ナッジ株式会社(以下、ナッジ)は、「ひとりひとりのアクションで未来の金融体験を創る」をミッションに掲げ、次世代の提携クレジットカード「Nudge」を展開しています。キャッシュレス生活が楽しくなる、さまざまな仕掛け・機能が盛り込まれたNudgeは、Z世代向けのクレジットカードとして、存在感を高めています。
今回は「Z世代のFinancial Inclusionについて Nudgeサービス開始2年の進化と今後の展望」というテーマについて、編集部がお話を伺ってきました。
※本記事は2023年9月26日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- Z世代のFinancial Inclusionについて
- 会社概要とキャッシュレスの現況
- 次世代クレジットカード「Nudge」の特徴
- ナッジにおける、成人年齢引き下げ前後の変化
- 金融におけるZ世代の特徴とナッジのアプローチ
- ナッジの今後の展望
- 質疑応答
- まとめ
1.Z世代のFinancial Inclusionについて
今回の取材内容・流れは以下のとおりでした。
- 会社概要とキャッシュレスの現況
- 次世代クレジットカード「Nudge」の特徴
- ナッジにおける、成人年齢引き下げ前後の変化
- 金融におけるZ世代の特徴とナッジのアプローチ
- ナッジの今後の展望
- 質疑応答
登壇者は代表取締役の沖田 貴史氏が務めました。
2.会社概要とキャッシュレスの現況
※以下、画像は全て資料より筆者作成
ナッジは2020年2月設立のFintech企業です。クレジットカード「Nudge」のサービスを開始してから2023年9月で2周年を迎えます。
ナッジでは、日本におけるファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)に取り組んでいます。ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)とは、所得や性別、人種などを問わず、誰もが基本的な金融サービスにアクセスできる状況を指します。
「貯蓄から資産運用へ」「現金からキャッシュレスへ」など、頭では合理的だと分かっているものの、実践できる人は少なくありません。そんな人々の姿勢・習慣を変えることが、日本のファイナンシャル・インクルージョンに繋がります。
ナッジでは、なかなか一歩を踏み出せない人々の、金融サービス活用への背中を押す役目を果たそうとしています。
日本におけるファイナンシャル・インクルージョンに取り組むナッジが、はじめに挑戦するのが「キャッシュレス」です。日本は世界各国と比べて、キャッシュレス普及率は高くありませんが、昨今はインバウンドに加えキャッシュレス政策もあり、キャッシュレス普及率は拡大してきました。
今後も日本において、キャッシュレスが浸透する可能性が高く、ナッジはさらに、その流れをさらに加速させようと考えています。
キャッシュレス普及の鍵となるのが「若年層(とくに10代・20代)」です。実は、キャッシュレスの主力であるクレジットカードの利用率は10代・20代より60代の方が高くなっています。若年層のクレジットカード利用率の低さが、キャッシュレス普及率が増加しない大きな原因だとナッジは考えています。
3.次世代クレジットカード「Nudge」の特徴
キャッシュレス普及に取り組むナッジが提供する、次世代クレジットカード「Nudge」の特徴は以下の2つ点です。
- デジタルネイティブに最適な設計
- ユーザーが「楽しく」使える
Nudgeはデジタルネイティブに最適な設計をしており、クレジットカードとアプリが連動しています。例えば、アプリでスピーディな申し込みを可能であり、取引管理や問い合わせなどもすべてアプリで完結することができます。
また「金融を楽しくしていこう」という考えのもと、Nudgeには好きなスポーツチームやアーティストなどの推しを応援し、お返しの特典がもらえる仕掛けも施されています。
提携先(クラブ)は2022年10月段階で100を超えており、好きなクラブを選択し、Nudgeを利用することでクラブの特典をもらうことができます。
特典では、Web3領域のNFTも活用しています。例えば、アーティストの加藤ミリヤさんのアート作品のデジタルデータや、元プロ野球選手・松井秀喜さんのメッセージ動画をNFT化して特典に設定しています。
Nudgeはさまざまな特徴・仕掛けのあり、2021年9月のサービスを開始して2年が経過した現在、20代男女の一般クレジットカードと比較すると平均で1.6倍利用され、また利用満足度も97%以上に達するなど、さまざまな実績を積み重ねています。
4.ナッジにおける、成人年齢引き下げ前後の変化
2022年4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。成人年齢引き下げ以降、NudgeのユーザーはZ世代の10代がとくに伸びています。ナッジでは成人年齢引き下げ以前は、基本的に20歳以上の人からしか申し込みを受け付けていなかったことが背景に挙げられます。
また、ナッジでは成人年齢引き下げのタイミングで、幅広いカードデザインが選択できる「学生部」という直営クラブも開設しました。この学生部の存在も、Z世代のユーザーが増えた要因と考えられます。
5.金融におけるZ世代の特徴とナッジのアプローチ
Z世代では、物心がついた頃より、インターネットが普及しており、パソコンよりもスマホを使う、タイパ(タイムパフォーマンス)重視、自身の価値観を重視などの特徴がある世代と言われています。
ナッジではファーストカードの不安を解消し、安心・安全にクレジットカードを利用してもらうための施策を2つ講じています。
安心・安全のための2つの施策
- アプリ上で利用履歴・金額の確認ができる
- 3つの返済方法を選べる
「3つの返済方法を選べる」については、Z世代の「必ずしも資金に余裕がない中で、急にお金が下ろされる口座引き落としは怖い」という声を反映させたものです。
Nudgeにおける安心・安全について、機能面やUI、サポート体制も含めて、Z世代に安心・安全を感じてもらえるような取り組みを進めています。例えば、身に覚えのない取引を確認した場合、アプリ上からボタン一つで調査依頼を掛けられる機能を搭載しています。
Z世代、特に多くの10代にとってはNudgeが初めてのクレジットカードになります。初めてのクレジットカードを使えなかった、という体験は不安・不信を招きやすいため、ナッジでは、ファーストカードがメインカードになる、という考えの下、アプリからでも物理カードでも、また国内外どこでも・いつでもカード利用をできるようにしています。
さらにNudgeではメインカードとしての利便性も追求しており、例えばレシートのアップロード機能を搭載し、「レシートはいつまで持っていないといけないの?」という疑問を解決しています。
そのほか、ナッジでは、データだけでは分からないZ世代の声を集めるために、ファンミーティングも開催しています。ファンミーティングでは、アプリの使い勝手や、搭載して欲しい機能などについて聞くこともあります。Z世代の声を集めつつ、Nudgeを改善した結果、Z世代からは「申し込みが簡単」「デザインがかわいい」などの声も寄せられています。
6.ナッジの今後の展望
ナッジでは今後の展望として4つの項目を掲げています。
- ユーザーのユーザーによるユーザーのためのFinTech
- 金融教育の強化
- 直営クラブの成功を一般クラブに移植
- グローバル開発体制を生かした先進技術
サポートへの意見やファンミーティングでの声を踏まえて、ナッジではユーザーのユーザーによるユーザーのためのFinTechの実現を目指しています。
2022年春からは、提携先の自治体と一緒に「クレジットカードを含むキャッシュレス」をテーマにした金融講義を展開しています。
また、学生部を始めとした直営クラブで得たノウハウ・データを提携先のクラブにも積極的に還元する意向です。
ナッジでは2023年3月にアプリ内蔵型NFTウォレット「Nudge NFT Wallet β」をリリースしました。同ウォレット開発の裏にはナッジのグローバル開発体制を生かした先進技術があります。ナッジではクレジットカードだけでなく、同ウォレットで多くの人のNFTデビューも応援していきたいと考えています。
7.質疑応答
取材の最後に、質疑応答が行われました。質問の回答は以下のとおりです。
Q.Nudgeにおける若い世代のデフォルト率はどれくらいですか?
A.一般的には若年層の方がデフォルト率は高い傾向にあるものの、Nudgeにおいては他の世代よりも10代のデフォルト率は非常に低くなっています。
Q.実店舗とオンライン店舗、若い世代はどちらの方がNudgeを使用していますか。
A.明確な比率は算出できないものの、オンライン店舗での使用は非常に多い印象です。例えば、Z世代の特徴にタイパ重視があるが、フードデリバリーサービスのUberEats(ウーバーイーツ)での利用も多い傾向があります。
回答者の沖田氏が「聞きにくい質問もどんどん聞いてください」とアナウンスしている姿が印象的でした。
8.まとめ
日本のファイナンシャル・インクルージョンに取り組むために、Z世代のキャッシュレス普及に着目した点が印象的でした。また、今回の取材を通じて、Z世代の声を直接聞いて、Nudgeの改善を進めていこう、という明確な意志を感じることができました。
Nudgeのサービス開始から2周年が経過し、着実に実績を積み重ねている一方、まだまだサービスとしては黎明期と言えるでしょう。今後より進化を遂げ、日本のファイナンシャル・インクルージョンにさらに寄与する未来を期待できそうです。
庄子 鮎
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