一戸建ては長く住むことができるが、築年数が経つほど修繕費が高額になる。実際のところ、どれくらいの費用が必要なのだろうか。不動産情報サービスのアットホーム株式会社が10月19日に発表した「一戸建て修繕の実態調査2023」で、一戸建て修繕にかかった費用は平均615.1万円、修繕を行ったことがある場所で最多は「外壁」となった。
調査は、全国の新築一戸建てを購入し、30年以上住んでいる50歳以上の337人を対象に、今年7月に実施した。一般的に、新築から約30年で修繕にかかる費用は400万円〜500万円とされているが、本調査では平均615.1万円。建物構造別では、木造が平均628.8万円、鉄筋・鉄骨造が582.4万円という結果だった。
修繕を行ったことがある場所の1位は外壁で79.2%、2位は「トイレ」75.4%、3位「屋根」73.6%の順。屋根の修繕回数は平均1.7回、修繕費の合計は平均138.3万円だった。トイレの修繕回数は平均1.4回。修繕経験者からは「屋根部分の経年劣化の進み方が早く修繕費が結構かかった」というコメントのほか、屋根に次いで修繕回数が多い「給湯器」について「耐用年数は考慮した方が良い」といったアドバイスが寄せられている。
600万超の金額が必要であれば、早期から修繕費を積み立てておく必要性を感じる人も多いだろう。しかし、調査では、自宅の修繕費を毎月積み立てていると回答したのは8.9%と、1割未満だった。積み立てていない91.1%の人に、修繕費にあてた(あてる予定の)項目を聞いたところ、「貯金」が69.1%でトップ。修繕経験者からは「100万単位のお金がかかるので、余裕のあるお金は積み立てに回しておいたほうが良い」などの意見があった。
家庭のエネルギー消費を少なくする「エコリフォーム」をしたことがある人は41.5%で、エコリフォームをしたことがある場所は「給湯器」「窓」「お風呂」がトップ3となった。修繕経験者は「二重窓は、省エネだけでなく遮音性も向上した」「光熱費が格段に安くなった」など好評。一方、耐震補強工事を行ったことがある人は8%と、エコリフォーム経験者の5分の1ほどに止まった。
自宅を修繕する際に、見積りを依頼したと回答したのは約6割で、見積りを依頼した会社数は平均1.7社。「3社くらいから見積りを取ったほうが良い」などの声が多く、修繕の際には複数の会社に見積りを依頼し、比較検討している人が多いようだ。
修繕の際、工事を依頼した会社を選んだ理由・決め手については「担当者の提案が良かったから」と「知人からの紹介」が同率で1位。担当者で選んだ場合、知識やスピードが判断の決め手となっていることがわかった。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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