ラップ口座とロボアドバイザーの違いは?メリット・デメリットや投資サービスの比較も

「ラップ口座」と「ロボアドバイザー」は、どちらも投資先の銘柄選定から運用までをプロに一任できるサービスです。そのうえで、ラップ口座とロボアドバイザーは何が違うのかという疑問に感じている方もいるでしょう。

そこで、この記事ではラップ口座とロボアドバイザーの違いをわかりやすく比較し、特徴やメリット・デメリットを解説します。ご自身の資産運用の参考にしてみて下さい。

目次

  1. ラップ口座とは?
  2. ラップ口座のメリット・デメリット
    2-1.証券会社の人間とやりとりできる
    2-2.手数料が高い
  3. ロボアドバイザーとは?
  4. ロボアドバイザーのメリット・デメリット
    4-1.コストが安い
    4-2.少額で投資を始められる
    4-3.短期間では成果が得られない
    4-4.通常の株式・ETF投資よりも運用コストがかかる
  5. まとめ

1.ラップ口座とは?

ラップ口座(ファンドラップ)は、個人の投資家が証券会社と投資一任契約を結び、資産運用を任せられるサービスです。投資家それぞれに合った方針を示してくれるため、オーダーメイドでの運用も可能と言えます。

ラップ口座の「ラップ」は「包括する」という意味で、運用と手数料がひとまとめにされていることからこの名称となっています。ラップ口座はアメリカで1970年代後半にスタートしました。元々、ラップ口座は超富裕層向けのサービスであり、最低投資額も数千万円や数億円と、ごく一部の人だけが利用できていました。

ラップ口座が日本で始まったのは1990年代後半で、サービスが広まるようになったのは2000年以降です。サービス内容は徐々に変化し、現在のラップ口座は最低投資額が数百万円からといったサービスも増加しつつあります。ある程度資産に余裕のある人が、将来のためや孫の教育資金のためといった動機で始めるケースが多いといえます。

加えて、数百万円からスタートできるラップ口座だけでなく、数千万・数億円の最低投資額が必要なコースを用意している証券会社もあります。そのため、自身の資産状況に応じて、利用するコースを選びましょう。

2.ラップ口座のメリット・デメリット

ここからは、ラップ口座にどのようなメリット・デメリットがあるか見ていきましょう。資産運用を対面で行うなど、ロボアドバイザーとは違ったメリットがあります。

2-1.証券会社の担当者とやりとりできる

ラップ口座はロボアドバイザーとは異なり、証券会社の資産運用アドバイザーとやりとりしながら購入銘柄を決め、運用管理を行います。運用に関しては、証券会社に一任できるため、投資家は運用状況の報告を受けるだけでも良いのです。

アドバイザーがリバランスや組み入れファンドの見直しをしてくれるため、投資について詳しくなくても運用を任せられます。

また、信頼できる担当者と直接話をしながら投資したいと考えている場合、対面でアドバイザーとやり取りができる点はメリットだといえます。

2-2.分散投資が可能

投資で損失リスクを抑えたい場合、分散投資をすることが重要です。例えば、1つの銘柄のみに投資すると、大きなリターンが得られる可能性もある一方、相場が下落してしまった場合には大きな損失となる可能性があります。

ラップ口座を利用すると、様々な銘柄に投資可能です。ラップ口座で投資できる銘柄は下記の8種類です。

  • 日本株式
  • 外国株式
  • 日本債券
  • 外国債券
  • REIT
  • コモディティ
  • ヘッジファンド
  • MRF

これらを組み合わせることで、分散投資できる点がメリットです。地域や資産タイプによって値動きの傾向や幅がそれぞれ異なるので、違った特性を持つ金融商品を複数保有しておくことで、価格が上下するリスクを軽減することが可能になります。

2-3.手数料が高い

ラップ口座は運用のプロフェッショナルと対面でやりとりできる点はメリットといえます。しかし、運用のプロフェッショナルにフルサービスをしてもらうため、相応の人件費が必要です。ゆえに手数料の高さには留意しておく必要があります。

例えば、ラップ口座では、信託報酬(手数料)だけでなく、管理手数料を合わせると年間に負担する手数料は年率3%程度となります。相応の利益がないと損をしてしまう可能性がある点には注意が必要です。

2-4.最低投資金額が高額

ラップ口座の利用には、数百万円という最低投資金額が設定されています。今回比較対象としているロボアドバイザーの場合は、サービスによっては1,000円や1万円といった金額からでも始められるため、利用へのハードルは高いといえます。

ラップ口座は投資の知識や経験がなくても利用できるサービスです。しかし、必要な資金が高額なため、手軽に利用したいと考えている人には不向きです。

3.ロボアドバイザーとは?

ロボアドバイザーとは、年齢・資産規模・リスクへの考えといった質問に答えることで、ロボットが最適な銘柄の選定や資産配分などをしてくれるサービスです。コストの低い投資信託やETFなど、世界中の市場に分散投資が可能です。

ロボアドバイザーがアメリカで初めて生まれたのが2008年、日本では2016年から多くの証券会社で取り扱いが開始された比較的新しいサービスです。AIの仕組みも活用したプロフェッショナルによる資産運用が気軽に利用できるとして近年注目を浴びています。

ロボアドバイザーには大きく分けてアドバイス型と投資一任型の2種類があり、それぞれサポートしてくれる範囲が違います。2種類のロボアドバイザーの特徴と、どの証券会社でロボアドバイザーを利用できるのかを詳しくみていきましょう。

アドバイス型

投資銘柄の選定や資産配分などのアドバイスをくれるロボアドバイザーです。運用・運用管理は利用者自身が行います。利用できる証券会社は主に以下の2社です。

投資一任型

ロボットが投資に関する質問への回答内容から購入する金融商品の傾向を指定し、資産運用の一任まで可能なロボアドバイザーは投資一任型に当てはまります。資産運用のほとんどをサービス側にお任せできるため、投資初心者にも利用しやすいサービスだといえます。

投資一任型のロボアドバイザーを提供している主な会社は以下となります。

ロボアドバイザーはアドバイス型と投資一任型によってサポート内容が違います。アドバイスは受けつつも自分の考えで資産運用をしたい場合はアドバイス型を選びましょう。投資一任型のロボアドバイザーでは、銘柄選定から運用管理まですべてを任せられるため、運用に自信のない方や時間のない方に向いています。

4.ロボアドバイザーのメリット・デメリット

ここでは、ロボアドバイザーのメリット・デメリットを解説していきます。手数料や少額から始められるなどのメリットだけでなく、デメリットも知っておきましょう。

4-1.運用コストが安い

ロボアドバイザーではラップ口座に比べて人件費がかかりません。ラップ口座は年率人件費の高さを受けて年率3%程度の手数料が必要であるものの、ロボアドバイザーであれば1%程度で運用可能です。

加えて、ロボアドバイザーのサービスでは証券会社に出向かずともネットで様々な手続きができます。時間がなくて証券会社まで相談に行けないという働き世代の人も利用しやすいといえます。

4-2.少額で投資を始められる

投資と聞くと、ラップ口座のように多額の資金が必要だとイメージしがちです。しかし、ロボアドバイザーを利用した場合、毎月の積立額は1,000円や1万円などから設定できるため、自分の生活を圧迫しない金額からスタートすることができます。

最低投資額はサービスごとに異なりますが、ON COMPASSでは1,000円から、THEO+ docomoは1万円から、ウェルスナビは10万円からなど、ラップ口座に比べて気軽に始められる水準となっています。

4-3.短期間では成果が得られない

ロボアドバイザーによる運用は短期間で大きな利益を得る方法ではなく、長期にわたって資産を積み立てていく方法です。多額の資金や知識がないという人も、毎月少しずつ積み立てていくことで資産形成ができる投資方法だといえます。

ロボアドバイザーによる資産運用は短期的な利益ではなく、長期的な利益を目指して運用するものだといえます。短期的に大きく利益を得ることを目指すのであれば、株式など他の投資を検討しましょう。

4-4.通常の株式・ETF投資よりも運用コストがかかる

ロボアドバイザーではロボットの分析に基づいたアドバイスが受けられ、投資一任型では銘柄の選定やその後の運用も一任できます。そのため、すべて自分の考えで行う株式やETFへの投資に比べると、その分の運用コストが掛かる点はデメリットといえます。

ロボアドバイザーを利用した方が良いか、自身の考えで投資をする方が良いのかは、投資する目的やスタイルに沿って検討してみましょう。

まとめ

ラップ口座とロボアドバイザーについて解説しました。それぞれの違いについて改めてみていきましょう。

項目 ロボアドバイザー ラップ口座
アドバイス方法 質問に答えるだけでOK 対面で証券会社のアドバイザーに相談
手数料目安 年率1%前後 年率3%前後
最低投資額 1,000円から可能(サービスにより大きく異なる) 数百万円必要
投資銘柄選定 アドバイス型:ロボアドバイザーの助言に基づきユーザーが決める
投資一任型:ロボアドバイザーが選定
証券会社のアドバイザーが選定
運用管理 投資一体型ならロボアドバイザーにお任せ 証券会社のアドバイザーが運用
向いている人 働き世代 資産に余裕がある人

同じようなサービスに感じられるものの、ロボアドバイザーは少額から運用できる、ラップ口座はある程度の資金が必要など、特徴は異なります。どちらが自分に合っているかを考えて、より最適なサービスを検討しましょう。

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鈴原 千景

鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。