不動産投資では、エリアや物件に関する知識や理解だけでなく、マクロな経済の動向や金融政策、購入時の融資に関する正しい情報や知見、購入後のリスクへの対処や所得税・固定資産税・相続税などの税金計算、毎年の確定申告など、他の投資と比べると非常に幅広い知識が求められます。
それらの情報を本やインターネットで一つ一つ調べていくこともできますが、「効率よく情報収集をしたい」「体系的に学びたい」という方も少なくないのではないでしょうか?そんな時に活用したいのが「不動産投資セミナー」です。
不動産投資セミナーに参加をすることで、不動産投資を基礎から体系的に学ぶことができる、不動産投資のプロや投資家から直接話が聞ける、不動産会社の特徴や雰囲気を知ることができる、非公開物件の情報や特典などが手に入るといった数多くのメリットがあります。
しかし、参加するのはどのようなセミナーでも良いというわけでありません。セミナーによっては期待する学びが得られないケースや、押し売りのようなしつこいセールスに頭を悩まされるといったケースも考えられます。
そこで今回は、投資初心者の方がどのように不動産投資セミナーを選べば良いのかといったポイントや、どのような点に注意をしながらセミナーに臨むべきかなどについてご紹介をしていきたいと思います。
記事目次
- 不動産投資セミナーを選ぶ4つのポイント
1-1.セミナー主催会社の信頼性
1-2.セミナー講師・内容
1-3.セミナー開催実績・満足度
1-4.セミナー参加費・特典・セミナー後 - こんな不動産投資セミナーには注意!3つのチェックポイント
2-1.不動産投資のメリットばかりを強調している
2-2.リスクを説明して、そのリスクの対策や考え方を説明しているか
2-3.データが少ない、グラフなどが恣意的に加工されている - 初心者におすすめの不動産投資セミナーは?
- まとめ
1 不動産投資セミナーを選ぶ4つのポイント
初めて不動産投資セミナーに参加する場合、どのようにセミナーを選べば良いのでしょうか?以下では、4つのポイントをご紹介していきたいと思います。
1-1 セミナー主催会社の信頼性
まず確認したいのは、セミナー主催会社の信頼性です。主催会社の企業サイトは必ず確認し、会社の創業年数や売上高、上場有無、不動産の開発実績、オーナー数などを見るようにしましょう。業歴が浅い会社(10年未満)や売上高が数億円程度の場合は、会社として不動産の開発・販売経験が少ない可能性があります。
また、コンプライアンス体制について確認することも非常に重要です。営業姿勢や内部管理体制、個人情報の管理体制などが適切かどうかを見極めることで、付き合うべきでない会社を事前にフィルタリングすることが可能です。
売上規模や事業実績、コンプライアンスなどに関しては、上場企業であれば一定水準をクリアしているケースが多いので、「詳しくチェックをする時間がない」という方は、上場企業かどうかを判断基準にしてみると良いでしょう。
主催会社に関して確認したいポイント
- 上場有無
- 売上高や業歴(設立からの経過年数)
- 不動産開発実績や入居率の実績など
- 代表取締役や役員などがサイト上に顔を出しているか
- コンプライアンス体制
- 顧客満足度・リピート購入・紹介率など
1-2 セミナー講師・内容
不動産投資セミナーには、外部からゲスト講師を招いて開催されるセミナーや、企業内の社員が講師を全て務めるセミナーなどがあります。
ゲスト講師の場合は、ファイナンシャルプランナーや税理士などの特定の専門性を持った方が講師を務めるケースや、個人投資家として成功している方が講師を務めるケースなどがあります。ゲスト講師は登壇経験の豊富な方も多いため、話も上手く刺激を受けられることが多いというメリットがある一方で、講師の方の経験や専門性にセミナー内容が左右されてしまったり、投資の考え方が偏ってしまうというデメリットがあります。
企業内の社員が講師を務めるセミナーは、ゲスト講師に比べると刺激的な話はやや少なく投資の観点が絞られるものの、その企業が重要だと思うことがセミナー全体で一貫するため体系性が高まることや、その会社の特徴や強みなどが分かりやすいというメリットがあります。セミナーで話を聞く中で、その会社での不動産投資を検討してみたいという場合に適していると言えます。
セミナー講師やセミナー内容は、「この人・この観点から話を聞いてみたい」と思える講師がいればゲスト講師のセミナーに、「この会社やこの物件について詳しく知りたい」という場合には社員が講師のセミナーにしてみるなど、理解を深めたい内容に応じて選んでみると良いでしょう。
1-3 セミナー開催実績・満足度
セミナーの開催実績や参加者の満足度も重要なポイントです。
セミナーの開催回数や参加人数が多ければ、それだけ内容や運営が洗練されていきますので、セミナー全体のクオリティが高まります。
また、クオリティが高いセミナーは参加者の満足度も高くなりますので、「開催実績が豊富で参加者の満足度も高い」という点も選定ポイントの一つとなります。
1-4 セミナー参加費・特典・セミナー後
不動産投資セミナーの中には、1回の参加費で数万円かかる有料のものもあります。こういった有料セミナーは、セミプロの方や業界の方向けのセミナーであることも多いため、初心者の方はまずは無料のセミナーから参加してみたほうが良いでしょう。
また、セミナー参加特典として、市販の書籍がプレゼントされるケースやギフト券などをもらうことができるものもあります。セミナーに参加する時間や交通費などの収支がプラスになるようなお得感のあるセミナーを選んで参加するのも良いでしょう。
さらに、参加者限定で非公開物件の情報を知ることができる場合や、セミナー後に個別相談を設けている場合もあります。セミナーだけでは解消できなかった疑問について質問したり、現在購入できる物件や融資条件などの確認、収支シミュレーションの作成したりすることができますので、具体的に不動産投資を検討したいという方はセミナー後に相談ができるかどうかも確認しておきましょう。
2 こんな不動産投資セミナーには注意!3つのチェックポイント
不動産投資セミナーに参加する上で、注意をしておきたい3つのポイントについてもご紹介します。
2-1 不動産投資のメリットばかりを強調している
まず1つ目の注意したいポイントは、不動産投資の説明をする際にメリットや良い特徴だけが強調されていないかという点です。たしかに、不動産投資には以下のように様々なメリットがあります。
不動産投資のメリット例
- 入居がつけば、毎月の家賃収入が安定的に得られる
- 融資を利用することで、レバレッジ効果を得られる
- 所得税や相続税などに関する節税効果がある
- インフレリスクに備えることができる
- 株式投資やFXと比べて、ローリスク・ロングリターン
- 管理会社を利用すれば、運用の手間もかからない
- ローンを組む際の団体信用生命保険を死亡保険の代わりとして活用できる など
しかし、不動産投資も「投資」である以上は、メリットばかりというわけにはいきません。セミナーでメリットばかりを強調している会社は、顧客の利益よりも不動産の販売や自社の売上を優先している可能性が高いため、注意をしなければならないポイントです。
2-2 リスクを説明して、そのリスクの対策や考え方を説明しているか
では、セミナーの中でデメリットやリスクを取り上げていれば大丈夫かというと、そう簡単な話ではありません。
その会社が不動産投資の様々なリスクとどのように向き合い、どこまで対策を講じているかという点をしっかりと見極める必要があります。
たとえば、不動産投資で代表的なリスクの一つは「空室リスク」ですが、このリスクを「空室で家賃が入って来ないことが問題だ」と考えてしまうと、その対策は「空室保証(サブリース)があれば良い」という場当たり的な説明・取り組みになってしまいます。
そうではなく、「そもそも空室が発生するのはなぜか?」というところから原因を一つ一つ想定して、事前に対策を講じているかどうか、といったことが購入後の成否の分かれ目になってきます。
空室リスクの原因例
- 立地が悪くて入居者に敬遠される
- 建物の外観や設備・性能が劣っている
- 築年数が経った時に、より築浅の物件に入居者を取られる
- 周辺物件に比べて家賃が割高
- 入居付けのスピードが遅い
- 入居中のクレーム対応や建物管理などが悪い など
セミナーは1時間~2時間程度と短い時間の中で行われますので、詳しい内容が省略されてしまうことも出てきます。セミナーの中でリスクやその対策について疑問に感じたことや分からないことがあった場合、質疑応答や個別相談などの場を活用してしっかりと確認し、それに対して不動産会社がどのように答えるかについてもチェックしておきたいところです。
2-3 データが少ない、グラフなどが恣意的に加工されている
セミナーの中で、チェックしたい3つ目のポイントが「データ」です。セミナーの中で提示されるデータが少ない場合、内容が講師の主観に偏っている可能性や投資の意思決定を誤ってしまう可能性があります。
たとえば、先ほどの「空室リスク」の中に出てきた「立地が悪い」というリスクについて考えてみましょう。この情報だけがセミナーで提示された場合、立地が悪ければ空室リスクが高くなる、ということは分かっても、「都心部やターミナル駅から何分以内の土地であれば良いのか」「駅からの徒歩分数は、何分以上だと空室になりやすいのか」といったことが判断できません。
これに対して、「過去10年間の土地別・物件別の入居率」や、「物件探しをしている1,000人を対象としたアンケート結果」などのデータなどがあれば、実際に都心部やターミナル駅から何分以内の土地の入居率が高いのか、物件探しをしている人はどのように考えて入居物件を決めるのか、といったことが分かり、「この土地を購入すべきかどうか」ということが判断できるようになります。
また、セミナー資料内のデータが加工されている場合、見やすくするため・分かりやすくするための加工であれば問題ありませんが、誤った結論を誘導するために加工が行われることもあるため注意が必要です。
たとえば、恣意的にグラフの期間を限定して自分達の主張に合うように加工をしたり、グラフの目盛り幅を極端に大きくしたり小さくしたりすることで、グラフが本来持っている意味を歪めてしまう方法もあります。
セミナー資料内のグラフやデータが「不自然だな」「自分の感覚と合わないな」と感じる場合は、データの拠出を質問したり、後で自分でも確認してみたりするようにしましょう。
3 初心者におすすめの不動産投資セミナーは?
「セミナーを選ぶための時間が中々取れない」「まずは1社、セミナーに参加をしてみてから次を考えてみたい」という初心者の方におすすめなのが、以下でご紹介するシノケンプロデュースという会社の不動産投資セミナーです。
シノケンプロデュース
本社所在地 | 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー20F |
設立年 | 2007年 |
売上高 | 1113億90百万円(2018年12月期・グループ全体) |
供給戸数 | 30,000戸以上(2018年12月期・グループ全体) |
社員数 | 866名(平成29年12月末現在・グループ全体) |
上場市場 | 非上場 |
シノケンプロデュースは、大手企業シノケングループの不動産投資会社で、バブルやリーマンショックを乗り越えて今も堅実な成長を続けている企業です。
セミナー講師は同社の社員が務め、創業から約30年、47,000戸以上(2023年12月末時点)の供給実績から得られたノウハウをセミナーで説明しています。不動産投資のリスクと対策についても丁寧に説明しており、参加者アンケートでは95%の方が「満足した」という回答をしています。
シノケンプロデュースの不動産投資セミナーの内容例
- 定年後の40年、いかに生きていくのか
- 増える不動産投資、その理由とは?
- 不動産投資のリスクと対策
セミナーの参加費は無料で、参加特典として不動産投資の実例が豊富に紹介されている市販の書籍も無料でもらうことができます。また、コンプライアンス面でも上場企業として定期的な社内監査や研修を行い、法令を遵守した営業活動を実施しています。
4 まとめ
不動産投資セミナーは、業界の第一線で働くプロや経験豊富な投資家など、普段の生活の中では会うことが難しい方々から貴重な経験や情報を直接聞くことができる場です。
今回ご紹介した不動産投資セミナー選ぶ際の4つのポイントやセミナーの中で注意するべきポイントを参考に、質の高いセミナーに参加して不動産投資についての理解を深め、長く付き合えるパートナー会社をぜひ探してみて下さい。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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