利上げ局面で投資信託を選ぶポイントは?景気減速で投資するコツを解説

2022年7月現在、株式市場は非常に苦戦を強いられています。今後も中央銀行の利上げにより金利が上昇していく環境下では、景気減速が懸念され株式市場に対して逆風が続くことが想定されます。

今回は、逆風の中での投資信託の選び方や、選ぶ際のポイントについて解説していきます。

※本記事は7月29日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 2022年の株式相場は大苦戦
  2. 利上げ局面における各アセットの価格動向について
  3. 投資信託を選ぶポイントについて
    3-1.コモディティ資産
    3-2.金利上昇局面に好業績を上げる企業の株式
    2-3.リスク抑制機能
  4. まとめ

1.2022年の株式相場は大苦戦

2022年の年初と比較すると、米国ダウ工業30種平均、S&P500種指数、英国FTSE100指数、ユーロストックス指数、日経平均株価ともに約5~20%の下落となっています。

年初来よりか世界株式が下落している主な理由は、ロシア・ウクライナ間の紛争により加速したインフレーション及びそれに伴う各国中央銀行の利上げの加速です。

昨年末よりウクライナ国境に向かうロシア軍をとらえた映像はSNS上で投稿されロシア軍の不穏な動きがたびたび取り上げられており、実際に2月後半よりロシア軍のウクライナ侵攻が始まりました。それに伴い、米国を中心としてロシアに対して、SWIFTからの一部ロシア銀行の排除や重要技術・製品の輸入制限、ロシア産原油・天然ガス・石炭などの輸入禁止などの経済制裁が行われました。

特にエネルギー供給が不安定化したことにより原油価格を中心にコモディティ価格が全般的に上昇しました。これにより世界各国で想定以上にインフレーションが加速したため、FRBは2022年3月に0.25%の利上げを決定し、同年5月に0.5%、同年6月と7月にはそれぞれ0.75%の利上げを行ないました。

7月のFOMCは0.75%の利上げを行なうのではないかという予想通りになりました。当初想定されていたペースよりもはるかに急激なペースとなります。

2.利上げ局面における各アセットの価格動向について

金融商品には株式・債券・コモディティ・仮想通貨・不動産など、色々存在します。各アセットが利上げ局面においてどのような動きをする傾向にあるのか見ていきましょう。

株式は、利上げ局面において景気減速・企業業績の悪化が意識されるため、グロース株を中心に下落する傾向にあります。特にテクノロジー株は普段割高に値付けされている傾向にあるため、特に株価が軟調になりやすく、今年の年初来でも米国テクノロジー株は30%以上平均で下落しています。

暗号資産も株式と連動することが多いことから、特に利上げ局面において弱い資産と言えるでしょう。

債券は、各国国債のことを指しています。利上げ局面において金利が上昇するため、債券価格は下落する傾向にあります。債券価格の金利に対する感応度は、年限が長くなればなるほど大きくなり、長期年限の債券の買いポジションで利益を出すことはほとんど不可能となります。そのため、債券の買いポジションをたくさん保有しているような投資信託もパフォーマンスが悪化しているケースが大半です。

コモディティ価格は上昇する傾向にあります。利上げ局面においてはインフレーションが起こっているケースが多いことから、不動産も含むほとんどの商品価は上昇しています。実際に2022年においても年初来からWTI原油価格は30%超の上昇を記録していますので、利上げ局面に強いアセットクラスと言えるでしょう。

3.投資信託を選ぶポイントについて

下記に利上げ局面において投資信託を選択する3つのポイントについて説明します。

  1. コモディティ資産
  2. 金利上昇局面に好業績を上げる企業の株式
  3. リスク抑制機能

それぞれについて詳しく見ていましょう。

3-1.コモディティ資産

コモディティは原油や天然ガス、金、銀、銅、ニッケルなどの商品全般を指します。利上げ局面においてインフレーションが起こっていることが多いことから、不動産(レジデンス、ホテル、オフィスビルなど)を含めた商品価格も上昇する傾向にあります。

特に、インフレーションが原油価格によって引き起こされるケースも多く、商品の中で原油も利上げ局面でアウトパフォームしやすい投資商品となります。原油価格の上昇によって金利が上昇するような局面では、銅やアルミニウムなどの原油が重要な原材料となっている金属なども、時間差で価格が上昇する傾向にあります。

コモディティが一貫して高インフレーション局面においてパフォームしたという、1960年から2012年におけるコモディティとインフレーションの相関関係に関する研究も存在します。

利上げ局面下においては、コモディティに投資する投資信託が選択肢の一つとなるでしょう。

3-2.金利上昇局面に好業績を上げる企業の株式

一般的に株式市場は金利上昇時やインフレーションに弱い金融商品です。しかし中には好業績をあげるよな企業も存在します。

例えば、JPモルガンチェースやバンク・オブ・アメリカ、MUFGなどの銀行株は、金利上昇局面において、企業や個人に貸し出す金利も上昇します。その結果、金利収入が増えて業績も向上する傾向にあります。

また、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー企業もインフレーション局面に強く、利上げ時に好業績となりやすい企業となります。インフレーションによって商品価格が上昇するとエネルギー企業が保有する商品価値も上昇するためです。

実際に世界一有名な投資家であるウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハサウェイは2022年のインフレ局面で、シェブロンやオキシデンタル・ペトロリアムなどのエネルギー株を大量に購入しており、高パフォーマンスを記録しています。

利上げ局面において、金融株・エネルギー株のような好業績を上げやすい企業に投資する投資信託は、選択肢の一つになるでしょう。

3-3.リスク抑制機能

ポートフォリオの大半に株式が含まれているような投資信託は、利上げ局面下にパフォーマンスを上げにくい傾向があります。しかし、中には株価下落局面において株式のエクスポージャーを減らすことで投資信託が保有するリスク量を減少させるリスク抑制機能を備えたものも存在します。

過去の一定期間のパフォーマンスを計算し、株式のパフォーマンスが設定した基準以下になると、株式を売却するような仕組みを設けている、もしくは、株式・債券・コモディティを保有している投資信託でリスクパリティと呼ばれる各資産に対するリスクを一定にするような仕組みを設けている投資信託です。

今年のような利上げ局面においてドローダウンが限定的になっています。他の投資信託と比較してもアウトパフォームしていることが多く、投資信託を選択する一つのポイントとなるでしょう。

4.まとめ

利上げ局面において高パフォーマンスを記録することは非常に難しく、投資家の皆様も慎重に投資信託を選択する必要があります。中には保有している投資信託を売却して、利上げ局面に適した新しい投資信託の購入を検討している投資家の方もいるでしょう。

その際には今回紹介したポイントを参考に、投資信託の選別を行なってみてください。

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