私たちの日常生活に深く浸透しているポイントサービス。そのポイントを使って投資ができる「ポイント投資」が今人気を呼んでいます。これまで使い道のなかったポイントを資産運用に回すことで、気軽に投資が始められるという内容です。
今回は、ポイント投資の詳しい内容とそのメリット、おすすめのポイント投資サービスなどをご紹介します。手元にあるポイントを利用して気軽に投資体験をしたい方は参考にしてみてください。
目次
- ポイント投資とは
1-1.ポイント投資を始めるメリット
1-2.ポイント投資にかかる税金 - 主なポイント投資サービス
2-1.dポイント投資
2-2.Tポイント投資
2-3.楽天ポイント投資
2-4.セゾン永久不滅ポイント投資 - 運用すればポイントが貰えるサービス
3-1.THEO+docomo
3-2.ウェルスナビ東急カードポイント
3-3.松井証券ポイントプログラム - まとめ
1 ポイント投資とは
ポイント投資は、現金ではなく楽天ポイントやドコモのdポイントなどのポイントを使って投資ができるサービスです。従来のポイントサービスには、共通ポイントやクレジットカードのポイント、会員になると貰えるポイントなどさまざまあり、その使い道は、貯まったポイントで買物をするか景品と交換するのが主流でした。
しかし最近では、ポイントを使って株式投資や投資信託などの運用ができるサービスが始まっています。このサービスを総称して「ポイント投資」と呼んでいます。
1-2 ポイント投資を始めるメリット
ポイント投資をするメリットは次のとおりです。
- 現金を使わずに投資体験ができる
- 資産運用なのに、手間がかからない
- ポイントの有効活用ができる
一つずつ解説していきます。
現金を使わずに投資体験ができる
これまで投資をしたことがない方は、投資に対して「損失を被る可能性がある」「元手となる資金がない」「自分には難しそう」といったネガティブな印象を持つことがあります。
しかし、ポイント投資で運用するのは現金ではなくポイントとなるため、今まで貯まった分から気軽に投資を体験することが可能です。運用自体も投資会社が行ってくれるため、投資先の選択で悩む必要がほとんど無く、すぐに運用をすることができます。
資産運用の手間がかからない
ポイント投資での投資先で最も多いのは投資信託です。投資信託は資産運用の専門家が利用者に代わって運用してくれるため、個人で行う株式投資などに比べると運用の手間が大幅に少なくなります。
またNTTドコモの「ポイント投資」の場合、完全にお任せで運用することができます。手間や時間をかけずに投資体験をできるのがポイント投資の魅力です。
ポイントの有効活用ができる
ポイントがたくさん貯まっていても、特に使い道がないという方は多いのではないでしょうか。そういった方は、ポイント投資で貯まっているポイントを投資や運用に回すことで有効活用ができます。
特にポイントの有効期限が迫っている場合、そのまま放置すると期限切れとなりますが、例えばdポイント投資では運用中の期間はカウントされないため、期限切れになる心配がありません。
また、SBIネオモバイル証券のTポイント投資では、Tポイントを使って1株単位から株式投資をすることができます。
1-3 ポイント投資の税金
ポイント投資は近年開始された新しいサービスとなるため、税制をはじめとする法整備が進んでいない面があり、現時点でポイント運用により得たポイントは「一時所得」の分類になるとされています。
一時所得とは、営業行為や労務・役務・資産の譲渡による対価としての性質を持たない一時的な所得のことを指し、最高50万円の特別控除枠が設けられています。そのため、ポイント投資による所得が年間50万円を超えなければ非課税の扱いになります。
2 主なポイント投資サービス
ポイント投資サービスは各社から提供されていますが、中でもおすすめのポイント投資サービスをご紹介します。
2-1 dポイント投資
dポイント投資のウェブサイトは、NTTドコモが運営している「dポイント」で投資ができるサービスです。dポイントはドコモがサービス提供する共通ポイントで、ドコモのスマホ利用やdカード(dカード、dカード GOLD)の使用、あるいはdポイント加盟店での買物などで貯めることができます。
また、ロボアドバイザーの「THEO(テオ)+docomo」でも預かり資産額に応じたdポイントをもらうことができます。THEO+docomoは「投資一任型」といって、資産運用全般を代わりに行ってくれるため、手間はほとんどかかりません。
このようにして得たポイントをdポイント投資サービスに投資することができます。前述の「ポイント投資」では投資ポイント数は1日1回変動しますが、前述したとおりあくまで「ポイントの運用」となるため、現金が増減するわけではありません。なお、dポイント投資の投資単位は100ポイント単位となります(1ポイント=1円相当)。
運用される間は「運用ポイント」に変換されていますが、好きな時にdポイントに戻すことができ、各種支払いや買い物に利用可能です(戻す際は、1ポイント単位で変換可能)。
また、「ポイント投資」では、dアカウント(無料)を取得する必要がありますが、年会費や手数料などのコストはかかりません。
その他、dポイントを使って株が買える「日興フロッギ」というサービスもあります。日興フロッギーは、三井住友フィナンシャルグループのSMBC日興証券が提供する投資情報サイトで、記事から株が買えるサービスです。
日興フロッギーはNTTドコモと協業しており、100ポイント(100円分)から株の購入が可能です。なお、dアカウントの取得は誰でも可能なので、ドコモユーザーに限らずdポイントを貯めて使うことができます。
また、100万円以下は購入手数料が0円(※2020年11月時点、売却手数料はかかります)となっているなど、とにかく株取引が始めやすいメリットがあります。購入した株式からは配当を受け取ることができ、株主優待が貰えるケースもあります。
2-2 Tポイント投資
Tポイント投資とは、SBI証券とツタヤ(TUTAYA)を運営しているCCCマーケティングが資本業務提携を行って設立したSBIネオモバイル証券によるポイント投資です。2019年4月にサービスを開始しました。
利用者は、月額220円(税込)からの利用料でTポイントを使った国内株式の購入ができることに加え、毎月200ポイントのネオモバ限定Tポイントをもらうことができます。株式は1株単位から購入できるため、有名な上場企業の株式も数百ポイントから保有できるという魅力があります。
2-3 楽天ポイント投資
楽天スーパーポイントは、楽天グループが提供するポイントサービスで、楽天市場や楽天ブックスなどでの買物、楽天トラベルを利用した旅行などでポイントが貯まるサービスです。貯まったポイントは、楽天グループや加盟店での各種買物サービスなどに利用することができます。
楽天では、以下の2種類のポイント投資サービスを提供しています。
ポイントで投資信託を購入できるサービス
楽天スーパーポイントで投資信託を購入できるサービスです。楽天証券に証券口座を開けば、楽天スーパーポイントを使って好きな投資信託を購入できます。
投資信託の購入は100円の少額から始めることができ、購入代金の一部または全部をポイントで支払うことができる仕組みです(1ポイント=1円相当)。また、100ポイント以上1ポイント単位での積立投資もできます。ただし、その際は投資信託販売手数料と信託報酬がかかります。
また、楽天のポイント投資は、他のポイント投資サービスと異なり、運用利益に対して20.315%の所得税・住民税が課税されます。一般のポイント投資は、ポイントをポイントのままで運用し、増えたポイントはポイントとして戻ってきます(一時所得の扱い)。
しかし、楽天のポイント投資は、ポイントで投資信託という金融商品を購入し、その後は本物の投資と同じく売却益などが現金で戻ります。そのため、税務上の取り扱いも異なってくるわけです。ただし、NISA口座や積立NISA口座も利用できるため、それによる税制上の優遇措置も受けられます。
ポイント運用by楽天PointClub
楽天証券の口座を開設する必要なしに、気軽に始めることができるポイント投資です。
100ポイント(100円)の少額から始めることができます。投資対象は投資信託となり、主に次の2コースに分かれています。
- アクティブコース:株式にウェイトを置き、積極的な運用を目指すコース
- バランスコース:株式よりも債券にウェイトを置き、安全な運用を目指すコース
運用ポイントの評価額は、楽天証券で購入できる投資信託の基準価額に連動して増減し、運用で増えたポイントは、好きな時に1ポイント単位で引き出しできます。dポイント投資に似たサービスといえるでしょう。
2-4 セゾン永久不滅ポイント投資
セゾンのポイント投資は、セゾン系のカードを利用することで貯まるセゾン永久不滅ポイントを使って投資ができるサービスで、有効期限はありません。貯まったポイントは各種商品と交換したり、買い物に利用したりすることができます(買い物の支払い200ポイント=900円分)。チャージは100ポイント単位となります
なお、セゾンのポイント投資では、以下の3つの投資方法が用意されています。
- 投資信託:日本株コース、アメリカ株コース、アクティブコース、バランスコースの4コース
- 積立投資:上記の投資信託で積立を行う
- 株式投資:個別の株式に投資を行う
ポイント投資の手数料はかかりませんが、投資を行う際に、永久不滅ポイントを「ストックポイント」に交換する必要があり、この時交換レートの差額として手数料相当額が差し引かれる仕組みです。
3 運用すればポイントが貰えるサービス
資産運用に伴いポイントが貰えるサービスを見ていきましょう。
3-1 THEO+docomo
「THEO+docomo」は、ロボアドバイザーのTHEOに資産運用を任せるサービスです。資産運用が目的であるため、dポイント投資のようなポイント運用ではなく、現金を運用します。
THEOは投資一任型のロボアドバイザーで、資産運用全般をすべて任せることができます。利用者の年齢・年収・資産額などの属性を判断材料にリスク許容度を診断し、資産運用の最適なプランを個別に構築してくれます。
投資対象は世界約70の国・地域、20,000銘柄以上数と広範囲にわたっており、「国際分散投資」により可能な限りのリスク分散を図っています。
THEO+docomoの最低投資額は1万円からとなっており、また投資一任型のロボアドバイザーTHEOに運用プラン策定から実際の運用まで任せることが可能なため、投資初心者でも簡単に運用を行うことができます。なお、手数料は、年率で預かり資産の1.1%(税込・3,000万円を超える部分は0.55%)となります。
THEO+docomoでは、運用額に応じてdポイントが貰えます。ドコモ回線利用の場合は、預かり資産1万円につき毎月1.5ポイントが付与され、ドコモ回線を利用していない場合は、預かり資産1万円につき毎月1ポイントが付与されます。ドコモ利用の場合は、1.5倍お得になる仕組みです。
また、dカード(dカード、dカード GOLD)の利用で「おつり投資」ができます。おつり投資とは、あらかじめ支払金額単位(100円または500円)を設定しておき、買物のおつり金額相当を毎月自動で積立運用してくれるサービスです。
例えば支払金額単位を500円に設定した場合、dカードを使って850円の商品を購入したときは、1,000円(支払金額単位500円×2)-850円=150円となり、支払額が1,000円になる代わりに、おつりの150円が自動で積み立てられることになります。
THEO+docomoでは、ドコモ口座とTHEOを連携させ、ドコモ口座からワンクリックでTHEOに入金する、またはTHEOからドコモ口座に出金することも可能です。さらに、様々なサービスを無料で使える共通IDのdアカウントとTHEOを連携させ、初期登録や運用中のログインも簡単に行うことができます。
3-2 ウェルスナビ東急カードポイント
ウェルスナビ東急カードポイントは、東急カードでウェルスナビの投資信託を購入するとTOKYUポイントが貯まるサービスです。
「ウェルスナビ」は、ウェルスナビ株式会社が運用する、運用者数39万人(2024年3月31日時点)、預かり資産額1.2兆円を達成(2024年5月10日時点)の実績を持つロボアドバイザーです。THEOと同様に投資一任型に分類され、個々のユーザーに応じた資産運用の最適なプランを構築し、実際の発注から運用までをすべて行ってくれるため、手間がかかりません。
国際分散投資で、世界約50か国、12,000銘柄の中から最適な銘柄を選別します。ウェルスナビで資産運用を始めると、海外ETFを組み合わせた各コースの中から、最適なポートフォリオを提案してくれます。また、収益にかかる税額を少なくするための「自動税金最適化機能」を持っているのが特徴です。
TOKYUポイントは、毎月の資産残高に対して1万円ごとに1ポイント付与されます。ただし、資産が10万円以下の場合はポイントが付与されないため、注意が必要です。
1年間に貯まるポイントは、資産評価額が30万円で運用開始ポイントと資産評価ポイントを合計して760ポイント、資産評価額が100万円で合計1600ポイント、資産評価額が1,000万円で1万2,400ポイントとなっています。
3-3 松井証券ポイントプログラム
松井証券では、独自のポイントプログラムである「松井証券ポイント」サービスを提供しています。投資信託の保有・購入・クレジットカードの使用によりポイントが還元されるサービスで、次のような特徴があります。
- 投資信託の保有残高に応じて、ポイントが還元される
- 投資信託の購入でポイントが還元される
- クレジットカードの利用でポイントが還元される
投資信託の保有残高に応じて、ポイントが還元される
投資信託の保有残高に応じて、年率で0.1%のポイントが還元されます。他の証券会社でも同様のサービスを行っていますが、その還元率は0.048~0.12%程度となるため、松井証券の還元率は比較的高いといえます。ただし、信託報酬が年率0.1%以下の投資信託は対象外です。
投資信託の購入でポイントが還元される
購入手数料がかかる投資信託を購入すると、その手数料全額がポイント還元されます(消費税分は含まれない)。例えば、購入手数料が3%の投資信託を100万円分購入すると、3万円の手数料が発生しますが、ポイント還元により実質的な負担は0円になります。
クレジットカードの利用でポイントが還元される
「MATSUI SECURITIES CARD」という名称のオリジナル・クレジットカードを買物などで利用すると、利用額の0.5%がポイント還元されます。また、貯めた「松井証券ポイント」で投資信託を購入できます。
他にもあらかじめ設定するだけで、ポイントを使って指定した投資信託を自動的に積み立て購入することもできます。手間をかけずに、資産を増やしていける便利なシステムと言えるでしょう。
4 まとめ
ポイント投資は2016年頃から各社から提供が始まった新しいサービスで、その人気は急速に高まっています。
ポイント投資は、従来型の投資では一歩踏み出せなかった方たちが、気軽に始められる画期的なサービスと言えるでしょう。この記事を参考に、ポイント投資に興味が湧いた方は、ご自身に合ったサービスを見つけてみてください。
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