投資信託と何が違う?ロボアドバイザーが注目される3つの理由

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投資信託は、株やFX取引と並んでポピュラーな投資方法です。投資信託がこれまで多くの方に資産運用の手段として選ばれてきた一方、近年ではAI(人工知能)技術を活用したロボアドバイザーサービス(以下、ロボアド)が資産運用の世界に登場し、従来型の投資信託から乗り換える投資家も出てきています。

そこで今回は、従来の投資信託とロボアドを比較し、ロボアドが投資信託に比べどのような特徴があるのかについて考えてみたいと思います。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 投資信託のメリット
    1. 専門家に資産を運用してもらえる
    2. リスクを抑えることができる
    3. 少額で開始できる
  2. ロボアドとは
    1. ロボアドの種類
    2. ロボアドの特徴・メリット
  3. ロボアドが注目を集めている3つの理由
    1. 始めやすく、手間がかからないロボアド
    2. 自分に合った資産運用プランでリスクは最低限に運用できる
    3. 少額から投資を始めることができ、低コストだから長期投資がしやすい
  4. ロボアドは現代のニーズを満たした投資法

1 投資信託のメリット

まずは多くの投資家に利用されている投資信託のメリットを整理してみましょう。

1-1 専門家に資産を運用してもらえる

投資信託は、銀行や証券会社の窓口で自分が気に入った商品を選んで購入すれば、あとの運用はプロの専門家に任せることができる投資方法です。忙しくて投資に携わる時間がない人や初心者で資産運用の知識が十分でない方にとっては、投資を気軽に始められることから、人気のある金融商品です。

1-2 リスクを抑えることができる

投資信託は商品自体が複数の投資対象から構成されているため、一つの銘柄を購入しても株式投資のように特定の一社だけに投資を行うことにはなりません。そのため、個別銘柄に投資を行う場合と比べてリスクが抑制されるというメリットがあります。

1-3 少額で開始できる

投資信託は、多くの場合1000円~1万円で購入できることから、まとまった初期資金がない方でも少額で始めることが可能です。手数料は、市場の指標に連動するインデックス型投資信託や市場以上のリターンを目指すアクティブ型投資信託によって大きく異なりますが、自分にあった目的・手数料を選べる種類の豊富さも特徴です。

2 ロボアドとは

近年、普及が進むロボアドは2018年6月時点で運用残高1400億円(国内大手4社合計)、米国では約30兆円と順調に市場が拡大しています。ここでは、ロボアドの種類や特徴について紹介します。

2-1 ロボアドの種類

ロボアドは、ユーザーがパソコンやスマホを通じ、年齢・年収・資産額などいくつかの質問に答えると、ユーザーのリスク許容度が診断され、それに応じた最適な資産運用プランが提案してもらえるサービスです。

ロボアドは主に、「アドバイス型(提案型)」と「投資一任型」の2種類に分けることができます。アドバイス型では、資産運用プランの提案のみを行い、投資対象商品の発注・運用・運用中に必要となる資産構成の最適化(リバランス)などはユーザーが自ら行うことになります。投資一任型は、資産運用プランの提案に加え、その後の発注・運用・運用中の資産構成最適化などまですべて行ってくれるものです。

アドバイス型はあくまで資産プランの提案のみにとどまるため、以下では全自動で資産運用を行う投資一任型のロボアドについて詳しく説明をしていきます。

2-2 ロボアドの特徴・メリット

次にロボアドのメリットについて見ていきましょう。

個々のユーザーの条件に合った資産運用プランを提供してくれる

投資一任型のロボアドは、資産運用プランの提案・投資対象商品の発注・運用・運用中に資産構成を最適に保つための調整までを含め、すべての工程を任せることができます。資産運用プランは、ユーザーに対するリスク許容度の診断に応じて、ユーザーひとり一人の条件に合った最適なプランを提供・運用してくれます。

分散投資ができる

投資対象は個別のロボアドによって異なりますが、地理的には国内外、種類別には株式・債券・不動産など幅が広く、これらを組み合わせることにより分散投資を行います。また、ポートフォリオのバランスが偏った場合には資産の配分を見直すリバランスを自動で実施する機能も搭載されており、知識のない初心者であっても株式投資において推奨される運用手法を取り入れることができます。

少額で開始できる

最低投資額は個別のロボアドによって異なりますが、1000円~10万円の資金で始めることができます。また、コストも運用報酬としておおむね年率1%となっているため、取引ごとの手数料などを加味すると低価格で資産運用が開始できます。運用に関するさまざまな申し込み手続きはパソコンやスマホを通して完結するため、わざわざ運用会社の店頭に出向く必要がないことも特徴です。

3 ロボアドが注目を集めている3つの理由

それぞれ特徴をもつロボアドと投資信託ですが、ロボアドは以下の3つの点が特徴の資産運用手段です。それでは詳しく見ていきましょう。

3-1 始めやすく、手間がかからないロボアド

投資信託を購入する場合、銀行や証券会社の窓口で営業員に相談しながら自分が気に入った商品を選ぶことになります。最近はネット経由で手続きが完結するネット証券も登場してきていますが、投資信託の販売は窓口販売が主流です。購入後は運用会社の専門家に商品の運用を任せることができますが、運用途中での資産構成の最適化するリバランスは投資家自身の手で行うことになります。

投資信託は長期で行っていると、投資信託を構成する株式や債券の相場変動によって資産価値が変化し、構成比率が当初想定していた比率と異なってしまいます。構成比率の変化はリスクの変化に直結するため、自身のリスク許容度が変わっていないにもかかわらず構成比率が変化してしまった場合、資産配分を最適化する必要があります。定期的に発生するリバランスは、購入している投資信託の売買も必要となることから資産運用初心者にとっては煩雑な作業です。

株式や債券などがバランスよく組まれたリスク分散型の「バランスファンド」では資産構成の最適化を運用会社で行ってくれますが、前述の通りあらかじめ資産構成が決まっているため、ユーザーそれぞれのリスク許容度に応じて運用することが難しいというデメリットがあります。

一方、ロボアドは運用開始にあたってパソコンやスマホを通して手続きが完結することができます。店頭窓口で営業員とのやり取りの中で不本意な商品を購入してしまうかもしれないという心配がないことも特徴でしょう。

購入商品は年齢、年収、貯金額、リスク許容度などから自動で最適なプランを提案してくれます。サービス契約後には商品の発注から運用まですべて行ってくれるため、運用中に必要となるリバランスをユーザー自身で行う必要がなく、仕事で忙しいビジネスマンであっても運用のすべてを任せることが可能なので負担は感じずに運用を進めていくことができるでしょう。

3-2 自分に合った資産運用プランで運用できる

投資信託の投資対象は、ロボアドと同じく国内外の株式や債券ですが、ユーザーが投資の構成比率を決めることはできません。「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」は、どのような種類のものを何%の構成で組み込むかは、ファンドによって異なり、ユーザー個人の条件や事情を考慮したものではありません。

ユーザー個人の条件や事情とピッタリ合うオーダーメイド的な投資信託には「ファンドラップ」があります。ファンドラップはユーザーそれぞれの事情や希望に応じてきめ細かくファンドを組んでくれ、その後の運用もまるごと行ってくれるものです。しかし、ファンドラップは初期投資額が最低でも300万円程度は必要であるため、資金に余裕がある人以外は簡単に始めるのが難しいといえます。

一方、ロボアドでは、ユーザーのリスク許容度診断を行うことで、ユーザー個々の条件や事情に合うきめ細かい資産運用プランの提供が可能です。ロボアドにより、プランの内容や資産構成は異なりますが、THEO(テオ)では200通り以上の投資パターンがあります。さらに、リスク抑制のため分散投資を行うのは投資信託も同様ですが、分散の範囲はロボアドの方が広いといえます。例えば、WealthNavi(ウェルスナビ)は、世界50ヶ国・12,000銘柄、THEO(テオ)は世界約70の国・地域,、20,000銘柄以上を投資対象としています。

このようにロボアドは、自分に合ったプランでリスクを分散しながら運用できるという魅力がます。

3-3 少額から投資を始めることができ、低コストだから長期投資がしやすい

投資信託は、1000円~1万円で購入できるため、初期投資額を抑えたい人やまとまった資金がない方でも始めることができます。一方、ロボアドの最低投資額は様々ですが、オン コンパス(ON COMPASS)
は1000円、THEO+docomoは1万円で始められるため、投資信託とロボアドのどちらであっても少額で資産運用を始めることができます。

一方、費用面にはそれぞれ特徴的な違いがあります。まずは投資信託で発生する費用について詳しく見てみましょう。

  1. 販売手数料:投資信託の販売会社に支払う手数料
  2. 信託報酬:投資信託の運用・管理のための費用
  3. 監査報酬:投資信託の監査にかかる費用
  4. 信託財産留保額:投資信託の購入・解約時に発生する手数料とは別の費用

投資信託の費用内訳は商品ごとで異なりますが、おおむね運用資産の「1~3%」程度の費用が発生すると考えるとよいでしょう。

一方、ロボアドでは上記費用が設定されていない代わりに運用手数料が発生します。費用はロボアドの種類によって異なりますが、投資一任型ではおおむね運用資産の1%前後が主流となっています。

4 ロボアドは現代のニーズを満たした投資法

かつて投資といえば一部の限られた富裕層が行うイメージがありましたが、近年では資産運用への関心の高まりから投資対象・手段の広がりをみせ、ビジネスマンや主婦の方にも少額から取り組むものとして浸透しつつあります。こうしたなか、投資信託をはじめとする従来の金融商品は、資産運用の知識が乏しい初心者にとって取り組みやすい商品とはいえないという現状がありました。

近年普及してきたロボアドバイザーは、こうした問題を解決する資産運用サービスです。手続きの簡便さ、気軽に始められる便利さ、資産運用の手軽さ、カスタマイズ性、リスク分散具合など、プロに運用を任せる投資の代表ともいえる投資手法として注目が集まっています。

これから資産運用を考えているという方や既に投資信託に投資をしているという方も、これを気にぜひロボアドの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーに関する知識が豊富なメンバーが投資の基礎知識からロボアドバイザーのポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」