NYダウ連動投資信託・ETFのメリット・デメリットは?具体的なファンドや注意点も

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投資信託は様々な指標や指数と連動して運用されることの多い商品です。その中には、NYダウに連動する値動きをする商品も少なくありません。代表的な指数の1つであるNYダウは、アメリカの株式市場の株価を示すものです。ダウ・ジョーンズ社が発表しており、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している代表的な30銘柄から算出されています。

また、NYダウに連動した投資信託とETF(上場投資信託)は、両者とも個別株式への投資と比べ、分散投資によるリスク軽減の期待ができる投資方法です。しかし、それぞれファンドごとの具体的な違いがわからないという声も少なからず聞かれます。

今回は、NYダウに連動している投資信託とETFの特徴や、メリット・デメリットを解説していきます。金融商品を選ぶ際の参考にしてください。

目次

  1. NYダウとは?
    1-1.NYダウで取り扱う銘柄
  2. 投資信託とETFの特徴や注意点
    2-1.NYダウに連動した投資信託の特徴
    2-2.NYダウに連動した投資信託の注意点
    2-3.NYダウに連動したETFの特徴
    2-4.NYダウに連動したETFの注意点
  3. NYダウに連動した投資信託・ETFの銘柄3選
    3-1.iFree NYダウ・インデックス
    3-2.たわらノーロード NYダウ
    3-3.NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信
  4. まとめ

1.NYダウとは?

NYダウは「ダウ平均」とも呼ばれています。正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」で、米国経済を象徴的に表した指数です。

アメリカには主な株価指数として、NYダウの他に「S&P500」と「ナスダック総合指数」があります。それぞれの違いについて、特徴を以下に記しました。銘柄数の違いだけでなく、対象とする市場の違いなども把握しておきましょう。

  • NYダウ……米国企業30銘柄
  • S&P500……米国企業500銘柄
  • ナスダック総合指数……NASDAQ市場に上場している全銘柄

他の指数と比較した場合、NYダウが対象としている銘柄は多くはありません。しかし、厳選された30銘柄から指数を算出しており、時価総額や今後の成長性などの観点から市場に対して有効性のある指数として評価されています。

ちなみに、指標としては上記のものが採用されやすいものの、他には、ナスダックに上場している金融銘柄以外の100社の株価指数を表すナスダック100や、オプション取引のインプライド・ボラティリティを示すS&P500VIXなどもあります。

1-1.NYダウで取り扱う銘柄

NYダウに選ばれる30銘柄の特徴は以下の通りです。

  • 時価総額が大きい
  • 世界的な大企業である
  • 多くの投資家から注目されている

NYダウでは、条件を満たした30銘柄のみが取り扱われています。取り扱われている銘柄は「アップル」「コカ・コーラ」「マクドナルド」など、アメリカ国内に留まらない、世界的な大企業が名を連ねています。

NYダウに選ばれる業種は、工業に限りません。銘柄は時代や業績の変化などに合わせて、幅広い業種から選ばれ不定期に入れ替えられています。そのため、どの銘柄が含まれているのかはタイミングによって異なる点には注意が必要です。

2.投資信託とETFの特徴や注意点

NYダウと連動した投資信託とETFの大きな違いは、株式市場に上場しているか否かです。投資信託は非上場であり、市場に上場している投資信託はETFと呼ばれます。

主な共通点は、保有期間に信託報酬と呼ばれる費用が掛かる部分です。他の点については、それぞれ違う特徴があります。両者の特徴と注意点やリスクについては、以下の項目で解説します。

2-1.NYダウに連動した投資信託の特徴

投資信託とは、ファンドを組成して多数の投資家から資金を集め、専門家が分散して投資・運用する仕組みの金融商品です。得た利益は投資家に分配されます。

NYダウに連動した投資信託を購入する際のメリットは以下の通りです。

  • 世界的企業へ、少額で投資可能
  • 様々な証券会社・金融機関(銀行・郵便局)で購入可能
  • リスク分散が期待できる

NYダウには、アメリカのみならず世界的な企業が組み入れられています。世界的企業30銘柄に分散投資ができるため、個別株式への投資に比べてリスク軽減が期待できます。また自動積み立て購入の設定を行っていれば、投資のタイミングを計る必要がありません。

投資信託は証券会社によっては100円から購入できます。多くの資金を必要としないため、投資に対する心理的・金銭的なハードルは低いといえます。

2-2.NYダウに連動した投資信託の注意点

NYダウに連動した投資信託には、注意点やリスクが存在します。気に留めておきたい点について見ていきましょう。

  • 組み入れ銘柄の動きで動向が大きく左右される

同じアメリカの指数であるS&P500やナスダック指数と比較すると、NYダウが取り扱う銘柄は30銘柄と少ないといえます。そのため、1つ1つの銘柄の動きが指数の価格に大きな影響を与える傾向にある点には注意が必要です。

例えば時価総額トップクラスのアップルの株価が暴落した場合、指数自体に対しても大きな下げ圧力が生じます。損失のリスクを把握するためにも、常に組み入れ銘柄の情報を集める意識が大切だといえます。

2-3.NYダウに連動したETFの特徴

ETF(上場投資信託)は「Exchange Traded Fund」の略で、NYダウなどの指数に連動する投資信託の一種です。金融商品取引所に上場しているため、証券会社に口座開設することで購入できます。特徴については以下になります。

  • 市場の動きを見ながら購入できる
  • 値動きが分かりやすい
  • 信用取引ができる
  • 少額で分散投資できる
  • 費用が安価

ETFの場合は、市場が開いている間は値動きを見て購入を検討できるため、自由なタイミングで売買をしたい人に向いています。また、信用取引も可能です。

また保有期間中にかかる費用として信託報酬が必要となるものの、投資信託よりも比較的安価です。信託報酬が安価であれば、長期保有をする際も低コストとなります。加えて、購入する金融機関によっては数%程度が発生する購入手数料についてもETFに分がある場合も多く、SBI証券などのネット証券であれば、対面証券よりも非常に安い手数料で購入することも可能です。

2-4.NYダウに連動したETFの注意点

NYダウに連動したETFの注意点やリスクは以下の通りです。

  • 銀行や郵便局などの取り扱い無し
  • 自動積立はできない
  • 価格乖離リスクがある

ETFは証券会社でのみ購入可能です。銀行や郵便局での購入を検討している場合は注意しましょう。またETFは市場の価格を見ながら各自購入していくため、自動積立ができません。ただし、るいとう(株式累積投資)の対象銘柄になっていれば自動積立が可能です。

ETFには、投資信託の「基準価額」と上場株式の「市場価格」のふたつの価格が存在しています。そのため、値動きが大きい場合はNYダウと連動する目標からかけ離れてしまうリスクがある点に注意が必要です。

3.NYダウに連動した投資信託・ETFの銘柄3選

NYダウに連動した投資信託やETFの具体的な銘柄について、3本ほどサンプルを解説します。それぞれの特徴や、購入できる証券会社などをまとめました。

※2020年9月10日時点の情報です(信託報酬はすべて税込・年率表記)。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

3-1.iFree NYダウ・インデックス

区分 投資信託
信託報酬 0.2475%
純資産総額 184.10 億円
基準価額 16,661 円
委託会社 大和アセットマネジメント
為替ヘッジ なし
NISAの取り扱い あり
主な取扱金融機関 SBI証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
auカブコム証券
GMOクリック証券
など

iFree NYダウ・インデックスは「NYダウ・インデックス・マザーファンド」を通じて、米国株式に投資します。

投資成果をダウ・ジョーンズ工業株価平均(円ベース、為替ヘッジなし)の動きに連動させることを目指します。なお、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは、原則として行いません。

iFree NYダウ・インデックスは多くの証券会社や銀行で販売されており、NISAでも取り扱いがあります。

3-2.たわらノーロード NYダウ

区分 投資信託
信託報酬 0.2475%
純資産総額 33.90 億円
基準価額 13,394 円
委託会社 アセットマネジメントOne
為替ヘッジ なし
NISAの取り扱い あり
主な取扱金融機関 SBI証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
auカブコム証券
岡三オンライン
など

投資信託であるたわらノーロード NYダウは、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース)に連動した投資成果を目指して運用されます。実質的にアメリカの株式に投資できる投資信託です。なお、為替ヘッジはありません。

NYダウへの連動性を高めるため、上場投資信託証券に投資を行う場合や有価証券先物取引等を活用する場合があります。

3-3.NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信

区分 ETF
信託報酬 0.45%
純資産総額 147.3億円
基準価額 28,322円
運用会社 野村アセットマネジメント
為替ヘッジ なし
NISAの取り扱い なし
主な取扱金融機関 各証券会社

日本円に換算したNYダウに連動する投資成果を目指します。 NYダウで採用されている、もしくは採用が決定された銘柄の株式を主要投資対象とするETFです。株価指数先物取引の買建て(信用買い)、および外国為替予約取引を利用することができます。

まとめ

NYダウに連動した投資信託・ETFには、少額からアメリカの企業に分散投資できる共通点があります。しかし、ファンドによってそれぞれに違いがあるため、購入の前に銘柄や信託報酬などを比較してみてください。

NYダウは30銘柄と組み入れ銘柄数は少なく、不定期に入れ替えられています。そのため短期的な値動きの把握には銘柄ごとの動きに注目する必要があります。しかし、投資信託やETFは中長期的に投資をしていく金融商品です。情報収集は欠かさないようにしつつ、長い目で見ていきましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。