マネックス証券株式会社は6月12日、「MONEX個人投資家サーベイ6月調査」の結果を公表した。同社の口座を持つ顧客に、定例調査である個人投資家の相場観の調査に加え、新型コロナウイルス影響下の投資行動について特別調査を行った。期間は5月27日から6月1日にインターネットで実施、回答数1194件。
まず、コロナウイルスの感染拡大に伴い、 世界的に株価が下落している中での投資行動について調査した、「特に行動しておらず様子見している」と回答した投資家の割合が46.0%と最も高い。続いて「株式や投資信託などのリスク資産を買い増した」が37.2%、「株式や投資信託などのリスク資産を売却し現金比率を高めた」投資家は16.8%にとどまった。 コロナウイルス感染拡大による株価下落を“投資の好機”と考えた投資家は一定割合いたといえるだろう。
次に、足元の株価上昇の持続期間についての質問では「6月中など比較的短期間になる」という予測が48.2%と半分近くに達した。次に多かったのは「7―9月まで回復は続くと思う」で、 2つ合わせて8割超に達し、 株価の回復基調が比較的短期間で終わると考えている投資家が多い。 さらに「日経平均がどの程度まで値を戻すと思うか」の質問では「2万2000円程度」との回答が44.0%と最も高くなった。 続いて多かったのが「2万3000円程度」となり、日経平均の反発はある程度限定的になると考えている投資家が多かった。調査期間の日経平均高値は5月27日が2万1475円、6月1日が2万2161円という水準だった。
今後もコロナウイルスが社会に与える影響は残ると考えられる中、 今後の注目投資テーマを聞いたところ、「テレワーク」への注目が最も多く、続いて「5G」や「ワクチン開発」も多い。アフターコロナの環境下で今後注目している銘柄は幅広いが、アンジェスや富士フイルムホールディングス、 武田薬品工業など、やはり医薬品関連銘柄のランクインが目立つ。7位の株式会社メドレーはクラウド診療支援システムを展開しているヘルスケア関連企業だ。
今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場に対する個人投資家の見通しを聞くと、3国のDI(景気動向指数)とも前回調査(2020年2-3月実施)から上昇。中でも日本株DIは前回から41ポイントの大幅上昇となった。 為替市場についても、今後3ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて「円安になると思う」と回答した個人投資家の割合は前回調査の35%から26%に減少。「変わらないと思う」は12%から43%と大きく増加した。 一方、「円高になる」は53%から31%に大きく減少し、全体では「変わらない」見方が強い。
総括で、同社は「3月中旬に一時は下落した日経平均だが、6月10 日の終値は 2万3124 円と株価は大きく値を戻した。日本を含めた先進各国で新型コロナウイルスの感染拡大がピークアウトし、徐々に経済が正常化に向かっていることが株価反発につながっている」と推測。「個人投資家もテレワークやワクチン開発、オンライン会議といった社会の変化に関連したテーマに注目している。投資の観点ではこれらの銘柄が一時の人気だけではなく、本当に業績が良くなっていくかどうかに着目して選定していくことが大切。銘柄選定の観点でも役に立てるよう情報発信に努めていく」とした。
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