将来に向けて投資を始めたいけれど、何から始めたらいいのかわからないという方は多いのではないでしょうか。仮に10万円が手元にある場合、さまざまな投資を始めることができます。
そこで今回は、投資初心者の方でも始めやすい10万円の投資方法を紹介します。これから投資を検討されている方はご参考ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 10万円から始められる初心者向けの投資方法
- 投資信託
2-1.投資信託のメリット
2-2.投資信託のデメリット - 債券投資
3-1.債券投資のメリット
3-2.債券投資のデメリット - 投資型クラウドファンディング
4-1.クラウドファンディングのメリット
4-2.クラウドファンディングのデメリット - ロボアドバイザー
5-1.ロボアドバイザーのメリット
5-2.ロボアドバイザーのデメリット - 投資を始める場合の注意点
- まとめ
1.10万円から始められる初心者向けの投資方法
投資資金が10万円あれば、さまざまな金融商品に投資することができます。10万円で投資できる金融商品や投資方法として、本記事では下記の4種類をご紹介します。
- 投資信託
- 債券投資
- クラウドファンディング
- ロボアドバイザー
それぞれの特徴やメリット・デメリット、リスクについて以下より詳しく見て行きましょう。
2.投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、プロのファンドマネージャーが投資・運用して、運用成果によって投資家それぞれの投資額に応じた利益(損失)が分配される仕組みの金融商品です。
また、投資信託はインデックスファンドとアクティブファンドの2種類に分類でき、投資家が自由に選択して購入できます。インデックスファンドは日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するよう運用される投資信託です。
アクティブファンドは指数を上回るまたは指数に関係なく利益の獲得を目指すよう運用される投資信託です。
2-1.投資信託のメリット
投資信託のメリットは下記のとおりです。
- 国内外のさまざまな資産に投資できる
- 分散投資の効果が得られる
- 運用の手間が掛からない
- 透明性が高い
投資信託では運用方針によって国内・海外のさまざまな資産に投資可能です。また、1つの投資信託で複数の資産に投資するケースが多いので、分散投資の効果を得られます。
さらに、投資信託はファンドマネージャーが運用してくれるため、投資家が運用する手間が省けるほか、個人では購入しにくい金融商品への投資も可能です。
そして、原則毎日基準価額が公表されるため、資産価値や値動きを把握しやすい金融商品であり、決算ごとに監査を受けていることから、透明性が高い金融商品といえます。
2-2.投資信託のデメリット
投資信託のデメリットは下記のとおりです。
- 元本保証がない
- 投資信託によってさまざまなリスクが伴う
- 手数料コストが掛かる
- リアルタイムでの売買には向かない
投資信託は値動きのある資産に投資をするため、元本の保証がありません。また、投資信託が投資する資産によって価格変動リスク・為替変動リスク・信用リスク、金利変動リスクなど、さまざまなリスクが伴います。
また、手数料コストが掛かることも投資信託のデメリットです。投資信託の買付時には購入時手数料が、投資信託を保有している間には信託報酬(運用管理費用)が、投資信託の解約時には信託財産留保額(解約手数料)がそれぞれ発生します。
さらに、投資信託は基準価額が発表される前に、当日の売買取引が締め切られるブラインド方式を採用しているので、リアルタイムでの売買によって利益を期待する短期投資には向いていません。
【関連記事】投資信託の始め方は?投資初心者向けに手順や商品の選び方まで解説
3.債券投資
債券投資とは、債権を購入することで返済期日にお金が返済される権利を購入することです。
債券とは借金の証文のことで、債券市場では証文が売買されています。お金を借りた企業は債券を保有している人にお金を返すため、債券投資によって利息分の利益を期待できます。
債券には国が発行する国債(個人向け国債)、都道府県などが発行する地方債、企業が発行する事業債などの種類があります。
なかでも日本国債(個人向け国債)は、国が発行していることで信用度が高く、返済期日に確実に元本と利息を受け取れる投資対象です。個人向け国債は1万円から購入可能なので、10万円の資金があれば十分投資することが可能です。
3-1.債券投資のメリット
債券投資のメリットは下記のとおりです。
- 運用の手間が掛からない
- 利益の計算がしやすい
- 売却益も狙える
債券投資では、保有する債券を決めてしまえば、後は保有するだけで利息を受け取れます。購入する債券は慎重に選ぶ必要がありますが、運用には手間が掛からないため、投資初心者でも始めやすい投資方法といえます。
また、債券は償還期間と利率があらかじめ決まっているため、債券投資による利益の計算がしやすいというメリットがあります。さらに、債券が購入時よりも高い金額で取引されている場合は、差額による売却益を狙うことも可能です。
3-2.債券投資のデメリット
一方、債券投資のデメリットは下記のとおりです。
- 大きなリターンは期待できない
- 金利上昇に弱い
- さまざまなリスクが伴う
2022年5月時点、募集されている個人向け国債の金利は、固定金利もので0.05%(税引前)、変動金利ものの10年タイプでも0.11%(税引前)となっています。銀行の普通預金よりは金利が高いものの、大きなリターンを期待するのは難しいでしょう。
また、債券と市場金利の関係性も理解しておく必要があります。市場金利が下がると債券価格は上昇し、金利が上がれば債券価格は下落する傾向にあります。
そのため、金利が上昇している状況では、債券投資への旨味が減るほか、債券を売却した際に損失が発生する可能性があります。さらに、債券の種類によってさまざまなリスクが伴います。一般企業の社債や新興国の国債には信用リスクが伴うほか、債券の価格が変動するリスクや売却に影響する流動性リスクもあります。
また、外国債への投資では為替変動リスクによって、利益が目減りすることもあるので注意が必要です。
【関連記事】個人の債券投資、何がおすすめ?債券のプロが教える投資の始め方
4.投資型クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネット上で投資家から出資を募れる仕組みやサービスのことをいいます。
クラウドファンディングには「投資型」「非投資型」があり、投資型は出資額に応じた金銭的リターンを期待することができます。
投資型クラウドファンディングのなかでも、貸付による金利収入をリターンの原資とした融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産の賃貸・売却を収入の原資とする不動産投資型クラウドファンディングはポピュラーな投資対象となっています。
クラウドファンディングでは1万円程度から投資できる案件・サービスが多いため、10万円の資金があれば投資可能です。
4-1.クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディング投資のメリットは下記のとおりです。
- 運用の手間が掛からない
- 高い利回りが期待できる
クラウドファンディングを利用した投資では、事業やファンドへの出資または企業への融資を行いますが、出資した後の運用は各事業者や企業が行います。
投資家に運用の手間が掛からないため、投資に時間を割けない方でも投資しやすいほか、知識が乏しくても投資を始めやすいといったメリットがあります。
また、ファンドやプラットフォームによっては、5%~10%程度の高い利回りを期待できるため、比較的に大きなリターンを期待できる投資方法でもあります。
4-2.クラウドファンディングのデメリット
クラウドファンディング投資のデメリットは下記のとおりです。
- 元本割れや貸し倒れが起こる可能性がある
- 換金性に乏しい
- 投資したくてもできないことがある
出資後の運用状況や企業の経営状況によっては、融資型クラウドファンディングでは貸し倒れが、不動産投資型クラウドファンディングでは元本割れが起きる可能性があります。見込んでいた利息収入・家賃収入などが遅れるケースもあるため注意が必要です。
また、多くのクラウドファンディングでは途中解約に対応しておらず、運用期間が終了するまで換金することができません。
さらに、人気が高いサービスやファンドでは、投資家の応募が殺到することがあります。先着順や抽選によって投資できるかどうかが決まるため、投資したいと思っていてもできないことがあります。事前登録を行い、案件の募集タイミングを見逃さないようにするなどの対策が必要となります。
【関連記事】クラウドファンディング投資のメリット・デメリットは?始め方や注意点も
5.ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、投資家に代わって資産運用の提案や運用を手伝ってくれるサービスのことをいいます。
投資家が許容できるリスクに応じて、最適な資産運用の方法を教えてもらうことができる(アドバイス型)ほか、ポートフォリオに応じて自動で買付を行ってくれるサービス(投資一任型)もあります。
ロボアドバイザーを活用した投資は100円程度からでも始められるため、10万円の資金があれば問題なく投資を始められます。
5-1.ロボアドバイザーのメリット
ロボアドバイザーのメリットは下記のとおりです。
- 運用の手間が掛からない
- 投資の知識が乏しくても投資ができる
- 運用に掛かる手数料が安い
ロボアドバイザーサービスでは、投資家の代わりに資産運用の提案や買付を行います。特に投資一任型では自動で買付まで行ってくれるため、運用の手間が掛かりません。また、登録した情報に応じて自動的にポートフォリオの提案をしてくれるため、投資の知識が乏しくても投資を始めやすいといえます。
運用に掛かる手数料も安く設定されているケースが多いため、ランニングコストを抑えられるというメリットもあります。
5-2.ロボアドバイザーのデメリット
ロボアドバイザーのデメリットは下記のとおりです。
- 元本割れが起こることがある
- 利益が出るのに時間が必要
ロボアドバイザーが提案する資産運用方法であっても、元本割れを起こす可能性があることに注意が必要です。
また、ロボアドバイザーが提案するポートフォリオは、基本的に長期的な運用をベースにしています。時間をかけて将来的に資産を増やしていくことに長けているため、短期的な利益を期待するには不向きなサービスとなります。
【関連記事】資産運用初心者も利用しやすい「ロボアドバイザー」の始め方
6.投資を始める場合の注意点
投資を始める場合の注意点としては、主に下記の2つが挙げられます。
- 元本保証がないことを理解する
- リスクが低い投資方法を選ぶ
今回紹介した4つの投資方法を含め、金融商品への投資では元本保証がありません。そのため、利益が出ることもあれば、損失が発生することもあるということを前提に投資を始める必要があるでしょう。
また、投資にはリスクが伴います。ここでいうリスクとは危険性という意味ではなく、投資に対する利益と損失の幅の広さを指します。
例えばリスクが大きいということは、大きな利益を生む可能性があるが、大きな損失となる可能性もあるということです。これから投資は始める初心者の方であれば、まずは低リスクの案件から始め、徐々に投資の知識を蓄えていくのが良いでしょう。
最初はリスクが低い投資から始めて、知識や経験が蓄積されてからリスク許容度を上げたり、ハイリスクとローリスクの投資対象に分散していくなど、それぞれの投資目的にあった戦略を選択していくと良いでしょう。
まとめ
今回は10万円で始められる投資方法について紹介しました。10万円の資金があればさまざまな投資ができますが、最初のうちはできるだけリスクの低い投資方法を選択し、徐々に投資の知識を蓄えていくことも大切です。
また、投資対象によって内容しているリスクやリターンを得る仕組みも異なってきます。まずは一つの案件や投資対象に資金を集中させるのではなく、少額ずつ分散投資することも検討されてみると良いでしょう。
山本 将弘
最新記事 by 山本 将弘 (全て見る)
- COZUCHI(コヅチ)で不動産投資、メリット・デメリットは?他社比較も - 2024年11月5日
- CREAL(クリアル)の評判・口コミ・実績は?メリット・デメリット、利回りも - 2024年11月5日
- 不動産クラウドファンディングの市場規模は?件数・出資額や成功事例も - 2024年9月9日
- 金(ゴールド)投資信託のメリット・デメリットは?購入可能な証券会社も - 2024年5月27日
- 株初心者が知っておきたい売り板・買い板の見方、板を分析するメリットも - 2024年5月27日