三井住友DSアセットマネジメント株式会社は11月5日、マーケットレポート「米国『大統領選挙』は最後まで波乱の展開」を発表した。 共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が争う『大統領選挙』の投票が行われ、開票が進んでいる。選挙結果が投票日翌日になっても決まらず、郵便投票の開票で決することとなる異例の大接戦となっている。新型コロナの影響で郵便投票が大幅に増加したことで、激戦州での再集計や選挙結果に関する法廷闘争も考えられるため、 政治的な混乱が見込まれる。しかし同社は結果にかかわらず「積極的な金融緩和は継続され、株価にはポジティブな環境が継続しそう」と見る。
米国の『大統領選挙』は州ごとに勝敗を決め、 各州に割り当てられた「選挙人」を獲得し、 過半数となる270人以上を得た候補者が当選する。 激戦州のうち、フロリダとアイオワに勝利し優勢が伝えられていたトランプ氏は4日未明、一方的に勝利宣言を行うと共に「投票日以降の集計は止めるべき」と訴え、法廷闘争を起こし最高裁まで争う姿勢を示した。これに対し、バイデン氏は優勢とされる「郵便投票の開票を忍耐強く待つ」とコメントすると共に、「集計は最後まで続けるべき」と反撃している。
新型コロナの影響で郵便投票を含めた期日前投票が非常に多くなり、 開票の遅れているペンシルベニアなどの集計によって結果が左右されます。 法廷闘争の対象となり、 政治的な混乱が想定される。
同時に行われた議会選挙について、同社は「予想通り下院は民主党による過半数維持が見込まれるが、 上院は接戦の結果、共和党が制する。米議会は選挙前と同じねじれ状態が継続し。どちらが大統領になっても慎重な政権運営が必要となる」と見る。
大方の事前予想はバイデン氏優位だったが、想定以上の接戦となり、大統領選挙の結果は開票が遅れている州の郵便投票の集計によることとなったため、今後は激戦州での再集計や選挙結果に関する法廷闘争など、 政治的な混乱が想定されている。4日の米国市場は、法人増税や企業への規制強化などの懸念が後退、3日に引き続き株価は上昇した。 一方、 巨額の財政支出の可能性も低下し、 国債利回りは大幅に低下(国債価格は上昇)した。
同社は「政治混乱の長期化はリスク要因だが、 どちらが大統領になったとしても「株価にはポジティブな環境が継続しそうだ」と予測している。積極的な金融緩和が継続され、 新型コロナを抑制しつつ追加の景気対策を行う必要があるためだ。 欧米を中心に新型コロナの感染再拡大が勢いを増しているため「米国の政局が落ち着きを取り戻し、 感染抑制策や追加の経済対策が早急に図られることが望まれる」とレポートを結んでいる。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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