。

3-3.公示時間は夜遅くに

投資信託の基準価額は知らない間に更新されている、と感じる方も多いのではないでしょうか。ファンドによって異なりますが、実際には夜の22時過ぎに更新されることがほとんどです。投資信託は株式のようにリアルタイムで価格が変動せず、この基準価額の更新をもって1日1回のみ変動するのです。

4.基準価額は高いほうがいいのか

ファンドの運用成績と基準価額には関係があるのでしょうか。ファンドの状況と基準価額の関連性について、以下に詳しく解説します。

4-1.純資産の多さと関係する

前述の通り、ファンドの基準価額は、総資産額を口数で割った数値となります。したがって、口数に対して総資産額が増加すると基準価額が増える仕組みです。

基準価額が増える主な要因は以下の2つです。

  1. 投資による資金の流入
  2. 運用による信託財産の増加

運用による信託財産の増加はファンドの運用成績が良い証拠となりますが、投資家による資金の流入は、運用会社によるプロモーションや証券会社の営業方針によって売り込まれているケースも考えられます。

信託財産の増加要因を分析すると、ファンドの運用成績の見当をつけることができますが、開示されていない場合、基準価額を運用成績の目安にすることはできません。基準価額の高騰は、「人気のあるファンドで、運用成績が良い可能性がある」程度の見方が望ましいでしょう。

4-2.ファンドごとの比較が難しい

毎月分配金を出しているファンドや、運用期間の違いによって、ファンドごとの基準価額は簡単に比較できません。投資信託は基準価額1万円からスタートしますが、運用期間中に起こる株価の変動や、その都度の追加投資されるタイミングが異なるため、基準価額はそれぞれ違うのが一般的です。

毎月分配金を出しているファンドは、分配金の分だけ基準価額が減っているので、極端に基準価額が低く表示されていることがあります。分配金をよく出しているファンドは、ファンド情報に記載されている分配再投資の基準価額を参考にしましょう。

まとめ

基準価額は純資産総額と口数の関係で決まるため、ファンドの注目度を見るためには良い指標ですが、基準価額の高さと運用成績の良さは直接関係がありません。運用成績を判断する時は、長期のトータルリターンやシャープレシオなどの投資指標と合わせて判断する必要があります。

米国株インデックスファンドには基準価額が高いファンドも見られますが、投資を検討する場合、基準価額だけで判断しないように注意しなければいけません。目論見書や月次レポートには、ファンドの運用に関する重要な事項が詳しく書かれていますので、投資の際は内容をよく読んで、運用スタイルをしっかり理解しておきましょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。