不動産投資において毎月の費用の中で最も大きい割合を占めるのが融資の返済です。不動産投資では、数千万円~一億円と融資額が大きくなるため、融資金利が高いと返済額も大きくなってしまい、毎月の収支に大きな影響を及ぼしてしまうことになります。
不動産投資会社に相談をしてから、提示された融資条件を鵜呑みにして契約まで進んでしまうケースも多いのですが、融資金利がもう少し低くできないかについては慎重に検討をすべきポイントです。そこで、この記事では、融資金利について事前に知っておきたい以下のポイントについて、詳しく解説をしていきたいと思います。
- 融資金利はなぜ重要なのか?
- 融資金利を左右する3つの「C」
- 好条件で融資を受けるには?
融資金利はなぜ重要なのか?
たとえば、融資額1億円を返済期間35年で借りる際に、金利1.5%のケースと金利3.0%のケースだと、返済すべき金額に約3303万円の違いが生じ、毎月の返済額についても8万円近くが違ってきます。
1億円の融資を受けた時の返済シミュレーション
毎月8万円という金額は、アパートやワンルームマンションであれば1室の賃料に相当します。つまり、開始時に融資金利を低く抑えることができれば、35年にわたって1室分の入居を確保し続けるのと同じ効果が得られるのです。
融資金利を左右する3つの「C」
融資の金利は、金融機関が行う融資審査によって決まります。融資審査では、Capacity(返済能力)、Capital(担保)という3つの観点から行われます。
- Capacity(返済能力)~返済する能力があるか?
- Character(返済資質)~返済してくれそうな人か?
- Capital(担保)~返せなくなった時に回収できる資産があるか?
以下では、一つ一つ詳しく見ていくことにしましょう。
返済能力(Capacity)~返済する能力があるか?
返済能力は「属性」とも言われますが、借り手に融資を返済していく能力があるかを審査するものとなります。収入はいくらか、収入が安定しているか、借入と資産の状況などから、安心してお金を貸せる人物かどうかが判断されています。
- 年齢(住宅ローンは30年前後の長期借入なので、40歳未満の若い人が好評価)
- 職業(医者、公務員、会社役員、会社員など)
- 勤務先(上場企業、中小企業、病院、省庁・市区町村など)
- 自営業の場合は、年間の売上高や利益はいくらか
- 勤続年数(年数が3年以上であれば好印象)
- 雇用形態(役員、正社員、契約社員、アルバイト、パートなど)
- 年収(年齢や勤務先などと併せてチェックされる)
- 現在の資産状況(現預金、保険、金融資産、不動産)
- 現在の借入残高(不動産投資ローン、住宅ローン、カードローンなど)
返済能力の面で高評価を受けられるのは、たとえば職業が会社員や公務員で、勤続年数3年以上、年収500万円以上、資産数百万円以上、借入なし、といった条件が揃っている方となります。必ずしも全ての条件を満たす必要はありませんが、融資に望む前に返済能力をできるだけ高めておくことが重要です。
返済資質(Character)~返済してくれそうな人か?
返済資質は、お金をきちんと返してくれる人柄なのかを審査するものです。過去の支払履歴などから、返済を遅延する可能性がないかが判断されます。
- 過去のローン返済履歴(遅延や滞納がないか)
- クレジットカードの支払い履歴(遅延や滞納がないか)
- 服装・見た目・言葉遣い(お金にルーズでないか、誠実な人柄か)
- 必要書類の準備など(期限を厳守する人か、信頼できそうか)
返済資質の審査イメージとしては、仮に借り手の持ち点が100点あるとすると、上記のポイントを確認する中で要注意の言動が見られる場合に都度で減点されていくというものになります。返済資質は、返済能力のように高評価を獲得するというより、減点対象となりうる言動に注意することが大切です。
担保(Capital)~返せなくなった時に回収できる資産があるか?
担保は、借り手が何らかの事情で返済できなくなった時に、金融機関が回収できる資産があるかどうかを審査されます。担保となる資産には、債務不履行があった時に、他の貸し手よりも優先してお金を返してもらえる「抵当権」という権利が設定されます。
担保として提供できるのは、主に以下のような資産となります。
- 現金・預金(保証金の名目で預けられているお金や定期預金など)
- 金融資産(証券・債権など)
- 不動産資産(収益不動産、自宅、相続した土地など)
- 自動車
不動産投資の場合には、まず収益不動産が担保として設定されることになります。自宅を持っている方や、多額の預金・金融資産を保有している方で、担保として資産を提供できる場合には、融資評価が高くなる可能性があります。
好条件で融資を受けるには?
自宅購入の際に借りる住宅ローンの場合、最も重要なのは「借り手の返済能力」となりますが、不動産投資ローンの場合は「収益不動産の返済能力(収益性)」が最も重要な項目となります。
たとえば、住宅ローンでは年収500万円の方が、自宅購入で1億円のローンを借りることは難しく、3000万円~4000万円程度が借入可能な金額の目安になるかと思います。一方、不動産投資ローンでは、年収500万円の方がアパートなど1億円以上の物件を購入することが可能です。この借入可能な差額が、物件の収益性によるものとなります。また、収益不動産自体が担保となるために、大きな金額のローンを借り入れることが可能となっています。
つまり、融資審査で良い評価を得るためには、「収益性が高く、担保評価も高い物件」を用意することが重要になります。収益性の高さを判断する指標となるのが、入居率の実績です。「物件の入居率はわかりません」「今は入居率が低いですが、購入後に高くできると思います」という借り手には、貸し倒れリスクを警戒して高い金利を設定することとなりますが、高い入居率が実現できそうな借り手には、金融機関も安心して好条件で融資をしてくれます。
たとえば、シノケンプロデュースというアパート経営の会社は、入居率99%(2018年3月末時点)という実績があり、シノケンプロデュースが開発・販売を行う物件は金融機関からも高く評価されています。この入居率の実績には築25年を超える物件の入居率も含まれていますが、築年数が経っても高い入居率を維持できているという点が、長期にわたって収益性が高い物件(返済能力が高い物件)として金融機関からも高く評価されているのではないかと考えられます。
また、物件のエリアも首都圏のターミナル駅から電車で30分圏内、駅徒歩10分圏内という好立地のため、長期的な賃貸需要が見込めることや資産価値が落ちにくいという特長があり、物件の品質と併せて担保評価が高くなっています。
シノケンプロデュースでは、この入居率の実績と担保評価の高さから、金利1%台でフルローンという非常に好条件な融資を実現することができています。
このように、融資金利を低く抑えるには、長年にわたる高い入居率の実績と、資産価値が高い土地・物件を取得することが大切です。現在、収益不動産の購入や融資を検討されている方は、いま購入しようとしている会社の入居率実績や融資金利などを一度確認されてみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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