楽天証券は、株式投資やFXなど様々な金融商品を取り扱っていて、さらに楽天ポイントを貯めたり活用したりできます。その利便性から口座開設を考えている方も多いのではないでしょうか。
楽天証券の現物取引にかかる手数料は、おおむね安いといえます。しかし、他ネット証券と比較しなければ、どの程度安いのかは分からないところです。そこで今回は、楽天証券の手数料プランや、他ネット証券と比較して安いのかどうかについて解説します。
※本記事内の情報は2020年7月時点となります。最新情報は各会社のウェブサイトからご自身でもご確認下さい。
目次
- 楽天証券の手数料プランや特徴
1-1.楽天証券の手数料プラン
1-2.楽天証券の特徴 - 楽天証券と他ネット証券の売買手数料を比較
2-1.楽天証券とSBI証券の手数料を比較
2-2.楽天証券とGMOクリック証券の手数料を比較
2-3.楽天証券とDMM.com証券の手数料を比較
2-4.楽天証券とSMBC日興証券の手数料を比較
2-5.楽天証券と松井証券の手数料を比較 - まとめ
1.楽天証券の手数料プランや特徴
楽天証券の手数料プランは2種類用意されています。以下で具体的に見ていきます。 手数料プランは、1回の注文金額に対して手数料がかかる「超割コース」と、1日の約定金額に対してかかる「いちにち定額コース」に分かれています。 以下に、1回の注文金額に対して手数料がかかる「超割コース」を詳しく紹介します。 【超割コース:注文金額と手数料(1回あたり)】 楽天の超割コースは、少額投資や少額以外のケース、どちらとも比較的安い手数料体系です。また、約定ごとに楽天ポイントもしくは楽天証券ポイントを貯めることができます。 続いて1日の約定代金に手数料がかかる、「いちにち定額コース」を紹介します。 【いちにち定額コース:1日の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】 いちにち定額コースは約定金額50万円まで手数料0円ですので、試しに少額投資を始めてみたいという方にもメリットのある設定です。 さらに1日の間に、同一銘柄を買い・売りの注文および約定を行った場合、「デイトレード割引」と呼ばれる手数料割引サービスが適用されます。「デイトレード割引」では、買い・売りどちらか一方の手数料を0円にしてくれます。 このようにポイント付与や手数料割引など、手数料負担を少しでも抑えられるサービスを提供しているのも楽天証券の特徴です。 手数料以外の特徴としては、投資信託のファンドを多数取り扱っていたり、株式投資の取引や分析に活用できる「MARKET SPEED Ⅱ」などのツールを用意していたりする点もあります。 また、日中仕事で忙しく相場が動いている時に取引できない方は、PTS取引も検討してみてはいかがでしょうか。PTS取引とは、通常の取引時間「9時~11時30分」・「12時30分~15時」以外に売買ができるシステムのことです。楽天証券はPTS取引に対応しており、17時~23時59分まで売買が可能です。 ここでは楽天証券と、国内の主なネット証券の売買手数料を比較します。他ネット証券の方が手数料が安いケースもあるので、複数の証券会社を利用するなど柔軟に考えてみるのも大切です。 SBI証券は、楽天証券と同じく1日の約定代金・1回の注文金額に対して手数料がかかる、2種類の手数料プランを提供しています。 1回の注文金額に対して手数料がかかる「スタンダードプラン」は、楽天証券と同じ金額です。 ここでは1日の約定代金に対して手数料がかかる「アクティブプランと」と、楽天証券の「いちにち定額コース」を比較します。 【比較例】
1-1.楽天証券の手数料プラン
1-2.楽天証券の特徴
2.楽天証券と他ネット証券の売買手数料を比較
2-1.楽天証券とSBI証券の手数料を比較
楽天証券 | SBI証券 |
---|---|
1日の約定代金が50万円まで:0円 | 1日の約定代金が50万円まで:0円 |
1日の約定代金が100万円まで:943円 | 1日の約定代金が100万円まで:838円 |
1日の約定代金が300万円まで:3,300円 | 1日の約定代金が300万円:1,718円 |
1日の約定代金が500万円:5,500円 | 1日の約定代金が500万円:2,598円 |
以下にSBI証券アクティブプランの手数料を紹介します。
【アクティブプラン:1日の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】
- 1日の約定代金が50万円まで:0円
- 1日の約定代金が100万円まで:838円
- 1日の約定代金が100万円を超え、以降100万円増加ごと:100万円単位440円
楽天証券とSBI証券は、ネット証券の中でも手数料が安いという強みがあります。そして、1日の約定代金に対して手数料がかかるプランで比較した場合、SBI証券のほうがより安い結果となっています。
手数料は、1日50万円までの取引であれば2社共に無料です。しかし、50万円を超えると、どの約定金額でもSBI証券の手数料が安い結果となりました。
総合的に見てみると楽天証券・SBI証券どちらも手数料は安い水準にあり、取引ツールや金融商品の充実、PTS取引の対応など、多くの点で魅力のある証券会社です。悩んでいる方は2社で口座開設を検討してみるのもいいでしょう。
2-2.楽天証券とGMOクリック証券の手数料を比較
GMOクリック証券も楽天証券と同じく、1日の約定代金・1回の注文金額に対して手数料がかかる、2種類のプランを用意しています。
1日の約定代金で比較した場合は、楽天証券の手数料体系のほうが安いといえる内容です。楽天証券は50万円まで手数料が無料ですが、GMOクリック証券には手数料無料の設定がありません。
一方、1回の注文金額にかかる手数料は注文金額によって変わり、どちらのほうが安いのかも変わります。たとえば注文金額5万円以下という場合、楽天証券で取引するほうがメリットがありますが、注文金額50万円であればGMOクリック証券で取引する方が安くなります。
【比較例】
楽天証券 | GMOクリック証券 |
---|---|
1日の約定代金が50万円まで:0円 | 1日の約定代金が20万円まで:213円 |
1日の約定代金が100万円まで:943円 | 1日の約定代金が50万円まで:399円 |
1回の注文金額が5万円以下:55円 | 1回の注文金額が10万円以下:88円 |
1回の注文金額が50万円以下:275円 | 1回の注文金額が50万円以下:241円 |
1回の注文金額が100万円以下:535円 | 1回の注文金額が100万円以下:436円 |
GMOクリック証券で1回の注文に手数料がかかるプランを、以下に紹介します。
【1約定ごとプラン:1回の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】
- 10万円以下:88円
- 20万円以下:98円
- 50万円以下:241円
- 100万円以下:436円
- 150万円以下:528円
- 3,000万円以下:834円
- 3,000万円を超える:889円
続いて、以下に定額プランを紹介します。
【1日定額プラン:1日の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】
- 1日の約定代金が20万円まで:213円
- 1日の約定代金が30万円まで:278円
- 1日の約定代金が50万円まで:399円
- 1日の約定代金が100万円まで:797円
- 1日の約定代金が200万円まで:1,167円
- 1日の約定代金が300万円まで:1,538円
- 1日の約定代金が300万円を超える:100万円増加ごとに269円を加算
少額投資を検討している方は、楽天証券の方が安い手数料で売買できます。しかし、毎回約定代金が大きく変わる場合は、楽天証券とGMOクリック証券を使い分けてみるのはいかがでしょうか。
2-3.楽天証券とDMM.com証券の手数料を比較
DMM.com証券の株式投資の手数料プランは、1注文に対して手数料がかかる「現物取引手数料」のみ選択できます。
楽天証券の「超割コース」と比較した場合、20万円を超えて50万円以下ではDMM.com証券の方が安い手数料体系となりました。また、50万円を超えて150万円以下になると、楽天証券の方が安く、150万円を超えると再度DMM.com証券の方が安くなる傾向です。
1日の約定代金で比較した場合は、1日の取引回数・金額に応じてどちらが安いのか変わります。
【比較例】
楽天証券 | DMM.com証券 |
---|---|
1日の約定代金が50万円まで:0円 | 1回の注文金額が5万円以下:50円 |
1日の約定代金が100万円まで:943円 | 1回の注文金額が10万円以下:80円 |
1回の注文金額が5万円以下:55円 | 1回の注文金額が20万円以下:97円 |
1回の注文金額が50万円以下:275円 | 1回の注文金額が50万円以下:180円 |
1回の注文金額が100万円以下:535円 | 1回の注文金額が100万円以下:340円 |
以下に各手数料を詳細に紹介します。
【現物取引手数料:1回の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】
- 5万円以下:50円
- 10万円以下:80円
- 20万円以下:97円
- 50万円以下:180円
- 100万円以下:340円
- 150万円以下:400円
- 300万円以下:600円
- 300万円を超える:800円
手数料の観点では、楽天証券とDMM.com証券の比較はやや難しいため、取引ツールや投資信託の取扱い、独自サービスなども含めて検討してみることをおすすめします。
たとえば楽天証券は投資信託のファンド本数が豊富、DMM.com証券は初心者向けの機能も追加した「スマホアプリDMM株」など、それぞれ異なる強みを持っています。
投資信託も検討している方は楽天証券、初心者向けの取引ツールを探している方はDMM.com証券を検討してみてはいかがでしょうか。
2-4.楽天証券とSMBC日興証券の手数料を比較
三井住友フィナンシャルグループの一員で、100年以上の歴史があるSMBC日興証券は、ネット証券サービスも提供しています。
株式投資の手数料は、1回の注文に手数料がかかる「ダイレクトコース」と、担当者からサポートを受けながら注文を行った際に手数料がかかる「総合コース」の2種類で構成されています。
総合コースは、楽天証券には無い手数料体系のため、「ダイレクトコース」で比較します。
【比較例】
楽天証券 | SMBC日興証券 |
---|---|
1回の注文金額が5万円以下:55円 | 1回の注文金額が10万円まで:137円 |
1回の注文金額が10万円以下:99円 | 1回の注文金額が20万円まで:198円 |
1回の注文金額が20万円以下:115円 | 1回の注文金額が50万円まで:440円 |
1回の注文金額が50万円以下:275円 | 1回の注文金額が100万円まで:880円 |
1回の注文金額が150万円以下:640円 | 1回の注文金額が200万円まで:1,650円 |
上記1回の注文金額で比較した場合でも、楽天証券の方が安いといえる形です。他にも1回の注文金額10万円を1日に3回繰り返した場合、SMBC日興証券の手数料は411円となりますが、楽天証券の「いちにち定額コース」を選択していれば手数料は0円になります。
【SMBC日興証券:ダイレクトコース(手数料の項目は一部省略)】
- 10万円まで:137円
- 20万円まで:198円
- 50万円まで:440円
- 100万円まで:880円
- 200万円まで:1,650円
- 3,000万円まで:1万6,500円
- 3,000万円以上:2万7,500円
総合コースはSMBC日興証券の担当者からサポートを受けつつ売買注文を行うコースで、楽天証券にはありません。
【SMBC日興証券:総合コース(手数料の項目は一部省略)】
- 100万円まで:最低1,925円
- 500万円まで:6,160円
- 5,000万円まで:6万7,760円
手数料のみで比較すると楽天証券の方が低コストといえます。ただ、SMBC日興証券の総合コースは、同証券の支店担当者から投資に関するアドバイスや株式投資に関する情報提供を受けられるなど、サポート面で優れています。
株式投資が初めてで売買に関するサポートが欲しい・悩んでいる方は、SMBC日興証券を検討してみるのもいいでしょう。
2-5.楽天証券と松井証券の手数料を比較
松井証券は、1日の約定代金に対して手数料がかかる「定額料金」コースのみ提供しています。「定額料金」コースの手数料は楽天証券と同じ水準で、全体から見ても安い傾向といえます。
手数料から比較する場合、1日50万円以下の約定代金であれば楽天証券・松井証券、どちらを選んでも低コストな水準です。ただし、約定代金が100万円を超える場合は、200円程度松井証券の方が安い傾向となります。
【比較例】
楽天証券 | 松井証券 |
---|---|
1日の約定代金が50万円まで:0円 | 1日の約定代金50万円まで:0円 |
1日の約定代金が100万円まで:943円 | 1日の約定代金100万円まで:1,000円 |
1日の約定代金が200万円まで:2,200円 | 1日の約定代金200万円まで:2,000円 |
1日の約定代金が300万円まで:3,300円 | 1日の約定代金200万円を超える:100万円ごとに1,000円増加 |
1日の約定代金が300万円を超え、100万円ごとに:1,100円加算 | 1日の約定代金1億円を超える:上限10万円 |
以下、松井証券の「定額料金」コース詳細です。
【松井証券:定額料金】
- 1日の約定代金50万円まで:0円
- 1日の約定代金100万円まで:1,000円
- 1日の約定代金200万円まで:2,000円
- 1日の約定代金200万円を超える:100万円ごとに1,000円増加
- 1日の約定代金1億円を超える:上限10万円
松井証券は手数料以外に、PTS取引対応・Amazon Echoと連携(株価情報などの提供)など豊富なツールや、ベストマッチサービスといった複数の強みを持っています。
(ベストマッチ:取引所以外で有利な価格で取引されているか松井証券が調査、有利な価格があれば松井証券が仲介・安い価格で買い、高い価格で売りを実行できる)
PTS取引は楽天証券やSBI証券なども対応していますが、ツールに関しては取引ツールのみ取り扱っている状況です。一方松井証券では他にも以下のようなツールがあり、どれも無料で利用できます。
- 株価ボード:登録済みの銘柄および株価を一覧表示
- 株touch:スマートフォン向けアプリ、株式投資や先物取引などの取引に対応
- 投信アプリ:スマートフォン向け投資信託取引専用アプリ
- 松井FP~将来シミュレーター~:FPによる、ライフプランのオンラインシミュレーション・診断サービス
楽天証券と松井証券を比較する場合は、手数料に加えてツール・ソフトから検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
楽天証券は、1日の約定代金または1回の注文金額に対して手数料がかかる、2種類の手数料プランを提供しています。他ネット証券と比較した場合、どちらもおおむね安いといえる水準です。
SBI証券は楽天証券と同程度の手数料水準といえます。1回の注文金額に対して手数料がかかるプランは、全項目同じ手数料です。また、松井証券やGMOクリック証券、DMM.com証券の手数料は、取引の頻度や金額に応じて楽天証券より安いケースも高いケースもあります。
楽天証券の手数料プランはネット証券の中でも安い傾向にあるという点を考慮しつつ、取引の回数や頻度・金額も確認した上で口座開設先を決めるのがいいでしょう。
- 外国株(米国株など)が買えるネット証券会社
- IPO投資に強い証券会社、少額からIPOに参加できるサービス
- 25歳以下の現物株式の取引手数料が実質0円の証券会社
- 大手証券会社が提供している株式投資サービス
- 少額で株式投資ができるサービス

菊地 祥

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