ジョイントアルファは、穴吹興産株式会社が2020年初頭にサービスを開始し、運営する不動産投資型クラウドファンディングです。
ジョイントアルファを利用してクラウドファンディング投資を始める時、どのようなリスクを想定してから投資先を選べば良いでしょうか。本記事ではジョイントアルファが運営する物件のエリアやタイプから、各リスクを検証してみます。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- ジョイントアルファの特徴
1-1.東証プライム上場企業の穴吹興産株式会社が運営
1-2.日本全国の様々な種類の物件を扱う
1-3.募集規模は数千万円が中心 - ジョイントアルファで注意しておきたいリスクを検証
2-1.地方物件の空室リスク
2-2.ホテルの集客リスク
2-3.テナント案件の売上下落リスク
2-4.募集頻度はあまり高くない - まとめ
1.ジョイントアルファの特徴
Jointoα(ジョイントアルファ)は、東証プライム上場企業の穴吹興産が運営する不動産投資クラウドファンディングプラットフォームです。ジョイントアルファの投資案件は、地方都市の区分マンションやゲストシェアハウスなどが中心となっており、サイト上でも「不動産投資×地域創生への挑戦」を特徴の一つに掲げています。
ジョイントアルファの年利回りは3.6~5%と不動産投資型クラウドファンディングの中では平均的な水準となっています。また、1口は10万円からとなっており、こちらは他サービス(1万円から始められる等)と比べるとややハードルは高くなっていますが、実物の不動産投資(数千万円~数億円)に比べれば非常に始めやすくなっています。
以下では、ジョイントアルファがどのような特徴を持つ不動産クラウドファンディングであるかを確認していきましょう。
1-1.東証プライム上場企業の穴吹興産株式会社が運営
ジョイントアルファを運営しているのは東証プライム上場企業である、穴吹興産株式会社です。穴吹興産は創業が1964年と歴史のある不動産会社です。本社は香川県高松市にあり、2021年6月期の最新の売上高は1000億円を超えています。
豊富な実績と資金力を持つ不動産会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングであり、資金力の面、またIR情報が公開されている点はメリットと言える特徴です。
1-2.日本全国の様々な種類の物件を扱う
ジョイントアルファは、東証プライム上場の不動産会社が運営しているだけに、取り扱う物件の数やエリアも多様です。2022年2月時点までに募集された物件の種類を見ると、店舗、ホテル、区分マンションといった物件が中心です。
マンションのような居住用不動産だけではなく、テナント、ホテルといったビジネス用の不動産が運営されており、物件の所在エリアを見てみても、北は北海道小樽から、南は本社のある四国など、東京や大阪といった都心に限らず地方に所在する物件も運営していることがわかります。
1-3.募集規模は数千万円が中心
1案件あたりの募集金額を見ると、区分マンション案件を中心に1,000万円~2,000万円というものが多くあります。ただし、全ての案件が中小規模の案件というわけではなく、北海道小樽市のホテル案件のように、1億円を超える大型案件の募集実績もあります。
2.ジョイントアルファで注意しておきたいリスクを検証
ジョイントアルファで不動産投資を検討する際、どういったリスクを意識しなければいけないでしょうか。ジョイントアルファのこれまでの募集案件から、確認しておきたいリスクについて検証して解説します。
2-1.地方物件の空室リスク
ジョイントアルファで運営されているマンション物件の中には、東京都心や大阪だけではなく福岡、京都、高松、長崎など地方で運営されている不動産マンション物件もあります。
日本は現在少子高齢化の影響で人口減少が進んでおり、地方から都市に人口が流出していく傾向にあります。 そのため地方に立地する物件の場合、人口減少による空室リスクが発生しやすくなっています。
ジョイントアルファの地方物件に投資する時にはまず住所や駅からの距離などを見て、そのエリア付近は人口が減少していないか、そのエリアの不動産物件の相場は値下がりしていないか、地価の変動などを見て空室リスクを考えましょう。
これまで募集されたジョイントアルファの投資用マンションは、基本的には主要駅から徒歩10分以内など駅付近のマンションが中心となっています。今後、新規募集されている案件を見る時には賃貸需要が見込める物件であるのか、検証してみましょう。
2-2.ホテルの集客リスク
ジョイントアルファでは、過去にホテル物件の募集も行なっています。 日本は2019年まではインバウンド需要による海外からの観光客が毎年増加するなど、地方にあるホテルは観光客が多く宿泊していました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大後は海外からの観光客が激減し、観光客のニーズに依存度の高いホテルは集客に苦戦をしています。(※参照:出入国在留管理庁「令和2年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(速報値)」)
2022年時点、新型コロナウイルスの影響が終息せず海外渡航の制限がかかる中、ホテル案件に投資する時には、その物件が海外からの観光客に依存せずにどれほど集客できるかといった点を見極める必要があると言えるでしょう。
集客が想定より下回れば、売上が大幅に低下し分配利回りが下がったり、案件の運用終了後に売却しても十分な価格にならず、投資した資金の満額が返ってこない可能性もあります。この場合、劣後出資割合が高い案件を選んでリスクカバーしたり、他の案件と組み合わせて分散投資を行うなどの対策をしてみると良いでしょう。
2-3.テナント案件の売上下落リスク
ジョイントアルファでは、過去にショッピングセンターの案件の募集事例があります。ショッピングセンターの場合、景気により売上が大きく変動する可能性があるため、居住用不動産案件よりも分配利回りの変動リスクが大きいと言えます。
ジョイントアルファでは物件の住所も公開しているので、運用対象の物件の住所を見て、物件が立地するエリアにどれほどの人口がおり、集客や売上の変動がどの程度起こるのかなど、マーケット情報をチェックしましょう。そういった情報を収集し、投資リスクを下げていきます。
2-4.募集頻度はあまり高くない
ジョイントアルファの募集案件は1~2ヶ月に1件程度と、他のクラウドファンディングサービスと比較してそれほど多くはありません。募集に関しては抽選制度と先着制度が採用されていますが、抽選制度を採用した案件では、倍率が1,700%を超えたこともあります。
人気案件では倍率が高くなり、投資機会を逃してしまうリスクが高まります。投資機会をなかなか得られないことで資金を遊ばせてしまい、投資効率を下げてしまわないように注意が必要です。
2022年2月時点、ジョイントアルファはこれまでの運営で分配の遅延や投資家への償還の元本割れが起きたことがないという実績があります。高い実績は投資家にとって大きなメリットとなる反面、人気案件では抽選倍率が高くなっていることがデメリットと言えるでしょう。
まとめ
ジョイントアルファは東証プライム上場企業である穴吹興産が運営する不動産投資型クラウドファンディングであり、多くの投資家から利用されています。
ただし、東証プライム上場企業であることや、高い実績により多くの投資家からの人気があるということはプラスに評価できるポイントと言えますが、投資のリスクが0になるわけではありません。
物件の種類によるリスクの特徴、物件が立地する地方のエリアごとのリスクの特徴などをきちんと知り、リスクをコントロールすることを心がけておきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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