ポリゴンが仕掛けるWeb3.0時代のソーシャルメディアとは?

今回は、Web3.0時代のソーシャルメディアについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 約230億円規模のWeb3.0ファンドとは?
    1-1.約230億規模のWeb3.0ファンド
    1-2.ポリゴンとは?
    1-3.ポリゴンの特徴
  2. Web3.0のソーシャルネットワーク
    2-1.Web3.0とは?
    2-2.Web 3.0ソーシャルネットワークの重要性
    2-3.Web3.0のソーシャルネットワークの要件
  3. まとめ

ブロックチェーンプロジェクトPolygon(ポリゴン)とベンチャーキャピタルのSeven Seven Sixが、約230億円規模のWeb3.0ファンドを立ち上げました。投資先はPolygonチェーンを基盤とするソーシャルメディアプラットフォームやNFT、Metaverseプロジェクトとされ、特にWeb3.0におけるプライバシー技術開発にフォーカスします。

次のテーマとの呼び声高い「Web3.0のソーシャルネットワーク」は、様々な仮想通貨プロジェクトやスタートアップが参入している分野です。そこで今回は、Web3.0ファンドについて解説するとともに、Web3.0のソーシャルネットワークについて解説します。

①約230億円規模のWeb3.0ファンドとは?

まずは 今回発表された約230億円規模のWEB3.0ファンドとその資金提供者でもあるポリゴンについて解説します。

1-1. 約230億規模のWeb3.0ファンド

12月17日にPolygon(ポリゴン)と世界的なインターネット掲示板大手のRedditの共同創始者が運営するベンチャーキャピタルのSeven Seven Sixが、約230億円のファンドを立ち上げることを発表しました。

このファンドの投資先としては、Polygonチェーンを基盤とするソーシャルメディアプラットフォームやNFT・Metaverseプロジェクトのトークン及びエクイティに投資されるものとされています。また、投資にあたって特に重要視するのはWeb3.0におけるプライバシー技術の開発だとされています。

1-2. ポリゴンとは?

日本の仮想通貨取引所に上場されていないにも関わらず、仮想通貨ポリゴン(MATIC)を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか?なぜなら世界的なNFTマーケットプレイスOpenSeaや日本のnanakusaなどでポリゴン(MATIC)が決済通貨として使用されているからです。

1-3. ポリゴンの特徴

ポリゴンの最大の特徴は、イーサリアムのL2スケーリングソリューションとしての役割です。イーサリアムがレイヤー1のブロックチェーンであるのに対し、ポリゴンはイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するレイヤー2となります。安全性を維持しながら、最大65,000TPSのスピードとガス代の削減を実現しています。

また、イーサリアムとの互換性が高く、イーサリアムで構築したDAppsなどをポリゴンに簡単に移行できるため、実用性の高さから多くのプロジェクトがポリゴンへ移行しています。

②Web3.0のソーシャルネットワーク

次にWeb3.0時代のソーシャルネットワークについて解説します。

2-1. Web3.0とは?

Web3.0は、仮想通貨業界の方向性を理解する上でも理解しておいた方がよい項目の一つです。WEB1.0まで遡って、Web3.0に至るまでの経緯を簡単に説明します。

Web1.0:インターネットの黎明期

Web1.0はインターネットの黎明期に当たる1990年代が該当します。1994年にアメリカでYahooとアマゾンが誕生、翌1995年はWindows 95の発売や、インターネットプロバイダーの急増に伴う料金の低廉化により、インターネットの普及へと拍車のかかったターニングポイントとも言える年でした。

しかし、当時のインターネットはEメールが主流で、ユーザーはWebページを閲覧するだけのものでした。

Web2.0:双方向のコミュニケーション

2000年を過ぎたころからADSLなどに伴うネット回線の高速化などによってインターネットに常時接続することが一般的となりました。それにより双方向のコミュニケーションが可能となりYouTubeやSNSが誕生、誰もがインターネットに参加する時代がやってきました。また、携帯電話でインターネットに接続するようにもなりました。そして、FacebookなどのSNSの出現で双方向の通信ができるようになったタイミングをWeb2.0時代と呼びます。

しかし、現在のWeb 2.0は個人情報が特定のネット大手企業に集中する点と中央集権型に起因するセキュリティ面での大きな問題点があります。

具体的には、GAFAを始めとする一部の大企業に個人情報だけではなく行動履歴や嗜好に関するデータが本人の意思と反して蓄積されているという問題や、中央集権型のセキュリティシステムは特定のサーバー群に情報が蓄積されているため、サイバー攻撃を受けやすく、実際に度々、個人情報の流出のニュースを目にするという問題が挙げられます。

Web3.0:個人がデータを管理

こうした課題を解決するアイデアがWeb3.0で、既に多くのブロックチェーンのプロジェクトがローンチされ、徐々に実用化が始まっています。

その一つが仮想通貨ベーシックアテンショントークン(BAT)を使用する新しいブラウザであるBraveです。Braveの技術者であってもユーザーの個人情報やデータを閲覧することができず(ゼロナレッジポリシー)、Braveシールドという機能で、ウェブ閲覧時に個人情報を意図せずに送られる仕組みをストップしています。

【関連記事】:ベーシックアテンショントークン(BAT)の特徴・現況と今後の展望

Web3.0とブロックチェーン

分散型のブロックチェーン技術は、個人情報の一極集中と中央集権型の脆弱性を解決するための手段として最適です。分散型のサーバーは複数のノードに暗号化されたデータを保管するので、不審な動きも探知しやすく、1つのサーバーが攻撃されても、残りの複数のサーバーデータを検証すれば何が正しいデータか証明することができます。

複数の端末でのデータ共有に不安を覚える方もいそうですが、データは細分化された上で暗号化されているため所有者しかデータを復元することはできません。むしろ、今までの中央集権化のリスクであった個人情報の漏洩やハッキング、データ改ざん、プライバシー侵害などから保護されることになります。

つまり、Web3.0とはブロックチェーン技術に支えられた分散型のサービスを主軸とする安全でプライバシー保護が重視されるWebの世界であると言えます。

2-2. Web 3.0ソーシャルネットワークの重要性

Web 3.0のソーシャルネットワークというキーワードは、今後、非常に重要なテーマとなってくるでしょう。現在、仮想通貨メディアなどの見出しはMetaverseで持ちきりですが、インサイダーの間ではWeb3.0のソーシャルネットワークに関して議論が活発化しています。

Metaverseも本質的にはソーシャルネットワークであるといえます。世界規模の観点で考えると現在の主要なデバイスはスマートフォンであるため、Metaverseはもちろん、ソーシャルネットワークもスマートフォン上で動作するアプリケーションである必要があります。

Facebookがソーシャルネットワークの覇者となった要素の一つに「実名制」があります。実名であったからこそ、これまで疎遠であった人たちとの交流が復活する点にネットワークが拡大する要因がありました。

WEB3.0のソーシャルネットワークにおいては、プライバシーの保護、つまり、匿名性や個人情報の流出を防ぐ事がポイントとなります。

2-3.Web3.0のソーシャルネットワークの要件

最後に Web 3.0時代のソーシャルネットワークの要件について考察してみます。既存のWeb3.0関連のプロジェクトのホワイトペーパーなどをまとめると、Web3.0のSNSには以下のような要素が必要となりそうです。

  1. プライバシーの保護
  2. 分散型の運営体制
  3. 運営ではなくユーザーが報酬を得る

③まとめ

WEB3.0の要件を満たすSNSの到来が待ち望まれますが、ソリューションが難しそうな分野でもあります。しかし、これだけ多くの投資がなされている現状を考えるとそう遠くない未来に実現する可能性もあると言える気がします。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12