プロが考える投資初心者におすすめの投資4選、始め方や必要資金も

「貯蓄から投資へ」と金融庁が音頭をとっていますが、投資初心者にとってはどのように何に投資をしたら良いかわからない場合が多いでしょう。投資商品には株式や投資信託など様々な金融商品があります。今回は投資初心者にも始めやすい投資4種類について始め方や必要資金などを解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事の情報は2021年2月1日時点の情報をもとに執筆されています。

目次

  1. 一株投資(単元未満株)
    1-1.一株投資の始め方
    1-2.一株投資の必要資金
  2. つみたてNISA
    2-1.つみたてNISAの始め方
    2-2.つみたてNISAの必要資金
  3. iDeCo(個人型確定拠出年金)
    3-1.iDeCoの始め方
    3-2.iDeCoの必要資金
  4. 転換社債型新株予約権付社債(CB)
    4-1.CB投資の始め方
    4-2.CB投資の必要資金
  5. まとめ

1 一株投資(単元未満株)

東京証券取引所に上場している多くの銘柄は100株単位(単元)で取引されているので、株価1,800円の株式に投資する場合、18万円(1,800円×100株)とまとまった金額が必要となります。

しかし、一部の証券会社(SBIネオモバイル証券SBI証券LINE証券マネックス証券岡三オンライン証券野村證券等)では、1株から株式を購入することができるため、少額で様々な銘柄に投資をすることができます。

メリットとして、少額から投資できること、株価下落時にも損失が少ないこと等があげられます。デメリットとして、投資可能な銘柄が限られていること、大きな利益が期待できないこと、株主優待が受けられないこと(単元株数まで買い増す必要あり)、手数料が割高なこと、指値(自分が指定した価格)の注文ができないことなどがあげられます。

1-1 一株投資の始め方

まずは一株投資が可能な証券会社に口座を開きます。証券会社によって取扱銘柄数や手数料が異なるため、取扱銘柄が多く手数料が低い証券会社を選ぶようにしましょう。例えばSBI証券では東証(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)上場銘柄すべてが、LINE証券では約1,000銘柄が一株取引の対象です。

1-2 一株投資の必要資金

必要資金は銘柄によって異なります。1株購入する場合は、株価(購入価格)に株式手数料+消費税が必要です。SBI証券の場合、手数料は約定代金の0.5%(税込0.55%)、最低手数料50円(税込55円)です。SBI証券で株価10,000円の銘柄を1株購入した場合、手数料55円と合わせ10,055円の資金が必要ですが、株価が3,000円の場合でも手数料は55円のため3,055円が必要となります。

2 つみたてNISA

NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」がありますが、初心者にはつみたてNISAが向いています。少額から始められること、運用益や分配金に税金がかからないことも、初心者が投資を始めるのに適した制度だと言える要素です。

つみたてNISAの対象銘柄は、金融庁に認められた投資信託186本と上場株式投資信託(ETF)7本です。年間最大40万円(月当たり33,333円)、最長20年間非課税になります。

つみたてNISAの口座は1人1口座と決められているため、金融機関を決める必要があります。金融機関により、取扱商品数や手数料、投資金額が異なるため、取扱本数が多く、手数料が安く、最低購入単位が小さい金融機関を選択すると良いでしょう。

SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券などネット証券は100円から積立が可能で、手数料が安いためメリットが大きい傾向です。投資銘柄を相談したい方は、対面で相談できる金融機関を選ぶのも良いでしょう。

2-1 つみたてNISAの始め方

まず、取引を開始する金融機関を決めます。そして、つみたてNISAの口座を開設する前に、証券会社であれば総合口座を開設します。口座開設はネット上で簡単に申し込みができます。

総合口座には「一般口座」「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」の3種類あります。特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が株式売買益の税金を計算し、納入してくれる制度のため、初心者の方は特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、面倒な確定申告をする必要がないため利用しやすいでしょう。その後、つみたてNISAの口座を開設し、積立金の入金手続きを行います。

次に毎月の積立金額を決めます。つみたてNISAの非課税枠は最大年間40万円(月33,333円)なので、100円から積立可能な証券会社の場合、月額を100円~33,333円の範囲内に設定します。

そして、どの銘柄にいくら投資するかを決めます。投資信託は大きく分けて、4つ(国内株式型、国内債券型、外国株式型、外国債券型)のタイプがあります。これらの中でリスクが最も小さいのは「国内債券型」で、リスクが最も高いのは「外国株式型」です。これらを組み合わせて投資する「バランス型」もあります。

配分が決められない方は、日本の年金を運用しているGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)の資産構成の割合を参考にすると良いでしょう。GPIFの基準は、上記4種に各25%を配分するというものです。

運用スタイルは「インデックス型」と「アクティブ型」に分けることができます。インデックス型は日経平均株価やS&P500指数に連動するように設計され、アクティブ型は運用担当者が自ら銘柄を選び、高い運用利回りを目指すファンドです。手数料はアクティブ型の方が高い傾向にありますが、インデックス型を上回る高い運用益も期待できます。

2-2 つみたてNISAの必要資金

つみたてNISAでは毎月の積立金額が必要です。

一般的に投資信託には、購入時に支払う手数料と保有期間中に支払う信託報酬の2つの手数料が必要です。つみたてNISAの場合、対象銘柄購入時の手数料は必要ありません(ノーロード)が、信託報酬は支払う必要があります。投資信託により信託報酬はまちまちですが、毎日天引きされているため別途支払う必要はありません。毎月100円を積み立てる場合の必要資金は月100円、年間1,200円となります。

3 iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoもつみたてNISA同様、長期にわたって投資信託を積み立てる制度ですが、つみたてNISAとの相違点が多々あります。①税制面、②掛金、③期間、④資産の途中引き出しができるかできないか、⑤手数料、⑥対象銘柄などです。ひとつひとつ確認していきましょう。

税制面

つみたてNISAの積立金は所得から控除することができませんが、iDeCoは控除可能です。また、満期時の受け取り方によっては、退職所得控除や公的年金控除の対象となります。

掛金

つみたてNISAは1年間の上限が40万円(月当たり33,333円)ですが、iDeCoの場合は個々の属性(自営業者、会社員、公務員など)により異なります。最大額は自営業者等(第一号被保険者)の場合、月6.8万円(国民年金基金との合算)です。会社員の場合、所属企業の年金制度により月1.2万円から2.3万円とまちまちです。積立可能な金額をまず調べる必要があります。投資最低金額は5,000円以上で、1,000円ごとに増額できます。

期間

iDeCoは20歳以上の方が60歳(2022年5月1日以降は65歳)まで積み立てることができます。早く始めれば始めるほど節税効果が大きいといえます。

資産の途中引き出し

つみたてNISAは可能ですが、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができません。そのため、無理なく積み立てられる金額から始めましょう。掛金は毎年1回変更ができます。

手数料

iDeCoは加入時に2,829円が必要です。毎月の費用としては、国民年金基金連合会に171円(年2,052円)支払う必要があります。このほか、金融機関によっては運営管理機関手数料が必要な場合もあります。運用管理機関手数料が不要な金融機関を選ぶようにしましょう(参考記事:iDeCoにおすすめの金融機関は?手数料・取扱商品数から比較検証)。

対象銘柄

iDeCoの対象商品は投資信託と、預金などの元本確保商品の2種類あり、その中から選ぶことになります。金融機関ごとに、運用商品のラインナップ(3~35商品)は異なります。預金など元本確保商品を選ぶと、毎月のコストが賄えない場合があるため基本的には選ばないほうが良いでしょう。金融機関別取扱商品はモーニングスター等で確認できます。

3-1 iDeCoの始め方

最初にiDeCoへの加入資格があるかどうかを確認する必要があります。特に会社員の方は会社の年金制度により掛金が違うため注意が必要です。場合によっては加入できないこともあります。

加入資格が確認できたら金融機関を選びiDeCoの口座を開設し、掛金を決め(5,000円以上、1,000円単位で個々の上限金額まで)、運用商品と金額を設定します。

3-2 iDeCoの必要資金

必要資金は個々によって異なります。最低金額は5,000円で、最高金額は自営業(第1号被保険者)の月6.8万円(国民年金基金と合算枠)です。

4 転換社債型新株予約権付社債(CB)

CBは株と債券の中間に位置する金融商品です。CBを発行している企業の株価が上昇すればCB価格が上昇します。株価下落時でも債券価値が下支えとなるため、額面を大きく下回ることはありません。

社債との違いは株価との連動性が強いことです。株価が上昇するとCB価格は額面を大きく上回ります。CBには予め株式に交換(転換)できる価格(転換価格)が設定されているためです。

債券でありながら株価同様の収益が得られることや、株価が下落しても額面を大きく下回ることはあまりないということがメリットです。デメリットとしては、東京証券取引所に上場している銘柄数が少ないこと(2021年1月末時点:11銘柄)や、最低投資額面が100万円だということ、手数料が高いことが挙げられます。またCBの取り扱いのない証券会社もあるので、事前に調べる必要があります。

4-1 CB投資の始め方

上場商品なので証券会社に口座を開くことで、株式同様に売買することができます。

4-2 CB投資の必要金額

CB価格が110円で100万円投資する場合、110万円(100万円×110円÷100)の受渡金額と手数料が必要です。手数料は証券会社によって違います。新発銘柄の場合、多くの銘柄は発行価格が102.50円で、100万円購入する場合は102.5万円が必要となります(手数料は必要なし)。

まとめ

今回は、投資初心者に向いている投資を4つお伝えしました。それぞれのメリット、デメリットを考慮し、自分に合った商品を選び運用しましょう。最初は少額からスタートし、慣れてきたら投資額を増やすようにするのがセオリーです。

短期的には市場の変動が大きく損失を出してしまうこともありますが、長期間株式などの資産を保有することで損失を回避しやすくなります。長期投資を心がけましょう。

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藤井 理

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。