投資は何歳からできる?若者におすすめの投資と主なサービスも

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年金不安や老後の資金不足が課題となっていることから、金融庁は若いうちからの資産運用を推奨しています。しかし、投資には元本割れなどの預貯金にはないリスクもあるため、若者でも始められる金融商品の特徴やサービスについて知りたい方もいるのでないでしょうか。

この記事では、未成年の方でも行える投資サービスや、特徴、始める際の注意点を詳しくご紹介していきます。資産運用に関心のある方や、金融教育の一環としてお子さんに投資を検討している方は、参考にしてみてください。

※本記事は2022年9月6日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 投資は何歳から可能?
  2. 若者にも取り組みやすい投資の種類やサービス
    2-1.iDeCo(個人型確定拠出年金)
    2-2.NISA(少額投資非課税制度)
    2-3.投資信託
    2-4.ETF(上場投資信託)
  3. 初心者が投資を始める際の注意点
  4. まとめ

1 投資は何歳から可能?

投資は成人からでないと始められないイメージがありますが、何歳からでも始めることは可能です。ただし、未成年は投資できる金融商品やサービスが限られており、リスクの大きい信用取引、FX(外国為替証拠金取引)、先物取引、オプション取引等の取引は原則行えません。

未成年からでも投資を行える代表的な制度は、「未成年口座」と「ジュニアNISA(未成年者少額非課税制度)」になります。未成年口座とは、満18歳未満の未婚者の方を対象とした総合取引口座です(※民法改正により、2022年4月1日より成人年齢が20歳から18歳に引き下げられています)。

未成年者が満15歳未満の場合、未成年者に代わって親権者が未成年者の財産を管理する必要があるため、取引主体(金融商品の取引を行う方)は親権者ということになります。一方、未成年者が満15歳以上の場合、取引主体を未成年者本人または親権者いずれか選択することが可能です。

未成年口座で取引できる金融商品は、外国株式含む現物株式、投資信託、債券、IPO(新規公開株)、PO(公募・売出)等になります(※未成年口座で取引できる金融商品は、証券会社によって異なる場合があります)。

ジュニアNISAとは、満18歳未満の方を対象とした税制優遇制度であり、株式や投資信託などの配当金や譲渡益が一定額非課税になります。本来、配当金や譲渡益には20.315%(特別復興所得税含む)の税金がかかる一方、ジュニアNISAでは投資を開始した年から最長5年間非課税となります。

ジュニアNISAの非課税投資枠上限は毎年80万円で、原則18歳まで払出し制限があります。なお、払出しを行うと課税扱いになるため注意も必要です。

ジュニアNISAの投資可能期間は2016年~2023年です。そのため、2024年以降は、ジュニアNISA廃止に伴い、金融商品の新規購入ができなくなります。ただし、2024年以降払出し制限が解除されるので、非課税でいつでも払出しできるようになります。

項目 未成年口座 ジュニアNISA
利用年齢 0~18歳 0~18歳
年間投資上限 なし 80万円
投資可能期間 成人するまで 2016~2023年
課税 あり 開始年から5年間非課税
払出し 制限なし 原則18歳まで制限あり

未成年口座は、ジュニアNISAのような税制優遇制度がない分、年間投資上限や払出しに制限がなく自由に取引できるのが特徴です。一方、ジュニアNISAは、年間投資上限や払出しに制限があるものの、5年間の非課税期間があるので、税負担を気にすることなく資産形成を進められます。

2 若者にも始めやすい投資の種類やサービス

投資の種類には、リスクの高いものから低いものまで様々な金融商品・サービスがあります。以下では、若者や投資初心者の方でも取り組みやすい商品をご紹介していきます。

2-1 iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoとは、公的年金とは別に利用者本人で決めた額を積み立て、60歳以降に受け取る私的年金です。iDeCoでは金融商品を自ら選択できるほか、拠出時期も「月単位拠出」「年単位拠出」など選択することが可能です。対象となる金融商品は、制度の側面から比較的リスクの低い金融商品が多く、長期運用に向いています。

また、税制優遇を受けられるのも特徴です。iDeCoで積み立てる掛金は所得控除の対象となるので、税金が毎年戻ってくるほか、運用で得た利益は非課税となるので、税負担を気にする必要もありません。さらに、iDeCoで運用した資産を受け取る際は、「退職所得控除」「公的年金等控除」なども受けられます。

なお、iDeCoは、運用方針等で自由度が高く、税制優遇を受けながら運用できるメリットがある反面、給付金額は運用実績により変動するので、元本が棄損するリスクもあります。また、運用中の資産を60歳まで引き出すことができないなど、制約がある点も理解しておきましょう。

2-2 NISA(少額投資非課税制度)

NISA(少額投資非課税制度)とは、株式や投資信託などの配当金や譲渡益を一定額非課税にする個人投資家のための税制優遇制度です。

利用条件 日本に住む20歳以上の方
非課税対象 株式や投資信託の配当・分配金や譲渡益
投資可能額 新規投資額で毎年120万円(非課税期間で最大600万円)
非課税期間 最長5年間
投資可能期間 2014年~2023年

本来、株式や投資信託の運用益には20.315%(特別復興所得税)の税金がかかる一方、NISAでは運用益が最長5年間非課税となります。投資可能額は、新規投資額で毎年120万円が上限となっており、120万円×5年間=600万円が最大投資可能額になります。

NISAは、払出しや売却がいつでも可能ですが、その分に対応する非課税投資枠は再利用できません。また、120万円の枠全てを使わなかった場合、未使用枠を翌年に繰り越すことはできなくなる点にも注意が必要です。

なお、2024年以降は「新NISA」が始まり、現行のNISAから移行することが可能になります。新NISAとは、2024年から始まる制度で、投資枠が1階と2階に分かれているのが特徴です。

利用条件 日本に住む18歳以上の方
非課税対象 1階:一定の投資信託の分配金や譲渡益
2階:株式や投資信託の配当・分配金や譲渡益
投資可能額 1階:新規投資額で毎年20万円(非課税期間で最大100万円)
2階:新規投資額で毎年102万円(非課税期間で最大510万円)
非課税期間 最長5年間
投資可能期間 2024年~2028年

1階部分は、積立に適した商品に限定されており、2階部分は、現行NISA同様、幅広い商品に投資することができます。また、新規投資額の上限は毎年20万円となっており、20万円×5年間=100万円が最大投資可能額になります。一方、2階部分は、新規投資額で毎年102万円が上限となっており、102万円×5年間=510万円が最大投資可能額になります。

そのため、1階・2階部分合計の年間投資上限は122万円となり、非課税期間は合計で610万円となります。

このほか、NISAに加えて2018年から「つみたてNISA」制度が開始しています。つみたてNISAとは、少額からの投資・積立を目的に作られた新しい非課税制度であり、一般NISAとは異なり、投資対象が長期の積立や分散投資に適した投資信託に限定されています。そのため、運用対象は長期運用に適した低コスト・低リスク商品が対象となります。

利用条件 日本に住む20歳以上の方
非課税対象 一定の投資信託の分配金や譲渡益
投資可能額 新規投資額で毎年40万円(非課税期間で最大800万円)
(※制度改正により、2018年から投資していた人は最大1,000万円)
非課税期間 最長20年
投資可能期間 2018年~2042年
(※制度改正により、投資可能期間が5年延長)

2024年に施行される制度改正により、つみたてNISAの投資可能期間が2037年から2042年まで5年間延長されます。そのため、2018年から投資をしていた場合、最大1,000万円が非課税額となります。また、2042年の投資分は20年間の非課税期間により、2061年までの利益が非課税となります。

つみたてNISAの買付方法は、一定間隔で一定金額を継続的に投資するドルコスト平均法を採用しているので、安い日には多く、高い日には少なく購入することになります。そのため、長期で買い付けていけば、平均購入価格は次第に平準化され、価格変動リスクが小さくなる仕組みとなっています。

2-3 投資信託

投資信託とは、多数の投資家から集めた資金をファンドという形にまとめて、資産運用の専門家であるファンドマネージャーが運用し、収益を投資家に分配する仕組みをいいます。

投資信託が若い方や投資未経験者に適している理由は、大きく分けて3つあります。1つ目は、少額から始められる点です。例えば株式投資の場合、株を購入するのに数十万円かかるケースがある一方、投資信託のほとんどは1万円程度から購入できるので、少額投資が可能です。

2つ目は、1つのファンドでも分散投資できる点です。ファンドマネージャーは、投資家から集めた資金を複数の個別銘柄に分散投資しており、投資家は投資信託を1口分購入すれば、分散効果を得ることができます。

3つ目は、資産運用のプロに運用を任せられる点です。本来、投資家自らが銘柄の分析や売買等を行う必要がありますが、投資信託は、そうした複雑で専門性を要する手続きをファンドマネージャーに一任することができます。そのため、投資初心者や未成年の方でも取り組みやすくなっています。

2-4 ETF(上場投資信託)

ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、取引所で取引される投資信託です。通常の投資信託は、毎日1回算出される基準価額をもとに取引するのに対し、ETFは上場株式と同様に、株式市場を通じて取引を行います。株式市場が開いている間、リアルタイム取引が可能で、例えば、東証に上場されているETFは平日9:00~11:30(前場)、12:30~15:00(後場)の間、自由に売買できます。

また、分散効果が得られるのもETFの特徴です。ETFは、株価指数などをベンチマークとするインデックスファンドが多くあり、例えば、日経225に連動するETFを1銘柄買うだけで、225銘柄を保有しているのと同じ分散効果が得られます。

このほか、ETFは保有銘柄などの情報も日々開示されているので、高い透明性のもとに取引を行うことが可能です。

3 初心者が投資を始める際の注意点

iDeCoやNISAなどは初心者でも始めやすい投資ですが、預貯金のような元本保証がないため、元本割れリスクに注意する必要があります。特に若い方や投資未経験者が商品を選ぶ場合、長期・積立・分散投資に適した低リスク商品から選ぶようにしましょう。

また、投資に回すお金は余剰資金にとどめておくことも大切です。生活に必要なお金には手をつけず、失っても困らない程度の余剰資金で始めることが基本になるほか、毎月1万円程度から積み立てるなど少額から行うこともリスク回避に必要なポイントです。

まとめ

iDeCoやNISAは低リスク商品が豊富で少額投資も可能など、若い方でも投資を行いやすい金融商品となっています。一方、投資は預貯金と異なり元本割れするリスクもあるので、慣れないうちは無理のない金額で始めるなどの計画性も大切になります。

投資に関心のある方は、各金融商品・サービスの特徴をしっかりと把握した上で、検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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