ロボアドバイザー投資で発生する税金と確定申告の方法まとめ

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難しい操作は不要で、ほぼおまかせで資産運用を行ってくれる「ロボアドバイザー」。はじめて投資信託を行う人や、投資についての知識がない人でも気軽に使えるサービスです。

ですが、ロボアドバイザーで投資を行い利益が発生した場合には税金するということは事前に知っておく必要があります。今回は、ロボアドバイザーで発生する税金と確定申告の方法やポイントについて詳しく解説していきます(2020年6月時点の税制をもとに解説)。

目次

  1. ロボアドバイザー投資で発生する税金と確定申告
    1-1.特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば確定申告は必要なし
    1-2.特定口座(源泉徴収あり)のデメリット
    1-3.確定申告が不要でも行ったほうがいいケースとは?
  2. ロボアドバイザー投資の確定申告で必要な書類
    2-1.特定口座年間取引報告書
    2-2.確定申告書B
    2-3.源泉徴収票
    2-4.マイナンバーカード/マイナンバー付きの書類
    2-5.本人確認書類
    2-6.印鑑
  3. まとめ

1.ロボアドバイザー投資で発生する税金と確定申告

ロボアドバイザー投資で利益を得た場合には、その利益に対して税金が発生します。税率は一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)となっており、特定口座(源泉徴収あり)以外の口座を開設した場合は自分で確定申告をしなければなりません。

会社の給料とは違い、自動的に税金が引かれるわけではないので注意しましょう。

1-1.特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば確定申告は必要なし

はじめて投資を行う人からしてみれば、確定申告は面倒な作業だとイメージする方も多いでしょう。「どうせなら、確定申告をしないでロボアドバイザーを利用したい」などと考えている人もいるかと思います。

そういった場合は、証券口座を開設する際に「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しましょう。これは、簡単に言えば「証券会社が納税に必要な手続きを行ってくれる口座」のことを指します。

自分でわざわざ報告書を作成したり、申告書の作成・提出まで行ったりしなくていいので、面倒な作業を簡略化したい人は、特定口座(源泉徴収あり)を選択しましょう。

1-2.特定口座(源泉徴収あり)のデメリット

ただし、その一方でデメリットもあります。

一番のデメリットは、投資で得た収益が年間20万円以下であっても源泉徴収額が引かれてしまうところです。本来ならその分の所得税の納付義務は発生しないのに、源泉徴収ありの特定口座を選んで税金が引かれてしまい、むしろ損をしてしまうケースも少なくありません。

「より多く投資をして利益を得たい」と考えている場合は、源泉徴収なしの特定口座か一般口座の利用が適しています。

  • 特定口座(源泉徴収あり):年間取引報告書や納税の手続きは証券会社がすべて代行。利用者は何もしなくて良い
  • 特定口座(源泉徴収なし):年間取引報告書のみ証券会社が作成。確定申告は利用者自身で行う
  • 一般口座:すべての手続きを自分でやる必要あり

ただし、表の通り源泉徴収なしの特定口座と一般口座は自分で確定申告を行わければなりません。投資の利益を取るか、手続きの簡略化を取るか、十分に考えた上で口座を選択するようにしましょう。

1-3.確定申告が不要でも行ったほうがいいケースとは?

なお、確定申告が不要でも行ったほうがお得なケースもあります。

  • 外国税額控除を利用したい場合
  • 他の株式と損益通算をしたい場合
  • 繰越控除を受けたい場合

特に、ロボアドバイザー投資で損失を受けてしまい、税金対策を行いたい時は確定申告が必要になってきます。税金を少しでも安くしたい・損益を繰り越したい・二重払いを防ぎたい、そういった時には確定申告を忘れないようにしましょう。

※補足
外国税額控除とは…二重で税金を払わないための控除のこと
損益通算とは…他で得た利益から損失を引き、税金を安くできる方法
繰越控除とは…損失を単年でカバーしきれない時に使える控除のこと。翌年以降最大3年間繰越可

2.ロボアドバイザー投資の確定申告で必要な書類

では、ロボアドバイザー投資で確定申告を行う場合、どんな書類を用意すればいいのでしょうか?ここでは、確定申告で必要な書類をご紹介していきます。

源泉徴収なしの特定口座もしくは一般口座を選んだ方は、ぜひ参考にしてみてください。

※確定申告は1月1日~12月31日までの1年間の所得を、翌年2月16日~3月15日の間に税務署へ申告し、所得税等を納税する手続きです。申告期限は年度によって(土日祝などの理由から)前後しますので、必ず確認するようにしましょう。

2-1.特定口座年間取引報告書

ロボアドバイザーの確定申告で必要になってくるのが、特定口座年間取引報告書という書類です。これは、簡単に説明すると「1年間の取引でどれくらいの利益/または損失が出たのか」という報告書のことを指します。

ロボアドバイザー投資で確定申告をする場合には、用意するのを忘れないようにしましょう。

源泉徴収なしの特定口座を利用している場合は、証券会社が自動的に報告書を作成してくれるので自分で作成する必要はありません。一般口座の場合は、一から報告書を作成しないといけないので注意してください。

2-2.確定申告書B

続いて必要なのが、確定申告書です。
AとBの2つの種類がありますが、ロボアドバイザーで確定申告を行う場合は所得の種類に関わらず利用ができる申告書Bを利用しましょう。

国税庁のウェブサイトから印刷して手書きで作成することもできますが、より簡単に行うなら国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」の利用するとよいでしょう。

金額を入力し、案内に従って申告書を作成していくので、はじめての確定申告でも問題なく行えます。

2-3.源泉徴収票

続いて必要なのが、源泉徴収票です。源泉徴収票は、給与所得・退職所得・公的年金などが対象となっています。確定申告では必要になってきますので、勤務先などから必ずもらっておきましょう。

2-4.マイナンバーカード/マイナンバー付きの書類

次に必要なのが、マイナンバーカードもしくはマイナンバー付きの書類です。マイナンバーは、申告1回ごとに必要になってきますので忘れないように注意してください。

マイナンバーカードを作っていない場合は、以下の書類の提出でも可能です。

  • 通知カード
  • マイナンバー付きの住民票の写し

2-5.本人確認書類

また、マイナンバー以外に本人確認書類も必要になります。国税庁のHPで提出可能とされている本人確認書類は、以下の通りです。

1枚のみ提示で良いもの 2枚セットで提示が必要なもの
●運転免許証
●パスポート
●住民基本台帳カード
●在留カード
など
●保険証
●年金手帳
など

参照元:平成28年1月から、納税証明書交付請求時の本人確認書類が変わります|国税庁
※いずれも有効期限内のものが対象です。

申告書やマイナンバー等と添付して提出する形となりますので、忘れないようにしましょう。

2-6.印鑑

確定申告を行う場合は、印鑑も必要です。ゴム印以外であれば何でも構いません。申告書への捺印に必要なので、必ず用意をしておきましょう。

まとめ

今回は、ロボアドバイザー投資で発生する税金や確定申告の方法についてまとめました。以下が主なポイントです。

  • ロボアドバイザーでの利益は課税対象(約20%の税率)
  • 基本的に源泉徴収ありの特定口座を選べば確定申告は必要なし
  • ロボアドバイザーの利益を確定申告する場合は取引報告書が必要
  • 確定申告不要でもしておいたほうがお得なケースもある

はじめてロボアドバイザーを利用する・確定申告自体やったことがない方は、報告書の作成から納税まで自動で行ってくれる源泉徴収ありの特定口座を利用しておくとよいでしょう。

また、大手ロボアドバイザーの「WealthNavi(ウェルスナビ)」には、自動売買によってその年の利益額を調整してくれる「自動税金最適化機能」も用意されています。興味のある方はこちらも利用を検討してみると良いでしょう。

これからロボアドバイザーを始めようと思っている人は、ぜひ今回の記事を参考にしていただければと思います。

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もちころ

難しいお金のことを分かりやすく解説する系ライター。現在FP(ファイナンシャルプランナー)2級勉強中。得意分野は投資信託・ロボアドバイザー・ふるさと納税。ある程度お金が貯まったらつみたてNISAにチャレンジしたいなと思ってます。読者の皆様の役に立つ記事を書けるよう頑張っていきます。