戸建住宅を高く売却する方法は?マンションとの違いや担保評価の方法も解説

日本銀行がマイナス金利政策を導入して以降、住宅ローン金利は空前の低金利時代を迎えています。低金利が続いているうちに住宅の買い替えをしたいと検討されている方もいるでしょう。

住宅の売却において、特に戸建住宅はマンションと違って個別性が強く、画一的な造りの区分マンションとは違った注意点があります。

この記事では、戸建住宅を売却するにあたって把握しておくべきポイントや、住宅ローンなどについて解説します。

目次

  1. 戸建住宅における売却査定のポイント
    1-1.不動産会社から査定を受けるときのポイント
    1-2.周辺相場と査定結果を比較する
    1-3.戸建住宅の売却を得意とする不動産会社を選ぶ
    1-4.不動産会社と結ぶ媒介契約には3種類ある
  2. マンションとは違う戸建住宅の売却ポイント
    2-1.戸建住宅では修繕計画が作成されていない
    2-2.戸建て住宅における隣地との境界について
    2-3.戸建住宅の売却前にインスペクションチェックを検討する
  3. 金融機関による戸建住宅評価方法を知っておく
    3-1.銀行はどのようにして担保評価を出すのか
    3-2.金融機関による土地の主な評価方法
  4. まとめ

1.戸建住宅における売却査定のポイント

戸建住宅を含む不動産の売却では、まず最初に不動産会社の査定を受けることになります。不動産査定は販売価格を決定づける重要な要素になるので、査定価格を上げるための準備や対策をしっかりおこないましょう。
ここでは査定に関するポイントから解説します。

1-1.不動産会社から査定を受けるときのポイント

訪問査定の場合は、不動産業者が実際に物件を調査し、目で見てチェック項目を一つずつ判断していくことになります。

目に見えて修繕が必要な箇所はあらかじめ修繕しておく、室内の清掃を済ませておくことが大切です。

1-2.周辺相場と査定結果を比較する

不動産会社から提出された査定結果を鵜呑みにするのではなく、自分でも周辺相場を調べておくことが必要です。査定結果と周辺相場を比較し、大きな差がある場合には不動産会社に査定結果の根拠を確認しましょう。

査定価格が相場よりも安い場合は安く売却してしまうことになります。一方、相場よりも高く設定しすぎると売却が長期化してしまう可能性が出てきます。査定結果を受けたなら相場を確認し、相場と比べて差がある場合には査定理由を確認することが大切です。

1-3.戸建住宅の売却を得意とする不動産会社を選ぶ

マンションよりも戸建住宅の売却経験が多いなど、不動産会社によって得意分野が限られてることがあります。戸建住宅の売却を依頼する不動産会社を選ぶにあたっては、戸建販売の実績がどれくらいあるのか確認しましょう。実績が乏しい不動産会社に任せると、販売活動が長期化する可能性もあります。

また、地方都市だと、必ずしも全国規模の大手不動産会社が良いとは限りません。地方に拠点のある地場の不動産会社は地元の地主などとつながりが強いことがります。不動産会社のネームバリューに囚われず、売却の実績や査定結果から依頼する不動産会社を判断することが大切です。

1-4.不動産会社と結ぶ媒介契約には3種類ある

不動産会社を決めたら、販売業務を委託するために媒介契約を締結することになりますが、媒介契約には3つの種類があります。

比較項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる会社数 複数社に依頼可能 1社のみ 1社のみ
買い手を自分で見つてくることができるか 可能 可能 不可能
契約が有効な期間 無制限 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録義務 任意 あり あり
報告義務 なし 2週間に1回以上、文書で報告 1週間に1回以上、文書で報告

それぞれの契約方法にはメリットとデメリットがあります。例えば、売却実績の少ない不動産会社と専属専任か専任媒介契約を結んだ場合、売却活動がうまく進まない可能性があります。

一方、一般媒介契約では複数社へ同時に依頼することができるメリットがあります。しかし、一般媒介契約の物件は、売却活動自体が消極的になることがあります。不動産会社からすると、売却活動を進めた物件が他社に先を越されて先に売却されてしまった、という可能性があるためです。

このように、契約方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。はじめは一般媒介契約を結び、信用できる不動産会社を見つけた際は専属専任媒介契約を結びなおすなど、段階に合わせて工夫することも大切です。

2.マンションとは違う戸建住宅の売却ポイント

戸建住宅の売却にあたっては、その個別性に紐づく注意点が複数あります。それぞれ確認しておきましょう。

2-1.戸建住宅では修繕計画が作成されていない

例えば修繕状況については、マンションであれば管理組合で長期修繕計画を作成しているケースがありますが、戸建住宅では修繕計画が作成されていません。

このため、建物や設備の劣化があった場合に厳しい査定結果になりやすいです。痛んでいる箇所はあらかじめ業者を入れるなどして修繕しておくほうが無難でしょう。また、過去に修繕をしたことがあるのならば、思い出せる範囲ででも修繕箇所と時期、かかった費用などを修繕記録としてまとめておくと良いでしょう。

2-2.戸建て住宅における隣地との境界について

戸建住宅に特有の注意点となるのが隣地との境界線です。比較的新しい住宅であれば、不動産会社が確定させていることが多いでしょう。しかし、古い住宅の場合は、境界線が確定していないことがあります。

境界が未確定の状態だと、トラブルを嫌忌されて査定で減額されることがあります。戸建住宅を売却すると決めたら、境界線の確認が必須です。住宅購入当初の重要事項説明書や図面などに書かれていることもありますので、改めて確認しておきましょう。

2-3.戸建住宅の売却前にインスペクションチェックを検討する

インスペクションチェックは、多くの場合、新築マンションを購入するときに、買主が売主とは無関係の第三者となる業者を入れて任意で行っていました。

しかし、2018年4月に「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」が施行されています。インスペクションが実施された場合には、買主に対して結果を説明することが義務付けられました。

このときに報告の対象となるのはシロアリ・漏水箇所の有無などです。なお、この法律は、インスペクションの実施そのものを義務付けているわけではありません。

しかし、インスペクションを実施していないということは建物に何らか問題があるのでは、という印象を買主候補者に与える可能性もあります。インスペクションの実施には費用が掛かりますので、必要かどうか媒介契約を結ぶ不動産会社に相談すると良いでしょう。

3.金融機関による戸建住宅評価方法を知っておく

住宅購入にあたっては金融機関の住宅ローンを利用する方が多いでしょう。そのため、住宅ローンの融資可能額によって、物件価格が決まることがあります。住宅ローンにおける担保評価の基準についても知っておくとよいでしょう。

3-1.銀行はどのようにして担保評価を出すのか

銀行が不動産の価値を決定する方法は複数あります。こちらでは主な評価方法の例として「原価法」という評価方法を紹介します。

原価法とは、その建物を再度新築する場合にいくらかかるかという金額のことです。木造・RC造など、建物の構造によって異なります。
下記の計算式で、原価法による評価額を求めることが可能です。

建物再調達価格 × 面積 × 残存年数 ÷ 法定耐用年数 = 評価額

また、建物の再調達価格は物件の構造によります。再調達価格は評価する金融機関によって異なりますが、おおよその目安として下記の金額と考えられています。

構造 再調達価格
軽量鉄骨造 15万円/㎡
木造 15万円/㎡
鉄骨造 18万円/㎡
鉄筋コンクリート造 20万円/㎡

建物の面積や構造の種別は登記簿謄本に記載されていますので、確認すると良いでしょう。残存年数は、法定耐用年数から築年数を差し引いた年数のことです。下記の表から法定耐用年数を確認することが出来ます。

構造 年数
軽量鉄骨造 19年
木造 22年
鉄骨造 34年
鉄筋コンクリート造 47年

このように、原価法では、建物の再調達価格と法定耐用年数から建物の担保評価をすることが可能です。

3-2.金融機関による土地の主な評価方法

前項で紹介したのは、建物を評価する方法についてです。戸建住宅を売却する場合は、売却価格に土地の値段も含まれます。

土地の評価には、路線価額と公示地価という2種類が用いられることが一般的です。どちらも国税庁のホームページで確認することができます。

国税庁 路線価図・評価倍率表

土地面積と路線価額・公示地価を掛け合わせることで土地のおおよその担保評価を確認することが出来ます。建物と土地の合計の評価額が、不動産ローンの融資額の主な評価基準となっています。

まとめ

不動産売却では、査定の対応や覚えることなども多く、面倒に感じられる方も多いかもしれません。しかし、不動産売却は金額的に大きな決断をすることにもなります、ぜひともおさえておきましょう。また、築年数以上に劣化している建物は査定評価を下げることになりますので、常日頃から家の使い方に気をつけることも重要です。

不動産の売却では不動産会社に任せるだけでなく、ご自身で対応できるポイントも多くなります。高く売却するため、ぜひ各ポイントについて取り組んでみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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