家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する株式会社400F(フォーハンドレッド・エフ)は、オカネコのユーザー663人を対象に新NISAの利用意向について調査を実施、4月20日に結果を発表した。新NISAでは投資枠の引き上げや恒久化など制度が拡充されNISA総口座数とNISA買付額の増加が期待されていることから現段階の意識調査を行った。
663名のうち「投資をしている」と回答した人は64%。そのうち53%がつみたてNISAを利用していると回答した。投資をしている人の約53%がつみたてNISAを利用しており、現在のつみたてNISAの毎月の積立額は平均2万3416円。これに対し、新NISAは毎月の積立予定額は平均4万8665円と2倍に上った。世帯年収が高い人ほど積立予定額は高く、現在の積立額が「3万円以下」の人の半数以上が新NISAでも積立額は変わらないと回答した。
現行のつみたてNISAの非課税枠は年間40万円で、12ケ月で割った約3万3000円が毎月の積立上限額の目安となる。本調査では、利用している人の月々の積立平均額は2万3416円で、6割以上が「3万円超」を積立しており、非課税枠を最大限に活用している人が多いことがうかがえる。
2024年1月に開始となる新NISAでは、つみたてNISAの年間非課税投資枠が120万円となり、毎月の積立上限額の目安は10万円になる。現在つみたてNISAを利用している人が積立しようと考えている平均積立額は4万8665円だった。
年代別で平均積立額を見ると、30歳未満、30代~60代で大きな差は見られないが、どの世帯も積立平均額は上昇しており、新NISAで投資額を増やす意向がうかがえる。一方で、世帯年収が高いほど上昇率は高くなり、家計状況によって積立額に差があることがわかった。投資枠が増加する分、その差は広がり、世帯年収400万円未満と1200万円以上の現在のつみたてNISAの差額は8,478円なのに対して、新NISAでは3万8696円まで広がる。
新NISAでの積立額を現在の積立額別に見ると、現在の積立額が3万円超の人の8割が新NISAでの積立額の増額を見込んでいる。一方、現在「3万円以下」と回答した人の半数以上が新NISAでも同額と回答しており、積立額を増やす予定がなかった。
現在「投資・資産運用をしていない」または「つみたてNISAを利用していない」と回答した人に新NISAの利用意向を聞いたところ、45%が「利用したい」と回答。一方で、55%は「わからない」「利用する予定はない」と回答した。
「利用する予定はない」理由としては「投資にまわすお金がない」「積み立てに回す程の余裕がない」「仕組みがよく分からない」「リスクが怖いし、住所が田舎で過疎化しており、失敗した時に相談する窓口がない」「還暦を過ぎているので年齢的にメリットを感じられない」など、生活環境や年齢を理由にする回答が寄せられた。
新NISAは岸田政権の資産所得倍増プランの目玉のひとつとして、注目を集めており、今回の調査結果からも新NISAに関心を持つ人が多いことがわかる。一方で、家計状況によって活用できる幅が大きく異なっており、特に昨年からの物価上昇により、調査では約90%が家計の負担を感じていると回答。同社は「投資にまわす余裕資金がない人への対応も新NISAの課題となりそうだ」と見る。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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