景気下落局面で買っておきたい投資信託・ETFは?急落後の対応も解説

「これから投資を始めたい。でもいつ始めれば良いかわからない」「コロナショックのように相場が急落しているのを見ると怖くて始められない」「今は危ないから景気が回復するまで待ってから始めた方がよいかもしれない」

など、今から投資を始めようとする方のなかで色々悩みはあるかもしれませんが、「どうしたら資産を増やせるか」と悩むよりも、「景気が悪くなって資産が減ってしまったらどうしよう」と悩む方のほうが多いのではないでしょうか。

今回はそのような方のために、長期投資をしていればいつかは訪れる景気の下落局面への対策についてお話したいと思います。

目次

  1. 景気サイクルについて
  2. 景気サイクルに合わせた対策
    2-1.相場が上昇している時に備える
    2-2.相場の急落時には逃げる
    2-3.相場の急落後に買う
  3. まとめ

1.景気サイクルについて

投資を行う上で知っておかなければならないことは“景気サイクル”です。経済学の教科書にも載っているように、景気サイクルは好況→後退→不況→回復の4つの局面が順番に繰り返し現れるとされています。ずっと右肩上がりが続くというわけではありません。したがって投資をする上でも、今どの局面にいるのかという大局観を把握しておくことが大切です。

時代によって刻々と変化しますが、景気は4-5年程度で1サイクルします。そして2サイクルか3サイクル毎に大きなショックが訪れています。

株価や投資信託の価格もこの動きに影響を受けるわけですが、いくら良い銘柄でも不況時に大きく値上がりすることは稀ですし、悪い銘柄を買ってしまったとしても好況時であれば、他の銘柄に引っ張られて値上がりする可能性が高く、銘柄選定よりも景気の局面判断の方がより重要であるといえます。

しかし、投資のプロと言われる人達でさえも、景気サイクルの局面を当て続けるのは難しいことから、様々な手法で備えをしておくことが大切です。

2.景気サイクルに合わせた対策

それぞれの局面に合った商品はあるのですが、資産を増やすという観点に立つのであれば、好況・回復時にどのような銘柄であろうと株式を保有しておくということが基本となります。しかし、ずっと景気が好調で資産が増え続けることはないので、いつか訪れる景気下落局面への備えをしておくことが大事です。

以下で株を保有しているなかで有効ないくつかのヘッジパターンと推奨商品をご紹介したいと思います。

2-1.相場が上昇している時に備える

相場の上昇局面では株などの手持ち資産の含み益が期待できますが、将来の後退局面に備えて購入しておくと良い資産について下記します。

金ETF

淡々と積み立て方式で残高を増やしておきたい代表的な資産が金です。金は金利が付かないことがデメリットで、キャピタルゲイン狙いの投資となることから、保有割合を過度に増やす必要はありません。一方で世界情勢の変化に強く、株安や紛争、テロなどが起きると安全資産として金を買う人が増えるため、有効なヘッジ資産となります。

また、世界中の政策金利が低下している昨今の状況では一概に金利がつかないことがデメリットとも言えなくなってきました。ETFであれば少額から購入可能で、信託報酬も安いことから、ポートフォリオに組み入れておきたい商品です。

債券

景気サイクルの後半において、景気がどこかで悪化した際の保険として株から一部債券にシフトしておきたいところです。通常景気上昇局面では金利は上昇傾向(債券価格は低下傾向)にあることから、安く買うチャンスになります。

できれば投資信託やETFでなく直接国債や社債を購入する方が良いでしょう。投資信託やETFと違い、債券の最大の魅力は定期的に金利収入が得られるところに加え、満期時に現地通貨建てで元本保証されることです。

しかし、円建ての債券でしっかりした利回りがついている商品は殆どないため、利回りを求めるなら、海外企業と違ってレバレッジ比率が相対的に低く倒産リスクも低そうな日本企業の米ドル建てやEUR建ての社債がお勧めです。

満期時に外貨で償還金を受け取ることになりますので、円から外貨へ分散投資するという気持ちで、急に解約する必要のない余剰資金での投資であればリスクは低くすることが可能です。為替が円安になったタイミングで円転すれば為替差益のメリットも得られるかもしれません。

プットオプション

プットオプションとは決められた期日に決められた価格で売る権利のことです。権利を売買するだけなのでコストが安く済みます。相場が上昇して特に売る材料がないときほど、現在の価格より低い価格で売ることができるオプションは安くなりますので、そういうタイミングを見計らって購入すると良いでしょう。

ただし、そのまま相場が上昇してしまった場合、購入したオプションは紙屑になってしまいますので、これだけで資産全額をカバーしようとするのではなく、あくまでも資産の一部をヘッジするつもりで十分です。

2-2.相場の急落時には逃げる

まず何か市況に異変を感じたのであれば、資産の何割かは即座にキャッシュに避難するのが一番無難です。嵐が過ぎ去った後に投資再開のタイミングを伺いましょう。

ベア型ETFと言われる、指数と逆の動きをするタイプのETFを購入して逃げることは理論的には可能ですが、相場の下落は急に訪れてスピードと値幅を伴うことから、相場が下落を始めてから購入してもタイミングとしては遅過ぎるということがよくあり、相当上級者でないと上手く逃げるのは難しいでしょう。

2-3.相場の急落後に買う

相場が下落している最中に、急反発を夢見て我慢できずに買ってしまうことを“落ちるナイフを掴む”と言われ、損失が出てしまう悪い取引例として有名です。

特に最近は金融緩和によるカネ余りの状態が長く続いていたことから、景気の実態よりも株価が高く位置しているため、調整の下落幅が広がっています。相場下落時における機械的な売りが出尽くすまでじっと待ち、急落“後”に買い始めることがより重要になってきています。

では急落後に何を買ったら良いかというと、景気の下落局面からの反発を見越して買うのであれば株の投資信託やETFが良いでしょう。景気悪化の原因と景気悪化前後の世の中の仕組みの変化により買うべき業種が変わってきますが、下記のカテゴリー分けを参考にしてみて下さい。

  1. 外需株…海外との貿易や海外市況に左右されやすい。リスクもリターンも大きい。
  2. 内需株…国内での売上がメインであり為替相場の影響も受けにくい。
  3. 内需株かつ外国株…特に米国や中国のように巨大な内需を持つ米企業や中国企業は基盤が固いといえるが、外国株は為替リスクを考慮する必要がある。
  4. 景気敏感株…素材産業・機械・運輸など景気の影響を受けやすい銘柄。
  5. ディフェンシブ株…食品・医薬品・電力・ガス・鉄道など生活必需品で景気が悪いからと言って需要がなくならない銘柄。

一つの例として、今回のコロナショック後の世界をイメージしてみましょう。短期的にはワクチン関連企業が買われるというのは簡単に想像できるでしょう。そこから更に一歩踏み込んでみると、話題となっている「テレワーク」「在宅勤務」というキーワードも浮かんできます。

コロナ騒動が落ち着いたあと、働き方が大きく変わると予想するのであれば、そういった関連銘柄を調べておくと面白いかもしれません。

まとめ

景気のサイクルで考えると、不況から回復局面で株をバランスよく買い付け、好況時に株を積み増しながら金などのヘッジを入れていき、後退局面で株を一部キャッシュに避難させながら債券やオプションなどのヘッジを入れて不況に備えるという投資行動が理想的です。

結局、急落時に何か慌てて対応をするのではなく、上昇時、つまり自分の資産が増えて余裕がある時にいかに準備ができているかということが大事なのです。これを念頭に、じっくり考えながら投資を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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