資産形成に「興味・関心、経験あり」約半数も、検討段階でサポート不足か。400Fが調査

家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する株式会社400F(フォーハンドレッド・エフ)は9月27日、「資産形成(保険、積立NISA、不動産投資、投資信託等)に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は全国の20代以上の男女1500人(各年代男女125人ずつ)を対象に、8月24日、25日にかけインターネットで実施。資産形成に興味・関心、経験があると回答した人は全体の47.1%に上ったが、うち約8割は現在、資産掲載を開始できていない、または見直しを考えていた。一方、検討中の人のうち、「スムーズに情報収集ができている」人は23%にとどまり、 資産形成の需要がある一方、検討段階でのサポートが不足している実態がうかがえる。

「資産形成(保険、積立NISA、不動産投資、投資信託等)に興味関心、経験はあるかという質問に対する回答は、「興味関心がない」と答えた人は52.9%、「興味・関心、経験がある」が47.1%。男女、年齢層別にみても大きな差はなく、約半数の人が資産形成への興味関心があることがわかった。

さらに、興味・関心、経験があると答えた人に自身の現在の状況として最も当てはまるものを訊ねたところ、「自分に合った資産形成ができている実感があり、現状追加・見直しの予定はない」という回答は20.5%で、「資産形成に踏み切れておらず、情報収集も含めまだ何も行動に移せていない」が27.8%、「資産形成に踏み切れておらず、現在情報収集、検討段階」が13.6%、「資産形成を行っているが、現在追加・見直しを検討している」が37.3%となった。約8割が現在、資産形成に関心を持ちながら開始できていない、または開始していても、見直しを検討する余地があると考えていた。

年代別に分析すると、「何から始めればいいかがわからず、行動に移せていない」「気軽に相談できる相手がおらず、自分に合った資産形成がわからない」という回答は20代、30代が多く、 若年層ほどこの傾向が顕著となった。一方、「相談窓口に行くまでのハードルが高く、行動に移せていない」という回答は60代が最も多く、高齢になるにつれ窓口まで足を運ぶ物理的ハードルが高くなるようだ。

そこで、相談サービスの中で利用したいと感じるサービスを質問(複数回答可)で訊ねたところ、「AIや診断テストなど、人を介さず簡単な質問に答えるだけで自分に合った資産運用を提案してくれるサービス」が最も多く51.1%だった。次いで「窓口/対面でお金のプロ(FPなど)に相談できるサービス」36.1%、「オンラインでお金のプロ(FPなど)に相談できるサービス」33.%という順だった。

年齢層ごとに分析すると、 AIや診断テストなど人を介さないサービスは年齢層で大きな差はなく、オフライン(窓口/対面)相談サービスは高年齢層ほど需要が高く、オンライン相談サービスは若年層(資産形成層)ほど需要が高い結果となった。

結果を受け、400F社代表の中村仁氏は「NISA等含めた政策的後押し、使い勝手の良い新しいサービスが次々と立ち上がってくる中で、ついに日本に資産形成が根付く土壌ができてきたと感じる。 とはいえ、資産形成に関する情報が氾濫している中、 自分一人でスムーズにスタートできる人は多くない。ネット証券におけるNISAの稼働率は50%台だったり、生命保険のネット加入率が5%程度など、 ネットで自己完結というのは難しい状況」と指摘する。

一方で「これまでのFinTechなどを含めた新しいサービスは、新たな金融商品の開発がメインで、個人の相談ニーズに対応するものがほとんど生まれてきていなかった。そんな中ChatGPTを活用したAIプロダクトや、より気軽に相談できるサービスのニーズは高まってきている」と、ニーズに応える新たな技術とサービスの普及に期待を寄せた。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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