【社長インタビュー】プロパティエージェント「ビジネスと同じ厳しい目線で不動産投資会社を選ぶべき」

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中西さん

不動産の開発と販売を手掛けるプロパティエージェント株式会社。主に、東京23区に集中してマンション開発を行い、2018年5月時点で入居率99.8%を実現しています。今年7月には、東証1部銘柄に指定(※2018年当時、2023年10月から持ち会社の「ミガロホールディングス」が東証プライム市場に上場)され、ますます成長を続けるプロパティエージェント。今回、HEDGE GUIDE編集部は、代表取締役社長である中西聖氏にお話を伺いました。

話し手:プロパティエージェント株式会社 代表取締役社長中西 聖 氏

    1977年生まれ。高知県出身。1995年に西砂建設株式会社へ入社し、施工管理を経験。その後大芳計画株式会社にて不動産販売事業に従事。1998年に株式会社ヴェルシステムズへ転籍。2004年、プロパティエージェント株式会社設立。建物内サービスシステム特許を取得、日本プロパティ開発株式会社取締役就任。2012年大連理工大学研修プログラム修了。城西大学大学院経営学研究科イノベーション専攻修了。2015年明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了。2015年12月に東京証券取引市場JASDAQ上場。2017年12月東京証券取引市場第二部市場変更。2018年7月に東京証券取引所市場第1部銘柄に指定。

インタビュー概要

  1. 東証1部へ市場指定後の変化
  2. なぜ都心にこだわるのか?
  3. 「スコアリング」で、確かな資産を提供
  4. 住んで良し、貸して良しの多様性に対応
  5. リスクへの取り組みと購入後のサポート
  6. 今後の取り組みについて
  7. これから不動産投資を始める方に向けてメッセージ
  8. 編集後記

1. 東証プライム上場後の変化

Q: 上場したことで社内の変化は何かありましたか?

特別強く感じることはないですが、物件の販売は上場前よりしやすくなりました。やはりお客様からの信頼度はあがったと思います。あとは新規事業を始める際に交渉をしやすくなったことですね。

Q: 業績は15期連続の増収増益ですが、どのような営業姿勢で取り組まれていますか?

当社のスタンスは、「無理なく伸びていく」ということです。それが営業姿勢にも現れていて、堅実さ、無理な販売をしないという姿勢は他社と比べても、業界の中ではダントツにトップであると自負しています。当社の人事理念に、我々のスタンスである「誠実に」という言葉が入っているので、それが他社との違いです。また、社員教育の面でもコンプライアンスの読み合わせは2週間に1度行い、違反したことに対する罰則はかなり厳しく設けています。

プロパティエージェントの人事理念
プロパティエージェントはお客様に満足していただける商品・サービスを提供することの出来る人材を尊重します。
また、何事にも誠実に取り組み、変化に柔軟に対応しながら本質的に思考し、 自己実現を目指す個人を育みます。

中西さん

2. なぜ都心にこだわるのか?

Q: なぜ都心にこだわっているのかを教えてください。

理由は2つあります。1つ目は「顧客価値の最大化」。2つ目は我々の経営における「リスクヘッジ」です。

1つ目の「顧客の価値を最大化する」というこだわりを持っていることが、当社の顧客満足度が1番高い理由(※注)です。顧客を第一に考えることが我々の命題でもあるので、やはり投資用マンションが建てられるような立地と考えると、人口の流入がたくさんあるところ。そう考えると、物件を建てる立地が都心となることは自然の流れですよね。

※注(プロパティエージェント株式会社は、「投資向けマンションデベロッパーに対するオーナーの意識調査」で3年連続で総合第1位に選出されています。)

2つ目の「リスクヘッジ」に関してですが、以前、リーマンショックのあたりに多くの会社が潰れていきましたよね。

「建てれば売れる」という状況であったがゆえに、デベロッパーは川崎や相模原、浦和などに物件を建てたわけです。そのような場所でないと、仕入れられなくなってしまうんですよね。リーマンショック後でも、都心の好立地な物件は十分に流動性を保っていましたが、郊外にある物件の担保評価は下がり、流動性は低下しました。そのため、リーマンショックのようなことが起こっても流動性の高い都心の物件であればリスクヘッジができるのです。投資物件ポートフォリオの中に都心があるのか、それとも郊外ばかりなのか。リーマンショックが起こるときに強いのは前者ですよね。そういう教訓があるので、当社の物件は都心のみにしぼっています。

中西さん

3. 「スコアリング」で、確かな資産を提供

Q: 他社と比べて0.1〜0.2%利回りが高い理由を教えてください。

単純に、仕込み価格が安いのです。仕込み価格が安いというのは、土地の仕入れが強いということです。創業から都心にこだわり仕入れをしてきたからこその強みです。また、利回りが同じで価格が高いということは、設定している賃料が高いということになりますが、そうすると賃料の下落リスクが高まります。我々は賃料の下落率を表に出して公表していますが、新築3年の間に賃料が下がったことはありません。

適切な賃料で他社よりもいい利回りを提供するとなれば、仕込みを強くするしかないということですよね。だから都心に一極集中して、それをずっと続けています。そして結果的に我々の経営リスクも低い。こんな最高なことはないと思います。

Q: 都心という競争の激しいエリアでの用地仕入れに関する強みを教えてください。

15年間ずっと都心エリアだけにしぼって仕入れをしてきたことが、現在の当社の強みとなっています。土地の仕入れ業者さんとの付き合いも深いので、立地情報に関しても、他社には出さないが当社には出すという業者さんが最近増えています。業者さんからしても、「いい立地があればプロパティエージェントは決断が素早く、すぐ決済ができる」というブランディングができあがっています。

また、他社との違いとして「スコアリング」をしています。スコアリングとは、物件開発において、該当物件を50項目以上にわたる項目で定量的に評価する方法です。この50項目の元となる軸は3つあります。マトリックスの3軸をご想像ください。1つ目は縦軸となる「資産価値」、2つ目は、横軸の「収益性」。そして3つ目は「変動率」です。縦軸の資産価値というのは鉄骨造かRC造なのかの違いと、動かぬ立地ですね。横軸の収益性は、単純に利回りです。

これらの軸にプロットされた物件は、時間が経つにつれて収益性や資産価値が落ちてくるケースがあり、その変動の予測が「変動率」です。たとえば、僕の実家は高知県なのですが、高知県では利回り10%のアパートがあります。しかし、10年後の収益性は本当に維持できているのかわからないですよね。3軸をロジックツリーで落としたものがたまたま50項目あっただけの話です。収益性、資産価値があって、そこにプロットされたポイントが数年経って動くかどうか。この変動率はたとえば、駅の乗降者人数や、開発されうる競合となる物件が建つ土地がどれだけあるのか、などがあります。これによって、勘や主観に頼らない開発を行うことで、確かな資産を提供することができるのです。

4. 住んで良し、貸して良しの多様性に対応

Q: 価格としては高価格帯の物件が多いですよね。

そうですね。ただ、この低金利状況なのでローンを固定で組んだとしてもその支払額は賃料とほぼ同じ金額です。当社の1LDKのマンションを購入した女性のお客様は、「購入した物件に最初は自分自身が住み、将来は結婚して旦那さんの家に住んで、購入したマンションは投資用に切り替える。賃貸として人に貸せる好立地にあり、高い入居率の物件だからできること。」というプランを話されていました。

現代の女性、特に都心に住む女性は、結婚しない可能性もあるし、専業主婦になることも少なくなっていますよね。そのため、「自分の資産が欲しい」「結婚したときに何も持っていないのはよくない」という考えを持つ女性は意外に多い傾向にあるのです。自分の資産を持っておけば、たとえ将来何かあったとしても、そこに帰ってこれる。いわゆるダイバーシティ(多様性)ですよね。当社のマンションは、そういった多様性のある使い方ができるマンションなのです。もう少しすれば、こういう不動産の買い方もだいぶ流行ってくると思います。

中西さん

5. リスクへの取り組みと購入後のサポート

Q: 最近、不動産投資会社さんへ融資の管理強化が厳しくなっていますが何か影響はありますか?

金融環境はまったく影響がありません。アパート投資とマンション投資は、そもそもローンの種別がまず違うんですよね。今の我々が提携している金融機関さんは最近の融資改ざんに関する報道がある中でも、融資のスタンスは変える必要がないと考えている金融機関がほとんどです。

あと、他の金融機関の商品との差別化で、ローン年数を伸ばした商品を作ったりと、さらに条件の良い商品に切り替えようとしているので、我々の主力マンションに対する融資の影響は、実はそんなにないのです。

Q: 不動産投資のリスクに関するお取り組みは何かしていますか?

出ていくものと入ってくるものの差が収益と考えているので、入ってくるものをしっかり守るというところだけですね。支出はローンを組んで確定する。収入は確定しませんが、それをなるべく固定するために、家賃保証があろうがあるまいが、入居者がいる立地の物件を買う。これ以上のリスクヘッジはないと思います。それを理解した上で、お客様もですが、当社の社員も自社物件を購入している人が多くいます。

Q: 物件購入後のサポート内容や体制を教えてください。

当社では、営業担当とお客様がコンタクトを取る機会が他社と比べて圧倒的に多いです。サポート体制はもちろんですが、実際お客様から支持される理由は、そこに尽きると思っています。

お客様は、実際に当社の物件を購入された方からご紹介いただけるケースが多くあり、複数戸購入されるお客様もいらっしゃいます。当社の営業が、不動産投資に関連するローンの資格を取って、お客様がご自身の住宅を検討する際に同行して住宅ローンの説明を受ける際に隣でアドバイスをしたり、当社ではないところで購入された物件に関しても、相続診断士の資格を持った者が、不動産部分のライフプランのアドバイスなどをさせていただくこともあります。

Q: オーナーさんからはどのようなお声がありますか?

当社で物件を購入した後に他社さんでも物件を購入された方は、当社に戻って来られます。また、他社さんで購入された物件でも、「賃貸管理をやってくれないか?」とご相談があることも多いです。ここまで支持される一番の理由は、賃貸管理の質の面もありますが、やはり一番は、賃貸管理の中でやりとりされるお客様とのコミュニケーションが理由だと思います。

中西さん

6. 今後の取り組みについて

Q: クラウドファウンディングなどの予定をお聞かせください。

クラウドファウンディングはサイトの開発も順調に進んでおり、近いうちにリリースできそうなので、許可がおり次第、取り込むことになると思います。許可は今年中にはおりるのではないかと思います。第1回目の募集は1月から2月あたりですかね。クラウドファウンディングは少額から投資可能なので、投資の選択肢が増えるかと思います。

Q: IoTについてはどのようにお考えでしょうか?

IoTの話をする際に、「スマホで電気が消える」や「スマホでカーテンが閉められる」などにはまったく興味がないんですよね。あまりその辺は意味がないと思っています。意味があると思うのは、IoTにより入居者の方の不便さを解消できるかや、住む方の安心へつなげられるかという点です。たとえば建物の施設内で、玄関の前まで物を運ぶような機械設備の特許を取っているので、これを具現化したいと考えています。今検討しているのは、高齢者の住宅関連での開発や見守りのIoTなどですね。

Q: 2020年以降の不動産の見通しについて教えてください。

局地的には下がらないが、大局的には下がる。オリンピック前だから購入したといった外国人の売り圧力があり、それが不動産価格の下げ圧力になると考えています。

不動産価格は収益還元法で考えるのが適切で、価格=キャッシュフロー/利回り分なので、キャッシュフローが一定とするならば、価格は割り算で変わらないという考えがあります。そのため今、低金利の状態が続く見通しがあるので、たとえばこれが分母の利回りのキャップレート部分の長期金利が2%上がれば、キャップレートが2%上がることになるので、分母が上がればイコールの価格が下がるのは決まっていますよね。キャッシュフローに関しては、そもそも賃料収入の取れる人口の多いところでやっているので、ここによる影響は大きくないと考えられます。

収益還元法

僕が「大局的に落ちる」と言ったのは、人口減少で落ちる部分もありますが、オリンピック前だからと言って、キャップレートが過剰に低く見積もられた場合には価格がその分、高くなっているので、これがもと通りになると価格が下がるという考え方です。

一方、都心で3.8%の利回りを持って、キャッシュフローが年間100万円ということであれば、価格は決まっています。この3.8%という利回りが、都心で考えたときに低金利が続くような状態で、シンガポールや台湾に比べて異常に高いと言われています。都心の物件に関しては、キャップレートの分母が上がるという要素は今のところ考えにくいわけです。そのため、キャッシュフローが一定なので、価格は下がりません。

Q: 今後のビジョンや目標を教えてください。

まず、東証1部になってから「進化・変革2023年」という5年間の中期ビジョンを立てました。ここで言っていることは、我々は圧倒的な存在感を放つ収益不動産のリーディングカンパニーになるということです。

あとは、「進化・変革とサステナビリティの共存」。進化・変革して攻めるけれど、持続可能性はしっかりと見据えます。僕たちのスタンスである「堅実性」は失いません。また、最後に「顧客価値、人材価値、利益想像力の最大化」です。この3つを念頭に掲げたのが、我々の今の中期ビジョンということです。入居者に対して、ロボットなどの機械装置の開発や、クラウドファウンディングの汎用性を広げるというところは変革の1つです。新規事業は今後もどんどん立てていきます。

7. これから不動産投資を始める方に向けてメッセージ

ご自身がビジネスで外注先を選ぶとしたら、どのようなパートナーを選ぶでしょうか?個人で不動産会社さんを選ぶ際にも、広告代理店にせよ、建築会社にせよ、外注するとしたらどういう会社に頼むかという、ビジネスのときと同じ感覚でパートナーを選ぶ。仕事上でする意思決定と個人でする意思決定は別物に見えますが、物件を買ったとしたら賃貸管理とか建物の管理は外注するわけで、アウトソーサーを選ぶということになります。

不動産投資を考える際に会社のスタンスを考えてみると、結果的に良い物件を提供していたり、満足度の高いサービスを提供していたりするところがあると思いますので、そういう見極め方で会社を選んで不動産投資をしていただくと非常に良いと思います。会社のスタンス、財務諸表や経営方針、IRで開示しているものを見て、見極めることが大事です。最初に安さで選んでしまい、あまり良くなかった場合、途中で不動産会社をスイッチすることになってしまったら、そこでまたコストがかかってしまいます。そこまで考えて会社を選び、不動産投資を始めていただきたいです。

中西さん

8. 編集後記

今回のインタビューで中西さんのお話の中で印象的だったのは、不動産会社を選ぶ際に、ビジネスのときと同じように厳しい目線で選ぶということです。投資を始めるときに「自分は初心者である」という意識を持ってしまいがちですが、会社のお金を動かすというシビアな感覚で自分自身の投資や資産運用についても考えることで、失敗をしない選択ができるということは編集部として新しい発見でした。

また、そういった言葉が出てくるのは、15年にわたって一貫されたスタンスで会社のブランドを創りあげ、お客様からの厳しい目線でも選ばれることができるという確信があるプロパティエージェントだからこそではないでしょうか。

顧客価値を最大化するために都心という立地に集中して15年にわたり不動産開発を続け、用地仕入れ業者さんとも信頼関係を保つことで低価格で土地を仕入れる。それが投資家に高い利回りを提供できる理由となり、「顧客価値の最大化」を生み出している。それらの結果として、15期連続の増収・増益を達成できているのではないかと感じました。

業界最高水準の入居率と、高い顧客満足度を保ちながら、着実に成長し続けるプロパティエージェント。不動産投資を考えている方は是非、プロパティエージェントでの投資を検討されてみてはいかがでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」