英スーパーマーケット大手テスコ(ティッカーシンボル:TSCO)は4月3日、泥炭を使用しない(ピートフリー)の観葉植物を販売すると発表した(*1)。これは英国の小売企業初の取り組みとなる。テスコは同国最大となる毎年4,000万本の観葉植物を販売しており、この取り組みを通じてカーボンフットプリントの大幅削減に繋げる。
テスコは年初より、ピートフリーのコンポストのみ販売を開始した。ピートは栄養分を豊富に含むことから、ピート入り培養土は依然として園芸で最も一般的に利用されている。しかしながら、二酸化炭素(CO2)が大量に大気中へ放出されるため、気候変動を加速させることになる。同社はピートフリーの取り組みで、年間9,000立方メートルほどの泥炭使用を削減する。これは、カーボンフットプリントを75%、CO2e(二酸化炭素換算)で1,200トン超削減することになる。
ピートフリーの観葉植物を販売するために、英国リンカンシャーのスポルティングを拠点とする装飾用植物を栽培するBridge Farm Horticultureと提携した。同社は全ての観葉植物の栽培に際し、ピートを代替する木繊維などを使用する。既にピートフリーのコンポストについては製品の質を落とすことなく、実証に成功している。
テスコのピートフリーの取り組みは、英国およびアイルランドの泥炭地の保全にも寄与する。泥炭地は多くの気候ベネフィットをもたらすほか、多くの希少植物、昆虫、鳥類の生息地となる。そのため、各産業の有力プレーヤーが、泥炭地を管理し、気候変動対策や生態系の保全に資する施策を進めている。たとえば、英保険大手アビバ(AV)は23年2月、英森林保護団体ウッドランド・トラストの炭素削減パートナーとして1,000万ポンド(約16億円)を寄付すると発表した(*2)。森林づくりや泥炭地の再生を通じた炭素除去、空気質の改善、生物多様性の向上を目指すウッドランド・カーボン・スキームをサポートする。
【参照記事】*1 テスコ「Tesco to go peat-free on UK-grown bedding plants and compost in major carbon-saving move」
【参照記事】*2 アビバ「Aviva becomes a Carbon Partner of the Woodland Trust with a £10m donation」
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