株式の購入や投資信託の保有などによってポイントがたまるサービスが人気を集めています。たまったポイントは買い物や投資商品の買付に利用できる一方、ポイントが付与される条件や還元率などはサービスによって異なるため、事前の確認が必要です。
そこでこの記事では、投資でポイントがたまるサービスについて、ポイント付与の条件や還元率、注意点をご紹介します。ポイント投資に関心のある方、効率的にポイントをためたい方は参考にしてみてください。
※本記事は2022年10月24日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
目次
- 投資でポイントがたまるサービスとは
- 投資でポイントがたまる各サービスを徹底比較
2-1.三菱UFJ銀行の投信つみたて
2-2.SBI証券
2-3.楽天証券
2-4.auカブコム証券
2-5.SMBC日興証券
2-6.松井証券 - 投資でポイントをためる際の注意点
- 投資でポイントがたまるサービスを始める手順
- まとめ
1 投資でポイントがたまるサービスとは
株式を購入する際に支払う手数料や投資信託の保有金額などに応じてポイントが付与されるサービスは、ネット証券を中心に様々な証券会社で導入されています。
付与されるポイント数や種類はサービスを取り扱っている証券会社によって異なり、TポイントやPontaポイント、dポイントなどの買い物や他サービスでも利用できる共通ポイントのほか、独自のポイントを付与する証券会社もあります。
たまったポイントは買い物での決済や商品などへの交換ができるほか、株式や投資信託の買付代金などにも利用できるので、資産運用をより効率的に行えます。なお、ポイントを使って金融商品を購入することは「ポイント投資」と呼ばれ、人気があります。
また、ポイント投資と似たサービスとしてポイント運用サービスがあります。ポイント運用サービスはためたポイントをポイントのまま運用できるサービスです。そのため、運用で利益が出た場合もポイントで受け取ることになります。
ポイント運用サービスは証券会社での口座開設などが不要となることも多く、手軽に利用できるサービスですが、ポイント投資とは基本的に異なる仕組みとなっているため、留意しておきましょう。
2 投資でポイントがたまるサービスを比較
各証券各社で提供されているポイントサービスについて、ポイント獲得の条件や還元率などを確認してみましょう。
2-1 三菱UFJ銀行の投信つみたて
サービス名 | 投信つみたて(継続購入プラン) |
対応ポイント | Pontaポイント |
ポイントの利用方法 | Pontaポイントは買い物やポイント交換などの幅広いサービスで利用可能 |
三菱UFJ銀行の投信つみたてでは、取引内容に応じて毎月Pontaポイントがたまる仕組みになっています。スーパー普通預金(メインバンクプラス)の利用等一定の条件を満たすと、毎月の積立と運用商品の残高に応じてポイントがたまります。その他の条件や留意事項については、三菱UFJ銀行のウェブサイトでご確認ください。
2-2 SBI証券
サービス名 | SBI証券ポイントサービス | |
対応ポイント | Tポイント、Pontaポイント、dポイント、Vポイント | |
ポイント付与対象の主な取引と還元率 | 国内株式 | 月間の取引手数料合計(税抜)に対して1.1% |
投資信託保有 | 投資信託の月間平均保有金額に応じて0.02~0.25% | |
投資信託購入 | 投信積立の買付金額を三井住友カードで決済することにより最大2.0%のVポイント付与 | |
ポイント投資 | 1ポイント1円として投資信託の買付に利用可能(TポイントとPontaポイントのみ) | |
ポイントの利用方法 | 対応している3種類のポイントはいずれも共通ポイントサービスのため、買い物やポイント交換などの幅広いサービスで利用可能 |
ネット証券大手のSBI証券では、共通ポイントのTポイント、Pontaポイント、dポイントから好きなポイントを選択してためることができます。ポイント還元率も高く、株式の売買手数料や投資信託の保有残高に対して還元されるため、ポイントをためやすいのが特徴です。
また投信積立では、三井住友カードで買付金額を決済することによって最大2%のVポイント(三井住友カードのポイントサービス)をためることも可能です。加えて2022年4月以降は東急カードでも同様のサービスが開始される予定です。
このように、SBI証券でためられるポイントは全てメジャーな共通ポイントのため、ポイント投資に限らず様々な用途で使えるのが特徴です。
2-3 楽天証券
サービス名 | ポイントプログラム | |
対応ポイント | 楽天ポイント | |
ポイント付与対象の主な取引と還元率 | 国内外株式 | 月間の取引手数料合計に対して1.0% |
投資信託保有 | 投資信託の月間の平均保有金額に応じて0.003~0.01% | |
投資信託購入 | 投信積立を楽天カードで決済することによって買付金額に対して1.0% | |
ポイント投資 | 1ポイント1円として投資信託の買付・積立、国内株式の買付、米国株式の買付などに利用可能 | |
ポイントの利用方法 | 楽天ポイントは買い物やポイント交換などの幅広いサービスでも利用可能 |
楽天証券では、国内・外国株式の取引手数料や投資信託の保有残高などに応じて楽天ポイントがたまります。ポイント還元率はSBI証券よりもやや低めですが、ためたポイントを投資信託の買付や積立、国内株式や外国株式などの様々な取引代金に充当できるのが特徴です。
なお、投資信託の保有残高に応じてポイントが還元されるサービスは、楽天銀行との口座連携サービス「マネーブリッジ」に申し込み後、ハッピープログラムへのエントリーが必要になります。
ハッピープログラムでは他にも様々な特典が用意されているため、楽天証券を利用する場合は忘れずにエントリーすることが大切です。
2-4 auカブコム証券
サービス名 | 資産形成プログラム | |
対応ポイント | Pontaポイント | |
ポイント付与対象の主な取引と還元率 | 投資信託保有 | 投資信託の月間平均保有金額に応じて0.005~0.24% |
ポイント投資 | 1ポイント1円として投資信託およびプチ株の買付に利用可能 | |
ポイントの利用方法 | Pontaポイントは買い物やポイント交換などの幅広いサービスで利用可能 |
auカブコム証券では、資産形成プログラムを利用してPontaポイントをためられるのが特徴で、投資信託の月間平均保有金額に対して0.005~0.24%の割合でポイントが付与されます。
また、Pontaポイントを利用するポイント投資も可能で、投資信託の買付や1株から購入できるプチ株の購入代金として1ポイント1円で使えます。
ポイントをためられる対象取引は、投資信託の保有のみとなっていますが、ポイント投資で購入できる1,400本以上の投資信託は全て購入時手数料無料などのメリットがあります。
2-5 SMBC日興証券
サービス名 | ポイントサービス、日興フロッギー | |
対応ポイント | dポイント | |
ポイント付与対象の主な取引と還元率 | 国内株式 | 月間の取引手数料合計に対して0.5~2.5% |
投資信託買付 | 「投信つみたてプラン」での毎月の積立金額に応じて1万円未満3ポイント、1万円以上は1万円ごとに3ポイント(上限300ポイント) | |
ポイント投資 | 1ポイント1円として日興フロッギーを経由した金額・株数指定取引の「キンカブ」で国内株式の買付に利用可能 | |
ポイントの利用方法 | dポイントは買い物やポイント交換などの幅広いサービスで利用可能 |
SMBC日興証券のポイントサービスではdポイントがたまります。国内株式の取引手数料に対する還元率は0.5~2.5%となっていますが、最大2.5%還元となるためには、預かり資産残高または信用取引建玉金額が5千万円以上が必要と、高めのハードルです。
一方、投資積立の買付でdポイントを獲得できるため、毎月少額で積立する方でも手軽にポイントをためることができます。獲得したdポイントは日興フロッギーというサービスを経由した「キンカブ」で、1ポイント1円として国内株式の買付に利用することも可能です。
2-6 松井証券
サービス名 | ポイントサービス | |
対応ポイント | 松井証券ポイント | |
ポイント付与対象の主な取引と還元率(年率) | 投資信託保有 | 月間平均保有金額×(販売会社が受け取る信託報酬率−0.3%)×ポイント増量分110%の割合 |
ポイント投資 | 1ポイント1円として指定3銘柄の投資信託買付に利用可能 | |
ポイントの利用方法 | dポイントやAmazonギフト券、商品などと交換可能 |
松井証券では、松井証券ポイントという独自のポイントサービスを実施しています。投資信託の保有でポイントを獲得することができ、獲得したポイントは1ポイント1円として投資信託の買付に利用可能です。
松井証券のポイント還元率はやや計算しにくいものの、松井証券で取り扱っている純資産総額上位30銘柄の還元率は0.05~0.55%の水準となっており、他社と比べても高いのが特徴です。
ただし、ポイント投資で購入できる投資信託は3銘柄に限られるため、留意しておきましょう。
3 投資でポイントをためる際の注意点
投資商品には元本割れするなど損失が発生する可能性もあるため、リスクに関する事前確認が大切です。例えば、株取引では業績や財務状況の悪化によって大きく株価が下がるリスクがあり、最悪、倒産などによって換金できなくなる場合もあります。
また、取引手数料などのコストが発生する場合もあります。例えば、投資信託の場合、平均保有額などに応じてポイントを獲得できますが、運用期間中は信託報酬などの手数料がかかるため、利益を圧迫する(基準価額に上昇圧力がかかる)こともあります。
4 投資でポイントがたまるサービスを始める手順
投資でポイントをためるためには、まず証券会社での口座開設手続きが必要です。口座開設の基本的な流れとして、各証券会社の口座開設ページから申し込み手続きを行った後、本人確認書類やマイナンバー等を提出し、審査結果を待ちます。
証券会社の審査が完了すると、証券総合取引口座開設完了のお知らせが登録先のメールアドレスや住所に届くため、メールもしくは書面に記載されたUログインIDとパスワードを使用してログインすれば、口座開設手続きは完了です。
次に、ポイントサービスの利用申し込みを行います。各証券会社によって異なりますが、事前登録やポイントプログラムへの参加・設定等が必要になる場合があるので、手続きを済ませておきます。
なお、ポイント付与の対象取引は、上記の通り各証券会社で異なるほか、付与されたポイントに有効期限が設定されていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
投資でポイントがたまるサービスを利用すると、株の購入や投資信託の保有などによってポイントを効率的にためられます。条件や還元率は各証券会社で異なりますが、キャンペーンを利用するとポイントがさらにたまりやすくなるサービスも実施されているので、ポイント投資やポイ活をよく行っている方ほどメリットも大きくなります。
一方、ポイント投資では、元本割れ等の損失リスクや手数料等にも注意が必要なので、事前に確認した上でご利用を検討してみてください。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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