米電気自動車(EV)大手のテスラ(ティッカーシンボル:TSLA)が4月20日に発表した2022年1~3月期決算は、売上高が前年同期比81%増の188億ドル(約2兆4,000億円)、純利益は同7.6倍の33億ドルだった(*1)。サプライチェーンの混乱や中国EV工場の操業を一時停止した影響を受けながらも、売上高と純利益はともに四半期ベースで過去最高を更新した。
売上高と純利益はともに市場予想を上回る良好な決算となった(*2)。販売台数の増加や値上げが売上高の拡大につながった。1~3月期のEV販売台数は前年同月比68%増の31万48台。車種別の内訳は小型車「モデル3」と小型SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」があわせて29万5,324台となり、全体の95%を占めた。
新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う中国・上海のロックダウン(都市封鎖)により、3月下旬より1ヶ月ほど上海工場の操業停止を余儀なくされていた。現在は限定的な水準で生産を再開。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「今年は150万台を生産できそうだ」と述べた(*2)。
また、マスクCEOはハンドルやブレーキペダルなどがない「ロボタクシー」と呼ぶ自動運転車の開発に取り組んでいると明らかにした。23年に詳細を発表し、24年に量産を始める計画だという(*2)。
新型コロナのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻を受け、部品や半導体不足に拍車がかかっている。テスラは同社工場が数四半期にわたり生産能力を下回って稼働しているほか、供給制約が22年を通じて続くと警鐘を鳴らす。また、マスクCEOはインフレに関しても今年いっぱい続くとみている(*2)。しかしながら、経営陣は今後数年間のEVの年間販売台数が平均50%の伸びで推移するという強気の見通しを維持する。
【参照記事】*1 テスラ「Tesla Investor Relations」
【参照記事】*2 CNBC「Tesla (TSLA) earnings Q1 2022」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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