【暗号資産取引所の元トレーダーが解説】デイトレードで大事なこと

※ このページには広告・PRが含まれています

昨今、暗号資産(仮想通貨)相場の上昇幅がさらに拡大しており、ボラティリティを活かして高い利益を挙げているトレーダーも少なくないようです。

ビットコインが2万ドルを超えた昨年12月以降、1,000ドル(10万円強)を越える値幅が当たり前のように出ています。これだけ値幅が大きくなると、大きく勝負に出るトレーダーもいるようで、中には夜中まで張り付いているトレーダーも見受けられます。ここでは、暗号資産のデイトレードのメリット・デメリット、おさえておくべきポイントについて解説したいと思います。

目次

  1. デイトレードとは
  2. デイトレードのメリットとデメリット
  3. 暗号資産FXでデイトレードを行うときの注意点
    3-1.方向性を決めてからエントリーする
    3-2.一度のエントリーで全ての資金を使わない
    3-3.時間帯の癖を把握する
    3-4.一日の始めに、シナリオを用意しておく
    3-5.損切りの徹底
  4. デイトレードは中級者から上級者向け

①デイトレードとは

デイトレードとは1日に数十回とトレードを重ね、利益を得る取引方法です。一日のうちにエントリーから決済まで完結させ、基本的には翌日にポジションを持ち越さない取引方法です。デイトレードは、株やFXなどでよく耳にする言葉ですが、暗号資産でもデイトレードをすることは可能です。

②デイトレードのメリットとデメリット

暗号資産でのデイトレードのメリットの一つは、基本的には翌日にポジションを持ち越さないため、夜中寝ている時の値動きを気にしなくていいことです。トレーダーとしては、相場の急変動を気にすることなく安心して休める利点があります。

投資家として大切なのは心に余裕を持たせることです。レバレッジを効かせて取引を行っていると、損益の動きがさらに激しくなり、安心して夜も寝れなくなることがあります。心に余裕を持たせるためにも、デイトレードを検討してみましょう。

一方、デイトレードのデメリットは夜中の値動きを利益として享受できないことです。ビットコインはニューヨーク時間に急変する場面が多く、どの時間帯で勝負するかは一つのポイントとなります。

③暗号資産FXでデイトレードを行うときの注意点

次に、暗号資産FXでデイトレードを行うときの注意点について解説します。

1. 方向性を決めてからエントリーする

暗号資産FXにおいて「方向性を決めて、決めた方向でしかトレードしない」ということは重要です。ギャン理論には「トレンドは友達」という格言があり、トレンドに沿ったトレードの方が負ける確率を低下できるとされています。

1年の間でトレンドが出る割合は2割から3割とされ、1年の7割強はレンジ相場となっています。暗号資産ではトレンドが出ると2倍、3倍に価格が高騰してもおかしくない市場です。レンジ相場の間は我慢の地合いが続きますが、そこを我慢することで大きな果実が享受できる場合があります。

数日間一方向に相場が推移すると、心理的には「これだけ上がりすぎているから止まるだろう」とか「ここまで上昇するとロングではエントリーしにくい」と考えがちです。しかし、2020年後半からのビットコインの上昇トレンドを見てもわかる通り、上昇トレンドが継続している限りエントリーはロングポジションに絞る方が安全です。これだけでも大きく損失を被るリスクを低減できるでしょう。

2. 一度のエントリーで全ての資金を使わない

これはデイトレードに限らず重要となります。トレードにおいて、縦軸の「価格」分散と、また横軸の「時間」分散の2つがあります。マニュアル本などでは頻繁に、価格下落を狙った押し目買いや、価格上昇後の利益確定について指導していますが、「軸軸の重要性」について解説しているものはあまりありません。

時間分散のトレード方法というのは、「最初のエントリーではトレード資金の10分の1からスタートし、時間を分散して段階的にエントリーする」といった考え方です。これによって、心理的な負担を軽減できます。また、相場をみながら判断できるため、途中で予想外な動きをしたら損失を抑えて撤退することも可能でます。時間分散は負けないトレードを続けるためにとても大事となります。

ビットコインは数秒間で100ドル動く場面もあるため、暗号資産FXでは時間分散はとても大切になってきます。

3. 時間帯の癖を把握する

次に大事なことは1日の値動きの癖を把握しておくことです。

例えばビットコインの場合、東京時間の変動幅は小さく、ロンドン時間、NY時間へ移行するにつれて変動幅が大きくなる傾向があります。これはよく「アノマリー」とも呼ばれ、相場の癖と言えるものです。リスク管理の面で値幅の特性を頭に入れておくことはとても大切です。

また、東京時間だけを見ても、9時頃は値幅が大きくなるなどの特徴があります。伝統的なアセットクラスでも年初は株高に向いやすい、節分が天井になるなど色々な傾向があります。これらの傾向を活かしてトレードすると便利です。

4. 一日の始めに、シナリオを用意しておく

デイトレードは一日に頻繁に売買する手法とはいえ、値動きに応じて反射的に売買している訳ではありません。

まずは、チャートを分析して方向性を決定し、どこでエントリーするのか、いくつかシナリオを考えてから、取引を行うことが大切です。

時に相場は、突発的に動いたり、予想外の動きをします。しかし、その動きに動揺しないよう、朝一の段階でいくつか想定してプランを考えておくことが大切でしょう。

初心者の場合はまずシナリオ通りに動いた時にのみエントリーしましょう。シナリオ通りでない場合は無理にエントリーを行わないなど、慎重に取り組むべきだと思います。

5. 損切りの徹底

これはデイトレードに限らない、とても大事なルールです。

シナリオを考える際、エントリーポイントが決めると同時に損切りラインもしっかりと決めておくようにしましょう。

暗号資産の場合、1日で50%以上動く場合もあります。そのため暗号資産FXで損切は必須であり、損切りを怠っていればわずか1敗で資金を失うこともあります。自分を守るための一時的な撤退として、損失を受け入れ、次につなげるようにしましょう。

④デイトレードは中級者から上級者向け

デイトレードで大事なポイントについて、5つご紹介しました。個人的には、基本的にデイトレードは中級者以上向けのトレード手法であると考えています。

特に暗号資産は値動きが大きいため、損切などのリスク管理がとても難しいものです。初心者はまず長め時間軸でのトレードで、リスク管理に慣れていただく方がいいでしょう。

もしもデイトレードに挑戦したいということであれば、少ない証拠金でスタートしましょう。勝てるようになった段階で資金を大きくしていくことをおすすめします。皆様が暗号資産FXで利益を上がるための参考となれば幸いです。

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12