企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する株主優待制度は、上場企業の約4割が実施しています。東証プライム上場企業のモスバーガー(モスフードサービス)も株主優待を実施する企業の1つです。今回は2022年度のモスバーガーの株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年1月29日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- モスバーガーの株主優待の内容
- 株主優待券の贈呈
2-1.株主優待券はMOSポイントに交換可能 - モスバーガーの配当の内容
- モスバーガーの業績の内容
- モスバーガーの企業情報
- モスバーガーの株主優待を受ける場合の注意点
6-1.海外事業の影響により売上が下方修正されるリスクがある
6-2.その他飲食事業の売上回復が遅れている
6-3.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
6-4.権利付最終日での購入には注意
6-5.元本割れを起こす可能性がある - まとめ
1.モスバーガーの株主優待の内容
銘柄 | モスフードサービス |
コード | 8153 |
優待回数 | 2回 |
優待券利確定月 | 3月・9月 |
優待利回り | 0.67% |
株価 | 2,987円 |
優待を得るための最低投資額 | 298,700円 |
権利付最終日 | 2022年3月29日(火)・9月28日(水) |
※2022年1月29日時点のデータ
モスバーガー(モスフードサービス・8153)の株主優待の内容は下記のとおりです。
- 株主優待券の贈呈
2.株主優待券の贈呈
モスバーガーの株主優待では、全国のモスグループ店舗やミスタードーナツ店舗で利用できる株主優待券が贈呈されます。
所有株式数によって贈呈される優待金額が異なります。所有株式数と優待金額は下記のとおりです。
所有株式数 | 優待金額 |
---|---|
100株以上300株未満 | 年間2,000円分(500円×2枚を年2回) |
300株以上500株未満 | 年間6,000円分(500円×6枚を年2回) |
500株以上1,000株未満 | 年間10,000円分(500円×10枚を年2回) |
1,000株以上 | 年間20,000円分(500円×20枚を年2回) |
単元株(100株)以上の株式を所有する株主が優待の対象となります。
株主優待券は6月と11月の年2回発行され、6月発行分は3月末日の株主名簿に、11月発行分は9月末日の株主名簿に、それぞれ登録されている株主に送付されます。なお、6月発行分は翌年3月末日まで、11月発行分は翌年9月末日まで利用できます。
利用できる店舗の一覧は下記のとおりです。
- モスグループ店舗(モスバーガー、モスプレミアム、モスド、マザーリーフ、カフェ山と海と太陽、ミアクッチーナ、あえん、シェフズブイなど)
- ミスタードーナツ店舗(一部店舗を除く)
2-1.株主優待券はMOSポイントに交換可能
贈呈された株主優待券は、モスバーガーなどで利用できるモスカードのMOSポイントに交換することができます。株主優待券の使用期限内にモスバーガー店舗(一部店舗を除く)のレジに申し出れば、優待券1枚500円を500MOSポイントに交換してもらえます。
交換したMOSポイントは1ポイント1円単位で商品購入などに使用可能で、ポイントの最終付与日または利用日の翌日から1年の利用期限があります。
ただし、MOSポイントはモスバーガーまたはマザーリーフのみで利用可能になり、他のグループ店舗やミスタードーナツ店舗では利用できませんので注意してください。
3.モスバーガーの配当の内容
モスバーガーの配当の内容は下記のとおりです。
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り |
---|---|---|
2017年3月期 | 26 | 0.80% |
2018年3月期 | 28 | 0.88% |
2019年3月期 | 28 | 1.04% |
2020年3月期 | 28 | 1.12% |
2021年3月期 | 22 | 0.68% |
※2022年1月29日時点のデータ
モスバーガーの2017年3月期から2021年3月期までの1株当たり配当金は、22円から28円の間で推移しています。2021年3月期は28円から22円の減配となっていますが、20円台をキープしています。
また、配当利回りは0.68%から1.12%の間で推移しています。こちらも2021年3月期に0.68%と、ここ5年で最も低い数値となっています。
4.モスバーガーの業績の内容
モスバーガーの業績の内容は下記のとおりです。
年度 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 包括利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017年3月期 | 709億2,900万円 | 46億6,300万円 | 48億9,200万円 | 30億5,000万円 | 31億1,400万円 |
2018年3月期 | 713億8,700万円 | 37億3,600万円 | 39億1,300万円 | 24億7,000万円 | 27億4,000万円 |
2019年3月期 | 662億6,400万円 | 5億1,700万円 | 7億2,400万円 | △9億700万円 | △14億8,000万円 |
2020年3月期 | 689億8,500万円 | 10億6,000万円 | 12億3,200万円 | 3億6,500万円 | 5億8,500万円 |
2021年3月期 | 719億7,200万円 | 14億2,200万円 | 14億2,700万円 | 9億9,700万円 | 10億1,200万円 |
※2022年1月29日時点のデータ
※業績は連結
2018年8月に発生した食中毒事故の影響により、モスバーガー(モスフードサービス)の2019年3月期の業績は全面的に前年比減となっています。
また、数値そのものは回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2018年3月期以前の数値水準までには達していないのが現状です。
なお、2022年3月期第2四半期決算短信の「連結業績予想」によれば、2022年3月期の連結決算では営業収益が760億円、営業利益・経常利益ともに26億円、当期純利益は22億円まで増加すると見込まれています。
5.モスバーガーの企業情報
社名 | 株式会社モスフードサービス |
業種 | 卸売業 |
代表者 | 中村 栄輔 |
決算 | 3月 |
資本金 | 114億1,284万円 |
本社所在地 | 東京都品川区大崎二丁目1番1号 |
上場市場 | 東証一部 |
上場年月日 | 1985年11月 |
※2022年1月29日時点のデータ
モスフードサービスグループは、フランチャイズシステムによる飲食店展開を主な事業とする企業です。
構成される事業セグメントは下記のとおりです。
- モスバーガー事業(モスバーガーの運営・展開)
- その他飲食事業(モスバーガー以外のグループ店舗の運営・展開)
- その他の事業(飲食事業を衛生・金融・保険などで支援)
モスバーガーでは、お米を使用したモスライスバーガーや、国産野菜の使用など、他のファストフード店にはない日本の食文化に寄り添った商品の提供を行っています。
直営店とフランチャイズ店を合わせて、国内で1,255店舗を運営・展開しています。
6.モスバーガーの優待を受ける場合の注意点
モスバーガーの株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 海外事業の影響により売上が下方修正されるリスクがある
- その他飲食事業の売上回復が遅れている
- 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
- 権利付最終日での購入には注意
- 元本割れを起こす可能性がある
6-1.海外事業の影響により売上が下方修正されるリスクがある
モスフードサービスでは、海外事業として台湾やシンガポールなど10ヶ国で飲食店舗を展開しています。
そのうち、台湾・シンガポール・タイでは、新型コロナウイルスの世界的な流行と人数制限などの影響を受け、客足が減少しているのが現状です。
モスフードグループ全体から見ると海外事業の割合はそれほど多くないため、影響は少ないと考えられますが、状況次第では企業業績に影響を及ぼし、予想売上が下方修正される可能性もあります。
優待を受けるために株主になる場合は、同社が発信する情報をしっかりキャッチしましょう。
6-2.その他飲食事業の売上回復が遅れている
2022年3月期第2四半期決算短信によれば、国内のモスバーガー事業の業績は大きく回復する方向に進んでいます。
一方で、マザーリーフやモスド、モスプレミアムなど「その他飲食事業」で運営されている店舗は依然厳しい状況が続いています。
理由としては、新型コロナウイルスの感染症の影響により、外出自粛や飲食店への時短営業の要請などがあること、その他飲食事業で運営される店舗のほとんどが店内飲食中心の業態で出店されていることが挙げられます。
2022年3月期第2四半期でも営業損失2億300万円を計上している状況です。こちらも全体の業績に影響を与える可能性があるため、株式を購入する場合は注意したいところです。
6-3.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
今回紹介した株主優待は、今後も必ず同じ内容で提供されるとは限りません。企業の状況によっては、優待内容が変更されたり、優待が廃止されたりする可能性もあります。
内容変更や廃止が発表された場合、株価が急落して損失が発生することもありますので、注意しましょう。
6-4.権利付最終日での購入には注意
権利付最終日(権利確定日の2営業日前)やその直前で株式を購入する場合も注意しましょう。人気が高い優待銘柄では、権利確定日に向けて株価は上昇しやすく、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が大きく下落する傾向にあるからです。
割高で購入した株価が下落し、含み損を抱えてしまう可能性があります。購入のタイミングには十分気を付けてください。
6-5.元本割れを起こす可能性がある
株式を購入する以上、元本割れを起こす可能性があります。
株価は常に変動しており、株式を売却したいタイミングでは、株価が大きく値を下げて損失(=元本割れ)が発生することもあります。株主優待が目的で株式を購入する場合でも、株の値動きは必ずチェックしましょう。また、状況に応じて株式を売却することも視野に入れるべきです。
まとめ
今回はモスバーガーの2022年の株主優待について紹介しました。
モスバーガーの株主優待では、モスバーガーやミスタードーナツで利用できる株主優待券がもらえます。ただし、優待内容は変更されたり、優待自体が廃止されたりすることがあります。優待目的で株式を取得する前に、銘柄企業のWebサイトなどで情報を必ず確認しましょう。
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山本 将弘
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