アパート投資で失敗しないための7つのポイント

アパート投資は投資金額が多くなるので、リターンも大きいですがリスクも大きい投資です。この記事では、アパート投資で失敗しないために下記のようなポイントをまとめています。

  1. 新築アパートと中古アパートのメリット・デメリットを知る
  2. エリアのリサーチを行い、特性を知る
  3. ターゲット入居者のニーズを物件に反映する
  4. 収支計算時は、家賃の下落率を想定しておく
  5. 購入時に交渉をしてできるだけ安く、良い条件で買う
  6. 諸費用は自己資金で支払う
  7. 出口戦略をつねに考えておく

以下では、これらのポイントについて詳しく解説をしていきたいと思います。

新築アパートと中古アパートのメリット・デメリットを知る

アパート投資を始める時に、まず一番初めに悩むのが「新築と中古のどちらが良いのか?」という問題です。以下に新築アパートと中古アパートの特徴を比較した表を掲載しましたので、こちらでメリット・デメリットを把握しておきましょう。

比較項目 新築アパートのメリット・デメリット 中古アパートのメリット・デメリット
物件価格 × 物件の取得価格が高い ◎ 物件価格が新築より2割~3割安い
仲介手数料 ◎ 購入手数料がかからない × 物件価格×3%+6万円が上限でかかる
利回り × 物件の利回りが低い(5%~8%) ◎ 物件の利回りが高い(7%~10%)
賃料価格 ◎ 新築プレミアムで高く設定できる × 築年数が立つほど賃料は低くなる
賃料下落率 × 購入時からの家賃の下落率が大きい ◎ 購入時からの家賃の下落率が少ない
ローン返済期間 ◎ ローン返済期間が長い × ローン返済期間が短い
担保余力 ○ 担保余力が高い × 担保余力が低い
償却期間 ○ 減価償却期間が長い × 減価償却期間が短い
設備 ○ 最新設備が設置されている × 設備が古くなっている
維持コスト ○ 修繕費などが少なくて済む × 設備などの修繕費がかかる
瑕疵担保責任 ◎ 瑕疵担保責任の保証期間が10年 × 瑕疵担保責任は購入後1年程度

この表からもわかるように、新築アパートと中古アパートにはそれぞれメリット・デメリッが存在するため、一概にどちらが良いというものでもありません。自己資金や投資目的・投資スタイルによってどちらが適切かは変わってきます。

たとえば、自己資金が豊富で賃料収入に重きを置くのであれば新築アパート、キャピタルゲインやバリューアップ(リノベーションで物件の付加価値を上げる不動産投資戦略)なども視野に入れていくのであれば中古アパートが良いかと思います。

エリアのリサーチを行い、特性を知る

アパート投資において、エリアのリサーチは何よりも優先して行うべきものとなります。エリアの人口が今後5年・10年とどう推移するのかを市区町村のデータなどからしっかりと調べておくことはもちろん、学校やオフィス・工場など入居を左右するような主要施設、近隣の競合物件や今後のアパート建築状況などについてもしっかりと調べておきたいところです。

また、エリアの面でアパート投資がマンション投資と大きく異なる点は、都心エリアの物件が少ないという点です。マンション投資であれば都心の駅徒歩10分以内の物件を選んでおくことで入居需要も堅く読むことができますが、アパートの場合はマンションと比べると物件の競争力が低く、入居者属性も年収水準が低めの方をターゲットにすることになりますので、どうしても都心から電車で数十分ほど離れた駅の周辺や郊外・地方といったところに位置することになります。そのため、どのエリアを選ぶかが投資パフォーマンスを最も大きく左右するポイントとなります。

アパート投資のエリア選定の定石としては、都心に接続が良いターミナル駅(都心ターミナル駅から電車で20分前後の距離)に近い場所を選ぶことです。その上で、物件のある場所からの駅徒歩10分以内、コンビニ、金融機関、医療機関などの利便性を見ていくと良いでしょう。

ターゲット入居者のニーズを物件に反映する

エリア選定が終わったら、次は入居者のターゲット像を明確にしていきましょう。アパートという物件タイプの特性上、入居者は学生や20代から30代までの社会人、高齢者などの単身世帯が多くなります。

また、大学や専門学校など学校が近くにあれば学生が多くなりますし、都心ターミナル駅に接続の良い通勤の利便性が高いエリアでは社会人単身者が多くなります。

さらにそのなかでも、女性をターゲットにするかどうかで物件のデザイン性や設備が大きく変わってきます。女性がターゲットの場合は、防犯カメラの設置や水回り、防音性といった基本的なな設備面の充実に加えて、洗濯物が室内でも干しやすいか、駅からの帰りに美容院があるかといったような細かいところにまで気を配っていくことが大切です。可能であれば、身近な女性にヒアリングをしながら物件を見定めていくとよいでしょう。

収支計算時は、家賃の下落率を想定しておく

アパート投資の収支シミュレーションで気をつけなければいけないのは、家賃の下落率を想定しなければいけないという点です。アパートはマンションに比べると家賃の下落率が大きいので、正しく下落率を設定しておかないと赤字経営になってしまうことがあります。

以下は、三井住友トラスト基礎研究所が2013年に発表した築年数と賃料のグラフとなります。東京23区の賃貸マンションを対象に分析をしたもので、シングル(ワンルームマンション)のタイプだと築10年で新築時の賃料の89%、築20年で新築時の賃料の83%となっています。アパート投資の場合は、これよりも下落幅を大きく読んでおいたほうが、実際の収支とのギャップが少なくなります。
理論賃料推移
【図1】参照ページ:三井住友トラスト基礎研究所「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」

購入時に交渉をしてできるだけ安く、良い条件で買う

物件の購入時はできるだけ割安に購入することが大切です。ついつい営業マンに気を遣ってしまって、「もう少し安くなりませんか?」ということを言い出しづらいということはあるかもしれませんが、アパート投資を成功させる上で価格交渉は必須です。

アパートの購入価格が下がれば、利回りが向上することに加えて、仲介手数料やローン返済金額も少なくなることになりますので、全体的に収支状況が改善することになります。交渉時は心を鬼にして、「いかに安く買うか」をつねに考えて行動するのが良いでしょう。

ただし、購入する不動産業者とは今後も付き合いが発生する可能性が高いので、相手が嫌がるような値引きではなく、相手が自分から値引きをしたくなるような流れにもっていくのが望ましいと言えます。具体的な交渉方法については、下記の記事も参考にしてみて下さい。

不動産収益を数百万円改善!不動産購入の7つのコツ

諸費用は自己資金で支払う

アパート投資は投資金額が大きいため、諸費用も数百万円~1000万円程度の金額となります。そのため、諸費用もローンにしたくなってしまいますが、諸費用は不動産投資ローンとは別のローンとして組まれることが多いので、金利も倍以上の割高なものとなってしまうことが多いことに注意が必要です。

アパート投資に興味を持っている方は、利回りの高さやリターンの大きさ、今後の投資の拡大のしやすさなどにメリットを感じている方が多いかと思いますが、諸費用をローンにしてしまうと実質利回りが下がってしまうことに加えて、金融機関からも良い印象は持たれません。

アパート投資を始める際は、諸費用を支払うことができる500万円~1000万円程度の自己資金を用意しておくと良いでしょう。

出口戦略をつねに考えておく

アパート投資の最後のポイントは、出口戦略です。物件を売却するか保有し続けるかという選択肢しかないマンション投資とは異なり、アパート投資にはリノベーションを行って賃料を見直す、いまの建物を壊して新しく建て直す、建物を壊して土地だけを売却するといった出口戦略が豊富にあります。

アパート投資の出口戦略

いつまで土地と物件を運用していくか、どのタイミングでどういう形で投資を終えるかという出口戦略をしっかりと描いてからアパート投資を始めることで、その目標や着地点に向かった経営ができますので、アパート投資の成功確率が高まることになります。自分だけでは考えることが難しいという場合には、まわりのアパートオーナーやアパート投資会社、アパート投資アドバイザーなどにも相談をしてみると良いでしょう。

まとめ:アパート投資は事前の準備で成否が決まる

アパート投資は成功すれば大きなリターンが得られる投資ですが、リスクも大きい投資ですので、事前の準備が必要不可欠です。新築アパートか中古アパートか、どこのエリアにするか、誰をターゲットにするか、家賃をいくらで想定するか、購入時にどうやって交渉するか、諸費用を自己資金で支払うことができるか、出口戦略をどうするかといったことをしっかりと考えてアパート投資を成功させましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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