ミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)の女性がお金の知識に不安を感じるのは、「自分の人生に適した資産形成ができているのかわからない」から―――女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」を展開するSHE株式会社がミレニアル女性を対象に実施した「お金に関する意識調査」の結果、こんな傾向が明らかになった。
調査は、コロナ禍における投資や副業収入への関心の高まりをふまえインターネットで20〜50代(20代 65.8%, 30代 32.4%, 40代 1.4%, 50代 0.2%)を対象に質問、回答者数は1185人。まず、自分のお金の知識について、現在どのぐらい不安があるかという質問では、「とても不安」36.8%、「どちらかというと不安」46%で、約83%が不安を持っていた。回答者の半数はすでに金融資産を保有しているが、保有している商品の種類は1位と2位の定期預金、投資信託で約50%を占めており、次いで積立保険が3位だった。マイホームなどの不動産については保有割合がわずか4.2%にとどまり、また、個別株式の保有割合も11.5%にとどまるなど、全体として保守的な資産形成をしていることが分かる。
お金の知識に不安を感じるのは、「自分の人生に適した資産形成ができているのかわからない」が65.1%とトップ。次いで「税金や国の制度についてよくわからない」(53.4%)、「老後の資産形成が十分かどうかわからない」(50.6%)が続く。
知識に不安があると答えた回答者のうち81.6%が「情報収集のためにネットで調べたり本を購入した」、「ファイナンシャルプランナーに相談した」など、不安に対して自身で実際に行動を起こしていた。しかし、その行動により「不安が解消できた」という回答はわずか17.3%にとどまった。
自由回答では、「友人に紹介されたものが自分に合っている資産形成方法なのか不明で、余計に不安になってしまった」「投資信託を始めてもこの方法で合っているのかという不安があり、続かない。自分の年齢と、転職やライフイベントのタイミングなど人生の条件に適しているのかも疑問」といった声が寄せられた。
知識を得ようと努力しても「独学で投資を行なっているため、自分で完全に理解できていないものを使って資金運用をしている現状に漠然と不安があるため、続かない」「同僚やセミナーなど様々な場で『老後資金が数千万以上必要』と煽られ、対策として確定拠出年金を提示されたが、解決策として不十分で他にやるべきことがあるのでは、と不安な気持ちがずっと残っている」「会社絡みの紹介で勧められるがままに入った3種の保険。勤務時間外の時間をかなり割いて、果たして自分に本当に必要な保険だったのかわからない」など、さまざまな悩みが生じている実態が分かる。
同社は「ミレニアル女性はお金の知識について、個々人にパーソナライズされた情報を、対等な関係で基礎から体系的に学ぶことのできる場を求めている」と分析。「老後2000万円問題や新型コロナウイルスによる影響でお金への関心が高まっている一方で、情報が溢れる中、自分にとって本当に必要で正しい知識を得ることは難しくなっている」として、自社のスクールでは全国どこかららでもオンラインで学べる場の提供を含んだ「金融リテラシーの民主化」に注力していく意向だ。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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