投資信託の始め方は?投資初心者向けに手順や商品の選び方まで解説

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投資信託協会が発表した2021年4月の投資信託の純資産総額は151.769兆円と、過去最高を更新しました。コロナショックを機に資産形成に対する意識が高まっていることや、NISAやiDeCoへの認識の高まりが要因です。

そこで今回は、投資信託の始め方が良くわからないという方や初心者の方向けに、投資信託購入までの手順や商品の選び方を解説します。

目次

  1. 投資信託の始め方
    1-1.運用目的を明確にする
    1-2.口座を開設する
    1-3.銘柄と金額を決める
  2. まずはNISAやiDeCoを活用する
    2-1.NISAとは
    2-2.iDeCoとは
  3. 投資信託の運用方法
    3-1.インデックス型
    3-2.アクティブ型
  4. リスクとリターンの関係
  5. 投資信託の主な種類と特徴
    5-1.株式型
    5-2.債券型
    5-3.バランス型
    5-4.レバレッジ型
  6. まとめ

1.投資信託の始め方

まず、投資信託を始めるにあたっての考え方や準備の流れを解説します。

1-1.運用目的を明確にする

投資信託を始めるにあたり、運用の目的を定めると効率的な運用ができます。目的によって運用期間や取れるリスクが違うからです。

リスクとリターンは表裏一体で、リスクが高い商品ほど、リターンが大きくなる傾向があります。また、運用期間が長いほどリスクが取りやすく、元本リスクが低いほどリターンが低いことにもなります。

運用目的が老後の蓄えのように長期にわたって運用が可能な場合と、結婚資金や住宅の頭金などの場合では、投資対象銘柄が異なります。

1-2.口座を開設する

投資信託を始める際には、金融機関に口座を開設する必要があります。投資信託は、証券会社や普段利用している銀行、郵便局で購入することができます。

取り扱っている投資信託の銘柄数や最低投資金額は、金融機関によって異なります。ネット証券ではおおむね100円から、店舗型の証券会社や銀行、郵便局では1,000円から始めることができます。取扱い銘柄数は、ネット証券が対面型の金融機関(銀行、信用金庫、郵便局など)より多い傾向があります。

ネット証券と対面型の金融機関の大きな違いは、運用の相談が可能かどうかです。運用のアドバイスや相談が必要な方は、対面型の金融機関を選ぶようにしましょう。また、ネット証券でも松井証券は電話相談ができます。

口座開設はネット証券でも対面型でも無料でできます。ネット証券と対面型の口座を開設し、それぞれ使い分ける方法もあります。

投資信託には、さわかみ投信コモンズ投信ひふみ投信、ウェルスナビなど、投資家に直接販売する方法をとっている会社もあります。これらの運用会社は購入後のサポートが厚く、運用説明会や勉強会などを各地で頻繁に行っており、運用しながら学ぶことができます。

1-3.銘柄と金額を決める

投資信託の銘柄数は2021年5月時点で約6,000本です。この中から購入する銘柄を選ぶのは、初心者にとっては難しいことです。

銘柄を選ぶ際には、証券会社や投資信託協会、投資信託評価会社のモーニングスターが提供している検索機能を用いると簡単に銘柄をみつけることができます。検索の際には、運用方法やシャープレシオ(運用効率の高さを表し、大きな数字ほど良い)、純資産額などを使います。

金融機関により最低投資額は異なりますが、100円から投資できる金融機関もあります。最初は相場の変動に慣れるために少額から始め、慣れてきたら徐々に金額を増やすようにしましょう。

2.まずはNISAやiDeCoを活用する

初心者の方は、国が推し進めているNISAやiDeCoを活用しましょう。

2-1.NISAとは

NISAとは少額投資非課税制度で、毎年一定金額内で購入した株や投資信託などから得られた利益が非課税になる制度です。NISAには“つみたてNISA”と“一般NISA”の2つがあり、どちらかを選択することができます。

長期間の運用には”つみたてNISA”のほうが大きな非課税枠を活用できます。新規投資で毎年40万円(月33,333円)、20年間(最大800万円)が非課税となります。つみたてNISAの対象銘柄は、金融庁が指定した193本の投資信託です。つみたてNISAのメリットは途中換金が可能なことです。急遽、資金が必要になった場合にも対応することができます。

なお、一般NISAでは年間最大120万円の非課税枠を最長5年間活用でき、最大600万円の非課税枠を利用できます。株式投資も併用したい方などは一般NISAを選びましょう。

2-2.iDeCoとは

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、私的年金制度です。特徴として、掛金が所得から控除されるため、運用しながら節税をすることができます。

iDeCoには加入資格があり、掛金は属性により異なりますが、最低掛金は月5,000円です。自営業の方は掛金の上限が月6.8万円(国民年金基金と合算)です。会社員の方は、会社の年金制度によって違うため、会社に確認をとるようにしましょう。

20~60歳まで積み立てが可能で、開始する年齢が若いほど得をする仕組みです。デメリットとしては、途中売却は可能なものの、資金を60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。そのほか、手数料が加入時に2,829円かかります。また、毎月の手数料も必要で、最低で171円ですが、金融機関によっては600円を上回る会社もあるため、事前に調べるようにしましょう。

3.投資信託の運用方法

投資信託の運用方法にはインデックス型とアクティブ型の2つがあります。

3-1.インデックス型

インデックス型とは、日経平均株価指数やS&P500指数などの指数と同様の動き(収益)を目指す運用スタイルです。運用にあたり企業を精査する必要がないため、コスト(手数料)を低く抑えることができます。また、動きが対象指数と連動するため、自身が投資したファンドの状況が分かりやすいと言えます。

3-2.アクティブ型

アクティブ型とは、より高い運用成績を目指す運用手法です。アナリストが個別銘柄を精査するため時間とコストがかかり、手数料がインデックス型より高い傾向があります。運用次第では、指数を大幅に上回る利益を享受することができます。

手数料が高いからと言ってアクティブ型を避けるのではなく、運用成績をみて判断するようにしましょう。

4.リスクとリターンの関係

リスクとリターンは表裏一体です。ここでいうリスクとは変動のことを示します。現金のリスクはゼロですがリターンもゼロです(為替を考慮しない場合)。

リスクが高い金融商品は株式です。特に外国株は株と為替の2つのリスクが存在します。国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、国内REIT(不動産投資信託)、外国REITの6つの金融商品をリスクの高い順にみると、外国株式、国内株式、外国REIT、国内REIT、外国債券、国内債券となります。また、先進国と新興国では、新興国のリスクが高いといえます。

5.投資信託の主な種類と特徴

投資信託の主な種類とそれぞれの特徴も解説します。

5-1.株式型

株式に投資する投資信託には、先進国に投資するもの、新興国に投資するもの、グローバルに投資するものなどがあります。

先進国と新興国の代表的な株式指数の上昇率を円換算と現地通貨建てで比較してみました。過去5年、10年、20年を表にしています(2021年5月時点)。

新興国の現地通貨建て株式パフォーマンスは、いずれの年限においてもプラスですが、円換算ベースでは円高が進んだことからマイナスの年限もあります。一方、先進国については、いずれの国においても自国通貨建て、円換算ベースともに、パフォーマンスはプラスです。先進国の株式市場は、新興国と比べるとリスクが低いと言えます。

先進国(円ベース、%)

項目 過去5年 過去10年 過去20年
イギリス 7.67 38.53 8.46
ドイツ 62.72 150.76 217.08
フランス 53.77 89.05 45.96
カナダ 48.47 54.08 171.31
アメリカ 91.09 270.66 182.06
日本 42.45 131.30 41.73

先進国(現地通貨、%)

項目 過去5年 過去10年 過去20年
イギリス 12.54 19.90 20.25
ドイツ 50.22 117.00 148.31
フランス 42.01 63.60 14.30
カナダ 38.99 41.75 135.52
アメリカ 92.91 177.31 211.56
日本 42.45 131.30 41.73

新興国(円ベース、%)

項目 過去5年 過去10年 過去20年
ブラジル 69.67 -21.11 240.97
トルコ -35.46 -41.81 55.24
メキシコ -1.17 8.84 203.32
インド 74.57 132.98 687.62
南アフリカ 36.01 38.53 261.50

新興国(現地通貨、%)

項目 過去5年 過去10年 過去20年
ブラジル 152.86 93.50 767.23
トルコ 86.09 127.77 1,193
メキシコ 7.42 38.37 638.61
インド 92.10 180.70 1,261.55
南アフリカ 22.50 106.55 607.61

5-2.債券型

債券型は、国債や社債などに投資しているファンドです。株式と債券は矛と盾のような関係で、株式で攻め、債券で守るというイメージです。債券には償還があるため、企業や国が破綻しなければ償還日に額面金額が返済されます。

債券にも分類があり、先進国債券、新興国債券のほかに、投資適格債(格付けBBB以上)、ハイイールド債(格付けBB以下)に分けることができます。ハイイールド債は倒産リスクが高いため、利率が同期間の国債や投資適格債より高い利回りで取引きされます。好景気のときにはハイイールド債は高いパフォーマンスを期待できますが、景気が悪くなると倒産リスクの高まりから債券価格が下落(利回りが上昇)する傾向があります。

5-3.バランス型

バランス型とは、株式、債券、REIT、コモディティ(商品)など複数の金融商品に一定の割合で分散投資されているファンドを指します。リスクを抑えつつも価格の上昇が期待できる投資信託です。投資対象資産が多ければ多いほど分散された投資信託と言えます。

世界中の株式や債券、REITにまんべんなく投資している投資信託を購入すると、1銘柄だけで世界中の幅広い金融資産に投資することができます。

5-4.レバレッジ型

レバレッジ型とは、少ない金額で大きな取引をするファンドのことです。大きな利益を得ることもありますが、損失を出してしまうこともあります。投資というより投機色が強いため、長期投資には向いていません。初心者の方は、レバレッジ型の投資は控えるようにしましょう。

まとめ

初心者の方が投資信託を始める場合、月100円から始めることができ、売却益や分配金が非課税となるつみたてNISAがお得です。運用目的が老後資金など長期で運用が可能な場合には、先進国の株式に投資する投資信託が、元本割れリスクを極力避けたい場合にはバランス型の投資信託が向いています。

今回お伝えした手順を踏まえ、投資信託を始めることも検討してみてはいかがでしょうか。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。