ソーシャルレンディングのメリット・デメリットは?4つの投資方法と比較

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新しい投資手法として注目されるソーシャルレンディングですが、どのような投資方法なのか、メリット・デメリットは何なのか、わからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回はソーシャルレンディングのメリットやデメリットについて紹介します。また、ソーシャルレンディングのように少額投資ができる投資方法との比較も紹介するので、参考にしてください。

目次

  1. ソーシャルレンディングとは
  2. ソーシャルレンディングのメリット
    2-1.2%~7%程度の利回りが狙える
    2-2.少額から投資できる
    2-3.投資対象となる事業が豊富
    2-4.元本の価格変動がない
    2-5.運用の手間がかからない
  3. ソーシャルレンディングのデメリット
    3-1.元本保証はない
    3-2.途中解約ができない
    3-3.ソーシャルレンディング事業者の倒産リスクがある
  4. 少額投資ができる投資方法とソーシャルレンディングの比較
    4-1.不動産投資型クラウドファンディング
    4-2.投資信託
    4-3.ミニ株(単元未満株)
    4-4.iDeCo
  5. まとめ

1.ソーシャルレンディングとは

クラウドファンディングのなかでも、オンライン上のプラットフォームを通じてお金を貸したい投資家と、お金を借りたい企業を結ぶ仕組みやサービスのことをソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)といいます。

ソーシャルレンディング事業者は不特定多数の投資家から資金を集め、企業に融資して運用します。投資家はソーシャルレンディング事業者と匿名組合契約を結び、企業が返済する金利から出資額に応じた分配金を定期的に受け取ります。

2.ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングのメリットは下記の通りです。

2-1.2%~7%程度の利回りが狙える

案件によって違うものの、ソーシャルレンディングの平均的な利回りは2%から7%ほどで、運用利回りの良い株式投資と同程度もしくはそれ以上の利回りとなっています。

また、貸付金利が収益源となっているため運用期間内の分配金も一定となり、変動することがありません。じっくりと資産運用したい場合も利用しやすいといえます。

2-2.少額から投資できる

1万円程度の少額からでも投資できるのも、ソーシャルレンディングのメリットです。まとまった資金が必要な投資方法とは違い、少額からすぐに始められるというのがソーシャルレンディングの魅力の1つです。

2-3.投資対象となる事業が豊富

投資対象となる事業が豊富という点も、ソーシャルレンディングのメリットの1つです。ソーシャルレンディングではさまざまなファンドのなかから、 自分の状況・ポートフォリオに合った運用期間のファンドを選択できます。

2-4.元本の価格変動がない

ソーシャルレンディングでは資金を企業に融資し、返済利息の一部を分配金として投資家が受け取る仕組みです。そのため、原則的に元本の価格変動が起こりません。

投資から償還まで元本の金額は変動しないため、価格変動に注目する必要がないというのもソーシャルレンディングの特徴です。

2-5.運用の手間がかからない

ソーシャルレンディングでは、一度投資すると償還まで資金が拘束されて価格変動も起きないため、運用期間中に何かをチェックしたりメンテナンスを行う必要がありません。

運用の手間がかからず、日中仕事や家事などで忙しい方でも利用しやすいというメリットがあります。

3.ソーシャルレンディングのデメリット

ソーシャルレンディングには下記のデメリットがあります。

3-1.元本保証はない

ソーシャルレンディングでは元本の価格変動はありませんが、銀行預金のように元本保証されているわけではありません。

融資先の企業の業績悪化などによって返済が遅れるまたは返済ができないといった事態が生じるケースがあります。この場合、ソーシャルレンディングの分配金は返済利息を源泉としているため、分配金の未払いや遅延が発生します。

最悪の場合は、企業の倒産で投資元本を毀損する可能性(=貸し倒れ)があります。あくまでもリスクを取ってリターンを求める投資方法であるということを理解しておきましょう。

3-2.途中解約ができない

途中解約ができないということも、ソーシャルレンディングのデメリットです。何らかの事情で急にお金が必要になった場合でも、運用期間中に解約して現金化することはできません。

ソーシャルレンディングを利用した投資を行う場合は、自身の収支や状況などを考えたうえで、必ず余裕資金を使いましょう。

3-3.ソーシャルレンディング事業者の倒産リスクがある

ソーシャルレンディングサービスを提供する事業者が倒産するリスクがあることもデメリットの1つです。実際、一部のソーシャルレンディング事業者は、以下の原因によって行政処分などを受けています。

  • 投資資金を本来の目的以外に利用している
  • 虚偽のファンドで投資資金を集める
  • ファンドで集めた資金を別のファンドの資金償還などに使う

例えば、2021年5月には行政処分を受けた影響から、SBIソーシャルレンディングが廃業しています。(※参照:SBIソーシャルレンディング「当社の今後の業務運営について」)

SBIソーシャルレンディングでは投資家への全額返金が行われましたが、ソーシャルレンディング事業者が倒産した場合も、投資元本を大きく毀損するリスクが上昇します。投資をする前に情報を集め、信頼できるソーシャルレンディング事業者を選択することが大切です。

4.少額投資ができる投資方法とソーシャルレンディングの比較

ソーシャルレンディング以外にも少額投資ができる投資方法があります。そこでソーシャルレンディングと少額投資ができる下記の投資法について比較したいと思います。

  • 不動産投資型クラウドファンディング
  • 投資信託
  • ミニ株(単元未満株)
  • iDeCo

4-1.不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資型クラウドファンディングとは、複数の投資家からの資金を集めて不動産の取得・運営を行い、発生した賃料収入や売却益から分配金・償還を得られる投資方法です。少額投資ができる点や運用の手間がかからない点から、両者は混同されるケースもあります。

両者の大きな違いは、ソーシャルレンディングが融資の返済金利から分配金が発生するのに対し、不動産投資型クラウドファンディングは賃料収入や売却益から分配金を得るということです。また、インターネットを通じて投資家から資金を募る仕組みは共通しており、第二種金融商品取引業の登録を行っています。

その他、不動産投資型クラウドファンディングでは賃料収入や売却益が収益となるため、契約時点で定められた利回りが変動することがあります。想定よりも分配利回りが高くなるケースもあれば、下回ってしまうリスクもあります。貸付金利で一定の収益を見込みやすいソーシャルレンディングと大きく異なるポイントです。

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4-2.投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資をして運用する金融商品のことをいいます。投資先は投資信託の運用方針に基づいて決められ、運用成績が良ければ投資額に応じて分配金を受け取れます。

投資信託も少額投資が可能です。1万円程度から購入可能で、ネット証券を利用すれば100円から1円単位で購入できる場合もあります。

投資信託特有の特徴が、分散投資ができるということです。複数の資産に投資する投資信託を購入するだけで、分散投資をしているのと同じ効果になり、投資リスクを軽減できます。

また取引価格となる基準価額が原則毎日公表されるなど透明性が高く、投資信託を取り扱う金融機関が多いのも特徴です。

一方、投資信託特有のデメリットとして、信託報酬という保有コストが発生することや、解約して換金する際に解約手数料や信託財産留保額といった費用が必要になることが挙げられます。

また、ETFのような金融商品取引所に上場している投資信託の場合は基準価額の変動が起きます。リーマンショックやコロナショックのような世界的な金融危機が起きた場合、一時的に大きく値を下げることがある点に注意が必要です。

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4-3.ミニ株(単元未満株)

ミニ株(単元未満株)とは、単元株数(100株)よりも細かい単位で株式取引ができるサービスのことをいいます。

一部の証券会社でミニ株などのサービスを提供しており、1口1株~10株程度の取引が可能です。

少額投資ができる点はソーシャルレンディングと共通していますが、一方でミニ株のサービスを提供する証券会社が少なく、取引できる銘柄も限られているというデメリットがあります。

また少額とはいえ投資元本が変動するため、株価の値動きには常に注意を払い、購入・売却のタイミングは自分で判断する必要があります。投資から償還まで手間のかからないソーシャルレンディングと比較して大きな違いといえるでしょう。

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4-4.iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)とは、個人で積み立てる年金制度(個人型確定拠出年金)のことです。投資信託や定期貯金などに投資し、掛け金と運用益を給付金として受け取れます。掛け金月額は月5,000円から自由に決められるなど少額投資が可能です。

運用益が非課税になり、掛け金の全額が所得控除の対象となるメリットがあります。一方、途中解約ができず、原則として60歳になるまで換金することはできない点が大きなデメリットです。

税制上のメリットが大きいiDeCoですが、原則として老後の資産形成を目的にした投資方法となります。長期でも2~3年の運用期間となるソーシャルレンディング投資とは、投資目的が大きく異なってくることに注意しましょう。

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まとめ

今回はソーシャルレンディングのメリットやデメリット、他の投資方法との比較について紹介しました。

ソーシャルレンディングとはインターネットを通じて投資家から集めた資金を企業に融資して運用する仕組みやサービスのことです。不動産投資型クラウドファンディングや投資信託など、少額投資ができる投資方法は他にもありますが、運用方法や利益が発生する経緯などは全く異なります。

ソーシャルレンディングを利用した資産運用を行うのであれば、本記事を参考にメリットやデメリット、他の投資法との違いを理解しておきましょう。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。