個人資産運用顧客満足度1位の銀行・証券会社は?オンライン面談の課題も。J.D. パワー 2021年調査結果

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンは7月29日、「2021年個人資産運用顧客満足度調査」の結果を発表した。調査では今年から「スマホ証券」部門を新設。米国ではロビンフッドに代表されるスマホでの株式取引が若者を中心に人気を集め、市場に大きな影響を与える存在になってきている。日本でもスマホ証券の利用者が徐々に広がり、今後も成長が見込まれることから、「ネット系金融機関」の3つ目の部門とした。

同調査は年に1回、民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの資産運用を行っている個人投資家(全国の20歳~79歳)を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を明らかにする目的で、今年10回目。今年4月中旬から下旬、銀行、証券会社で個人資産運用サービス(投資サービス)を利用した20歳~79歳までを対象に実施、回答者数は1万1508人。

回答は、サービス形態をもとに「対面証券」「全国系銀行」「ネット証券」「スマホ証券」「ネット銀行」の5部門に分けて集計した。各部門の総合満足度ランキングで、「対面証券(対象5社)」の第1位は野村證券(591ポイント)で、「顧客対応」「口座情報」「店舗施設」の3ファクターで最高評価だった。第2位は大和証券(588ポイント)「商品・サービス」ファクターで最高評価。第3位は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(585ポイント)。

「全国系銀行(対象5行)」では第1位にりそな銀行(583ポイント)が選ばれ、「顧客対応」「口座情報」「手数料・金利」「店舗施設」の4ファクターで最高評価となった。第2位の三井住友銀行(581ポイント)は「商品・サービス」ファクターで最高評価。第3位は三菱UFJ銀行(571ポイント)。

「ネット証券(対象5社)」では第1位が松井証券と楽天証券が同点の614ポイントとなった。松井証券は2年連続の1位で、「手数料・金利」ファクターで最高評価を得た。第3位はSBI証券(611ポイント)だった。

新設の「スマホ証券(対象4社)」の第1位はSBIネオモバイル証券(628ポイント)。「手数料・金利」「顧客対応」「口座情報」の3ファクターで最高評価。第2位はCONNECT(617ポイント)で、「商品・サービス」ファクターが最高評価となった。第3位はLINE証券(589ポイント)。

「ネット銀行(対象5行)」はソニー銀行(617ポイント)が第1位、2年連続のトップ。「顧客対応」「口座情報」の2ファクターが最高評価となっている。第2位は住信SBIネット銀行(615ポイント)が「手数料・金利」「商品・サービス」の2ファクターで最高評価を得てランクイン。第3位はPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)(609ポイント)の順だった。

今回の調査では、新型コロナウイルス感染拡大を機に、従来は対面を重視してきた銀行・証券会社各社でも、他の業態と同様にオンライン面談を取り入れ始めている傾向が明らかになった。専任の営業・窓口担当者がいる人のうち、新型コロナウイルスの感染拡大以降、専任の営業担当者とオンライン会議システムやビデオ通話を用いた面談をしたのは14%とまだ少数だが、未経験者に比べ総合満足度は100ポイント近く高くなっている。特に40代以下のオンライン面談経験者の総合満足度が高い。

一方で課題も明らかとなった。オンライン面談経験者のうち、何らかの問題を経験した人は約70%に達した。具体的なトラブルの内容は、「音声が聞き取りにくい」(25%)、「対面の面談に比べ、会話のテンポがつかみにくい」(24%)、「途中、接続が切れる」(22%)、「ビデオと音声のタイミングがずれる」(22%)などが挙げられた。

今後のオンライン面談の希望については、新型コロナウイルスの感染者が「多い状況」では、専任の営業・窓口担当者がいる人の44%が利用意向あり(「利用したい」と「やや利用したい」の合計)と回答。感染者が「少ない状況」でも、31%が利用意向ありと回答しており、コロナ収束後もオンライン面談への意向は継続するものと考えられる。

年代別に最も多く利用している投資の情報源を見てみると、30代以下では「SNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)」、40~50代では「インターネットの金融系サイト(Yahoo! ファイナンスなど)」、60代以上では「テレビニュース・報道」と年代によって異なる結果となった。30代以下ではソーシャルメディアを含むインターネットメディアが上位を独占しているのに対して、40~50代、60代以上ではテレビ、新聞など従来のマスメディアとインターネットメディアの両方が利用されている。一方、「主利用金融機関の担当者や窓口でのアドバイス」「主利用金融機関のパンフレット」といった金融機関の窓口での情報はどの年代においても上位の情報源としては利用されていなかった。

J.D. パワー ジャパン社は「オンライン面談は利便性の高さなどから顧客満足度が高いことが確認されたが、一方で課題も明らかとなった。問題を解決し、よりスムーズなオンライン面談を提供することが顧客満足度のさらなる向上の観点から重要と考えられる。また、顧客のデジタルリテラシーが高まる中で、情報提供についてはSNSなどのインターネットメディアの活用の重要性は一層高まっていくものと思われる。特に、従来のビジネスモデルでは取りこぼしがちだった若年層の取り込みの観点からはこうした取り組みの強化が求められている」と総括している。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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