2024年に募集したCOZUCHI(コヅチ)の注目ファンドは?応募実績や傾向も

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継続的にファンド募集を進める不動産投資クラウドファンディングの一つに「COZUCHI」というサービスがあります。不動産投資クラウドファンディング累計投資額No1という実績を持っています(2024年4月末時点、日本マーケティングリサーチ機構による不動産投資クラウドファンディングサービスにおける市場調査)。

また、投資期間および投資先でみて多様なファンドを組成しているのが特徴です。今回の記事ではCOZUCHIの特徴や、2024年に募集した注目ファンド、応募実績や傾向などを紹介します。

目次

  1. COZUCHIとは?
    1-1.豊富なファンド組成・投資実績
    1-2.キャピタルゲインが期待でき・元本毀損実績はなし
    1-3.短期・長期の二つのタイプのファンドがある
    1-4.首都圏を中心にさまざまな物件に投資
    1-5.途中売却が比較的しやすい
  2. 2024年のCOZUCHI募集ファンドの傾向
    2-1.地域で見ると23区内が中心
    2-2.運用期間は短期のファンドが中心に
    2-3.投資対象の不動産が多岐にわたる
    2-4.想定利回りは4%~10%
  3. 2024年の募集ファンド事例4選
    3-1.渋谷区代々木上原一棟マンション
    3-2.箱根町 強羅 事業用地 フェーズ2
    3-3.茨城県 つくばみらい市 事業用地 フェーズ2
    3-4.代々木駅前開発プロジェクト
  4. まとめ

1 COZUCHIとは?

不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI(コヅチ)」

COZUCHI(コヅチ)の概要

COZUCHI(コヅチ)はLAETOLI株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。LAETOLI株式会社は、リノベーション事業や不動産買取事業を展開する不動産会社で、投資用不動産のノウハウを生かしてCOZUCHIを運営しています。

2019年にサービスを開始した前身サイト「WARASHIBE」の運用開始から約2年が経過し、サービスをリニューアルしたのが「COZUCHI」です。COZUCHIでは賃貸用のマンションの案件に加えて数億円規模の事業性の大型のファンドを組成することもあり、2024年9月末時点で累計789億円超のトップクラスの募集実績があります。投資対象となる不動産の豊富なバリュエーションが特徴的です。

項目 概要
運営会社 LAETOLI株式会社
〒107-0061
東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OM-SQUARE4階
募集商品 不動産投資クラウドファンディング
ファンド数(運用中/償還済み) 26 / 78
累計投資額 789.2億円
平均利回り 16.4%
平均運用期間 8.3ヶ月
ファンドの最低投資金額 1万円~10万円

※出所:COZUCHI「【第9号】四半期レポート-1

1-1 豊富なファンド組成・投資実績

COZUCHIは、2024年10月時点で累計投資額がNo1の不動産投資クラウドファンディングサービスです。豊富なファンド組成・投資実績を持ち、これまで元本割れも起きていません。

第9号の四半期レポート」によると、2024年9月末時点の累計投資額は789.2億円まで増えています。COZUCHIによるファンド募集は2021年からなので、3年強で投資額を急拡大に成功した投資サービスです。

1-2 キャピタルゲインが期待でき・元本毀損実績はなし

COZUCHIのファンドは、運用終了のタイミングで他のファンドや投資家などに不動産を売却します。売却がうまくいって当初想定よりも利益が増えれば、運営者の報酬等を差し引いた上で、投資家に還元される仕組みです。そのため、COZUCHIのファンドでは、予定利回りも高い水準の分配金・償還金が得られるケースもあります。

たとえば、2024年03月27日に運用が終了した「渋谷区広尾底地プロジェクトフェーズ3」は、想定利回り4.5%に対して、最終的には利回り33.0%を実現しました。

ただし、不動産市況が良好であれば、このように分配の上振れが期待できる半面、逆に売却が不調に終わったり、ファンド期間中の賃料収入が減少したりすれば、利回りが低下したり、損失が出たりするリスクもあります。COZUCHIでは、2024年10月時点までに元本毀損案件が一つもありませんが、リスクがあるということを念頭において投資判断を行うことが大切です。

1-3 短期・長期の二つのタイプのファンドがある

運用期間がファンドによってさまざまなのも、COZUCHIの特徴です。COZUCHIでは短期運用型と中長期運用型の二つのタイプのファンドを継続的に組成しています。短期運用型は3ヶ月〜5年未満の運用期間のもので、文字通り短期で償還されます。近いうちに現金として使用する資金でも、柔軟に投資可能です。

対して、中長期運用型は5年~10年程度の運用期間を持つファンドです。長期間安定した分配金が期待できます。不動産経営が順調であれば、継続的な現金収入が得られるため、長期での現物での不動産投資と近い感覚がで投資ができます。自己資金の性質や投資家の考え方に応じて、柔軟に投資期間を選択できるのが特徴です。

1-4 首都圏を中心にさまざまな物件に投資

COZUCHIのファンドの投資先は首都圏が中心です。一方で物件タイプで見ると、一棟ビル、再開発、物流拠点、観光地や住宅地と、ファンドによって多様な物件に投資しています。

投資先のリスクや収益性に応じて、想定利回りもさまざまなので、投資家のリスクとリターンに対する考え方に合ったファンドを選べます。

1-5 途中売却が比較的しやすい

COZUCHIは、不動産投資クラウドファンディングとしては途中売却・換金の仕組みが整ったファンドです。不動産投資クラウドファンディングのなかには、運用期間中の途中売却の仕組みがなく、原則として満期まで保有を継続する必要があるファンドも少なくありません。

対して、COZUCHIでは買取制度を導入し、満期前の途中換金が可能です。特に短期運用型は、原則24時間365日いつでも申込みを受け付けています。中長期運用型については、半年に一度中途売却の機会が与えられています。資金が必要になったときに柔軟に資金を確保できるため、手軽に投資できるのが特徴です。

2 2024年のCOZUCHI募集ファンドの傾向

2024年10月12日時点ですでに運用が始まっているファンドのうち、新しい方から数えて10本のファンドの特徴を簡単にまとめました。なお、COZUCHIは追加募集や一度売却された銘柄のリセール募集などを行う場合がありますが、ここでは2024年に新たに募集されたファンドのみを取り上げています。

2024年のCOZUCHI募集ファンド

ファンド 運用期間 想定利回り 投資対象
渋谷区代々木上原一棟マンション 3年 4.5%(年利) 一棟マンション
箱根町 強羅 事業用地 フェーズ2 1年8ヶ月 5.0%(年利) 観光地事業用地
板橋区南常盤台一棟マンション 1年5ヶ月28日 5.0%(年利) 一棟マンション
茨城県 つくばみらい市 事業用地 フェーズ2 1年 5.0%(年利) 事業用地
代々木駅前開発プロジェクト 6ヶ月28日 10.0%(年利) 開発用地
京都”ANAクラウンプラザホテル” バリューアッププロジェクト フェーズ2 1年 9.0%(年利) ホテル
中央区銀座 商業ビルⅡ 1年 7.5%(年利) 商業ビル
渋谷区初台一棟マンション 1年2ヶ月 5.0%(年利) 一棟マンション
南青山開発プロジェクト フェーズ1 追加取得 10ヶ月3日 4.0%(年利) 開発用地
高円寺プロジェクト 8ヶ月 6.0%(年利) 店舗・居宅

こちらの情報をもとに、足元の募集ファンドの傾向について簡単にまとめました。

2-1 地域で見ると23区内が中心

地域で分類すると、23区内のファンドが7件を占めていて、都心部中心に投資されていることがわかります。COZUCHIは償還済みのファンドも含めて、一貫して23区内の投資案件が多い傾向にあります。

一方で、残り3件は都道府県でいうと茨城・神奈川・京都に分布しています。数は減るものの、都外の地方物件へ投資するケースも見られます。京都のホテルやリゾート地などの観光産業と結びつきの近い土地・設備が時折募集されるのも、コロナ禍が終息に向かった2023年頃から見られる傾向です。

2-2 運用期間は短期のファンドが中心に

運用期間を見てみると、最短のファンドが6ヶ月28日で最長でも3年です。結果的にはこの期間には中長期型ファンドは一つも販売されていません。適した物件が見つかれば中長期運用型ファンドが販売される可能性はありますが、現状は短めの運用期間のファンドが多い状況です。

長期視点で不動産投資に取り組むスタンスの方は、留意が必要です。例えば、再投資を繰り返して、トータルの投資期間を延ばす方法もあります。

2-3 投資対象の不動産が多岐にわたる

投資対象の不動産の種類はマンション投資がやや多いものの、その他にも商業ビル、事業用地、再開発等の開発用地、ホテルや観光地と多岐にわたります。

投資地域が比較的集中している一方で、投資先の物件タイプに多様性があるのは、COZUCHIの特徴の一つといえます。個人が現物で投資するのが難しい開発用地や観光地などにも、COZUCHIを活用すれば気軽にチャレンジできます。

2-4 想定利回りは4%~10%

COZUCHIの想定利回りは4%~10%と差があります。この利回りの差が生まれる原因は、売却益を主なリターンに据えるキャピタルゲイン型のファンドの場合、想定よりも運用期間が短くなるほど年利換算した時の利回りが高くなることにあります。

COZUCHIのファンドは売却時にキャピタルゲインが出れば実際の利回りが上昇する場合があります。運用終了したファンドの中から想定利回りを上回ったファンドを見てみましょう。

償還したファンドで実際の利回りが想定利回りを上回った例

ファンド 想定利回り 実際の利回り
大船 マンション用地 プロジェクト 7.0%(年利) 10.9%(年利)
渋谷区広尾底地プロジェクトフェーズ3 4.5%(年利) 33.0%(年利)
自由が丘 一棟ビル 5.0%(年利) 8.8%(年利)
横浜 元町・中華街 プロジェクト 5.0%(年利) 8.3%(年利)
六本木事業用地Ⅱ フェーズ3 7.0%(年利) 12.0%(年利)

例えば、33.0%(年利)の実績利回りがある「渋谷区広尾底地プロジェクトフェーズ3」では、想定運用期間24ヶ月に対して実績運用期間は2.9ヶ月になっています。また、「大船 マンション用地 プロジェクト」においても想定運用期間18ヶ月に対して実績運用期間10ヶ月となっており、運用期間が圧縮されることで利回りも7.0%から10.9%になっています。

つまり、COZUCHIの高利回りファンドは「物件が想定よりも高く売れたために高利回りが実現した」というイメージよりも、売却先や売却価格がファンド組成時にあらかじめ決まっており、想定よりも短い運用期間の中で償還に成功したファンドであるということが分かります。高利回りファンドへの投資を検討する際は、COZUCHIで詳細に公開されている運用スキームまでチェックされてみると良いでしょう。

3 2024年の募集ファンド事例4選

2024年に募集され、運用中のファンドから、特徴的な銘柄を4本紹介します。COZUCHIでの投資の是非を検討している方は、参考にしてみてください。

3-1 渋谷区代々木上原一棟マンション

ファンド名 渋谷区代々木上原一棟マンション
投資対象 一棟マンション
運用期間 2024年10月03日~2027年 10月02日(3年)
想定利回り 4.5%(年利)
募集金額 1,019,400,000円
応募金額/応募率 1,620,840,000円 / 159%

出所:COZUCHI「渋谷区代々木上原一棟マンション

2024年9月に募集を行い、10月から運用が始まったマンションへ投資するファンドです。代々木上原は新宿からほど近い渋谷区の土地で、一体は高級住宅街を形成しています。ターミナル駅にほど近い利便性の高い立地で、おしゃれなカフェやレストラン、ショップなども点在する居住性の高さが魅力の一つです。

敷地規模は約236㎡(約71坪)、延床面積は約699㎡(約211坪)、築16年の物件です。低層階には、事務所・店舗、上層階にはコンパクトな住宅が入った構成で、幅広いニーズに応えられる貸室構成です。

同ファンドは「インカムゲイン型」に分類されていて、基本的には賃料収入を土台とした3年間のインカムゲイン獲得を目指しています。修繕工事や維持管理の改善、賃貸条件の見直しなどによりインカムゲインの向上を追求します。これらの取り組みによる資産価値の向上を通じて、最終的には売値の向上によるキャピタルゲインの獲得も追求する戦略です。

3-2 箱根町 強羅 事業用地 フェーズ2

ファンド名 箱根町 強羅 事業用地 フェーズ2
投資対象 別荘開発を想定した土地
運用期間 2024年09月17日~2026年 05月16日(1年8ヶ月)
想定利回り 5.0%(年利)
募集金額 310,000,000円
応募金額/応募率 1,208,680,000円 / 389%

2024年8月~9月にかけてに募集を行い、9月から運用が始まったファンドです。「強羅」とは箱根登山電車の終着駅です。また、箱根登山ケーブルカーの乗り場があります。周辺は観光客をターゲットとした飲食店やお土産屋、宿泊施設が立ち並んでいます。

投資対象の土地は強羅駅から徒歩9分、強羅公園に接する約486坪の土地です。実は、同社の別のファンド「箱根町強羅事業用地」のプロジェクトの中で取得した土地で、今回のファンドの運用期間においては、別荘開発に必要な各種許認可取得を目指します。

並行して、有名建築家に別荘のプランニングをすでに依頼していて、許認可完了後は建設フェーズへ移行する予定です。なお、本土地には温泉の供給契約が結ばれており、温泉付き別荘が開発される見込みとなっています。

本ファンドはキャピタルゲイン型で、一連の許認可取得や土地の用途の明確化を背景とした土地の評価額上昇に伴う資産価値の拡大を投資家への分配原資とする予定です。評価額が想定より上振れれば、想定利回りを上回る収益を獲得する可能性もあります。

310,000,000円の募集金額に対して応募率389%にあたる1,208,680,000円の応募がありました。戦略の明確性や価格の上振れ余地に対する期待感、過去のCOZUCHIファンドの運用実績に対する信頼性が、人気につながったと考えられます。

3-3 茨城県 つくばみらい市 事業用地 フェーズ2

ファンド名 茨城県 つくばみらい市 事業用地 フェーズ2
投資対象 物流施設の開発用地
運用期間 2024年07月28日~2025年 07月27日
想定利回り 5.0%(年利)
募集金額 1,600,000,000円
応募金額/応募率 2,216,010,000円 / 138%

2024年7月に募集を行い、同月から運用が始まったファンドです。この土地は、茨城県つくばみらい市の常磐自動車道「谷和原インターチェンジ」から自動車で約6分の場所にあります。

約9,500坪あり、物流施設を開発するための用地です。市街化調整区域にあり、開発には制限がかかる土地ですが、今後の開発を見据えてすでに行政の開発許可を取得しています。

インターチェンジからほど近いため、都心や日本各地へ貨物を陸上輸送する上で便利な立地です。広域の配送拠点として安定した需要が期待できます。また、「小絹駅」及び「新守谷駅」から徒歩圏内であり、周囲には住宅地もあることから、労働者の確保も行いやすい立地と言えるでしょう。

ファンドでは、物流用地としての開発を進めた上で、物流用地としてディベロッパーや投資家へ売却する予定です。想定利回りは5.0%ですが、売却時に価格が想定を上振れれば、より高いリターンを得られる可能性もあります。

3-4 代々木駅前開発プロジェクト

ファンド名 代々木駅前開発プロジェクト
投資対象 開発用地
運用期間 2024年07月31日~2025年 02月27日
想定利回り 10.0%(年利)
募集金額 696,260,000円
応募金額/応募率 13,136,280,000円 / 1,886%

こちらも2024年7月に募集を行い、同月から運用が始まったファンドです。東京の都心部にある代々木駅周辺の約95坪の開発用地(複数の古家付き)が投資対象となっています。

プロジェクト全体では、古家を解体して新たな中層の建物を建てる構想です。ただし、本ファンドとしては、土地の取得・開発業者への売却までを運用する戦略となっています。

代々木駅前の好立地で、商業において高い賃貸需要が期待できる立地です。南北共に道路に面しているため、商業地としては魅力的な土地といえます。本ファンドの運用時点ですでに売却する開発業者は決まっていて、売買契約を締結済みです。償還時の不確実性が小さいのも、このファンドの特徴といえます。

好立地でリスクの低いスキームでありながら、年率10%と近年のファンドとしては高めの想定利回りとなっています。こうした点が着目され、ファンドには募集金額の1,886%もの応募がありました。このように、高利回りなファンドでは応募が殺到するケースも散見されるので、ファンド選びにおいては留意しましょう。

4 まとめ

COZUCHIは、累計投資金額が2024年4月時点でNo1となった不動産投資クラウドファンディングサービスです。2024年の募集実績いを見ると、都心部を中心としつつも一部地方物件へ投資するファンドもあります。また、住宅、オフィス、観光地、開発用地など多様なタイプの物件に投資しています。

キャピタルゲインが実現すれば、想定利回りより最終的に多くの分配が得られます。元本割れ・損失発生のリスクには留意が必要ですが、2024年9月末時点までの実績を見ると元本の正常償還率100%となっています。

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伊藤 圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。