住宅ローン借り換えでいくら安くなる?返済総額と金利削減のコツ4つ

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住宅ローンの返済が負担になってきたと感じている方は「住宅ローンの借り換え」を検討してはいかがでしょうか。現在より低金利のローンに借り換えることで毎月の返済金額や返済総額を減らすことも可能です。

今回は住宅ローンの借り換えについて、借り換えの内容、メリット・デメリットを解説します。「借り換えで実際いくら安くなるのか」「どうすれば金利を下げることができるのか」などのポイントを説明しますので、金利負担で悩んでいる方はぜひご参考ください。

目次

  1. 住宅ローンの借り換えとは
    1-1.住宅ローン借り換えのメリット
    1-2.住宅ローン借り換えのデメリット
    1-3.住宅ローンの借り換えの流れ
  2. 住宅ローンの借り換えを行う目安
  3. 住宅ローンの借り換えでいくら安くなるか
  4. 返済中の住宅ローン金利を引き下げる3つのコツ
    4-1.住宅ローンの借り換えを検討中であると伝える
    4-2.強気すぎる交渉は控える
    4-3.交渉しやすい時期を選ぶ
  5. まとめ

1 住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、現在融資を受けている住宅ローンの残債を別の金融機関の住宅ローンから借入して返済することです。たとえば、現在借りている住宅ローンに2,000万円の残債がある場合に、新たに契約する金融機関の住宅ローンで返済するという方法になります。

現在よりも低い金利のローンに借り換えることで返済総額や毎月の返済金額の負担を減らせるのが大きな魅力です。

1-1 住宅ローン借り換えのメリット

低金利の住宅ローンに借り換える場合のメリットは主に次の3つがあります。

  • 返済負担の軽減
  • 金利上昇リスクへの対応
  • より有利なサービスの利用

返済負担の軽減

低金利の住宅ローンに借り換えることで返済負担が軽減されます。返済利息、毎月の返済額、返済総額が低減でき、返済期間を延ばすことができれば毎月の返済負担をさらに軽くすることも可能です。

金利上昇リスクへの対応

変動金利から固定金利に変更すれば将来の金利上昇に伴う返済負担の増大リスクを軽減できます。住宅ローンの金利のタイプは、「変動金利」と「固定金利」に大きく分けられ、固定期間選択型(一定期間が固定金利で残り期間が変動金利)などの併用タイプもありますが、借り入れ時に最も低い金利となるのは「変動金利」のタイプとなります。

現在のように長期金利が超低金利で安定している状況では、変動金利を検討してみても良いでしょう。しかし、金利が将来的に大幅に上昇しないとも限らないため、経済状況によっては変動金利を固定金利に変更することも必要になるでしょう。ローンの借り換えは、そのような金利上昇リスクに対応する丁度良い機会となります。

より有利なサービスの利用

金融業界ではサービスの競争が激しくなってきており、たとえば、新生銀行では住宅ローンの借り換えを行うと様々な特典があります(2019年2月時点)。

  • 保証料0円
  • 一部繰上返済の手数料0円
  • 団体信用生命保険0円
  • 団体信用介護保障保険料0円(保険料に相当する金利の上乗せなし)
  • 自然災害時債務免除特約※の利用も可能

参照:新生銀行 「住宅ローンの諸費用・手数料

※損害の程度により一定回数の約定返済の免除が受けられる

既存のローン以上に有利なサービスが期待できるのも、ローンを借り換える魅力といえます。

1-2 住宅ローン借り換えのデメリット

住宅ローンを借り換えるには費用や手間がかかるなどのデメリットもあるため、慎重に検討する必要があります。

  • 借り換えの費用
  • 借り換えの手間
  • 金利タイプの変更によるリスク

借り換えの費用

住宅ローンを借り換える場合、現在のローンを繰上返済し、新たに別の金融機関のローンを利用することになるため、様々な費用・手数料がかかります。借り換えの費用は現在のローンの利用条件と借り換える条件により異なりますが、3,000万円程度の借り換えでは30万円~100万円程度の費用が生じることがあります。

項目 借り換えで発生する費用の目安
保証料 ・大手銀行:金利+0.2% 等
・ネット銀行:大半は無料
事務手数料 ・ネット銀行:借り換え金額×2.16% 等
・大手銀行:3万円程度
印紙税 ローン契約の金額による
抵当権の抹消費用 登録免許税:2,000円(土地と建物)
抵当権の登記費用 登録免許税:借入金額×0.4%
司法書士への報酬 抹消と新規の登記で7万円~12万円程度

借り換えの手間

借り換えには、現在のローンの返済と借り換えローンの新規利用について相談や手続きの準備などが必要となるため、ある程度時間や手間がかかります。相談相手は金融機関、ファイナンシャルプランナーや司法書士となり、打ち合わせに伴う費用や時間が必要になることを踏まえて借り換えの準備を進める必要があります。

金利タイプの変更によるリスク

借り換えで変更する金利のタイプによってはリスクが大きくなることもあります。たとえば、固定金利から変動金利にする場合、利息は低減できるものの、経済状況等によっては将来的に金利が大きく上昇し、利息の負担増大が懸念されるようになります。

1-3 住宅ローンの借り換えの流れ

主な住宅ローンの借り換えの流れは以下のようになります。

  1. 借り換え先の金融機関・ローンを探す
  2. 借り換えシミュレーションをする
  3. 借り換えローンの金利タイプを選択する
  4. 借り換え先の金融機関による申し込み審査を受ける
  5. 審査通過後、旧住宅ローンの一括返済申し込みをする
  6. 借り換え先とローン契約を結ぶ。同時に融資実行日を決定する
  7. 旧ローンの一括返済完了後、旧抵当権抹消手続き・新抵当権設定登記をする

借り換えをする際は事前にシミュレーションをし、本当に毎月の返済負担が減るかなどの効果を慎重に確認することが大切です。また、金利タイプを選ぶ際は今後の経済・金融の状況を踏まえて検討するようにしましょう。

借り換え先とのローン契約を結び、融資実行日を決める際は返済実行日と同時にする必要があります。日程の調整も慎重に行いましょう。既存ローンの一括返済を終えたら、既存ローンの抵当権の抹消と、あらためて借り換え先での抵当権設定の登記を行う必要があります。借り換え手続きの終了後、借り換え先への返済が開始されます。

2 住宅ローンの借り換えを行う目安

借り換えを検討する目安としては、一般的に「ローン残高1,000万円以上」「金利差1%以上」「返済期間が10年以上」といった条件が候補に挙げられます。

ローン残高が少ないと借り換え費用の負担のほうが大きくなり、また、金利差が小さく返済期間が短くなると利息低減の恩恵が小さくなります。しかし、上記条件はあくまで目安となるため、実際には借り換えシミュレーションを行い、金利負担がどの程度減るかを適正に測定しましょう。

3 住宅ローンの借り換えでいくら安くなるか

住宅ローンの借り換えでどの程度返済負担が軽減されるかについて、具体的な条件を設定してシミュレーションをしてみます。現行住宅ローンの条件は次のとおりです。

  • 現行ローンの残高 2,500万円
  • 現行ローンの金利 2.7%
  • 残り返済期間 20年(元利均等返済、ボーナス払いなし)

一方、借り換えローンの条件として金利を1.5%に変更すると、毎月の返済額や支払利息は次のようになります。

項目 現行ローン 借り換えローン 借り換え効果
毎月の返済額 134,925円 120,636円 −14,289円
返済総額 32,381,839円 28,952,604円 −3,429,235円
支払利息総額 7,381,839円 3,952,604円 同上

上表のとおり、返済総額3,429,235円、毎月の返済額14,289円の負担を減らすことが可能になります。
ただし、住宅ローンの借り換え時には下表のとおり費用が発生します。

項目 費用等(借り換え先:ネット銀行)
保証料 0円
事務手数料 2,500万円×0.0216=54万円
印紙税 2万円
抵当権の抹消費用 登録免許税:0.2万円
抵当権の登記費用 登録免許税:2,500万円×0.4%=10万円
司法書士への報酬 抹消と新規の登記で約10万円
合計 約76.2万円

なお、既存の住宅ローンを利用する際に保証料を一括で支払っている場合、借り換えで返済することにより支払った保証料の一部が保証会社より返金されます(=返還保証料)。

そのため上記例で保証料を一括払いしていると仮定すると、借入期間に対する借入100万円あたりの保証料の相場が1.8万円※とした場合、返還保証料は2,500万円÷100万円×1.8万円=45万円となります。

※借入期間に対する借入100万円あたりの保証料の相場は30年間~35年間の場合が1.5万円~2万円程度です(金融機関・保証会社により異なる)。

よって、住宅ローンの借り換えで減少する支払利息総額分から諸費用を差し引き、返還保証料を加えても、3,429,235円-762,000円+450,000円=3,117,235円ほど得することになります。毎月の返済額は14,289円の負担減となります。

なお、こうした住宅ローン借り換えのシミュレーションに関しては、オンライン上で借り換えが完結できるサービス「モゲチェック」を使うことで簡単に行うことが可能です。シミュレーションの結果、削減できると判断したら、そのまま借り換えの申込を行うこともできます。

自分で銀行に問い合わせて借り換えの打診をするよりも簡単なので、借り換えを検討している方は一度簡易シミュレーションを行ってみるのも良いでしょう。またモゲチェックでは住宅ローン診断だけではなく、不動産投資ローン診断も行うことが可能です。

4 返済中の住宅ローン金利を引き下げる3つのコツ

借り換えローンを利用しても返済負担があまり減らない場合、返済中のローン融資元と金利引き下げの交渉を検討してみましょう。

4-1 住宅ローンの借り換えを検討中であると伝える

返済中の金融機関に金利の引き下げを要求しても簡単には応じてくれないため、担当者に「現在他行に借り換えを検討中である」旨を伝え、返済負担の軽減を真剣に検討しているという姿勢を見せる必要があります。

金利の引き下げは金融機関にとって収益のマイナスとなり手間もかかるためメリットがありません。そのため融資元に金利引き下げの交渉のテーブルにつかせるには、具体的なローンの借り換えや引き下げについての情報を提示し、いくら金利を下げたいかを客観的な材料をもって説明しなければなりません。担当者に示す交渉材料の一例は次の通りです。

  • 借り換え先の金融機関での仮審査の通過
  • 借り換え先の金利:1.6%など
  • 借り換えによる返済総額の削減額:400万円 等
  • 返済中ローンに対して希望する金利:(現在)2.4%⇒(変更後)1.8%など

金融機関は借り換えを実行されると利息収入を得られなくなるため、提案する変更の条件によっては一定の金利引き下げを期待することもできます。

4-2 強気すぎる交渉は控える

融資担当者と交渉する際、「すぐに今の金利を下げないなら別の銀行に借り換える」と強気に出ると逆効果になることもあるため注意しましょう。融資元にとって借り換えは損となりますが、頭ごなしに引き下げを強要すると交渉が上手くいかなくなることもあります。

たとえば「借り換えによるメリットは大きいものの、これまでお世話になってきた御行との関係は大切したいので、何とか引き下げに協力してもらえないだろうか」などと丁寧に要請するのが好ましいでしょう。あくまで節度を保って交渉に臨み、客観的な資料とデータで相手に納得してもらうよう努めましょう。

4-3 交渉しやすい時期を選ぶ

引き下げが可能になりやすい時期もあるため、交渉時期は十分に検討したほうが良いでしょう。融資元にとって既存の融資が借り換えられれば収益のマイナスとなるため、たとえば「営業成績が気にかかる決算時期」「住宅ローンのキャンペーン期間などでその業績に注目が集まる期間」などでの借り換えは、なるべく回避したいとの考えがあります。

このように金融機関の決算期やキャンペーン期間などを調べておき、交渉時期を選ぶのも効果的です。たとえば、3月決算の金融機関であれば「1月~3月」、中間決算が9月なら「7月~9月」が1つの目安になるでしょう。

5 まとめ

住宅ローンを借り換える際は、事前にシミュレーションをしていくら返済負担が軽くなるのかを慎重に検討することが大切です。また、現在の融資元金融機関との付き合いを継続したい場合は、担当者に金利引き下げ交渉をお願いできないか尋ねてみましょう。

住宅ローンの返済を負担に感じている方は、ぜひこの記事を参考にローン借り換えや金利引き下げなどを検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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