一括査定サイトは複数の不動産会社の査定を同時に受けられるなどのメリットがあり大変便利ですが、それらの会社の中には悪徳業者が紛れ込んでいる場合もあるなど、利用するうえで注意するべきポイントもあります。
そこで今回は一括査定サイトのメリットとデメリットをご紹介するとともに、上手に活用するポイントをまとめました。「一括査定サイトを使うのは初めてで不安がある」「不動産をなるべく高く売却できる業者に依頼したい」などでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
- 不動産一括査定サイトとは
- 不動産一括査定サイトの3つのメリット
2-1.時間・コストが大幅に節約できる
2-2.対象物件に適した不動産会社を選んでくれる
2-3.売値の相場が把握できる - 不動産一括査定サイトの3つのデメリット
3-1.悪徳業社が紛れ込んでいる場合がある
3-2.物件に合った不動産会社が登録されていない可能性も
3-3.営業メール・営業電話が多くなる - 不動産一括査定サイトのおすすめ活用法
4-1.査定価格の高さだけで判断しない
4-1.不動産一括査定サイトには特徴がある
4-3.不動産一括査定サイトを選ぶポイント
1 不動産一括査定サイトとは
不動産一括査定サイトとは、複数の不動産会社に一括で査定依頼できるインターネットサイトのことです。個人情報や売却対象の不動産情報を1分程度の時間で入力すると、物件の売却に適した5~6社ほどの不動産会社が選出され、物件の査定価格の連絡が受けられます。
一括査定サイトを利用すれば、どの程度の価格で売却できそうかという情報が複数の不動産会社から得られ、最も適切と思われる条件を提示する業者を比較して選べるため、満足できる売却が実現しやくなります。
しかし、不動産会社の中には相場より高い査定額で顧客を釣る業者もいるため、一括査定サイトの利用にはある程度の注意も必要になります。不動産の売却を成功させるために、まずは一括査定サイトの特徴とメリット・デメリットを把握することが重要です。
2 不動産一括査定サイトの3つのメリット
不動産一括査定サイトの主なメリットは次の通りです。
- 時間・コストが大幅に節約できる
- 対象物件に適した不動産会社を選んでくれる
- 売値の相場が把握できる
それぞれ見ていきましょう。
2-1 時間・コストが大幅に節約できる
一括査定サイトを活用しない場合、売手自ら不動産会社を探す、もしくは不動産会社のWEBサイトに問い合わせるかして売買仲介先や売却価格の相場を調べなければならず、調査する範囲が限られるほか多くの時間やコストがかかることになります。
他方、一括査定サイトを活用すれば、早くて当日、遅くても2・3日で、複数の登録不動産会社から売却物件の特徴に沿った査定付きの提案をもらうことができます。自分で探すよりも簡単に不動産会社を探すことができ、短時間で査定価格情報が得られるわけです。
さらに多くの一括査定サイトは無料で利用できます。不動産会社の候補と売却価格の目安を早く掴めれば、彼らとの売買仲介契約の締結や物件の売出しが早まり、売却活動を早めることができます。
2-2 対象物件に適した不動産会社を選んでくれる
不動産一括査定サイトを活用すれば、売却物件に最適な不動産会社が1,000社以上の登録会社から見つかるため、スムーズな売却の実現が期待できます。
自分で不動産会社を探す場合、売買仲介会社を正しく選ぶ知識がないと、間違えて売却物件に合わない会社に依頼する可能性があります。実績が少ない不動産会社に売却を依頼すれば、売却までに余計な時間がかかり、最悪の場合、相場よりも低めの価格で売却する羽目にもなり得ます。
不動産会社は売却物件の特徴によって得意・不得意が明確に分かれています。戸建、マンション、オフィスビル、商業施設、倉庫や工場など種類によって専門に取り扱う物件が違ったり、特定の地域に強い・弱いがあったりします。
一括査定サイトでは売手の物件に最適な不動産会社がわかるため、売却に関する知識が乏しい方でも適切な会社を簡単に探すことができるため安心できます。
2-3 売値の相場が把握できる
一括査定サイトで申し込むと同時に5~6社から査定価格情報が入手できるため、売却の相場を把握できるとともに売買仲介を依頼する不動産会社の絞り込みにも役立ちます。
売出し価格の設定は、実際の取引事例からの情報も参考にする必要がありますが、たとえば、査定価格としてA社3,000万円、B社3,200万円、C社3,500万円、D社3,400万円、E社3,300万円といった情報が得られたとすると、だいたい3,300万円程度が1つの目安になることがわかります。
また、相場が分かれば平均額に近い査定額を提示した不動産会社はある程度信頼できることになるため、本査定を依頼する会社をスムーズに絞り込むことができるようになります。
3 不動産一括査定サイトの3つのデメリット
不動産一括査定サイトを利用するうえでは次のデメリットを確認しておくことも大切です。
- 悪徳業社が紛れ込んでいる場合がある
- 物件に合った不動産会社が登録されていない可能性も
- 営業メール・営業電話が多くなる
それぞれ見ていきましょう。
3-1 悪徳業社が紛れ込んでいる場合がある
不動産一括査定サイトには一定の基準に基づき数百社以上の不動産会社が登録されていますが、中には査定価格を相場よりも高めに提示して媒介契約をとり、契約後はまともな売却活動をせず、直ぐに売却価格の値下げを提案するなどの悪徳業者がいることがあります。
一般的な売買仲介業務では、実際に購入や売却に結び付いて初めて仲介料が得られるため、売却価格を下げてでも購入者を見つけたいという理由から、悪徳業者は高い査定価格で客を釣り、手間をかけずに売却価格の値引きで手早く売却しようとするわけです。
一括査定サイトで抽出された不動産会社の中で悪徳会社に遭遇するケースはそれほど多くないですが、登録された会社が全て優良な不動産業者というわけでもないため、売主は依頼する会社を慎重に選ぶ必要があります。
また不動産一括査定サイトの中には、お客さんからの苦情の多い悪徳業者を排除せず、広告料・紹介料を得ることを重視して、不動産会社へ顧客情報を多く流そうする運営者もいるため、一括査定サイト選びでも注意することが大切です。
3-2 物件に合った不動産会社が登録されていない可能性も
一括査定サイトは利用者の物件に適した不動産会社を抽出するように設計されていますが、サイトごとにその精度は異なるため、必ずしも適した売買仲介業者だけが選ばれるとは限りません。サイトによって抽出される会社が異なることも珍しくありません。
一括査定サイトでは各々の審査基準に基づき不動産会社が登録され、各々の特徴に沿って売主の不動産に合った会社が抽出される仕組みとなっています。
一方、不動産適正取引推進機構の統計によれば、平成30年3月31日時点における日本の宅地建物取引業者(法人及び個人)は12万社以上に及びますが、各一括査定サイトの不動産会社登録数は1,000~2,000社程度です。
そのため一括査定サイトに登録されていない不動産会社で、自分の物件を依頼するのに最適な会社がある可能性もあるわけです。物件のタイプや特定の地域によっては、昔ながらの地元密着型で実績豊富な不動産屋のほうが得意とするケースもあり、インターネットにホームページを持たない業者も多数存在します。
一括査定サイトを利用するときは、自分の物件に100%最適な会社が抽出されるとは限らないことを認識しておきましょう。
3-3 営業メール・営業電話が多くなる
不動産一括査定サイトを実際に利用すると、抽出された会社から挨拶、説明・PR及び訪問査定の勧めなどを目的とした営業電話・営業メールの連絡が一斉に来ることになります。
不動産会社は、他社よりも早く顧客と売買仲介契約等を結びため、挨拶がてら電話連絡し、訪問査定を打診するのが一般的です。このような営業電話・営業メールが抽出された会社の数だけ来ることになるため、売主にとって負担に感じることもあるでしょう。
むやみに査定依頼を出すと営業攻勢に対応する手間も増えるため、一括査定サイトは適切に利用するよう心がけることがポイントです。
4 不動産一括査定サイトのおすすめ活用法
最後にまとめとして上記のメリット・デメリットの内容を踏まえ、不動産一括査定サイトを上手に活用するための方法や注意点をご紹介します。
4-1 査定価格の高さだけで判断しない
高い査定価格を提示した不動産会社を選びたい気持ちはわかりますが、根拠に乏しい算出方法で提示してくる業者もいるため、査定価格の高さだけで選ぶのは注意しましょう。
そもそも売買仲介における査定価格とは、あくまで「これくらいで売れそうです」という想定の価格です。一般的な不動産会社が査定価格を算出する際は、物件の種類・状態や立地状況などに加え、実際の取引事例に基づいて計算しますが、契約を取るために相場以上の高めの価格を提示する悪徳業者もいることは前述した通りです。
また、査定価格が高くても売却活動の内容が不十分であれば、売却にかかる時間が長くなり、値下げを迫られることにもなりかねません。そのため売主は、不動産会社の売出戦略の内容がどれだけ充実しているか、営業担当者がどれだけ売却活動に意欲的であるかを確認することも重要です。査定価格の高さだけに囚われず、熱意や売出戦略が妥当で内容が充実しているかどうかを評価しましょう。
4-2 不動産一括査定サイトには特徴がある
不動産一括査定サイトには様々なタイプがあるため、自分の物件の売却に適したサイトを選ぶことが重要です。
たとえば、全国展開している大手不動産会社を中心に登録しているサイトでは、地方の物件や特定の不動産の売却を得意としていないケースがあり、逆に地方の中小不動産屋が中心に登録されているサイトでは、全国的な営業展開は不得意になる傾向があります。
一括査定サイトで登録されている不動産会社の特徴やタイプを考慮せずに利用すると、自分の物件とミスマッチな不動産会社を選ぶことになるため、一括査定サイト選びにも注意しましょう。
4-3 不動産一括査定サイトを選ぶポイント
対象物件の売却に適した一括査定サイトを選んだり、悪質な業者が登録されているサイトを回避するためには、サイト自体の特徴や信頼性を調べる必要があります。
調べるポイントは次の通りです。
- サイトの運営歴(年数)
- 運営事業者の会社関係
- 責任者の経歴
- 登録不動産会社数
- 対応する地域
- 利用者数(年間及び累計)
- 査定件数や成約件数の実績
- 情報セキュリティの高さ
- 入力項目の内容・量
あくまで一例ですが、優良な一括査定サイトは「10年以上の運営歴」「サイトの運営事業者の親会社が上場会社」「登録不動産会社が数百社以上」「年間利用者が百万人以上」「口コミ・評判がいい、苦情が少ない」といった特徴があります。
また、都道府県単位で抽出できるかどうかの利便性や、プライバシーマークの取得などの情報セキュリティ面、質問へのサポート体制の善し悪しやサイト上の評判なども参考に検討すると良いでしょう。上記評価ポイントを参考に、信頼性が高く自分の物件に最も合った一括サイトを選んでみてください。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム (全て見る)
- 【12/4 東京都 港区】老後に月20万円の家賃収入を手に入れる方法 - 2024年11月19日
- 【11/30 東京都 港区】【医療業界で働くオーナー生の声】 本音で語る!私が中古ワンルーム投資を始めた理由 - 2024年11月19日
- シノケンのアパート経営の評判は?営業、融資、物件、入居率の評判・口コミ - 2024年11月15日
- 【11/27 東京都 港区】【金融機関で働くオーナーの生の声】失敗から学ぶ不動産投資の成功への道 - 2024年11月12日
- 【11/29 オンライン】TSMCで賃貸需要高まる熊本、アパート経営事情を徹底解剖! - 2024年11月12日