ポートフォリオの組み方・見直しのポイントは?年代別に解説

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ポートフォリオとは、投資家が資産形成するにあたって保有する金融資産群のことを指します。ポートフォリオを組む際は、自分の置かれている状況からどの程度の損失を被ってもいいのか、損失許容度を考慮した上でポートフォリオを組み立てていく必要があります。

20代で独身の方であれば短期間で投資額の2倍以上のリターンを狙いに行くようなポートフォリオを検討することも可能です。一方で60代で会社の定年を迎えた方に、高リスクハイリターンのポートフォリオが適しているとは言い難いでしょう。より保守的な、年間2~3%程度のリターンが見込めるディフェンシブなポートフォリオを検討する必要があります。各々の目的に従って、正しく構築される必要があるのです。

今回のコラムでは、各々のリスク許容度に合わせた理想的なポートフォリオについて具体的な金融商品を紹介し、解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ポートフォリオ構築のための基本的な考え方
  2. 投資家別の適切なポートフォリオ
    2-1.リスク許容度高(年齢20代~30代中盤まで)
    2-2.リスク許容度中(年齢30代中盤~60歳まで)
    2-3.リスク許容度低(60歳以降)
  3. ポートフォリオの見直し方は?
  4. まとめ

1.ポートフォリオ構築のための基本的な考え方

ポートフォリオは個々の目的に合わせて構築する必要があります。まず初めに自分の置かれている状況・立場、将来必要なお金の金額、その金額を獲得するための目標期間、自分自身のリスク選好度(高リスクの商品に投資して不眠になるなど、日常生活に支障がないか)を正しく認識しましょう。

多くのリスクを取ることのできる投資家は、ポートフォリオの中身をアグレッシブにすることができます。リスクの高い株式の占める割合が大きく、債券などのリスクの低い商品の割合は少なくなるでしょう。

一方で、少ないリスクで投資をしたい投資家は、ポートフォリオはディフェンシブなものにする必要があります。株式の割合は低くなり、債券の割合を大きくなるでしょう。

以下に、各リスク許容度別にどのようなポートフォリオを構築できるかを解説します。

2.投資家別の適切なポートフォリオ

この章では、具体的にどのような金融商品でポートフォリオが構成できるかをリスク許容度別で紹介します。

  • リスク許容度高(年齢20代~30代中盤まで)
  • リスク許容度中(年齢30代中盤~60歳まで)
  • リスク許容度低(60歳以降)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。なお、日本で個人投資家が取引可能な、株式(個別銘柄)・債券・ETF・公募投資信託の4つ金融商品へ投資することを想定します。

2-1.リスク許容度高(年齢20代~30代中盤まで)

20代~30代中盤までで特に独身の場合は、筆者は積極的にリターンを狙いに行くようなポートフォリオも検討できるでしょう。具体的には、株式と株系ETF・公募投資信託で80%、債券・現金20%ぐらいの割合が一つの目安です。

株式、株系ETF・公募投資信託の中でも、特にハイリターンが狙えるようなIT銘柄や、「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」などナスダック100指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指す米国ETFに投資する方法があります。

業績見通しが良好であるGAFAMを中心としたテック銘柄に投資し、株式市場全体と比べてアウトパフォームすることを目指すこともできるでしょう。

2-2.リスク許容度中(年齢30代中盤~60歳まで)

年齢30代中盤~60歳代は家庭を持っている方もおり、会社の定年までにある程度の資産を形成することを考えなければいけません。

金額については個々個人の生活レベルによって変わるものの、ある程度の資産を作る必要があることは多くの人に当てはまるでしょう。金融庁が、95歳まで生活する夫婦で約2,000万円の取り崩しが必要になると発表したことなどを踏まえると、早い段階から資産形成をする必要があります。

この場合、中リスク中リターン(目標リターンは年率5%~10%程度)となるようなポートフォリオを構築することが目標となります。具体的には株式・株系ETFで30%、マルチアセット系公募投資信託で40%、債券・現金で30%が一つの目安となります。

株系ETFは、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」のような、全ての米国上場株式を投資対象とした広く分散された上場投資信託に投資する方法があります。マルチアセット系公募投資信託では、アセットマネジメントONEが運用する「投資のソムリエ」などの株式・債券・その他資産に十分に分散されているリスクの比較的少ない投資信託を選択することもできるでしょう。

2-3.リスク許容度低(60歳以降)

60歳以上になると、子供がすでに高校・大学を卒業し教育にお金がかからない方もいるでしょう。一方で、会社の定年を迎えて、残りの人生を公的年金や厚生年金、もしくは貯金で生活していく予定の方もいます。

この場合は、資産が目減りしない保守的なポートフォリオを構築しましょう。低リスク低リターン(目標リターンは年率1%~3%程度)となるポートフォリオを構築することが目標となります。

具体的には株式・株系ETFで10%、マルチアセット系公募投資信託で20%、債券・現金で70%ぐらいが一つの目安になるでしょう。

例えば、償還金額が全国消費者物価指数(生成食品を除く総合指数、CPI)に連動する物価連動国債で運用する方法があります。現金をそのまま保有していると物価が上昇したときに実質的な価値が減少するため、物価が上昇すれば元金額が増加する物価連動国債にある程度投資することにより、資産保全することが必要になってきます。

3.ポートフォリオの見直し方は?

一度ポートフォリオを構築したら、定期的に分析しポートフォリオ内の金融資産を見直しましょう。

ポートフォリオ内の資産価格が上昇した場合、金融資産の構成比率が変わります。例えば株式:債券=50%:50%の場合、株式価格が倍になり債券価格が不変の場合、株式:債券=67%:33%になり、株式の比率が高まります。個々の目標構成比率に応じて、リバランスする必要があるのです。

また、経済状況の変化や年齢の増加などにより、自分の状況が変われば、ポートフォリオを見直しする必要があります。

もともと若く独身で積極的にハイリスクでハイリターンを狙いに行くようなポートフォリオで運用していた人が、結婚して子供ができたとしたら、より保守的なポートフォリオにするために株式の比率を減少することもあります。年齢が60以上になる会社を定年した人も、ポートフォリオのリスク逓減をすることを視野に入れましょう。

4.まとめ

資産を増やしていくためには、自分にあった適切なポートフォリオを構築することが必要になります。過度に株式のエクスポージャーを取っている高齢の方や、まだ若いにもかかわらず保有している資産が現金のみという方は、ポートフォリオを見直してみましょう。

ポートフォリオの組み方に対する理解を深め、よりよい資産形成を行いましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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