ロボアドバイザーによる資産運用サービス「THEO[テオ]+ docomo」では、クレジットカード積立のdカード積立を提供しています。ロボアドバイザーの積立にdカード決済を選ぶだけで、dポイントが効率的に貯まります。
dカードでこれからロボアドバイザー投資を始めたい人や、dポイントを貯めている人には注目のサービスとなっています。今回はdカード積立の特徴とメリット・デメリットを解説し、他の投資との比較をします。
※2023年8月時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- dカード積立とは?
1-1.dカード積立のポイント進呈率
1-2.THEO+ docomoの運用資産額に応じたポイントももらえる
1-3.dカード積立とおつり積立の違い - dカード積立のメリット
2-1.投資一任型のロボアドバイザー「THEO+docomo」が利用できる
2-2.積立投資でdポイントを二重取りできる
2-3.資産運用プランの提案があり手間がかからない - dカード積立のデメリット
3-1.NISAには対応していない
3-2.dカードGOLD年間ご利用額特典の対象外 - dカード積立の始め方
4-1.新規申込みからdカード積立設定までの流れ
4-2.dカード積立のスケジュール - dカード積立と「ウェルスナビ」「楽天らくらく投資」の比較
5-1.ウェルスナビ
5-2.楽天証券のらくらく投資 - まとめ
1.dカード積立とは?
dカード積立とはロボアドバイザー投資サービス「THEO+docomo」の、dカードを利用したクレジットカード積立です。積立額に応じて毎月dポイントがもらえます。積立は毎月1万円から5万円まで、1,000円単位で設定可能です。
THEO+docomo(テオプラスドコモ)
「THEO+docomo」は、投資支援サービスのロボアドバイザー「THEO」を運用している株式会社お金のデザインと、NTTドコモが提携して開始した資産運用サービスです。
少額投資・お任せ資産運用が可能なTHEOとドコモが連携することで、資産運用をしながらdポイントを貯めたり、dカード(dカード、dカード GOLD)で買い物をした際の「おつり」を自動でTHEO+docomoに積み立てたりすることができます。
2022年9月21日からはdカード決済による積立投資ができるようになり、積立額に応じて最大1%のdポイントが毎月たまる「dカード積立」の提供が開始されています。1度dカードを登録するだけで、毎月自動積立が行うことができ、積立額は毎月1万円~(最大5万円まで)可能です。運用額に応じて貯まるポイントとあわせてダブルで貯まるため、おトクに積立ができるメリットがあります。
1-1.dカード積立のポイント進呈率
dカード積立のポイント進呈率は、カードの種類とdポイントクラブの会員ランクによって以下のように決まっています。通常のdカードでは一律0.1に設定されていますが、dカードGOLDの場合は下記のように変動します。
dカードGOLDのdポイントクラブの会員ランクによるポイント進呈率
- 5つ星:1.0%
- 3~4つ星:0.3%
- 1~2つ星:0.1%
dカードGOLDで会員ランクが5つ星の人の進呈率は1%となり、他のランクや通常のdカードユーザーとの進呈率に大きな差があります。高進呈率を狙う場合、dカードゴールドを選んで5つ星を目指すとよいでしょう。
ただし、通常のdカードは年会費が永年無料ですが、dカードGOLDは1万1,000円(税込)の年会費がかかります。dカードの利用目的が積立メインである場合には注意が必要です。
dポイントクラブの会員ランクの決まり方
dポイントクラブの会員ランクは、3カ月ごとのdポイントの獲得数に応じて、以下のように決まります。
- 5つ星:5,000ポイント以上
- 4つ星:1,500ポイント以上
- 3つ星:600ポイント以上
- 2つ星:100ポイント以上
- 1つ星:100ポイント未満
ランクアップのためのポイントの貯め方
5つ星にランクアップするには、3カ月で5,000ポイント以上を獲得する必要があります。効率よくdポイントを貯めるには、以下のような方法があります。
- dカードGOLDでドコモの携帯やドコモ光の料金を支払う(10%ポイント還元)
- d払いとdポイントカードの併用でdポイントを二重取りする
- 「d曜日」にエントリーしてネットで金曜日・土曜日にd払いで支払う(最大4%ポイント還元)
1-2.THEO+ docomoの運用資産額に応じたポイントももらえる
THEO+docomoでは運用資産額に応じたポイントがもらえるため、dカード積立の利用者は二重にポイントを貯められます。ポイントは、月末時点での運用資産額1万円につき以下のように付与されます。
- ドコモユーザー:1.5ポイント
- ドコモユーザー以外:1ポイント
なお、運用資産額が3,000万円を超えた分については、付与されるポイントは上記の半分となります。
1-3.dカード積立とおつり積立の違い
THEO+docomoにはドコモの携帯ユーザーでdカードを持っている人が対象の、「おつり積立」というサービスもあります。おつり積立とはおつりの基準となる金額から端数を「おつり」に見立て、THEO+docomoの運用に回すサービスです。
おつり積立の基準額は100円・500円・1,000円から選びます。たとえば、基準額1,000円で800円の買い物をすると、200円がおつりとなります。おつりは毎日積立てられ、月に1回指定口座から引き落される仕組みです。
おつり積立 | dカード積立 | |
---|---|---|
引落し | 指定した金融機関口座 | dカード |
運用額に応じて貯まるポイント | 対象 | 対象 |
dカード積立のポイント | 対象外 | 対象 |
月額上限 | なし | 5万円 |
THEO Color Palette適用 | 対象 | 対象外 |
おつり積立の決済は口座引落しのため、dカード積立のポイントはつきません。dカード積立はポイントが二重取りできますが、おつり積立でもらえるのは運用のポイントのみとなります。一方、おつり積立では手数料割引のTHEO Color Paletteが適用されますが、dカード積立は対象外です。
2.dカード積立のメリット
dカード積立には、以下のようなメリットがあります。
2-1.投資一任型のロボアドバイザー「THEO+docomo」が利用できる
THEO+docomoは、投資一任型のロボアドバイザーであるTHEOの特徴・メリットをそのまま生かすことができるサービスです。THEOは10~30年という長期的な視点に立ち、結婚資金や住宅資金、教育資金、老後の生活資金などの資産を形成できるように、将来的な成長が見込まれる分野を中心に投資を行います。
一時的な相場の下落があっても、定期的に一定額の金融商品を購入し続ける形を取っているため、平均購入単価は長期的に平準化され、相場が回復した後には資産額が増え、着実な資産形成に繋げることができます。
2016年3月〜2023年5月末までの運用実績において、年平均の利回りが最も高かったポートフォリオと最も低かったポートフォリオは以下の通りです。
プラン | プランの詳細 | 年率リターン(円建て) |
---|---|---|
最も運用実績が高かったプラン | ・グロース92% ・インカム5% ・インフレヘッジ3% |
8.75% |
最も運用実績が低かったプラン | ・グロース6% ・インカム72% ・インフレヘッジ22% |
3.34% |
(注:公表されている年率利回りは年度別の数値ではなく、THEOが運用を始めた2016年3月1日からの通算利回りを年率に換算したもので、投資一任報酬(税込み)、配当税控除後の数値となります。)
2-2.積立投資でdポイントを二重取りできる
THEO+docomoの通常の積立でもらえるのは運用ポイントのみでクレジットカード決済のポイントは貯まりませんが、THEO+docomoのdカード積立では、積立額に応じたdポイントがもらえます。さらに、毎月運用額に応じた運用ポイントももらえるため、ポイントの二重取りが可能です。
長期で積立てると貯まるポイントも多くなります。dポイントを効率的に貯めたい人にとって、dカード積立は有益なサービスです。
2-3.資産運用プランの提案があり手間がかからない
THEO+docomoでは、ユーザーの年齢・年収・資産額などの資産環境やリスク許容度に応じて資産運用のプランの提案をしてくれます。また、投資対象銘柄に関連する指数をはじめ様々な市場データをAIが分析し、相場の下落リスクが高いと判断した際にポートフォリオを最適化してくれる「AIアシスト」機能があります。
自身で投資先を選んだり、市場の動向を確認してポートフォリオを組みなおすなどの手間がかからないという点はメリットと言えるでしょう。
3.dカード積立のデメリット
dカード積立にはポイントがもらえる反面、以下のようなデメリットに注意が必要です。
3-1.NISAには対応していない
THEO+docomoはNISAに対応していないため、dカード積立から発生した運用益には20.315%の税金がかかります。2024年からは投資枠が大幅に引き上げられる新NISAがスタートします。THEO+docomoで非課税投資ができない点は、デメリットとなるでしょう。
3-2.dカードGOLD年間ご利用額特典の対象外
dカードGOLD年間ご利用額特典は、dカードGOLD利用者の年間利用額に応じた特典がもらえるサービスです。しかし、dカードGOLDでのdカード積立で使用した金額は、dカードGOLD年間ご利用額特典の加算対象にならないという点に注意しましょう。
4.dカード積立の始め方
ここでは、THEO+docomo のdカード積立を始める手順を解説します。
4-1.新規申込みからdカード積立設定までの流れ
THEO+docomoを始めていない人は新規申込みから、THEO+docomoを始めている人はdカード積立設定のみとなります。
THEO+docomoの新規申込み
THEO+docomoを始めていない人は、以下の手順で新規申込みをします。
- 無料診断を受ける
- ユーザー登録、dアカウント登録をする
- 個人情報を入力する
- 入金する
まず、THEO+docomoのウェブサイトで「無料診断」を行ってみましょう。「年齢」「年収」など5つの質問項目に答えると、その内容に応じた最適な資産運用方法や将来の資産予想を示してくれます。なお、無料診断はスキップして直接口座を開設することもできます。
dカード積立設定
THEO+docomoの申込みが完了したら、dカード積立の設定をします。
- 積立設定(dカード)の画面より「dカード積立を設定する」ボタンをクリック
- THEO+docomo連携のdアカウントにログイン
- 積立額、セキュリティコードを入力
4-2.dカード積立のスケジュール
dカード積立の積立設定からカード引落しまでのスケジュールは、以下のとおりです。
- 毎月15日:当月分の積立設定の締め切り(16日以降は翌月扱い)
- 当月26日:THEO+ docomoへの入金(買付)※非営業日の場合は翌営業日に
- 翌月末頃:dポイント進呈
- 翌々月10日:カード代金引落し※非営業日の場合は翌営業日に
たとえば、2023年9月11日(月)にdカード積立の設定をするとします。その場合、9月26日(火)に入金され、10月31日頃にポイントが付与され、11月10日(金)にカード代金が引き落されます。
5.dカード積立と「ウェルスナビ」「楽天らくらく投資」の比較
dカード積立のようなロボアドバイザーのクレジットカード積立には、WealthNavi for AEON CARD(またはWealthNavi for イオン銀行)と楽天証券のらくらく投資があります。
dカード積立(THEO+docomo) | ウェルスナビ | らくらく投資 | |
---|---|---|---|
積立設定額(月額) | 1万円~5万円 | 1万円~5万円 | 100円~5万円 |
クレジットカード | dカード・dカードGOLD | イオンマークのクレジットカード | 楽天カード発行のクレジットカード |
付与ポイント | dポイント | WAON POINT | 楽天ポイント |
カード決済のポイント還元率 | 0.1%~1.0% | 0.5% | 0.5%~1.0% |
運用のポイント還元 | 運用資産額1万円につき毎月1ポイント(ドコモユーザーは1.5ポイント) | なし | ハッピープログラムで基準残高達成ごとにポイント進呈 |
運用資産額に対する手数料率(税込・年率) | 1.1%(手数料割引プログラムあり) | 1.1%(3000万円を超える部分は0.55%) | 0.4915%(信託報酬) |
NISA対応 | なし | 一般NISA | 一般NISA・つみたてNISA |
ポイント投資 | 可(dカード積立では不可) | 不可 | 可 |
5-1.ウェルスナビ
ウェルスナビは、東証グロース上場企業のウェルスナビ株式会社が提供するロボアドバイザーサービスです。預かり資産額や運用者数が多く、働く世代の利用が特に多くなっています。ウェルスナビでは、事前診断となる「年齢」「年収」などの6つの質問に答えると、各ユーザーの属性に適した資産運用プランを提案してくれます。
代表的なロボアドバイザー投資の1つであるウェルスナビでは、WealthNavi for AEON CARD(イオンカード)、またはWealthNavi for イオン銀行のみでクレジットカード積立が可能です。クレジットカード積立によるポイント還元は一律0.5%で、運用によるポイントはありません。
ウェルスナビでは一般NISAでの投資ができる「おまかせNISA」が提供されていて、クレジットカード積立でも利用できます。
5-2.楽天証券のらくらく投資
楽天証券のらくらく投資は投資一任型のロボアドバイザーサービスで、クレジットカード決済にも対応しています。積立設定額も月に100円からと少額から始められ、一般NISAもつみたてNISAも利用できます。らくらく投資のコストは投資信託の信託報酬で、0.4915%と他のサービスより低めです。
楽天カード決済のポイント還元率
楽天カード決済のポイント還元率はカードの種類とファンドの種類によって以下のように決められています。
代行手数料が年率0.4%以上のファンド
- 一律1.0%
代行手数料が年率0.4%未満のファンド
- 楽天カード:0.5%
- 楽天ゴールドカード :0.75%
- 楽天プレミアムカード :1.0%
代行手数料とは、信託報酬のうち楽天証券が受け取る分のことです。2023年8月12日現在、らくらく投資のファンドはすべて1.0%ポイント還元となっています。
まとめ
dカード積立はTHEO+ docomoのポイントとクレジットカード決済のポイントが二重でもらえます。また、投資一任型のロボアドバイザー「THEO+docomo」が利用でき、投資の手間がかからないという点も大きなメリットです。
なお、カードの種類とdポイントクラブの会員ランクによってポイント進呈率に差があります。ポイント進呈率を重視するなら、dカードGOLDで5つ星になるように日頃からdポイントを貯めることもdカード積立を効率よく行うコツと言えるでしょう。
一方でNISAに対応していない点や、年間利用額特典の対象外となっている点には注意が必要です。他の投資サービスとも比較しながら、検討されてみると良いでしょう。
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松田 聡子
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