不動産一括査定サイトは効率的に不動産会社を探せる便利なサービスですが、それぞれ提携会社や査定が依頼できる物件の種類、エリアなどが異なります。不動産査定は成約価格や売却スピードにも大きく関わる重要なポイントになるため、利用目的に合わせてサービスを選んでみましょう。
今回のコラムでは、不動産一括査定サイトを比較する要素として提携不動産会社数に焦点を当てます。4社の不動産一括査定サイトについて、提携会社数をランキング形式で比較しながら紹介します。
目次
- 不動産一括査定サイトの提携不動産会社数ランキング
1-1.LIFULL HOME’S(ホームズ)
1-2 SUUMO(スーモ)売却査定
1-3.HOME4U
1-4.リガイド(RE-Guide) - 大手不動産会社に絞って不動産査定依頼ができる査定サイト
2-1.すまいValue - 不動産一括査定サイトを上手に利用する3つのポイント
3-1.多くの人から不動産一括査定サイトが利用される背景
3-2.不動産一括査定サイトの利用手順
3-3.不動産一括査定サイトのメリットとデメリット、注意点 - まとめ
1 不動産一括査定サイトの提携不動産会社数ランキング
不動産一括査定サイト4社について、2022年11月7日時点で確認できる提携不動産数についてランキング形式にまとめたのが下記の表です。
順位 | 不動産査定一括サイト | 提携不動産会社数 |
---|---|---|
1位 | LIFULL HOME’sの不動産売却査定サービス | 3,712社 |
2位 | SUUMO(スーモ)売却査定 | 2,000社以上 |
3位 | HOME4U | 約1,800社 |
4位 | リガイド | 900社以上 |
次の項目から、それぞれの不動産一括査定サイトの特徴について解説していきます。
1-1 LIFULL HOME’S
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービスは、東証プライム上場の株式会社LIFULLが運営している不動産査定一括サイトです。2022年1月時点の累計利用者数が838万人を突破しており、豊富な実績が特徴です。また今回紹介するサイトの中では最も多い全国3,712社の不動産会社と提携しています。
提携会社数が多いことで他のサイトではエリア外であった場合や、査定できる不動産会社が少なかった時に利用検討してみたいサービスと言えるでしょう。
一方、選択可能な不動産会社の数が多すぎることで、例えば、東京都内で不動産会社を検索した場合、50社以上の不動産会社が選択可能となることもあります。一度に査定を依頼できるのは6社までとなっているため、1社1社の情報を確認していきたい場合には注意しておきましょう。
1-2 SUUMO(スーモ)売却査定
SUUMO不動産売却は、「リクナビ」や「タウンワーク」「ゼクシィ」「カーセンサー」などを展開する株式会社リクルートが運営する不動産一括査定サイトです。全国各地の約2,000社以上と提携しており、独自の審査基準を設けて取引企業を審査しているのも特徴です。
数多くの企業と取引実績がある同社の厳しい審査基準をクリアした業者のみ提携しているため、「悪質な不動産会社に依頼してしまわないか不安」「信頼できる不動産会社の選び方が分からない」という方でも利用しやすいサービスと言えるでしょう。
なお注意点としては、サイト上で依頼できる不動産は「マンション」「一戸建て」「土地」の3種類のみということです。「賃貸マンション」「一棟アパート」「店舗」「事務所」などの査定を依頼することはできないという点に注意しておきましょう。
1-3 HOME4U
HOME4Uは、2001年に日本国内で初めて誕生した不動産査定一括サイトです。提携している不動産会社は47都道府県に及び、大手企業と地域密着型の企業合わせて約1,800社となっています。利用者は年間約1,400万人おり、2021年11月26日時点での累計査定件数は45万件を超えています。
運営会社はNTTグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングで、厳しい審査を行っていることも特徴です。悪質な取引をしている不動産会社とは提携しない方針となっており、常にパトロールを行うことで掲載した後も不動産会社の取引方法などをチェックしています。
1-4 リガイド(RE-Guide)
リガイドは、2006年にSBI不動産一括査定としてサービスを開始した老舗サイトです。2016年2月に運営会社の商号が株式会社ウェイブダッシュに変更され、サイト名も変更しています。
独自審査を実施して基準をクリアした不動産会社のみ提携しており、提携不動産会社は900社以上となっています。他のサイトよりもやや少なめの提携社数となっていますが、他社が関連店舗数もカウントしている中で、同社は同じ社名の会社についてはカウントしない方針となっているため、実数はより多く感じられるでしょう。
また、一度の入力で査定を依頼できるのは他サイトと比較して多い10社までとなっているのが特徴です。一度に10社の不動産会社に査定を受けられるため、幅広く評価を聞くことができます。
2 大手不動産会社に絞って不動産査定依頼ができる査定サイト
提携社数が多いということで、中小企業を含む幅広い査定結果を比較することができますが、大手不動産会社に絞って依頼してみたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、大手不動産会社のみに査定依頼ができる査定サイトの利用を検討してみましょう。
2-1 すまいValue
すまいvalueは、今回のランキングには反映されませんでしたが、「三井のリハウス」「野村の仲介プラス」「三菱地所の住まいリレー」「住友不動産販売」「東急リバブル」「小田急不動産」の6社で運営する不動産売却ポータルサイトです。6社合計の店舗数は841店舗あり、2023年度の成約件数11万件以上となっています。
提携不動産会社数にこだわらずに大手の不動産会社へ査定を依頼したい場合は、すまいValueの利用も検討してみると良いでしょう。
3 不動産一括査定サイトを上手に利用する3つのポイント
不動産一括査定サイトは効率的に不動産会社を選ぶことができるサービスですが、具体的にどのようなメリットやデメリットがあり、どのように利用すると良いのか、4つのポイントに分けて紹介していきます。
3-1 多くの人から不動産一括査定サイトが利用される背景
不動産売却を不動産会社に依頼する際、不動産会社によって成約価格や売却スピードが大きく異なることがあります。これは不動産会社によって得意とする物件タイプ・対象エリアが異なっていたり、会社ごとの顧客層が異なることで起きてしまいます。
また、中には売主よりも自社の利益を優先する悪質な不動産会社が、相場よりも安く買い取ったり、逆に高い査定価格を提示して売却を促したりするケースもあります。
これらの対策として、不動産査定は1社だけに依頼するのではなく、複数社に依頼することが重要なポイントとなってきます。複数の不動産会社と同時にコミュニケーションを取ることで、査定価格や査定の根拠、担当者の対応力を比較することが出来るためです。
不動産一括査定サイトの運営会社では、全国各地の不動産会社と提携しており、利用者は複数の不動産会社の情報を知ることができます。また売却を予定している物件情報などを入力することで、不動産の査定を依頼することもできます。つまり、不動産一括査定サイトを利用することで、不動産の売却をスムーズに進めることができるのです。
3-2 不動産一括査定サイトの利用手順
それぞれのサイトによって具体的な手順は異なりますが、不動産一括査定サイトを利用する主な流れは下記のようになります。
- 物件のエリアについての情報を入力する
- 物件の情報を入力する
- 依頼者の情報を入力する
- 査定を依頼できる不動産会社が表示される
- 依頼する不動産会社を選択する(サイトの上限に応じて複数選択が可能)
- 情報を送信する
- 情報が届いた不動産会社で簡易査定をする
- 不動産会社から簡易査定の結果が届く
査定には、物件の情報のみで行う簡易査定と、訪問するなどで実際の状況を確認して行う訪問査定の2種類あります。通常は簡易査定を5〜10社程度の不動産会社に依頼し、その結果を踏まえて2〜3社に訪問査定を依頼することになります。
3-3 不動産一括査定サイトのメリットとデメリット、注意点
不動産一括査定サイトのメリットとデメリットを見ていきましょう。下記の表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・不動産会社を探す手間が省ける ・一度に複数の不動産会社に査定を依頼することができる ・査定価格など査定の結果が比較しやすい |
・営業電話やメールが増えることがある ・多くの会社に依頼すると、査定価格の幅が広くなり混乱することもある ・サイトと提携していない不動産会社には依頼できない |
メリットとしては不動産会社への依頼の手間を省き、査定価格や査定の根拠を比較しやすいという点が挙げられます。
一方、デメリットとして不動産会社からの営業電話が気になる方も多いでしょう。このような場合には物件情報の登録時に電話をかける時間を指定しておいたり、メールでのやり取りを希望する旨を記載しておくことで対策ができます。
また、サイトと提携していない不動産会社には依頼できないという点もデメリットです。不動産査定は無料で利用できるため、複数のサイトを活用したり、自分で調べた不動産会社への査定依頼と合わせて利用してみましょう。
まとめ
不動産会社にはそれぞれに得意分野があり売却活動の手法も異なるため、不動産を売却するには仲介業務を担う不動産会社の選択が重要です。複数の不動産会社に査定してもらい、適正価格を見極めて、信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。
今回のコラムでは、提携不動産会社数による不動産一括査定サイトのランキングを紹介しました。今回のコラムを参考に、ご自身が納得できる不動産売却となるよう不動産一括査定サイトの利用を検討してみましょう。
倉岡 明広
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