楽天証券のメリット・デメリットは?手数料の他社比較も

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現在、多くのネット証券会社がサービスを提供しています。ネットショッピングモールやクレジットカード、携帯電話などさまざまな事業を手掛ける楽天が運営している「楽天証券」もその一つです。

今回は、楽天証券の評判や利用するメリット・デメリットなどを紹介します。また、他のネット証券とどう違うのか比較もしますので、証券会社選びの参考にしてください。

目次

  1. 楽天証券とは
  2. 楽天証券で利用できるサービス
  3. 楽天証券を利用するメリット
    3-1.取り扱う金融商品が豊富である
    3-2.ポイントプログラムが充実している
    3-3.他の楽天グループとお得に連携できる
    3-4.業界トップクラスの手数料の低さ
    3-5.投資に関わる情報やコンテンツが豊富
    3-6.取引ツールが充実している
    3-7.楽天FXが利用できる
  4. 楽天証券を利用するデメリット
    4-1.IPO投資では他の証券会社に分がある
    4-2.外国株の取り扱いが他の証券会社より少ない
    4-3.対人相談はできない
    4-4.投資には通常ポイントしか使えない
  5. 楽天証券と他のネット証券との手数料の比較
    5-1.1回ごとに発生する国内株取引手数料
    5-2.定額制の国内株手数料
  6. まとめ

1.楽天証券とは

楽天証券

楽天証券に関するニュース

楽天証券の概要

楽天証券は、楽天市場や楽天モバイルなどでおなじみの「楽天グループ」のネット証券会社です。

顧客満足度を専門に調査する会社「J.D.パワー」による「2019年個人資産運用顧客満足度調査」のネット証券部門で第1位を獲得しており、投資が初めてという方から投資経験がある方まで、多くのトレーダー・投資家に選ばれています。

2.楽天証券で利用できるサービス

楽天証券では投資に関する幅広いサービスを提供しています。具体的には以下の商品を取り扱っています。

国内株式 ・現物取引
・信用取引
・REIT(不動産投資信託)
・国内ETF(上場投資信託)
・国内ETN(指標連動証券)
・新規公開株式(IPO)
・公募/売出株式(PO)
・立会外分売
・貸株サービス
海外株式・ETF ・米国株式
・中国株式
・海外ETF
・ASEAN株式
投資信託 ・投資信託
・外貨建MMF
楽ラップ ・楽ラップ(インターネット完結型の投資一任型運用サービス)
債券 ・国内債券
・外国債券
先物・オプション ・日経225先物
・日経225ミニ
・日経225オプション
海外先物取引 ・海外先物取引
FX ・楽天FX
外国為替 ・外国為替
・金/プラチナ
・商品先物
保険 ・生命保険

これらの金融商品のほかにもNISAやつみたてNISA、iDeCoなどにも対応しており、さまざまなニーズに応えることができるネット証券会社といえます。

3.楽天証券を利用するメリット

楽天証券を利用するメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  1. 取り扱う金融商品が豊富である
  2. ポイントプログラムが充実している
  3. 他の楽天グループとお得に連携できる
  4. 業界トップクラスの手数料の低さ
  5. 投資に関わる情報やコンテンツが豊富
  6. 取引ツールが充実している
  7. 楽天FXが利用できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.取り扱う金融商品が豊富である

先述したように、取り扱う金融商品が豊富であることが楽天証券を利用するメリットの一つです。

国内株式やFX、投資信託といった、投資初心者が取り組みやすい金融商品はもちろんのこと、将来のための資産形成の手段として注目されている「iDeCo」や「つみたてNISA」といったサービスにも対応しています。

また、海外株式や先物取引、オプション取引、債券など、投資経験者にも難なく対応できるだけのラインアップを誇っています。たいていの金融商品を取り扱っている楽天証券なら、幅広い投資スタイルに対応することができます。

3-2.ポイントプログラムが充実している

楽天証券ならではのメリットとして、ポイントプログラムが充実していることも挙げられます。

楽天証券では、楽天関連のサービスを利用した際に還元される「楽天ポイント」を使って投資信託や国内株式の現物取引を行うことが可能です。

特に投資信託では、100ポイント(=100円)から投資信託を購入することができるので、お買い物などで貯まったポイントを賢く運用することができます。

投資にポイントを利用できるので、投資初心者の方にとっても利用しやすいネット証券会社といえます。

3-3.他の楽天グループとお得に連携できる

楽天証券は他の楽天グループのサービスと連携して、お得な特典が得られるというのもメリットといえます。

楽天銀行の口座と楽天証券の証券口座を連携する「マネーブリッジ」というサービスでは、普通預金の金利が最大0.10%になったり、楽天銀行口座と楽天証券口座の入出金手数料が無料になったりするサービス特典を受けることができます。

また、取引ごとに楽天ポイントが貯まる仕組みになっており、お買い物やポイント投資に利用することも可能です。

さらに、楽天銀行と楽天証券双方から自動的に入出金ができる「スイープ」というサービスを使えば、資金を送金する手間を大幅に省くこともできます。

他にも、楽天グループのクレジットカード「楽天カード」で投信積立ができたり、楽天銀行「ハッピープログラム」の対象で投資信託の保有残高がはじめて基準残高に到達した場合に楽天ポイントをもらえたりするなど、さまざまな特典を受けることが可能になっています。

3-4.業界トップクラスの手数料の低さ

証券会社のなかでも手数料の安さがトップクラスである、ということも楽天証券を利用するメリットです。楽天証券の手数料については、各種取引でポイントが貯まる「超割コース」と、1日の取引金額100万円まで取引手数料無料の「いちにち定額コース」、そしてゼロコースがあります。

楽天証券が10月1日から提供を開始した「ゼロコース」に設定することで、楽天証券で取引可能なすべての国内株式(現物・信用)の取引手数料が無料となります。

また、ゼロコースといちにち定額コースを選択すれば、外国株式(米国・中国・アセアン)、先物・オプション、金・プラチナ・銀の各種取引で発生した取引手数料の1%分のポイントがもらえるプログラムも新たに開始しており、「超割コース」以外の手数料コースでも、各種取引でポイントが貯まるようになります。

さらに、「かぶミニ(TM)(単元未満株取引)」の売却手数料と、「超割コース 大口優遇」の現物取引手数料も無料対象枠が拡大されており、すべての取引が無料となっています。超割コース 大口優遇は、現在、信用取引が手数料無料で、ゼロコースの開始に伴う無料枠拡大により、国内株式(現物・信用)取引手数料が完全無料化となっています。

投資に関わるコストを抑えることができるというのも、楽天証券の魅力の1つといえるのです。なお手数料の他社比較については後述します。

3-5.投資に関わる情報やコンテンツが豊富

楽天証券が発信している投資に関わる情報やコンテンツが豊富であるということも、メリットといえます。

最新のマーケット情報から家計に関することまで、投資のヒントを得られる投資情報メディア「トウシル」を運営しているほか、参加料無料の投資セミナーを全国主要として開催しています。

また、動画によるセミナーや最新のマーケット情報などを配信している「楽天証券YouTube」「トウシルYouTube」も運営しており、投資に関するさまざまな情報を手に入れることができます。

3-6.取引ツールが充実している

実際の取引のためのツールが充実しているというのも、楽天証券を選ぶメリットです。

楽天証券では、パソコン・スマートフォン両方の取引に対応しています。パソコン用トレードツールでは、「マーケットスピード」「マーケットスピードⅡ」「マーケットスピードFX」「MARKETSPEED for Mac」といったツールを提供しており、投資初心者から経験者まで、さまざまな投資家による取引に対応しています。

また、累計310万以上のダウンロードを記録しているスマートフォントレーディングツールの「iSPEED」は株式取引、FX、先物オプション取引に対応しており、場所を選ばずに快適にトレードに参加することが可能です。

3-7.楽天FXが利用できる

楽天FXでは、主要通貨のスプレッドが大手FX会社と同水準であることに加え、「MT4」という取引ツールを利用することができます。

また、10万通貨を取引すると1楽天ポイントがもらえるため、楽天ポイントを貯めている方にとってはメリットになります。

4.楽天証券を利用するデメリット

一方で、楽天証券を利用するデメリットには、以下の点が挙げられます。

  1. IPO投資では他の証券会社に分がある
  2. 外国株の取扱が他の証券会社より少ない
  3. 対人相談はできない
  4. 投資には通常ポイントしか使えない

詳しく見ていきましょう。

4-1.IPO投資では他の証券会社に分がある

投資家に人気の高いIPO投資は楽天証券でも取り扱っていますが、幹事数を比較した場合は他の証券会社に分があるといえます。

例えば2019年のIPOでは、楽天証券が26社の幹事を務めましたが、SBI証券が82社、SMBC日興証券が61社、マネックス証券が45社など、他の証券会社と比較するとやや見劣りする幹事数となっています。

今後幹事数が多くなっていく可能性はありますが、IPO投資をメインに行っていきたいと考えるのであれば、他の証券会社を併用した方が効率は良いといえます。

4-2.外国株の取扱が他の証券会社より少ない

外国株投資に関しても、他の証券会社よりも取扱数が少ないというのがデメリットといえます。

楽天証券では6ヶ国の外国株を購入できますが、SBI証券では9ヶ国の外国株を購入可能です。また銘柄数においても、SBI証券やマネックス証券に見劣りします。

ただ、楽天ポイントで米国株の購入が可能である点や、米国株の積立サービスや米国株の信用取引が利用できるなど、目的次第では利用のメリットがあります。

4-3.対人相談はできない

楽天証券では窓口での対人相談ができないというのもデメリットになり得ます。

楽天証券はネット証券会社ですので、実店舗を構えていません。そのため、対面で担当者にアドバイスを受けながら投資先を決めることはできません。昔から対人相談を通じて投資をしてきた方や、インターネットになじみがない方には、使いにくい証券会社と言える可能性があります。

4-4.投資には通常ポイントしか使えない

楽天証券では楽天ポイントを投資に使用することができますが、その際には通常ポイントのみ利用可能です。

楽天ポイントには通常ポイントと期間限定ポイントの2種類があります。通常の買い物などで利用できる通常ポイントは株式投資などに利用可能ですが、特定のキャンペーンなどで付与される期間限定ポイントは投資に使うことができません。

また、他のポイントサービスから交換した楽天ポイントも使用することはできませんので、注意しましょう。

5.楽天証券と他のネット証券との手数料の比較

楽天証券はメリットが多くデメリットが少ない証券会社ですが、上述の通り取引に掛かる手数料も業界でトップクラスに安くなっています。

そこで手数料に着目し、「1回ごとに発生する手数料」と「1日の取引金額合計に対する定額制の手数料」について、以下の証券会社と比較してみたいと思います(2020年6月時点の情報です)。

  1. SBI証券
  2. 松井証券
  3. GMOクリック証券
  4. マネックス証券

5-1.1回ごとに発生する国内株取引手数料

まずは、国内株取引1回ごとに発生する取引手数料の比較です。現物取引では、以下のようになります。

項目 楽天証券 SBI証券 松井証券 GMOクリック証券 マネックス証券
5万円まで 0円 0円 50円 55円
10万円まで 0円 0円 90円 99円
20万円まで 0円 0円 100円 115円
50万円まで 0円 0円 260円 275円
100万円まで 0円 0円 460円 535円
150万円まで 0円 0円 550円 640円
3,000万円まで 0円 0円 880円 1,013円
3,000万円超 0円 0円 930円 1,070円

※すべて税込の金額
※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ
※松井証券は定額制のみ

現物取引では、マネックス証券の手数料が多少高いことを除き、各社で大きな差はありません。ただし、楽天証券では2023年10月1日、SBI証券では2023年9月30日より手数料が無料になるコース選択が可能となっている点が特徴です。

次に信用取引は以下のようになります。

項目 楽天証券 SBI証券 松井証券 GMOクリック証券 マネックス証券
10万円まで 0円 0円 97円 99円
20万円まで 0円 0円 143円 148円
50万円まで 0円 0円 187円 198円
50万円超 0円 0円 264円 385円

※すべて税込の金額
※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ
※松井証券は定額制のみ

信用取引についても、楽天証券・SBI証券ともに業界最安クラスの手数料体系となっています。

5-2.定額制の国内株手数料

次に、定額制の国内株取引手数料を比較してみましょう。

まずは現物取引での手数料の比較です。

項目 楽天証券 SBI証券 松井証券 GMOクリック証券 マネックス証券
20万円まで 0円 0円 0円 0円 550円
30万円まで 0円 0円 0円 0円 550円
50万円まで 0円 0円 0円 0円 550円
100万円まで 0円 0円 1,100円 0円 550円
200万円まで 0円 0円 1,238円※ 1,238円 2,750円
300万円まで 0円 0円 3,300円 1,691円※ 2,750円
600万円まで 0円 0円 6,600円 2,576円 5,500円※

※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ
※松井証券では200万円以降100万円増加ごとに1,100円(税込)が追加
※GMOクリック証券では300万円以降100万円増加ごとに295円(税込)が追加。
※マネックス証券では600万円以降300万円増加ごとに2,750円(税込)が追加。

現物取引では、SBI証券の「ゼロ革命」と楽天証券の「ゼロコース」では、売買手数料を無料に設定することができます。各社金額に関わらず手数料が無料になるため、どの取引金額においても業界最安水準となっています。

次に、信用取引での手数料の比較はこうなりました。

項目 楽天証券 SBI証券 松井証券 GMOクリック証券 マネックス証券
10万円まで 0円 0円 0円
30万円まで 0円 0円 0円
50万円まで 0円 0円 0円 0円
100万円まで 0円 0円 1,100円 0円 550円
200万円まで 0円 0円 2,200円※ 880円
300万円まで 0円 0円 3,300円 1,320円※ 2,750円
600万円まで 0円 0円 6,600円 2,640円 5,500円※

※すべて税込の金額
※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ
※松井証券では200万円以降100万円増加ごとに1,100円(税込)が追加
※GMOクリック証券では300万円以降100万円増加ごとに440円(税込)が追加。
※マネックス証券では600万円以降300万円増加ごとに2,750円(税込)が追加。

こちらでもSBI証券の「ゼロ革命」と楽天証券の「ゼロコース」が最も安いことがわかります。

まとめ

今回は楽天証券の評判やメリット・デメリットについて紹介しました。取扱金融商品が豊富で、手数料の水準も低い楽天証券は、投資初心者から経験者まで利用しやすい証券会社と言えます。

自分に合った証券会社をお探しの方は、楽天証券もチェックしてみてはいかがでしょうか。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。