電気自動車(EV)は、今後の発展が期待される次世代産業の1つです。SDGs・ESGの観点からも視線を集めており、今後は電気自動車へのシフトがますます進むと予測されています。
今回は電気自動車関連の個別銘柄と投資信託を3つずつ紹介します。自動車産業はEV以外にも自動運転化など数々の変革を迎えており、今後の産業の形や勢力図がどうなるのか要注目です。
※2022年1月25日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 電気自動車(EV)関連の個別株式3銘柄
1-1.テスラ
1-2.トヨタ自動車
1-3.本田技研工業 - 電気自動車(EV)関連の投資信託3銘柄
2-1.グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)
2-2.eMAXIS Neo 電気自動車
2-3.iFree Active EV - まとめ
1 電気自動車(EV)関連の個別株式3銘柄
電気自動車関連の企業を、海外・国内から3つ紹介します。
1-1 テスラ
ティッカー | TSLA |
株価 | 918.40米ドル |
最低投資金額 | 104,697円(1ドル=114円として換算) |
配当利回り | - |
※2022年1月25日のデータ
電気自動車・EVといえばテスラをイメージする方も多いのではないでしょうか。電気自動車、太陽光発電、再生可能エネルギーソリューションなどを展開する、アメリカの大手企業です。自動車産業の「破壊者(ディスラプター)」などと呼ばれることもあり、現CEOであるイーロン・マスク氏の言動も注目を集めています。
テスラは自動車メーカーですが、それと同時に自動車を活用したサービスも提供しています。今後は車両に自社製の太陽光発電を装備し、自家発電による走行の実現も狙っているとされています。
自動車はもともと複雑な製造工程であり、各企業間で分業しながら生産されてきましたが、テスラは多くの部品を自らの工場内で製造し、組み上げまで行います。またテスラの販売は基本的にWEBサイトであり、直営のストアや充電ステーションで受け取りますので、カーディーラーや販売代理店が存在しません。
このように、テスラは自動車産業のこれまでの在り方を変革し、新たな産業の形を創造しようとしているとも言えます。
1-2 トヨタ自動車
銘柄 | トヨタ自動車 |
証券コード | 7203 |
株価 | 2,236.5円 |
最低投資金額 | 223,650円 |
配当利回り(会社予想) | - |
株主優待 | なし |
※2022年1月25日のデータ
世界的なメーカーのトヨタ自動車も、今後EVに力を入れることを表明しています。2021年12月14日、東京・お台場にて「バッテリーEV(BEV)戦略に関する説明会」を開催。豊田章男社長自ら、2030年に向けた新たな戦略を30分間説明しました。
EV分野に4兆円の投資を行い、バッテリーEVの売上を2030年までに世界で350万台に引き上げるという目標です。またレクサスは2035年までにすべてバッテリーEVに切り替えるとのことです。これまでトヨタ自動車はEVに対して消極的とされてきましたが、この戦略により世界に対して強力なメッセージを送ることを狙ったと言えます。
自動車産業は現在「100年に1度の大変革期」にあると言われ、EV以外にも、IoT化・自動化・カーシェアリングの浸透など、数々の重要な経営テーマがあります。トヨタ自動車が大変革期を乗り越えることができるのか、注目されています。
1-3 本田技研工業
銘柄 | ホンダ |
証券コード | 7267 |
株価 | 3,399円 |
最低投資金額 | 339,900円 |
配当利回り(会社予想) | 3.29% |
株主優待 | ・鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎの優待券 ・Hondaカレンダー |
※2022年1月25日のデータ
ホンダの電気自動車に関する新たな戦略は2021年の4月、代表取締役社長に就任した三部敏宏氏から発表されました。2040年を念頭にEVやFCV(燃料電池自動車)の販売比率を、世界で100%にするという目標です。日本では2024年に軽自動車のEVを販売することも発表されました。
北米と中国に関しては、EVおよびFCVの新車販売比率を2030年に40%、2035年には80%、そして2040年に100%を目指します。日本市場については2030年までに20%、2035年に80%、2040年に100%を達成することを目標としています。日本は現在ハイブリッド車が普及しているため、EVやFCVへのシフトについては、他国とはやや戦略が異なってくるとのことです。
ホンダのEV戦略の先には「ホンダeMaaS」構想があり、モビリティサービスとエネルギーを組み合わせるものです。四輪車以外の二輪車などさまざまな商品の「MaaS」と、水素ステーションやバイオ燃料などの「EaaS」により、自由自在な移動と再生可能エネルギーの推進を目指します。
2 電気自動車(EV)関連の投資信託3銘柄
ここからは、電気自動車関連の銘柄に投資を行う投資信託を3つ紹介します。
2-1 グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)
基準価額 | 15,350円 |
純資産 | 1,027億5,800万円 |
信託報酬 | 年率1.793%(税込) |
分配金 | 1,000円(2021年1月決算時) |
※2022年1月25日のデータ
三井住友DSアセットマネジメントが提供するファンドで、「EV革命」という愛称が付けられています。2021年2月に発表された「モーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー 2020」で、優秀ファンド賞を受賞しました。組み入れ銘柄には、集積回路・自動車半導体・中国のEVメーカー・リチウムイオン電池メーカーなど、多様な銘柄が含まれています。
こちらの銘柄には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類があります。一般的に「為替ヘッジあり」は為替リスクをあまりとりたくない方、「為替ヘッジなし」は大きなリターンを期待したい方に向いている傾向にあります。
2020年の新型コロナショックから回復してから、2021年1月まで基準価額が右肩上がりに上昇しました。直近は15,000円~17,500円の間で推移しています。純資産額は1,000億円前後ですが、直近ではやや横ばいで伸び悩んでいます。
2-2 eMAXIS Neo 電気自動車
基準価額 | 8,680円 |
純資産 | 39億9,500万円 |
信託報酬 | 年率0.792%以内(税込) |
分配金 | 執筆時点で実績なし |
※2022年1月25日のデータ
低コストの投資信託で知られている「eMAXIS」から新たに誕生したのが「Neo」シリーズです。「Neo」シリーズは革新的・先端的なテーマに投資する趣旨で、電気自動車の他、フィンテック、ナノテクノロジー、ドローン、遺伝子工学などに投資する銘柄もあります。
こちらの銘柄は、日本を含む世界各国の電気自動車関連企業の株式などに投資をする方針です。主に米国の上場銘柄を対象としているのも特徴で、組み入れ銘柄にはテスラなども含まれています。
2021年5月にスタートしたばかりのファンドで、純資産は40億円とまだ小規模です。今後、どの程度パフォーマンスを伸ばせるのか注目です。
2-3 iFree Active EV
基準価額 | 16,806円 |
純資産 | 70億1,200万円 |
信託報酬 | 年率1.221%(税込) |
分配金 | 執筆時点で実績なし |
※2022年1月25日のデータ
大和アセットマネジメントの「iFree Active」シリーズは、将来有望と考えられるテーマの代表銘柄に投資する方針の投資信託です。そのうちEVに投資するのがこちらのファンドで、日本を含めて世界の電気自動車関連の株式に投資を行います。
組み入れ銘柄の上位はテスラ、オン・セミコンダクター、深セン・イノバンス、NXPセミコンダクターズなどとなっています。
基準価額は新型コロナショックで一時下落したものの、回復後はコロナショック前よりも上昇し、現在は17,000円~18,000円で推移しています。
まとめ
電気自動車関連の個別銘柄と投資信託について、注目銘柄を3つずつ紹介しました。テスラはこれまでの産業の形を自ら変えようとしており、トヨタとホンダはEVやFCVの販売比率を徐々に高めていく目標を打ち出しています。
電気自動車関連の銘柄をテーマとする投資信託も複数誕生し、2021年に始まったばかりの銘柄もあります。EV産業が今後どの程度盛り上がるのか、関連銘柄がどのようなパフォーマンスを見せるのか、要注目です。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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