日本で購入できる原油ETFの一覧とそれぞれの特徴は?

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直近の原油の値動きなどにより、原油への投資が気になっている方もいるのではないでしょうか。しかし、一般的に個人投資家にとって、原油そのものや先物商品への投資は難しいものです。

そこで本記事では、日本で購入できる原油ETFとそれぞれの特徴についてまとめてみましたので、銘柄を選ぶ際の参考にしてみてください。

目次

  1. 原油ETFとは
  2. 日本で購入できる原油ETFの一覧
  3. 「WTI原油価格連動型上場投信」の特徴
  4. 「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」の特徴
  5. 「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」の特徴
  6. まとめ

1.原油ETFとは

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、簡単に言うと証券取引所に上場している投資信託のことです。上場投資信託とも呼ばれています。

様々なETF商品がある中で、原油の値動きに連動するETFを「原油ETF」と言います。一般的に原油価格というと「WTI原油」や「ドバイ原油」といった先物商品の価格を指しますが、個人で原油先物に投資することは通常だとハードルが高く一般的ではありません。しかし、これらの価格を指標とし連動するETFであれば、個人投資家でも気軽に運用できる点がメリットです。

原油価格は株式と比べると値動きが激しい傾向にあり、直近ではコロナショックやサウジアラビアの原油増産発表を受けて原油価格が暴落した事情もありました。その後、各国協議のもと減産調整が行われたり、世界中で経済活動が戻りつつあったりすることで原油の需給バランスが戻り、原油価格は上昇に転じています。

次の章からは、実際に日本で購入できる原油ETFをご紹介していきます。

2.日本で購入できる原油ETFの一覧

まずは、日本で購入できる原油ETFの銘柄を押さえておきましょう。以下は、これから紹介する3つの原油ETFです。

コード 銘柄 市場 売買単位 信託報酬
1671 WTI原油価格連動型上場投信 東証 1口 0.0085
1690 WisdomTree WTI 原油上場投資信託 東証 10口 0.0049
1699 NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 東証 10口 0.005

原油ETFで、注目する点は以下の3点です。

  • 売買単位と基準価額
  • 信託報酬
  • その他の特徴

上記の表以外にもそれぞれの特徴があるため、次の章から各銘柄について紹介していきます。

3.「WTI原油価格連動型上場投信」の特徴

日本で購入できる原油ETFを、1つずつご紹介していきます。まずは「WTI原油価格連動型上場投信」です。

銘柄名(コード) WTI原油価格連動型上場投信(1671)
上場市場 東証
投資地域 アメリカ
売買単位 1口
基準価額 730円
決算回数 年2回
信託報酬(運用管理費用) 年率0.85%
マーケットメイク あり
管理会社 シンプレクス・アセット・マネジメント
特徴 先物型ETF

(※2020年5月31日時点の情報です。)
参照:楽天証券 WTI原油価格連動型上場投信(1671)

「WTI原油価格連動型上場投信」はWTI原油先物の変動率に連動することを目指す先物型ETFです。

先物(取引)とは、あらかじめ決められた期日に決済される取引のことを言います。先物商品を運用する際は、期限があるので同じものを保有し続けることができないため、期日の短いものを売って、長いものを買い直すこと(=ロールオーバー)を繰り返すことになります。

このとき、期日が長い先物の方が、短い先物よりも価格が高くなることが多く、この状態をコンタンゴと言います。つまり、ロールオーバーで安く売って高く買い戻すことになり、これを繰り返すと価値が下がっていくのが先物型ETFの特徴です。

そのため、長期保有しないことが先物型ETFのポイントとなります。原油ETFは他のETFと比べるとリスクが高いため、原油の大きな値上がりによってカバーできる可能性もありますが、値下がりリスクも高いことを考えると、それでも短期保有の方が向いている商品と言えます。

4.「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」の特徴

次に「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」をご紹介します。

銘柄名(コード) WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)
上場市場 東証
投資地域 グローバル
売買単位 10口
基準価額 342円
決算回数 なし
信託報酬(運用管理費用) 年率0.49%
マーケットメイク なし
管理会社 ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッド
特徴 ・先物型ETF
・外国籍ETF
・OTCスワップ型ETF

(※2020年5月31日時点の情報です。)
参照:JPX WisdomTree WTI原油上場投資信託

「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」は、コモディティ投資のベンチマークである「Bloomberg Crude Oil Subindex」の総合商品指数に連動させる、OTCスワップ型ETFです。

OTCスワップ型ETFとは、ETFの発行元と金融機関の間で、対象指標のリターンを交換するスワップ契約を結ぶ手法のことです。これにより、対象指標の変動率と純資産額の変動率を連動させることを目的としています。

スワップ契約を結ぶ双方が担保を出すことで、片方が破綻しても損失が出ない仕組みになっていますが、以下のような場合にはETFの価値が下がることもあります。

  • スワップ契約の一方の破綻によりリターンの交換ができなくなる
  • スワップ契約の双方が出し合う担保の価値が同等ではない

このため、OTCスワップ型ETFに投資する際は、スワップ契約の相手の信用状況を確認することが重要となります。その他、WisdomTree WTI 原油上場投資信託は外国籍ETFのため、取引をするには外国証券取引口座が必要です。

5.「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」の特徴

続いて紹介するのは、「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」です。

銘柄名(コード) NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
上場市場 東証
投資地域 グローバル
売買単位 10口
基準価額 963円(10口あたり)
決算回数 年1回
信託報酬(運用管理費用) 年率0.5%
マーケットメイク あり
管理会社 野村アセットマネジメント
特徴 先物型ETF

(※2020年5月31日時点の情報です。)
参照:NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信

「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」は、NOMURA原油ロングインデックスと連動させた先物型ETFです。

NOMURA原油ロングインデックスは原油価格の値動きを表す指標で、取引量の多い原油先物取引の銘柄で構成されています。

先に紹介した「WTI原油価格連動型上場投信」と同様に先物型ETFのため、比較的短期保有に向いています(先物型ETFについては、本記事内の「WTI原油価格連動型上場投信」参照)。

また、マーケットメイクがある点もこの銘柄の特徴です。マーケットメイクとは、専門業者(マーケットメイカー)が売り・買いの気配値を常に提示することで、流動性を付ける手法のことを言います。流動性があることで、投資家が売買しやすい市場が維持されています。

まとめ

日本で購入できる原油ETFと、それぞれの特徴についてまとめました。

この記事で紹介した銘柄は、いずれも先物型ETFのため、短期保有に向いていると言えます。購入の際にはそのことを念頭に置いておきましょう。

信託報酬の安さで選ぶなら「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」、マーケットメイクありを選ぶなら「WTI原油価格連動型上場投信」および「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」が向いていると言えます。

また「WisdomTree WTI 原油上場投資信託」では、取引の際に外国証券取引口座が必要となりますので注意が必要です。

原油ETFの購入を考える場合は、よく調べたうえでご自身に合う原油ETFを見つけ、余剰資金で投資に取り組むようにしましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。