個人の私的年金として運用でき、掛け金や運用益、給付金に対する税制上の優遇措置が講じられているiDeCoには多くの証券会社が対応しており、ネット証券会社大手のSBI証券でもiDeCoによる資産運用が可能です。
そこで今回は、SBI証券のiDeCoの評判について紹介します。併せて、iDeCoでの運用に向く商品や手数料、キャンペーン情報なども紹介しますので、参考にしてください。
※2020年11月時点の情報をもとに執筆しています。最新情報についてはご自身でもご確認ください。
目次
- SBI証券のiDeCoの特徴とメリット
1-1.手数料が低い
1-2.運用商品のラインナップが豊富
1-3.運用コストが低い商品が多い - SBI証券のiDeCoの注意点とデメリット
2-1.プラン変更時には現金化が必要になる
2-2.給付に対する自由度がやや低い - SBI証券のiDeCoの評判は?
- SBI証券のiDeCo向け商品
4-1.ニッセイ日経平均インデックスファンド
4-2.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
4-3.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) - SBI証券のiDeCoに必要な手数料
5-1.口座開設時の手数料
5-2.運用時の手数料
5-3.給付時・還付時の手数料 - SBI証券のiDeCoに関するキャンペーン
- まとめ
1.SBI証券のiDeCoの特徴とメリット
SBI証券のiDeCoには、以下のような特徴があります。
- 手数料が低い
- 運用商品のラインナップが豊富
- 運用コストが低い商品が多い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1.手数料が低い
SBI証券のiDeCoの特徴として、手数料が低いということが挙げられます。
通常、iDeCoを取り扱う金融機関に対しては「運用管理手数料」が発生し、運用時のコストとなります。一方SBI証券では、iDeCoの運用管理手数料が無条件で誰でも0円となっているため、コストの面で優れているといえます。
1-2.運用商品のラインナップが豊富
SBI証券では、iDeCoで運用可能な金融商品のラインナップが豊富に揃っているという点もメリットといえます。
SBI証券では、「セレクトプラン」と「オリジナルプラン」という2つのプランを用意しており、それぞれ37本・38本、合計で75本の商品のなかから選択可能です。そのため、iDeCoによる運用を考える方の幅広いニーズに応えることができます。
1-3.運用コストが低い商品が多い
iDeCoによる運用コストとして、投資信託を積み立てる場合の信託報酬というものがあります。これは、運用期間中に発生するコストとなり、信託報酬の金額は金融商品によってさまざまです。
iDeCoでは長期的な資産運用を行うので、信託報酬の少しの差が将来的に大きな差となります。そのため、できるだけ信託報酬が低い商品を選択することが大切です。
SBI証券が取り扱うiDeCoに利用可能な銘柄の多くが、年率1%を切る信託報酬となっています。なかには0.1%台の信託報酬で運用可能な銘柄もあるため、運用コストを抑えることができます。
2.SBI証券のiDeCoの注意点とデメリット
SBI証券のiDeCoの注意点やデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- プラン変更時には現金化が必要になる
- 給付に対する自由度がやや低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.プラン変更時には現金化が必要になる
SBI証券のiDeCoの注意点として、プランを変更する場合は、一度解約して現金化が必要になるということが挙げられます。また、プランの変更が完了するまでには2ヶ月~3ヶ月のブランクが発生することに加え、その間は資産運用ができません。
これからSBI証券でiDeCoを始める場合は、慎重にプラン・銘柄の選択を行い、プランを変更する必要がないようにするのが無難です。
2-2.給付に対する自由度がやや低い
運用したお金を実際に受け取る際の自由度がやや低いというのも、SBI証券のiDeCoのデメリットといえます。
SBI証券では、給付金を年金として受け取る場合、年1回・年2回・年4回・年6回からしか選択できません。他社では年12回(毎月受け取り)に対応していますが、SBI証券では対応していません。
かつて、給付期間が5年または10年からの選択制、受け取り方法が「年金方式」または「一時金方式」どちらかの選択制となっており、自由度の低さが欠点でした。ただ、これらの点については、給付期間は5年・10年・15年・20年に、受け取り方法としては併用も可能になるなど、改善されています。
ただし、給付スパンだけは現在も4つの選択しかできません。受け取りのタイミングにこだわる場合は注意が必要です。
3.SBI証券のiDeCoの評判は?
SBI証券のiDeCoについてはさまざまな評判がありますので、その一部を紹介します(全て個人の感想となります。サービスに関してご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください)。
まず、良い口コミとしては、以下のような声があります。
- 「手数料が安い」
- 「商品のラインナップが豊富」
- 「登録キャンペーンがあり、加入手続きが簡単だった」
- 「問い合わせに対する対応が早く、わかりやすかった」
特徴・メリットでも紹介したように、手数料の低さや商品の豊富さについては評価が高いといえます。また、キャンペーンからの加入手続きや簡単だったという声や、問い合わせ対応に対して好評を得ているようです。
次に、良くない口コミとしては、以下のような声があります。
- 「プラン変更のために一度解約しなければならず、手間が掛かる」
- 「商品展開が多すぎて何を選べばいいのかわからない」
こちらも、デメリット・注意点で解説しましたが、プラン変更に手間が掛かる点については、あまり評判がよくないようです。また、ラインナップの豊富さゆえに、どの銘柄を選べばいいのか判断しづらい、という声もあります。
4.SBI証券のiDeCo向け商品例
ここからは、SBI証券のiDeCo向けのファンドを3つ紹介します。ここでは、信託報酬が低いインデックス型の銘柄を多く取り揃えているセレクトプランから3つ銘柄を紹介します。
- ニッセイ日経平均インデックスファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.ニッセイ日経平均インデックスファンド
ニッセイ日経225インデックスマザーファンドへの投資を行い、日経平均トータルリターン・インデックス(=日経平均株価)の動きに連動するように運用されるファンドです。日本の主要な株式指数の一つである日経平均に対しての投資は、情報が得やすいというというメリットがあるため、運用中も状況を把握しやすいといえます。
また、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、約200銘柄に投資を行うため、分散投資によるリスク軽減も期待できます。信託報酬の年率も0.154%以内と低く設定されているため、コストを抑えた運用が可能です。
4-2.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
グローバル株式インデックスマザーファンド受益証券への投資を行うことで、全世界の株式市場の値動きに連動することを目指して運用されるファンドです。
ベンチマークとなる「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は、中小型株を含む全世界の株式市場の動向を表す株価指数です。日本以外の米国株式、米国を除く先進国の株式、新興国の株式に分散投資ができるので、投資リスクを軽減しながら、積極的な運用が可能です。
信託報酬も年率0.1102%程度となっているので、コストをしっかり抑えることもできます。
4-3.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
インデックス型の8つのマザーファンドへの投資を通じて、日本を含む世界各国の株式・公社債・不動産投資信託証券市場の値動きに連動するよう運用されるファンドです。
基本の投資割合は、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・先進国のリート(不動産投資信託)にそれぞれ12.5%ずつとなります。また、各投資対象のインデックスを均等比率で組み合わせた合成ベンチマークに連動するように運用されます。
世界の株式・債券・不動産投資信託に分散投資ができるため、さまざまな資産にバランスよく投資して資産運用したい方に向いています。また、信託報酬も年率0.154%以内と低く設定されているので、コスト負担を軽減しながら運用することができます。
5.SBI証券のiDeCoに必要な手数料
SBI証券のiDeCoで資産運用を行う場合、発生する費用のすべては手数料です。では、どのような手数料が発生するのでしょうか?
具体的には以下のような手数料が発生します。
- 口座開設時の手数料
- 運用時の手数料
- 給付時・還付時の手数料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1.口座開設時の手数料
SBI証券でiDeCoの口座を開設する際に発生する手数料で、正式には「加入時/移管時手数料」といいます。これは、国民年金基金連合会に支払うもので、税込2,829円が必要になります。
5-2.運用時の手数料
iDeCoを運用する際に発生するのが「口座管理手数料」です。
通常であれば、国民年金基金連合会・事務委託先金融機関・運営管理機関のそれぞれに別途手数料を支払いますが、運営管理機関であるSBI証券の手数料は無条件で0円となり、支払う必要はありません。
具体的な金額は以下の通りです。
- 国民年金基金連合会への手数料:105円(収納1回につき、実質毎月)
- 事務委託先金融機関への手数料:66円(月額)
国民年金基金連合会への手数料は、資金の収納1回ごとに掛かる費用で、実質的に毎月発生する手数料になります。年額は1,260円となります。一方、事務委託先金融機関への手数料は月額66円となり、年額は792円となります。
その他に、購入する投資信託の信託報酬が発生することになり、銘柄によってその金額は異なります。
5-3.給付時・還付時の手数料
iDeCoで運用した資金を給付したり、利益を還付したりする場合にも手数料が発生します。具体的な手数料は以下の通りです。
- 給付事務手数料:440円
- 還付事務手数料:2,148円
iDeCoで運用した資金を受け取る際は、「年金方式」と「一時金方式(一括)」の2種類から選択することになります。仮に、年金方式を選択して複数回にわたって分割給付を受ける場合、そのたびに事務委託先金融機関へ支払う給付事務手数料440円が発生することになります。
また、利益の還付を受ける場合は2,148円の手数料が発生します。その内訳は以下の通りです。
- 国民年金基金連合会への手数料:1,048円
- 事務委託先金融機関への手数料:440円
- 運営管理機関(SBI証券)への手数料:660円
SBI証券では加入時や運用時の手数料は0円ですが、還付時には手数料が必要になりますので覚えておきましょう。
その他の手数料としては、他社のiDeCoや確定給付企業年金などに変更する場合の手数料で、SBI証券に対して4,400円の手数料が発生します。
6.SBI証券のiDeCoに関するキャンペーン
各証券会社ではお得にiDeCoが始められるキャンペーンやプログラムを実施していることがあります。
SBI証券については、2020年11月現在SBI証券でiDeCoに関するキャンペーンなどは実施されていませんでした。今後、新たなキャンペーンが開催される可能性もありますので、SBI証券のホームページなどでチェックしてみてください。
まとめ
今回は、SBI証券のiDeCoの評判などについて解説しました。加入時や運用時の手数料が低く抑えられているSBI証券のiDeCoは、おおむね好評を得ているといえます。
iDeCoを始めるのであれば、SBI証券も含め、取扱商品や手数料などを比較して自身に合った証券会社の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
山本 将弘
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