外貨建て債券のメリット・デメリットは?米ドル建てで投資できるサービスも

外貨建てでの投資は分散投資を期待する投資手段の1つです。なかでも、外貨建て債券は日本の債券と比較して高い利回りのリターンが期待できます。

しかし、外貨建て債券は日本国外の債券を購入することになるため、為替リスクやカントリーリスクなど、海外投資におけるリスクに注意する必要があります。このようなリスクについて確認し、あらかじめ対策をしておくことも重要です。

そこで、外貨建て債券の特徴やメリット・デメリットを紹介します。また、1万円の少額から米ドル建てができるサービスも紹介するので、参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 外貨建て債券とは
    1-1.外貨建て債券の種類
    1-2.外貨建て債券の満期保有と途中売却
  2. 外貨建て債券のメリット
    2-1.株式よりも低リスクの運用を見込める
    2-2.日本国債と比較して外貨建て国債は高い利回りが期待できる(2022年9月時点)
    2-3.為替差益を得られる可能性がある
    2-4.分散投資ができる
  3. 外貨建て債券のデメリット
    3-1.為替変動リスク
    3-2.信用リスク
    3-3.カントリーリスク
    3-4.価格変動リスク
    3-5.流動性リスク
  4. 外貨建ての債券投資・貸付投資ができる証券会社
  5. まとめ

1.外貨建て債券とは

債券とは、国や自治体、企業などの資金調達のために発行する借用証書のことをいいます。

債券の発行体(国や企業など)は、債券を購入してもらうことで資金を調達し、その証明書として債券を発行します。債券の購入者は、債券の保有中に発行体から定期的に利子を受け取ります。また、債券には返済期限が設定されており、そのタイミングで額面金額(=購入金額)が返済されます。

債券と通常の借用証書の大きな違いが、債券には流動性があり、市場価格で売却できるという点です。また、債券は株式と比較して利回りが低い一方、発行体の信頼性が高いほど低リスクの運用が見込める投資方法となります。

そして、債券の中で発行体や発行される通貨、発行される市場のいずれかが日本以外の国であるものを外国債券(外債)といい、発行通貨が日本円以外の外債を外貨建て債券と呼びます。外貨建ての場合、利子の払い込みや償還金の受け取りなどは、すべて外貨で行われます。

1-1.外貨建て債券の種類

外貨建て債券にはいくつかの種類があり、発行体や支払い方法によって分類されます。発行体で分類した場合の外貨建て債券の種類は次のとおりです。

  • ソブリン債:米国やフランスなど各国の政府や政府機関が発行する債券
  • 国際機関債:世界銀行やアジア開発銀行など世界の公的な国際機関が発行する債券
  • 事業債:民間の事業会社や金融機関が発行する債券

なお、事業債では日本の企業が外貨で発行しているケースもあります。次に、利払い方法による分類は次のとおりです。

  • 固定利付債:定期的な一定額の利子の支払い、満期償還時に額面金額を返済する債券
  • 変動利付債:定期的に決定される利率によって算出される利子を支払い、満期償還時には額面金額を返済する債券
  • 割引債:利子の支払いはなく、発行時に額面金額から割り引いた金額で発行する債券

利子の支払いがあるかどうかで利付債と割引債に分類されます。さらに、利付債が固定金利か変動金利かによって分類されます。外貨建て債券での投資を行う場合は、債券がどの種類に該当するのか確認・理解してから購入することが重要です。

1-2.外貨建て債券の満期保有と途中売却

債券の購入した後、購入者には2つの選択肢があります。1つは債権の返済期限が来るまで保有する満期保有、もう1つが返済期限前に売却する途中売却です。

満期保有を選択した場合は、債券発行時に設定された条件に基づき、定期的に利子を受け取り、返済期限のタイミングで額面金額(=購入金額)の返済を受けます。

途中売却を選択した場合、売却したタイミング以降の利子の受け取りや額面金額の返還の権利を放棄したうえで、市場価格での売却となります。

どちらの選択肢がいいかは状況によって異なります。債券購入時の額面金額と利子の合計額と比較して、売却金額が高ければ途中売却を選択したほうが高い利益を見込めるケースもあるためです。

一方、売却金額が低い場合は、元本割れを起こす可能性があります。債券を購入した後にどのような選択をするのかを決めておき、途中売却する場合は市場の変化をチェックしておくことが重要です。

2.外貨建て債券のメリット

外貨建て債券を購入するメリットは次のとおりです。

  • 株式よりも低リスクの運用を見込める
  • 日本よりも高い利回りが期待できる
  • 為替差益を得られる可能性がある
  • 分散投資ができる

2-1.株式よりも低リスクの運用を見込める

先述のとおり、債券は株式投資と比較して低リスクの運用を見込めるという特徴があります。満期保有を選択する場合、あらかじめ決められた額面金額と利子の受け取りが確定しているためです。

ただし、金利が変動するタイプの債券では、購入時の想定利回りと返済期限時の想定利回りが異なる場合があるため、受け取れる利子の金額が変動する可能性があります。また、途中売却を選択した場合は、市場価格での売却となるため、想定していたリターンを受け取れないケースもあります。

債券の発行体の信頼性によっては、経営破綻などにより元本回収ができなくなる可能性も0ではありません。債券の利回りが高いほど発行体の信頼性が低くなっているケースもあるため、利回りだけで判断せず、リスクとリターンを検討してバランスを取ることが大切です。

2-2.日本国債と比較して外貨建て国債は高い利回りが期待できる(2022年9月時点)

日本国債よりも外貨建て国債のほうが高い利回りが期待できるのもメリットとなります。

2022年8月末時点での日本国債10年の年利回りは0.226%となっており、一方、米国10年国債は年利回りが3.112%、イギリス10年国債が2.725%、イタリア10年国債が3.816%となっています。いずれも日本国債10年よりも圧倒的に高い金利設定となっています。

日本国債の利回りが非常に低い背景には、政策金利が関係しています。2012年12月26日に始まった第2次安倍政権において実施されたアベノミクスでは、金融緩和(2%のインフレ目標が達成できるまで無期限の量的緩和)が行われ、これ以降、低金利が継続している状態となっているのです。

高い金利設定となっている外貨建て国債を購入することで、より高いリターンを期待できます。ただし、金利が高い債券は信用力に欠ける可能性もあります。債券の発行体が持つリスクを考慮したうえで、購入を判断しましょう。

2-3.為替差益を得られる可能性がある

外貨建て債券を購入するメリットの1つが為替差益が生まれる可能性があることです。

外貨建て債券を購入した場合、利子や元本償還を外貨で受け取ります。それらを受け取るタイミングで為替相場が円安となっていた場合、外貨を日本円に両替したときに利益が生まれます。これが為替差益です。一方、両替時に円高であれば、為替差益ではなく為替差損が発生することになる点に注意が必要です。

2-4.分散投資ができる

国内株式や国内債券に投資をしている場合、外貨建て債券を購入することで分散投資ができます。

例えば、米ドル建ての債券を購入すれば、通貨や地域を分散できることになります。投資先を分散するほど、投資リスクが低減できるため、国内投資のみを行っている方にとって、外貨建て債券投資はリスクヘッジの方法として有効な手段といえます。

3.外貨建て債券のデメリット

一方、外貨建て債券を購入するデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 為替変動リスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク
  • 価格変動リスク
  • 流動性リスク

3-1.為替変動リスク

外貨建て債券を購入すると為替変動リスクが伴います。為替相場の状況によって、先述した為替差益が発生するケースがあれば、逆に為替差損が発生するケースもあります。

為替差損が発生すると、リターンが目減りしたり、投資元本を毀損したりする可能性があります。

3-2.信用リスク

信用リスクとは、債券の発行体の財務状況が悪化することで、利子の支払いを滞るリスクをいいます。将来受け取れるはずだった金額の一部や全部が受け取れなくなる可能性があり、投資金額を回収できなくなることもあります。

債券においては、各付機関による信用力評価が実施され公表されています。外貨建て債券の購入時は、各付情報を確認することが大切です。

3-3.カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資した国の政治情勢や経済情勢が悪化・混乱することで、投資元本が毀損したり、途中売却ができなくなったりするリスクを指します。

投資国の政策によって、債券の市場価格や為替相場に影響を及ぼすケースもあります。外貨建て債券を購入する場合は、投資対象となる国の状況をチェックするようにしましょう。

3-4.価格変動リスク

債券を途中売却する場合は、価格変動リスクも伴います。債券の市場価格は、投資国の金利や国内の状況によって変動します。債券購入時よりも市場価格が著しく低下している場合は、投資元本を毀損する可能性もあります。

外貨建て債券を途中売却することを検討するのであれば、価格変動リスクがあることを理解したうえで、市場価格を確認し売却のタイミングを計りましょう。

3-5.流動性リスク

外貨建て債券を途中売却する場合は、流動性リスクも伴います。

流動性リスクとは、売却したい債券の取引量が少なく、売りたいタイミングで売却できない可能性のことをいいます。

希望する価格よりも安い価格でしか売却できない場合、投資金額の回収が難しくなることがあるため、注意しましょう。

4.外貨建ての債券投資・貸付投資ができる証券会社

海外の国債や社債を購入するには証券会社で口座を開設する必要があります。様々な証券会社で国債・社債を購入することが可能ですが、例えば、他の証券会社と比べて手数料が安い「SBI証券」や、米国個別株と米国ETFの取扱銘柄数が5,000銘柄超と豊富な「マネックス証券」などがあります。

その他、普段使っている銀行と連携したり、会計アプリなどとの連動を検討されてみると良いでしょう。また、各証券会社では口座開設キャンペーンを行っていることがあるため、証券口座の開設がまだの方は下記の記事もご参考ください。

【関連記事】証券会社9社の口座開設キャンペーンや比較表も

その他、債券先物CFDの取引がしやすい証券会社には、「IG証券」があります。債券先物CFDは、「米国債金利」ではなく「米国債価格」で取引するトレードの方法で、米国債意外にも日本国債やイタリア国債やドイツ国債、フランス国債等まで取引が可能となっています。

【関連記事】初心者が米国債金利に投資するメリットは?トレードしやすい証券会社も

5.まとめ

今回は外貨建て債券の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。外貨建て債券への投資は、「債券投資」と「外貨建て投資」の両方の特徴を兼ね備えているといえます。

株式投資よりもリスクを抑えながら、日本国債よりも高い利回りを期待できるのが魅力ですが、一方で相応のリスクも伴うため、投資判断は慎重に下しましょう。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。